月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

やや逃避

2014-05-28 | 生活
ごきげんよう。
また少し間があいてしまった。
先週後半からとにかくバタバタで。

秋田出張から帰り、両親との食事会を終え、日本酒イベントで52種類をきき酒し(2口ずつくらいよ)、翌日は取材2本立て。
それも1本がちょっと難しい取材で・・・。
某大手企業の内部のシステムの話なので、原稿にやや不安が・・・。
しかし、その原稿に手をつける間もなく、秋田酒蔵の原稿の締め切りが迫っている。

明日の午前中まで。
今まだ1文字も書いていない。

もう半分、逃避に入っている。
昨日は珍しく体調を崩して寝たり起きたりだったのだが、それももしかしたらこの原稿のプレッシャーからくるのではないかと。
(いや、ただの飲みすぎという話もある)

締め切りを延ばしてもらうことは可能なのだが、それも自分の事情でできない。
この原稿が終わったら、今度は明日中に先述した難しい記事をアップしなければならないからだ。
その締め切りももしかしたら延ばしてもらえるかもしれないのだが、それもできない。
なぜなら明後日は明後日で、その日夕方までの原稿があるのだ。
ということで、後ろがつっかえていて、全く延ばすことができないので、とにかく1つ1つを間に合わせていかなければいけない。
こんなブログなど書いている場合じゃない。

でも、月曜日に43回目の誕生日を迎えた。
朝から晩まで、たくさんの人にお祝いのメールやメッセージ、プレゼントをいただいた。
昼間は取材と取材の合間に、あんこちゃんとランチとお茶をしてすごく素敵な時間を過ごせたし、夜は夜で夫が早く帰って来てくれて、夜ゴハンを一緒に食べることもできた。
毎年誕生日が来ると、感謝の気持ちでいっぱいになる。もっと頑張ろうと思える。

秋田出張や誕生日の話はもう少し詳しく書きたいのだけど、それはまた原稿が落ち着いてから・・・。
とにかく原稿や~
今日の原稿が間に合わなければ、後の2つも全部コケていくことになる。
気合入れて頑張ろう!

それでは、ごきげんよう、さようなら。





アラフォー女子会

2014-05-20 | 生活
私は昔から、人と1対1で真っ向に対峙し、深く付き合うことしかできなかった。
当然、深く付き合える人ばかりではないので、必然的に友達は少なくなる。
深く付き合えない人となんとなく一緒につるむような時間はもったいなかったし、大勢でわいわい騒ぐのも苦手だった。
さすがにこの年齢になれば、繋がった友達がたまっていき、今では逆に「友達多いね」と言われるようになった。

ただ、これも年齢を重ねたせいか、角が取れて丸くなったからか、あまり物事にこだわらなくなったからか、昔はあれほど嫌っていた「なんとなくつるんで騒ぐ」ということもできるようになったから不思議だ。

40代の女性4名の女子会。年に2回くらいは集まっている。職業は皆ライター。私以外は独身。
私はその中の誰とも1対1では会わないし、腹を割って話し合える友達というわけでもない。
ただ4人で集まって、飲み食いしながら、あれこれおしゃべりする。
全く嫌なことなどなく、むしろ毎回楽しく過ごす。
そういうことを普通にできている自分を不思議な感じて眺めてはいるけれど。

昨日はそのうちの1人のマンションに集まった。
セレブな彼女は1人で親に買ってもらったという広いマンションに犬と暮らしている。
ドラマに出てきそうなスタイリッシュなオフィス兼リビング。
手料理をいろいろとふるまってくれたが、どれも美味しかった。
かなりの腕前なのだが、「私はかおりさんみたいにたくさん作ってもてなせないから、皆さん1品ずつ持ってきてくれる?」と言うような謙虚さも持ち合わせていて。
そういうスマートなコミュニケーションも学ぶべきところだ。

自分では絶対に買わない高いプロシュートと赤ワイン(こちらはお手頃価格)を手土産に訪れると、ワンちゃんが熱烈にお出迎え。
興奮して駆け回りながら飛びついてきて、顔中を舐めまくる。
犬嫌いの人になら失神してしまいそうな、熱い熱い歓迎。
私は動物好きなので、ふれあいが嬉しくてたまらない。いいなぁ、犬のいる生活。淋しくないね。

このメンバーで一緒にいると、つくづく皆、個性的だなぁと思う。
そしてやっぱり女性一人でバリバリ仕事をやって生きているので(1人は実家暮らしだが)、ある程度の意志の強さというか、頑固さというか、そういう一筋縄ではいかないようなものも持っていて。

帰る帰るといいながら話が長引き、結局4時半に集まったのに11時半までお邪魔していた。7時間とは恐ろしい。
いつも本当はもう少し仕事の話などを聞きたいのだが、あまりそういう話にはならない。
一番年上の女性が8割くらいはしゃべっていて、あとの3人は聞き役という感じ。
最初はその感じも慣れなかったが、今はもう平気。楽しく時間が過ぎていく。

ライティングに関しては、皆、自分の専門分野を持っている。
それがうまい具合にかぶっていない。
こういう横のつながりは本当に大切で、あと13年は書いて生活をしたいと思っている自分にとって、良い刺激になる。

パワフルな女性3人と過ごし、私もパワー充電!!
さあ、木・金と秋田だ。
商業誌ではさんざん特集を組まれて紹介されてきた旬の蔵だが、見ておれよ。
他の誰にも書けない、私にしか書けないものを書いてやる。
「さすが業界誌は違う」と思わせるものを。

金曜日はフリーなので、1人で別の蔵見学を予約した。それもまたワクワクする。

旅の中の忘れられない味

2014-05-19 | 
ゴールデンウィークの話を1つも書いていなかったので、ちょっと思い出して記しておこう。

5月1日~2日は、夫と二人で1泊2日で兵庫県の「湯の原オートキャンプ場」へ。
キャンプ場といっても、泊まったのは冷暖房完備、トイレ・シャワー室付きのきれいなコテージだ。
http://yunohara.net/

それに、敷地内には温泉もある。
自然の中でのんびりして、バーベキューして、温泉浸かって、ゆっくり過ごそうと向かった。
高槻でレンタカーを借り、食材やお酒などを積み込んで走る。

近くの酒蔵「香住鶴」に寄って、酒蔵見学&試飲(私だけ)もさせてもらった。
香住の漁港では美味しいキスとサバの干物も手に入れた。

私たちの借りたコテージはこんな感じ。


この前の庭でバーベキューができる。
山の中で、ほとんど人もいなくて、静かな夕暮れだった。
持って行ったプレモルのクリーミーサーバーできれいな泡のビールを注げば、なんだかプレモルのCMのよう。


夫が横で炭をおこしている間、日が沈む気配を感じながら、プレモルを楽しむ私。
贅沢だなぁ・・・。

炭がいい感じになったので、早速バーベキュー開始。
ワインも開けて、いい気分。
それから、先ほど調達した干物と日本酒も。


さんざん食べて飲んで楽しんだ後も、「今晩は語り明かそうぜ!」なんて言ってコテージに入った。
椅子に座った。
その次の瞬間、夫が「もう寝る」と言って、ベッドに向かうのが見えた。
「え?なんで?もう飲まないの?語らないの?」と夫の背中に問いかけたが、夫は無視してベッドへ。
私もなんだか体が重くて仕方がなく、のろのろとベッドに入った。

夜中、またうなされる。
一時期、うなされて「ぎゃー!」っと叫ぶことが減っていたのに、最近は進化形で言葉をはっきり発するようになった。
それも叫びに近い、大声で。
こんな素敵なコテージにいて、あんな楽しい時間を過ごしたというのに、「ごめんなさい!」と大声で叫んでまた夫をびびらせた。

翌朝、夫に謝りつつも、なぜバーベキューが終わったらすぐに寝たのかを問いただしてまたびっくり。
「かおり、覚えてないの?コテージに入って座ったらすぐ寝たやん・・・」

え?そうなの?
私の中ではコテージに入って椅子に座るところまでの記憶しかなく、その次の瞬間はもう夫がベッドに入るところだったのだ。
その間、寝ていたっちゅうことね・・・。全く記憶がないのが怖い。
勝手に寝るわ、うなされて人の睡眠を妨げるわ、・・・ろくなことしてないな、私。

気を取り直して、庭で朝ゴハンを食べようと外に出たら、なんとゴミが庭じゅうに散乱!!
そういえば、生ゴミや燃えるゴミを入れたゴミ袋を外に置いたままにしてしまっていた。
どうやら獣か鳥が夜中に荒らしたらしい。

「ゴミ袋を外に出しっぱなしにするとか、キャンプの初心者もええとこやなー」と二人で反省。
いろいろと学びを得た。
もちろん二人で1つ1つゴミを拾ってきれいにしたが。

そんなこんなでハプニングもあったけれど、温泉も気持ちよかったし、楽しい一夜だった。
また秋に来たいねーと、二人で話しながらキャンプ場を後にした。

その日は近くの阿瀬渓谷へ。
天気もよくて、新緑が美しくて、本当に気持ちがよかった。
空気を思い切り吸い込んで、木々に挨拶しながら進んで行く。

出会いの滝。


山を下りて、近くまで行ってみた。
水が澄んでいて、涼しい。マイナスイオンが体中に注がれる。




夫はもう少し山を登ろうと言ってきたのだが、山に入る最初のところで「クマ注意」の看板を見た私は、なんだか恐ろしくて先に進めなかった。
「クマ注意」くらいよくあるかもしれないが、この日は何か嫌な予感がしたのだ。
私達以外に1人も人がいないことも怖かった。
こういう時、想像力が豊かだと大変だ。1回変な想像をしてしまうと、もうそこから絶対に抜け出せなくなるのだ。

「あかん、あかん。なんか嫌な予感がする」と私が怖い口調で言うので、びびりの夫は「そんなん言うのやめろやー」と急に怖がり出して、もうそれ以上、無理に山を進もうとはしなかった。
短い散策だったけれど、十分堪能したのでいいか。

そして、そして、この日のお昼ごはんが最高だった!!
私の「美味しいものアンテナ」は健在だ。
いろいろ調べていて、「ここ!」とピンときたのが「三椒庵」。
http://www.sanshouan.com/



川沿いに建つ庵。
5組限定で、1組ずつ囲炉裏があって、そこで焼き物ができる。
十割蕎麦の評判もいい。

私はとにかく川魚が好きなので、絶対に「やまめの塩焼き」を食べたいと思っていた。
最初はまあ、ロケーションの良い店で、やまめさえ食べれれば満足・・・と思っていたのだが、お店のご主人がとても感じよく、おすすめを教えてくれる。
なんだろ・・・ものすごい「歓迎」なのだ。
大げさな言葉などはないけれど、笑顔や言葉から「こんな山奥のお店を見つけて寄ってくれてありがとうございます!美味しいものを精一杯提供しますので、お楽しみください!」というような気持ちがひしひしと伝わってくるのだ。
もう注文しているときからなんだか気持ちが良くて。

ご主人に勧められるままに、若鶏松葉肉、原木しいたけ、やまめ、蕎麦を注文する。
夫には申し訳ないが、どうしてもビールを飲みたくて、1人で生ビールも注文。
基本的に車で移動の時は、私も夫に合わせて飲まないのだけど、あまりに気分がいいから飲まずにはいられなかった。

炭を囲炉裏に入れてくれて食材を焼き始める。
焼き方のポイントも丁寧に教えてくれた。


先に焼き上がった鶏肉を口にして飛び上がった。

う・・・うまいっ!!

なんじゃ、これ。なんじゃ、なんじゃ。
ヤバイ、もう泣けてきた。

夫と二人で「うまい、うまい」と言いながらむさぼり食う。
こんなうまい鶏肉は初めてだ。

そして、次に原木しいたけ。
分厚く香りの良いしいたけに、醤油をほんのひと垂らし。

ぴゃー!!
これまたうまい。うますぎる!!

数年前まで「俺、しいたけ嫌いやねん」と言っていた夫が、泣きそうに「うまい、うまい」を連発している。

そして、やまめ。これも当然うまい。
やや塩がきつすぎるのが残念だったが、ジューシーでほわほわの身で、味わいも濃厚。
普段は絶対しないのに、夫に頭を下げた。
「ごめん・・・日本酒頼んでもいい?」

夫は顔を引きつらせながらも、「いいよ」と了承。
ごめん、ほんまにごめん。
でも、このうまいやまめを日本酒と合わせたら・・・という欲望には打ち勝てなかった。たとえ、これで夫との仲が冷めようとも!!

そんな固い決意により、こうなった。


私は川魚は頭も骨も尾も完璧にすべてを食すので、最後は串だけが残った。
あまりに満足しすぎてて、蕎麦の存在を忘れるほどだったが、蕎麦が運ばれてきた。



なぜか塩が添えられている。
お店の人が、「最初は塩で召し上がってください」というのだ。
蕎麦の味をしっかり確かめられるらしい。
次に、山葵だけで食べる。
その後は、薬味を好みで使いながら、普通につゆに浸けて食べてほしいと。

こういうややこしいこと言う店、大好き!
もうワクワクが止まらなくなる。
お酒も入ってふわふわした頭で、にやける顔を抑えながら、言われた通りに食べてみる。

塩、いい!
蕎麦粉の甘味や香ばしい感じがいいバランスで伝わってくる。
最後はつゆまで飲み干して、昼ごはん終了。

久しぶりに「幸せ度MAX」を経験した。

美味しいものはよく食べているほうだと思うのだが、こういう素朴な料理の極上に出会えると、たまらなく感動する。
そう。「美味しい」は当たり前。「感動」がほしいのだ。感動すると、「また行きたい店」になる。
できれば年に2回くらいは来たいと思った。

余談だが、4月末にかどやとびりけんに行ったときのローストビーフと生ベーコンも神がかっていたなぁ。


15年近く通った店だし、何十回と食べているはずのローストビーフなのに、あまりのうまさに感動した。
肉自体をあまり食べない、好まない私なのに、この日はよく食べた。
写真の皿はかどやと二人で分けて食べるのだが、これを2回おかわりしてしまった!
また、びりけん特製の醤油麹をつけると、これが最高にうまい。
あの日は本当に神がかっていた。今でも時々思い出して、口の中がヨダレでいっぱいになる(笑)

「三椒庵」も本当にいいお店だったなぁ。
偶然見つけたとは言え、忘れられないお店になった。
極上の素材。それを最高に生かせる方法で調理する。そんな料理が一番好きだ。

1泊2日の短い旅だったけれど、とても楽しかった。
若鶏松葉肉がまだ忘れられない。

あふれる。

2014-05-13 | 仕事
日本酒の雑誌、2号目の制作が進行中。
今回は4蔵分の記事を任せてもらえることになった。
うち、3蔵は既に冬の造りの間に取材を終えている。
残り1蔵は、誰もが名を知る大手酒造メーカー。
クライアントの社長の考えで、毎号必ず大手メーカーを1蔵は入れるようにと決まったのだ。
田舎の小さな家族経営の蔵とは全く違う。どう取材するか、何を書くか。どちらかといえば、いつもやっている「企業取材」のように考えたほうがいいのかもしれない。

大手は初めて掲載なので、私でなくもう1人のライターさんが担当するのだろうなと思っていたから、私に依頼が来て、びっくりしたけどとても嬉しかった。
単に家が近いという物理的な理由らしいが、それでもその物理的な問題を超えてでも彼女が担当すると思っていたので、本当にありがたい。
取材もこれまでとは全く異なり、社長はもちろん、各部署の担当者や研究開発に携わる人まで出て来るという。

ふーっ(武者震い)

それからもう1つ、来週取材が入った。
先に書いていた「既に冬の造りの間に取材を終えた」蔵なのだが、もう一度取材させてもらえることになったのだ。
秋田の蔵だし、多忙な社長だし、無理だろうなとは思いながらも、クライアントに再取材をお願いしてみたのだ。
なぜか?
この蔵はもともと注目蔵で、私が取材を終えた後だけでも2、3冊、雑誌で特集が組まれるほど。
同じようなことを書いていいなら書けるけれど、こちらは業界誌。一般商業誌と同じような記事は書きたくない。
それに、11月に取材をしたので、他の雑誌よりもネタまで古い。
「どうしても妥協したくないから、交通費は自費でもいいから、秋田までもう一度行かせてくれ」と、担当者に頼み込んだ。

クライアントはすぐにOKしてくれて、蔵に連絡をとってくれた。
蔵も多忙な中、ピンポイントで「この日なら」と時間を融通してくれた。

こういうとき、同じところを目指す仲間と仕事ができていることを心から感謝する。
「多少、他の雑誌とかぶるのは仕方がないので、今ある情報で書いてください」と却下されてもおかしくないのに、「より良いものを創りたい」という情熱が同じだから、「いいですよ!」とすぐに言ってくれる。本当にありがたい。

来週、また秋田へ飛ぶ。たった2時間の取材のために、1泊2日で。
飛行機代も宿泊代も何万円も使わせてしまう。
申し訳ないと思うと同時に、自分でものすごく高くハードルを上げてしまったことにも気づいて、今更ながらびびった。
今ある情報で書くことだってできたはず。だけど、再取材をして経費を使って、いろんな人の手を煩わせて書くのだから、普通のものを仕上げたのでは満足されないだろう。クライアントも、蔵の社長も。
期待通り、でもいけない。
期待を超えて、初めて「経費かけても行ってもらってよかった」「2回も取材受けたけどよかった」と思ってもらえるのだと思う。

ひーっ

だけど、何の根拠もないけれど、書ける自信がある。
いや、「書きたい」と思っている。
この「どうしても書きたい」という思いこそが、エネルギーの源。久しぶりに満ち溢れてくるのを感じている。

ものづくりの面白さ、醍醐味は、やっぱりこれだ。
まだ現実には何もないのに、ぼんやりと、もやーっとした中に、光が見えている。
私はその光の中に、格別な喜びがあることを知っている。それを自分がカタチにした時の、なんともいえない恍惚とした感覚も。
そこに近づきたくて、どうしても味わいたくて、一心不乱に進んでいく。
こういう時は不思議と不安がない。微塵もない。熱に冒されたみたいに、とり憑かれたように、光を追い求める。

あの光を言葉に変換するんだ。
そう思うだけで気分が高揚して、脳からドーパミンが大量放出される。
もう何も怖くない。自分のことをしっかりと心から信頼できる。
あんたはちゃんとモノを見られるし、聞けるし、感じ取れる。そして、それを言葉にできる、と。
だって、こんなにも書きたいのだから。

それから、もう1つ、私を奮い立たせてくれるものがある。
仲間の信頼だ。
私なら大丈夫、いいものを創ってくれると信じて、周りに交渉してこの機会を作ってくれた人たち。
その想いに応えないと!!
自分が持っている以上の力を出せるのは、いつも周囲の人の想いだから。

今月はもう他に仕事を入れないでおく。
今抱えている別案件2本は取材も始まってしまったから仕方ないとして、残りの仕事時間はすべて日本酒雑誌に捧げよう。
ちょっと時間をかけすぎな気もするが、これに関しては労働生産性は無視することにしている。
自分が本当に満足いくまで、ありったけの時間をかける。

自己満足

2014-05-12 | 想い
私の場合、取材相手というのは、一期一会というか、一度だけ会ってそれで終わりというケースが非常に多い。
「だから」適当に接することも可能。
「だけど」まるで長い付き合いになる人のように接することも可能。

自分はいつもできる限り後者でありたいと思っている。
それはこちらの一方通行で終わることもあるし、たまに同じような思いを持っている方に出くわして、一度きりでもとても気持ちの良い関係が築けることもある。

先週取材した人はそういう人で、後でやりとりするちょっとしたメールもとても素敵だった。
長い人生の中で一瞬すれ違うだけの人でも、やっぱり気持ちがよいほうがいい。ほんの少しでもほっこりあたたかい気持ちになるほうがいい。
次の仕事に繋がるわけでもないし、報酬に反映されるわけでもないけれど、いつもできるだけ丁寧に、誠実に、ちょっとおせっかいなくらいに、相手に接するようにしている。
まあ、自己満足だな。

タクシーの運転手さんと一緒。
私は電車を乗り過ごしたり、仕事で移動したりと、わりとよくタクシーを使う。
昔からいつも思っていた。
タクシーの中は誰も見ているわけじゃないし、よほど悪い対応をしないかぎりは訴えられることもない。
飲食店のようにこちらが選ぶわけにもいかないので、どんな対応をしようが自分の売上にはほとんど反映されない。
「だから」適当に接することも可能。
愛想悪く、一言も口をきかず、言われた場所に連れて行って、お金をもらえばそれでいい。
「だけど」まるで長い付き合いになる人のように接することも可能。
ニコニコして、気持ちよくて、「忘れ物はありませんか?」と声をかけてくれて、ちょっと面白い話もしてくれて、丁寧で礼儀正しくて、降りた後になんだかほっこりするような、そんな対応をしてくれる人もいるのだ。

前者と後者で報酬に変わりはないかもしれない。
じゃあ、どうして後者の人はそうするんだろうって、いつも考えていた。

結局、自分が気持ちがいいからなんだと思う。
人の喜びは自分の喜び。
お客さんが「ありがとう」って言ってくれる。それを聞く楽しみ。人の役に立っているという誇り。
そういうものをもてるかどうか、それだけの違いなんだろうなぁ。

私の仕事もその時限りの出会いが多いけど、気持ちの良い対応をしたい。
自己満足でいいのだけど、相手もそう思ってくれていると、呼応したときの喜びはまた格別。
今日、改めてそんなことを考えていた。

今日は雨。
でも、朝はまだ晴れていて、庭のツルバラがとてもきれいだった。


こんなに満開だったモッコウバラはもう枯れた。


八重のハナミズキも。


これからまだどんどんいろんな花が咲く。
手入れを怠っているので、今週末は絶対に刈り込みをしなければ。

少々キツいことがあっても、落ち込むことがあっても、自信をなくすことがあっても、春はいい。
家の外に出て、庭を見て、駅まで歩いているだけで、幸せな気持ちが戻ってくるから。