月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

3クールを終えてのCT検査。中間発表?

2019-11-28 | 癌について
治療3クールを終えてのCT検査の結果が出た。

簡単に言えば「ほぼ変化なし」。
部分的に「わずかに減少」が見られたが、本当にそれは「わずか」なので、「減少」というより「現状維持」というのが合っているだろう。

3クールで「奇跡的に消滅しています!」みたいなことがあればと、もちろん望んでいたわけだが、現実的には難しいこともわかっていたので、全くショックはなかった。
むしろ、「手が付けられないほど進行しています」「全身に転移しています」というような絶望的な診断でなかったことにホッとした。
まあ、元気なので悪くなっているとは思っていなかったが、それでも主治医の口から「変化なし」の言葉を聞き、CT画像を見て、体から力が抜けた。

私が3クールまでしか抗がん剤をやりたくないと最初に言っていたので、主治医は今後の治療方針を口にするのをためらっていた。
なので、私が自分で「続けます」と言うと、「それがいいと思いますよ」と安堵したように言った。
私の心境の変化を不思議がっているようだったので、「副作用がほぼなかったから」という話をすると、かなり驚いていた。
退院して2日くらいは少ししんどかったけど、それでも少しだけで寝込むこともなかったというと、「それはかなり珍しいケースですよ!」と。
水素や高濃度ビタミンCで軽減できているのかも・・・という話もしたが、特にそれを嫌がる風もなく「何か効いているんでしょうね」と同意してくれた。

主治医はいい人だと思う。
若いということもあるかもしれないが、偉そうにしないし、話もちゃんと目を見て聞いてくれる。

今回、現状維持という結果で、TC療法(抗がん剤の種類)を続けられることにホッとしているようだった。
TCが効かないと、別の薬を使用することになるが、主治医いわく「それはちょっときついから、やらせたくない」と。
効けば何でもいいからやれ、という人ではないのだ。
ただ、このTCが効かなくなったら、その「医者がやらせたくないほどきつい薬」という選択肢しか待っていないのだと思うと、ぞっとした。

何がなんでも、あと3クールでガンを消滅させるのだ。
もしくは消滅しなくても、ずっと「現状維持」であればいい。
だって今も、体の中にガン細胞を抱えたままで、健康な時と何ら変わらない生活ができているのだから。
共存したまま生きていってもいいのだ。

「ガン細胞は、私たちを攻撃するものではありません。弱くて、不安定で、混乱している細胞なのです」

これはサイモントン療法のCDの中で流れる言葉だが、私はこの言葉を聞くたびに涙が出そうになる。
私の中にある、弱くて、不安定で、混乱している細胞のことを想って。
少しも憎んだり、怖がったりすることはなくなって、ただただ申し訳なく思う。
私のストレスをすべてこの細胞たちが背負ったのだ。
早く、正常な状態を取り戻して、このかわいそうな細胞たちを、あるべき姿に戻してあげたい。

あと3クールのうちに、2019年は終わり、新しい年がやってくる。
春までに、ガンからのメッセージを読み解き、第二の人生を始めたい。

とりあえず、来週5日から早速入院し、未知の領域「4クール目」がスタートする。
でも、不思議と不安はない。
前回、副作用を克服したということが大きいのだろう。

明日はセカンドドクターのところへ行き、高濃度ビタミンC点滴と瞑想。
入院までに取材も2件入っているし、今抱えている原稿も3本終わらせてから入院しないといけないので、急にバタバタしてきた。
もう慌ただしい生活は嫌なんだけど、入院前は仕方がない。

明後日は、5ヶ月半ぶりの酒蔵取材!!
日帰りで行けるところで、体調も良い時期なので、行かせてもらえることになった。
「楽しい、やっぱり続けたい」と思うだろうか?
「もうやり切った。これで最後でもいい」と心が決まるだろうか?
自分の気持ちがどんなふうに動くのか、他人事みたいだけど、それもまた楽しみだ。


週末はハシゴ酒と紅葉

2019-11-25 | 生活
土曜は久しぶりに夫と二人で飲みに行った。
まず、JR福島駅周辺の「河春」さんへ。
魚料理が美味しいお店と聞いていたが、とにかく刺身の旨さがとんでもない。
フレッシュな旨さというより、熟成させている?
真相は定かではないが、噛めば噛むほど魚の甘み・旨味が後から続いて酒に合う。

甘鯛のパリパリ焼き


河豚のから揚げ


お値段はやや高めだが、満足いくコスパだった。
日本酒も少数精鋭でいいものを置いていた。

調子に乗って、「もう1軒行こう」とぶらぶらしていたら、新しいお店を発見。
聞けば2月にオープンしたという。
立ち飲みだが、日本酒のラインナップがすごいので、1杯だけ立ち寄ってみた。
「あたごのまつ」を注文し、アスパラのバター炒めと野菜のかき揚げを食べた。
ちょこっと1杯やるのにはいい感じで、さすが土曜の夜だけあって、次から次へと人が入って超満員だった。

さっと出て、あと1杯だけワインを飲もうと、タベルナ・ポルチーニ系列のバルへ。
白カビサラミ、燻製たまごのポテサラ、ゴルゴンゾーラのパンと赤ワイン。
結局のところ、赤ワインにはパンとチーズがあればいいという気持ちになる。

さあ、もう帰ろうと思ったが、昔よくこの辺りに飲みに来ていた時、重厚な扉が特徴的なバーがあったのを思い出し、最後にそこへ立ち寄った。
スコッチを1杯だけ。



やっぱりこうやって短い時間でいろんな店をハシゴするのが私は好きだ。
夫といろんな話もできてよかった。

こんな元気なのにガンだなんて、やっぱり信じられない。

翌日の日曜日は、また夫と少しだけ紅葉を見に行った。
車でさっと行ける近場がいいということで、大原野神社に決定。
勝持寺、正法寺、善峯寺などがある、この辺りの雰囲気が私は好きだ。
数年前、春に桜を見に行って以来だった。









ちょうど見頃で、燃えるような紅葉がきれいだった。
紅葉をわざわざ見に来るなんて何年ぶりだろうかと思った。
昔は春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉と、季節の移ろいを楽しんでいたのに、いつからか仕事や日々の雑多な出来事に追われて、せっかくの四季の美しさを愛でる余裕もなかった。
そうか、今年は酒蔵の取材がないから時間があるんだなと気づく。
この6年間、10月から12月は毎週のように全国を飛び回って、締切に追われていたのだった。

もう二度とあんな暮らしには戻りたくないなと思う。
「忙しい」「時間がない」「仕事が山積み」「休みがない」と、そんなことをよく口にする生活だった。
それはそれで充実していたし楽しかったけれど、もういいや。

帰りに偶然、小倉山荘カフェの横を通ったので、立ち寄ってあんみつを食べた。
甘いものはできるだけ控えているけど、たまに食べると美味しい!
黒蜜最高!!



自分用におかきもいっぱい買った。毎日少しずつ食べよう。

帰宅するとさすがに疲労していて、2時間水素を吸入しながら横になった。
いつの間にか眠っていた。
起きて、夫とトマト鍋を作って食べた。

穏やかな週末だったなぁと思う。
今週、取材は2件。
のんびりと言葉に向き合う。それがとても心地よい。

慌ただしい1週間だった。

2019-11-22 | 生活
この1週間は人と会う予定が多く、慌ただしく過ごした。

16日(土)は、仲良しのデザイナーさんが店に立つということで、ディレクターのマキコちゃんと一緒にお店に行ってきた。
そのデザイナーMさんはとてもお料理上手で、第二の人生として自分の店を持つことを考えている。
昨年くらいから本気でそういう学校にも通い、今回、飲食店仲間の一人がやっているお店を週に1日だけ間借りして自分の料理を出すことになったのだ(完全予約制)。

カウンターメインのこじんまりとした店舗で、一人でやるにはちょうどよい感じ。
魅力的なおばんざいがいくつも並び、あれもこれもと食べたくなる。
マキコちゃんと相談しながらいろいろ注文したが、本当に何を食べても美味しい!











日本酒も、私が来るということで、2種類だけ置いてくれていた。



2週間ぶりのビールも旨かったし、何より久しぶりに二人に会えたことや、Mさんが夢に向かって一歩前進できたことが嬉しかった。
今は間借りだが、来春にはこの店をそのまま居抜きで借りれるかもしれないとのこと。
そうなれば、ちょっと遠いけど通いたい。


*   *   *

17日(日)は、夫と万博公園へ出かけた。



ロハスイベントをやっていたので、手作りのものを見たり、フードブースでいろいろ食べたりした。

国立民俗博物館の特別展が「驚異と怪異 想像界の生きものたち」というもので、人魚や河童、龍、そのほか、世界中のそういう不気味な生きものたちの展示をやっていた。
めちゃくちゃ興味があったので入ってみた。

さすが「みんぱく」。古今東西、いろんな展示物がこれでもかというほど多数集められていて楽しく見ていたのだが、途中でめまいがしてきた。
ダメだ。私はこういうものに敏感すぎる。
博物館内に得体のしれない「悪い気」が充満していて、それにやられてしまったのだ。
夫に「めまいがする。しんどい」と言うと、夫もやられていて、「俺も」と言う。
二人でソファに腰かけて休み、後半は通り抜けるようにして見て、足早にそこを去った。
外に出て「やばかったなぁ」と言い合う。きついわ、あれは・・・。

帰りにちょっとだけ串カツ屋へ。(ほろ酔いセット)
安い串カツだったが、こういうものを食べるのが久しぶりだったので、その旨さに驚いた。
「串カツとビール、最高やん!!」
はー・・・
なんということもないものが、こんなに美味しく感じるとは。


*   *   *

18日(月)は、かどやとようちんと3人で、京都の「とり粋」さんへ。
山椒鍋が食べられるお店だということで、ようちんが予約してくれた。
最初に唐揚げと焼き鳥が出て、いよいよ鍋へ。

初めての山椒鍋!


山椒の粉(スープで伸ばしたもの)が別についていて、好みで足すことができる。
三人とも山椒をどんどん自分の皿に追加して、思う存分楽しんだ。
みんな山椒が大好き。
舌は少しピリピリするが、「辛い」わけではないので、私もたくさん入れた。
美味しい、美味しいと、シメまでしっかり食べた。

これはいいなぁ。自分でもやってみたい。
ようちんとも久しぶりに会えてうれしかった。再発してから初めて。
いつも入院の前後でLINEをこまめに送ってくれる優しい人だ。(そして、おもろい)


*   *   *

19日は、もんちゃんが栃木から帰省してくれたので、中野と一緒にうちに来てもらった。
盆も正月も帰省しないのに、私のことを案じて来てくれた。それだけで十分だ・・・。

お花を持ってきてくれたのも嬉しかった。
優しいピンクの花束。バラのいい香りがした。



14時頃に来て、お茶を飲みながらしゃべった後、近くのスーパーへ買い出しに行き、塩ちゃんこ鍋をした。
昔はこのメンバーでよく鍋をしたことを思い出す。
そんな思い出話もしながら、美味しく楽しく食べた。

21時までいたけど、7時間があっという間!
気のおけない友との時間は、いつも優しく愛しいなぁ・・・。


*   *   *

20日は、朝から血液とCT検査で病院へ。
検査だけなので、すぐ終わった。
コメダでブランチをとりながら(朝は絶食じゃないといけなかった)、仕事。
そのまま午後から取材に行った。
相変わらず元気だ。


*   *   *

21日は、もんちゃんが帰る日だったので、その前に少しだけ二人で会った。
近所のカフェでランチして、パン屋やお寺などをめぐり、公園のベンチで座ってしゃべった。
私が再発した原因について思うことや、これからのことなども話した。
話すことで少し整理できたように思う。

名残惜しかったが、お別れの時間が来て、駅の改札で手を振った。
最近は涙もろくて、涙が出そうだったがこらえた。
「また会える」と思っているけれど、それが当たり前だった頃とはもう違う。
また会えるよう、私は恢復しなければ。

いろんな人のやさしさが、沁みる。

まだ夢を見ているような

2019-11-15 | 癌について
夫が「風邪をひく」という失態をおかした。
抗がん剤による骨髄抑制で免疫力がとんでもなく減少している私は、すぐにうつった。
とはいえ、夫の風邪自体は、高熱が出るようなものではなく、いわゆる「鼻風邪」だったので、私も特に熱を出したりしんどくなったりすることはなく、ただひたすら鼻水と闘っているだけで済んだことは幸いだった。

金曜は高濃度ビタミンC点滴を受けた。
点滴前にドクターと今回の抗がん剤の副作用について聞かれたとき、私が「入院中も瞑想をして、サイモントン療法の本にあったように抗がん剤を自分の味方につけるイメージをもった」という話をした。
そして、その効果かどうかはわからないが、副作用がほとんどなかったと言うと、ドクターはとても喜んでくれた。

その後、点滴を受けるために部屋を移動すると、看護師であり瞑想の先生であるNさんが私とドクターの話を聞いていて、「副作用なくてよかったですね」と私に囁いた。
ベッドに寝ながら、「はい。瞑想したのがよかったのかも」と言うと、「それを経験するようになっていた、という気がします」とNさん。「私もそう思うんです」と同意した。
そして、「副作用がなくて本当によかった。うれしい、うれしい」と、心からの言葉で喜んでくれたのを聞いて、なんだかうるっときてしまった。「よかったですね」というのではなく、「うれしい」と自分ごととして言ってくれたことが心にぐっときたのだ。

ベッドに横になり点滴を受けながら、このクリニックに出会えて本当に幸運だったなとしみじみ思った。
点滴がポタポタとリズムよく落ちるのをぼんやりと眺めながら、いろんなことを考えた。
風邪ひとつひかなくて、健康だけがとりえのような自分が、いつからかこうやってたびたび病院に通い、何度も採血と点滴を繰り返している。
失敗も含めて、右腕も左腕も、血管にはいくつも針の跡が残っている。
誰がこんな人生を想像しただろう。
不思議なものだなぁと、現実なのにまだ夢を見ているような気持ちになることもある。
痛くもつらくもない。悲しくもなかったが、時々涙がツーと流れた。
最近、こういう涙がよく出るようになった。

今回はビタミンCを50gまで上げたのと、なかなか落ちなかったのとで、終わるまでかなり時間がかかった。
午後から瞑想のレクチャーを受ける予定だったが、点滴で寝ている間も鼻水が出るので、とても瞑想など静かにできるような状態ではなく、やむなくキャンセル。
少し買い物をしてから帰宅した。

鼻水が出る以外は、とても元気だ。

日常が戻ってきた

2019-11-13 | 癌について
結局、4日目、5日目と副作用はほぼないままで、抗がん剤投与6日目を迎えた。
朝から元気で、特に変わりなし。

副作用が「ゼロ」かと言えば、それは嘘になる。
ただ、3年前も含めてピークだと思う副作用を「10」だとすれば、3クール目は「1」かせいぜい「2」というところ。
今日はもう「0.5」くらいだ。
これは「副作用はほぼない」と表現しても言い過ぎではないと思う。

昼頃、好きなパン屋さんまで歩いていこうと思い立ち、着替えて化粧もして出かけてみた。
結果的に、パン屋さんは定休日で買えなかったのだが、心地よい秋晴れで、ただ歩いているだけでも気持ちが良かった。
生きてることをしっかりと噛みしめながら歩いた。

スーパーで買い物をして帰宅したら、6300歩!!
6日目でこんなに歩けたことがなかったので驚いたが、抗がん剤を完全に自分の味方につけられたようでうれしかった。

嬉しいことはどんどん続く。
今日は、企業パンフレットなどの案件の見積もり依頼が2件あった。
年内納品なので、今年度の滑り込みの収入になりそうだ。
それからさっき、昨年度も手掛けた保育関係の冊子の依頼があった。
来月半ばから取材がスタート。10件ほどまわり、年明けまで続く。

仕事があることは、やはり嬉しい。力になる。
酒蔵取材がないので、これくらいなら量的にも負担がなく、のんびりと体をいたわりながらできそうなのでよかった。

今はただ、1日1日を大切に、これからの新しい人生のことを考えている。