昨晩、2泊3日の秋田・山形出張から帰ってきた。移動距離が長くハードな出張だった。
ただ、東北へ行くといつも気分が高揚する。
日本酒とは関係なく、私は昔からずっと東北が好きだった。学生時代から何度も東北へ旅をした。
北へ北へと向かいたがるのは何なのか。祖先を辿っていけば北方民族だったのか。郷愁すら抱くほどに東北が好きだった。
東北は美しい。自然の色が、形が、西日本のそれとは違う。
西日本が男性的だとすれば、女性的。(ああ、今はこういう表現も良くないのかもしれないが)
1日目は移動と飲食店取材。
伊丹で営業のE本さんとカメラマンさんと合流して秋田へ飛び、そこから車で飲食店へ。
秋田の飲み屋街にあるような、普通の店のように思えたが、話を聞いてみれば店主は京都の有名な老舗料亭と共にアメリカで料理に関する講師をしたこともあるような人だった。
話が面白く、私は笑いっぱなし。途中でじーっと私のことを見るので何かと思ったら、「あんた、めんこいな」と言われた。
「あ、めんこいってわかるか?」と店主。
「かわいいってことですよね」と私。自分で言って恥ずかしくなる。
このように、私は時々、みょーにオジサンのアンテナにひっかかる。やたらとオジサンにもてることがある。
「自家製ゆべし」をいただき、無事に取材も終えた。
この後、近くのラーメン屋で遅いお昼ご飯を食べた。(14時だったのでそこしか開いてなかった)
鶏ガラ醤油系のわりとこってりしたスープ。チャーシューでなく、鶏をチャーシューのように味付けして煮たものが乗っていた。
ラーメンがきらいなわけではないけれど、美味しいのは3分の1くらいで、だいたいそれくらいまでくると「まだこの味がずっと続くのか・・・」とげんなりする。飽きる。
とりあえずお腹を満たしたら、この日はこれで業務は終わりでフリータイムだったが、E本さんが大潟村の酒米農家さんを訪ねると言うので、ヒマだしついていった。
国の農業政策や減反政策に翻弄された村だ。
どこまでも続く干拓地の景色は圧巻だが、この土地が抱える歴史と犠牲になった人々のことを思うと、悲しい風景にも見えた。
酒米農家さんと珈琲を飲みながら少しだけお話して帰ってきた。(E本さんの営業であって、取材ではない)
ホテルにチェックインしたら、宴会スタート。
翌朝が6時半集合だったので「今日はさくっと終わらせましょう」と言っていたのに、結局3軒ハシゴ。
2軒目に秋田の酒がずらりと並ぶ専門店へ行き、3人で飲み比べセットを注文。全部で10種類きき酒できた。
ホテルの部屋に戻ったら、23時をまわっていたのでびっくりした。
結局5時間以上飲んでいた・・・
でも、秋田のお酒はおいしい。楽しい時間だった。
翌朝は6時半集合だったけど、ホテルの朝食が6時半~なので、10分だけ時間をもらって大急ぎでかき込んだ。
朝ごはんを食べないという選択肢は自分にはない。
この日は鳥海山(ちょうかいさん)がよく見える場所にある酒蔵へ。
晴れていたのですでに雪をかぶった鳥海山が凛とした姿を見せてくれた。
見とれていたら写真を撮るのを忘れてしまった。
ここでまた4時間みっちり取材。
優しくて気さくな社長さんで、取材もやりやすかった。
終わったら「お昼ごはんを一緒にどうですか?」と、近くのラーメン屋へ連れていってもらった。
2日連続ラーメンを食べるなんて、人生初!!
そこは「生姜ラーメン」のお店だった。
鶏ガラの透明なスープ。縮れ麺。
これだけだとちょっと物足りないかな、というくらいの優しい塩味だが、上にたっぷり生姜のすりおろしがのっている。さらにレモンの輪切りまで!
社長が「生姜を混ぜて、レモンもぎゅっと箸で押してエキスを出すのがおすすめ」と言うのでやってみた。
おいしい~!!
生姜が大好きだからということもあるだろうけど、めちゃくちゃ美味しく感じた。レモンの酸味もさっぱりしていい。
生まれて初めて、ラーメンの途中で飽きなかった。むしろ「もう終わり?」という感じ。
他のメンバーもみんな気に入ったようで、「おいしい」を連発していたから、案内した社長も満足そうだった。
好みは分かれると思うが、私はこのラーメンならいつでも食べたいなと思った。
これをどうにかして家で再現できないかと考え中。全く同じは無理でも似たようなものはできると思う。
社長と別れ、この日は山形の米沢へ。車での移動時間が4時間近く。
さすがにぐったりしていたので、「今日はさくっと夜ご飯食べて早寝しましょう」と言っていたのだが、結局集まって酒を飲みだせばまた時間を忘れ・・・
この日は1軒だけだったが、また4時間ほど飲んだ。山形のお酒もまた美味しいのだ。
ホテルに戻ったら22時を過ぎていた。(どこがさくっとやねん)
カメラマンさんなんて、この後一人で夜の街に消えていった。(カフェでスイーツを食べていたらしいが)
翌朝はゆっくりめの朝食だったが、このホテルの朝食がひどくて、ビュッフェ形式なのだがおかずがほとんどない。
カレーがあったので、仕方なくカレーを2杯(小皿で)食べた。
この日は結構な山奥にある酒蔵を取材。
東北は今が紅葉シーズンのようで、山々の赤や黄色が美しく、移動中も見とれていた。
酒蔵があるのはこんな場所。(蔵の屋上から撮影)
また4時間ほど取材して、ようやく今回の業務は終了!
山形空港は本数が少なくちょうどいい飛行機がとれなかったということで、仙台空港へ移動。これがまた3時間近く。
空港で解散。
仙台空港でもまだ時間を持て余したので、ビールを飲みながら本を読んでいた。
久しぶりの「一人」と「活字」が心地よかった。
酒蔵取材で遠方へ出張に行くと、とにかく朝起きてから夜寝るまでずーーーーっと取材メンバーと一緒にいる。
朝も早いし、移動や取材はもちろん同じ空間で過ごし、昼ご飯も夜ご飯も一緒。遅くまで酒を飲むから、本当に1人になれるのはホテルに戻ってからだけ。それもシャワーして寝るだけなので、とにかく3日間ずっと他人と過ごしている感覚がある。
取材だけでもかなり疲弊するのに、ずっと他人といるので、自分で思っているより神経を使い続けているようだ。
「一人」でしゃべらなくていいこと。気を遣わなくていいこと。本を読めること。活字に触れられることが楽しくて仕方がなかった。
フライト中もモノレールも阪急電車もずっと読み続け、帰宅するまでに1冊読み終えた。
角田光代さんの「私のなかの彼女」。
移動用に古本屋で文庫本をよく買うのだが(軽いほうがいいので)、これもその1冊。
角田さんの本は何を読んでも面白いけど、ちょっといやーな感じも残る。決して「陽」ではなく「陰」なのだけど、そのザラザラした感じに引き込まれてしまう。読後感は読んでいる途中ほど悪くはない。ただ「読んでよかった!」と思うような爽快感からは遠いけど。
こうしてようやく家に辿り着いたのが20時半。
さすがに疲れた。
これで取材済み原稿が9本たまってしまった・・・どこから手をつけていいのやら。
ただ、東北へ行くといつも気分が高揚する。
日本酒とは関係なく、私は昔からずっと東北が好きだった。学生時代から何度も東北へ旅をした。
北へ北へと向かいたがるのは何なのか。祖先を辿っていけば北方民族だったのか。郷愁すら抱くほどに東北が好きだった。
東北は美しい。自然の色が、形が、西日本のそれとは違う。
西日本が男性的だとすれば、女性的。(ああ、今はこういう表現も良くないのかもしれないが)
1日目は移動と飲食店取材。
伊丹で営業のE本さんとカメラマンさんと合流して秋田へ飛び、そこから車で飲食店へ。
秋田の飲み屋街にあるような、普通の店のように思えたが、話を聞いてみれば店主は京都の有名な老舗料亭と共にアメリカで料理に関する講師をしたこともあるような人だった。
話が面白く、私は笑いっぱなし。途中でじーっと私のことを見るので何かと思ったら、「あんた、めんこいな」と言われた。
「あ、めんこいってわかるか?」と店主。
「かわいいってことですよね」と私。自分で言って恥ずかしくなる。
このように、私は時々、みょーにオジサンのアンテナにひっかかる。やたらとオジサンにもてることがある。
「自家製ゆべし」をいただき、無事に取材も終えた。
この後、近くのラーメン屋で遅いお昼ご飯を食べた。(14時だったのでそこしか開いてなかった)
鶏ガラ醤油系のわりとこってりしたスープ。チャーシューでなく、鶏をチャーシューのように味付けして煮たものが乗っていた。
ラーメンがきらいなわけではないけれど、美味しいのは3分の1くらいで、だいたいそれくらいまでくると「まだこの味がずっと続くのか・・・」とげんなりする。飽きる。
とりあえずお腹を満たしたら、この日はこれで業務は終わりでフリータイムだったが、E本さんが大潟村の酒米農家さんを訪ねると言うので、ヒマだしついていった。
国の農業政策や減反政策に翻弄された村だ。
どこまでも続く干拓地の景色は圧巻だが、この土地が抱える歴史と犠牲になった人々のことを思うと、悲しい風景にも見えた。
酒米農家さんと珈琲を飲みながら少しだけお話して帰ってきた。(E本さんの営業であって、取材ではない)
ホテルにチェックインしたら、宴会スタート。
翌朝が6時半集合だったので「今日はさくっと終わらせましょう」と言っていたのに、結局3軒ハシゴ。
2軒目に秋田の酒がずらりと並ぶ専門店へ行き、3人で飲み比べセットを注文。全部で10種類きき酒できた。
ホテルの部屋に戻ったら、23時をまわっていたのでびっくりした。
結局5時間以上飲んでいた・・・
でも、秋田のお酒はおいしい。楽しい時間だった。
翌朝は6時半集合だったけど、ホテルの朝食が6時半~なので、10分だけ時間をもらって大急ぎでかき込んだ。
朝ごはんを食べないという選択肢は自分にはない。
この日は鳥海山(ちょうかいさん)がよく見える場所にある酒蔵へ。
晴れていたのですでに雪をかぶった鳥海山が凛とした姿を見せてくれた。
見とれていたら写真を撮るのを忘れてしまった。
ここでまた4時間みっちり取材。
優しくて気さくな社長さんで、取材もやりやすかった。
終わったら「お昼ごはんを一緒にどうですか?」と、近くのラーメン屋へ連れていってもらった。
2日連続ラーメンを食べるなんて、人生初!!
そこは「生姜ラーメン」のお店だった。
鶏ガラの透明なスープ。縮れ麺。
これだけだとちょっと物足りないかな、というくらいの優しい塩味だが、上にたっぷり生姜のすりおろしがのっている。さらにレモンの輪切りまで!
社長が「生姜を混ぜて、レモンもぎゅっと箸で押してエキスを出すのがおすすめ」と言うのでやってみた。
おいしい~!!
生姜が大好きだからということもあるだろうけど、めちゃくちゃ美味しく感じた。レモンの酸味もさっぱりしていい。
生まれて初めて、ラーメンの途中で飽きなかった。むしろ「もう終わり?」という感じ。
他のメンバーもみんな気に入ったようで、「おいしい」を連発していたから、案内した社長も満足そうだった。
好みは分かれると思うが、私はこのラーメンならいつでも食べたいなと思った。
これをどうにかして家で再現できないかと考え中。全く同じは無理でも似たようなものはできると思う。
社長と別れ、この日は山形の米沢へ。車での移動時間が4時間近く。
さすがにぐったりしていたので、「今日はさくっと夜ご飯食べて早寝しましょう」と言っていたのだが、結局集まって酒を飲みだせばまた時間を忘れ・・・
この日は1軒だけだったが、また4時間ほど飲んだ。山形のお酒もまた美味しいのだ。
ホテルに戻ったら22時を過ぎていた。(どこがさくっとやねん)
カメラマンさんなんて、この後一人で夜の街に消えていった。(カフェでスイーツを食べていたらしいが)
翌朝はゆっくりめの朝食だったが、このホテルの朝食がひどくて、ビュッフェ形式なのだがおかずがほとんどない。
カレーがあったので、仕方なくカレーを2杯(小皿で)食べた。
この日は結構な山奥にある酒蔵を取材。
東北は今が紅葉シーズンのようで、山々の赤や黄色が美しく、移動中も見とれていた。
酒蔵があるのはこんな場所。(蔵の屋上から撮影)
また4時間ほど取材して、ようやく今回の業務は終了!
山形空港は本数が少なくちょうどいい飛行機がとれなかったということで、仙台空港へ移動。これがまた3時間近く。
空港で解散。
仙台空港でもまだ時間を持て余したので、ビールを飲みながら本を読んでいた。
久しぶりの「一人」と「活字」が心地よかった。
酒蔵取材で遠方へ出張に行くと、とにかく朝起きてから夜寝るまでずーーーーっと取材メンバーと一緒にいる。
朝も早いし、移動や取材はもちろん同じ空間で過ごし、昼ご飯も夜ご飯も一緒。遅くまで酒を飲むから、本当に1人になれるのはホテルに戻ってからだけ。それもシャワーして寝るだけなので、とにかく3日間ずっと他人と過ごしている感覚がある。
取材だけでもかなり疲弊するのに、ずっと他人といるので、自分で思っているより神経を使い続けているようだ。
「一人」でしゃべらなくていいこと。気を遣わなくていいこと。本を読めること。活字に触れられることが楽しくて仕方がなかった。
フライト中もモノレールも阪急電車もずっと読み続け、帰宅するまでに1冊読み終えた。
角田光代さんの「私のなかの彼女」。
移動用に古本屋で文庫本をよく買うのだが(軽いほうがいいので)、これもその1冊。
角田さんの本は何を読んでも面白いけど、ちょっといやーな感じも残る。決して「陽」ではなく「陰」なのだけど、そのザラザラした感じに引き込まれてしまう。読後感は読んでいる途中ほど悪くはない。ただ「読んでよかった!」と思うような爽快感からは遠いけど。
こうしてようやく家に辿り着いたのが20時半。
さすがに疲れた。
これで取材済み原稿が9本たまってしまった・・・どこから手をつけていいのやら。