月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

ようやく通常営業に戻ったか?

2020-10-30 | 仕事
いろいろな案件が動き出し、慌ただしい1週間だった。
そして、これから年末までぎっしりと詰まったスケジュールで動いていかなければならない。土日も少しずつ仕事で潰れてきた。
ただ、体のことを考えて、もう夜中まで原稿を書くような生活はしたくないので、できるだけ計画通りに、無駄なくスピーディーに片づけていきたい。

今週水曜日は珍しく夫からの依頼だった。
会社ではなく夫が個人で受けた案件で、某企業のHPのフルリニューアル。
リクルートページを際立たせたいということだったので、知識のある私が夫の相談に乗ったり企画を出したりしているうちに、ライティングも担当することになった。
いいカメラマンも紹介してほしいと言われ、何人か懇意にしているカメラマンのうち、撮影の内容を考えてFさんにお願いすることに。経験豊富で腕もセンスもいいし、プロ意識も高い人だ。

当日は、夫がディレクター、私がライター、Fさんがカメラマンとして現場に入った。
撮影中心のかなりハードな取材で、9時45分に集合し17時45分に終了。お昼休憩もまともになく、8時間弱みっちり動いた。
大変だったが、いい写真が撮れたし、私の担当したインタビューや座談会もいい雰囲気だった。
Fさんは本当によく頑張ってくれて、その無駄のない動きや技術に改めて感心させられた。推薦してよかったと心から思った。
夫は夫で、撮影アシスタントと進行管理と先方との窓口と私への指示出しを全部やってくれて、それもとてもスムーズ。やはり普段から超大手メーカーを相手にしているディレクターだけのことはある。
働く夫の姿を間近で見るのも滅多にない経験なのでよかった。

取材が終わると、いつもカメラマンは「終わった~!」という感じなのだが、私はこれからが本番。解放された気持ちには全くなれない。山のようなライティングが待っている。
もう1件、年内いっぱいかかりそうな案件も来週からスタート。これは20社くらいのインタビュー記事になりそうだ。
他にも来月中に、企業取材が1件、エステサロンのHPリニューアルの取材が1件、酒蔵取材が2件、飲食店取材が1件、すでに入っている・・・。
ようやく通常営業か!!

病気もコロナも関係ない、こんな日々がずっと続いてほしいものだ。

長いけれど充実した一日

2020-10-21 | 仕事
私自身の日常が少しずつ戻ってきたことを感じる。
今週は取材2本、来週は1本だけだが、案件としてのボリューム(金額も)はあるので問題なし。
これでようやく「週休2日で平日は普通に仕事をする」というところまできた。でもトータルで見たら10月も半月くらいしか仕事をしていない。(前半はほとんど仕事がなかった)
このままずっと今のペース(週休2日)で仕事ができれば一番いいなぁと思う。人間らしい文化的な生活ができるし、とりあえず個人事業主(フリーライター)として自立した生活もできるから。

月曜日の取材は兵庫県の酒蔵で、朝4時半に起きて5時半に家を出た。
少し肌寒い。
まだ薄暗く静かな町を駅まで足早に歩く。
このシーズンがやってきたなと感じ、高揚する。

大阪から福知山行きの快速に乗り、そこから2時間。
こんな朝早くにこの列車に乗る人などあまりいないだろうと思っていたら、意外に多い。
列車が走るにつれて、車窓の風景が変わっていく。山が増え、田畑が広がり出した。
どこで降りる人が多いのだろうかと観察していると、新三田と篠山口だ。終点の福知山もある程度いるのだろうが、私はその手前の丹波竹田で下車した。何もない田舎の駅。

クライアントのOさん(まだ2年目のフレッシュな女性だ)とカメラマンIさんが車で待っていてくれた。
2人とも岡山なので、同じく5時台に家を出て3時間近くかけてここまで来ていた。
普段ならもっと手前の駅で待ち合わせてピックアップしてもらうことが多いのだが、岡山と大阪で反対方向からの集合のため、現地集合となった。
車社会の人たちは車で迎えに行けないことを謝ってくるのだが、私は車に乗るのがそんなに好きではないし、電車の旅が大好きなので、全く問題なし。一人でコトコトと電車に揺られながら、いろんなことを考えたり本を読んだりするのが好きだ。おかげで行きも1冊読めたし。

酒蔵までは車でほんの数分。
蔵に入るとすでに米を蒸しており、湯気がもうもうと上がっている。
もう酒蔵取材は80社を超えているし、プライベートの訪問を合わせれば100社は行っている私。
ただ、今回はこの見慣れたはずの光景にじんわりした。懐かしさすら感じた。帰って来られたと思った。
酒蔵取材は3月以来。およそ7ヶ月ぶりだった。

9時から11時過ぎまで蔵内をまわって話を聞き、そこから昼食・休憩。
13時から15時前まで社長インタビュー。おしゃべり上手で勢いのある社長さんで、話が止まらない。しかし、15時から別件の予定が入っているとかで、15時前には終了。2時間では全く足りなかった。あと1時間はほしいところだ。
でも、材料がこれとなれば、これでやるしかない。すでに頭の中では構成ができていた。うん、あとは書き起こすだけ。

ずいぶん長い間、休息したおかげで、私の脳は若返った。瞑想のおかげもあるかな。
がんの再発まで脳が全然働かなくなっていたが、今は20代の頃みたいだ。取材しながら構成が勝手にできて、文章がどんどん生まれてくる。早くこれを書きだしたい、あとは書くだけなんだよ・・・、そんな感覚を最近はまた持てるようになったことが嬉しい。
パソコンのOSがバージョンアップしたみたいな感じ。

終了後はまっすぐ帰らず、人と会うことになっていた。
たまに私のブログに登場するT社長。10年ほど前からお仕事させてもらっていたが、いろいろあって今はお仕事の関係はないものの、年に1、2回は食事に誘ってくれる。
たまたまこの蔵の近くにT社長が住んでいて、これもたまたま土曜日に連絡があったので、「ここに行くんですよ」と言うと、「じゃあ、迎えに行くから食事でもしましょう」ということになった。

蔵の前まで迎えに来てくれて、そこからもう1軒、近くの酒蔵へ連れて行ってくれてお酒を買い、その後は少し丹波篠山の辺りをうろうろしてから予約してくれていた店へ行った。
地元の食材を使った美味しい和食のコース料理をいただいた。

丹波らしい、栗や黒枝豆を使った八寸。


T社長は車なので、私だけ、さっき取材したばかりの蔵のお酒を2合ほど。
本や経済やお酒の話などして、楽しい時間を過ごした。

11月以降、もしかしたらT社長のお仕事をまた手伝うことになるかもしれない。(私と折り合いの悪かった人が独立するので。実はそれが原因で仕事を辞めさせてもらったのだ)
そうなったら、以前のように関東への出張が増える。それは嬉しいことだ。
レギュラー案件が増えることも、経済的に安定するのでありがたい。
まあ、ここは流れに任せることにして様子を見よう。

22時頃帰宅。朝5時半に家を出たから、長い外出だった。
さすがにへとへとで、すぐに就寝。
仕事があるということに感謝。元気で動けることに感謝。いろいろな人との出会いや優しさに感謝。

「若さ」は財産

2020-10-16 | 
先週末、関東に住んでいる親友、あやととしくんが我が家に来てくれた。
「行っていい?」と聞かれた時、もう単純に嬉しくて飛び上がった。
2人ともこちらに実家があるが、コロナのことがあり、緊急事態宣言中のゴールデンウィークはもちろん帰省は自粛。
関東在住なので、お盆休みも自粛していて、今年に入ってから一度も会えていなかったのだ。
私もそうだが、9月以降、ようやく世間が動き出しているなと感じる。Gotoトラベルも始まり、県を越えての移動が許されるようになったというか、やっと会いたい人に会えるようになったと感じる。
本当に日本全国のみんなが我慢した数ヶ月だったなと思う。

もともとこの日はふみこと会う予定があったので、喜んで予定変更。ふみこもうちに来て、みんなで久しぶりに顔を合わせた。
私が新潟のカーブドッチワイナリーで買ってきた、醸造家・掛川氏のチャレンジワイン「どうぶつシリーズ」6本セットも3本開栓。


「おうむ」はスパイシーで軽い赤ワイン。「ペンギン」はグレープフルーツのような白ワイン。「いっかく」は最近流行りのオレンジワイン。どれも個性的で飲んでいて楽しかった。
自分は昔から酒飲みというだけでなく、きき酒師の資格を取るくらい「味を見分ける」という作業が好きなので(お酒を飲めるようになるまでは「きき紅茶」みたいなことをよくやっていた)、自分が経験したことのない味に出合うと嬉しくなる。すごく楽しい。それが好きな味でもそうでもなくても。
ワイン好きな人たちがちょうど来てくれてよかった。自分だけで飲むにはもったいなかったから。

あやが校閲者の資格を取得し、書籍校閲の仕事を始めて、その話を聞くのも楽しかった。
あまりに充実感を持って話すものだから、ライターより校閲者のほうが面白いんじゃないかと思ったほど。
50歳を前にしての挑戦。新しい世界での活躍。やっぱり彼女はただ者ではない。尊敬の念を送ると同時に、心から応援している。

夕方になって、ふみこの長女が来てくれた。22歳。私の姪っ子と同じ年だけど、正直、姪っ子よりも親しみがある。
生まれた時から見てきたのだ。今でもふみこの実家に赤ちゃんだったあの子を見に行ったことを思い出す。小さくてかわいくて、自分の親友はこんなかわいい子供を産むことができるんだ、すごいなぁと思った。
それからずっと大きくなっていく様子を見ていた。
二人姉妹で二人とも優秀で、高校ではひたすらダンスに打ち込み、二人とも世界大会でアメリカまで行った。
部活一色の3年間だったはずなのに、二人とも関西の有名私立大学に現役合格。
何か一つのことをやり遂げた人間は、その成功体験によって他のこともやり遂げられる人になる。そのことを実証した例だといつも思う。

彼女は、とても美人で、ダンスで鍛えたすらっとした体で、若さで輝いていた。眩しいほどに。
あの生まれたばかりの赤ちゃんだったあの子と、いつかお酒を飲めたらと思っていたが、ようやくそれが叶った。
日本酒が好きだと言って、私が勧める日本酒をたくさん飲んでくれた。
就職活動中で、その話もみんなで聞いて、アドバイスをした。
久しぶりに親友たちと集まれただけでなく、彼女が来てくれたおかげで、とても素敵な夜だった。
「若い」ということは、それだけで財産なんだなと思う。決して年を重ねたことを卑下して言っているのではなく、普段若い人と接することがないので、「若さ」というのはやはり素晴らしいと感じた。輝いていた。

自分も20代前半は、何も怖くなかった。
根拠のない自信というのでもない。自信なんていう言葉はそぐわない。
ただ、バカだったんだろう。何も怖くなかった。未来は自分に対して優しくて、開いていると思っていた。漠然と。
失敗しても取り返しがつくと思っていたし、失敗するということがどういうことなのか、そのイメージすら湧かなかった。
こえー!20代!
だから、一応、国立大学まで行ったのに就職活動も一度もしなかったし、「組織ムリ~」「同じ仕事、同じ職場ムリ~」「文章書きたい~」「ラッシュの電車、絶対いやー」というワガママだけで、フリーライターになった。
こわっ!
それが通用すると思っていたんだから。
もう今の私からしたら、あの頃の私なんて、変人というか、ぶっとんでいる。
でも、一番恐ろしいのは、通用してしまったという事実だな。本当にたまたま運よくここまで来たが(私はいつも人生の岐路で欲しいサイコロの目が出る)、路頭に迷っていてもまったくおかしくないことをやっているわけで。
若さゆえできたことだ。今なんかブルって絶対何もできない。保身、とにかく保身。そして、ニコニコと我慢して人とうまくやることだけ考えている。これが大人じゃけー!と思っている。

話がそれたが、とにかく楽しい時間だった。
家にたくさん人が来てくれるのも久しぶりだったし。やっぱりこうでないとね。
ただ、楽しい時間が過ぎるのはあっという間。全くしゃべり足りなかった。
次は私が関東へ行こう。
自分の好きな人たちが、幸せそうな顔で、一緒に美味しいものを食べたり飲んだりしてくれるのが、私は一番嬉しいんだ。

酒まみれの旅行を終えて、まともに働く日々

2020-10-08 | 生活
5・6日に1泊2日で、飲み友達と3人で新潟へ行ってきた。
綿密に計画された分刻みのスケジュールだったが、とりあえず計画通りに行動し、2日間を満喫した。
時にはハプニングもあったが、特別困ったことにはならなかった。思い出すと笑える程度のものだ。

とにかく酒にまみれた。あらゆるところで試飲。












出会う人がみんな優しく、食べるものは美味しく、良いことばかりの2日間。
新潟が大好きになった。
蔵めぐりの話などは、改めてホームページのコラムに書いていこうと思う。

しかし、Gotoでせっかく安く行ったのに、お土産を買いすぎるという・・・。
お金を使いすぎたので、目が覚めて、ようやく「ちゃんと働こう!」という気持ちになった。
この1年は病気のこともあって、ろくに働いていなかったからなぁ・・・。(生活費ギリギリ)

ちょうど今週は取材が2本入っていて、旅行から帰った翌日、元気に仕事に行った。
久しぶりにマイナビの案件で、現場で仲の良いカメラマンKさんに会う。おそらく今年1月に会って以来だ。
取材が16時に終わったので、「1杯行きますか!」と二人で現場近くの居酒屋へ。
Kさんはビール党。ちょうどハッピーアワーで生ビールが250円だったこともあり、どんどんジョッキを空けていく。
私は生ビール1杯と日本酒も1杯。新潟の翌日だからさすがに疲れていた。

結局、Kさんは「1杯」どころか「8杯」くらい飲んで、かなり饒舌になっていた。
私の病気のことも心配してくれていたし、そのことも含めていろいろ話せて楽しい時間だった。7時には解散。

そして、今日も朝から取材。
頭の良さそうな、ガッツのある社長さんだった。いろんなビジネスモデルがあるなぁと思う。
別に怪しい会社ではないが、入社1年目で月収100万円稼ぐ人もいるという。
取材の時に電卓を持って話をされたのは初めてかもしれない。これだけ売ったら、歩合がこれくらいで・・・と目の前で計算してくれた。

企業取材って本当に面白い。自分が知らない世界を垣間見ることができる。

雨がひどいので夫に駅まで迎えにきてもらった。
そのまま少し遅めのお昼ご飯で、回転寿司へ。15貫ほど食べた。
家に帰ると急に寒さを感じるようになったので、ヒートテックを出して着る。この家は冷える。
台風が去ったら、一気に季節が進みそうだ。

手放してみてわかることもある

2020-10-02 | 生活
午前中に梅田で用事があったので出かけて、ランチにハービスの「The tee SUPPORTED BY MLESNA」へ。
その名の通り、ムレスナティーのカフェで、一人で梅田でランチする時はよく利用する。
でも、今年に入って初めてだったかも。(そもそもこの半年で梅田に来たのが3回目くらい)

正直、ここの料理は高い割にそこまで美味しいと思ったことはないのだが、きのこのパスタを注文したら、これが私としてはかなり好みの味だった。
そんなに美味しくないと言いながらも利用するのは、スタッフがまわってきていろいろな紅茶を注いでくれるからだ。
また、もともとブルディガラという店があった場所で、若い時に10年間、週1くらいで通っていたから、なんとなく落ち着くということもある。(この近くの事務所に社内報の仕事で通っていたから、よくランチで利用していた)

紅茶は5種類飲んだ。甘いフレーバーに包まれて心地よい。
会計の時、レジ前に並んでいたら、ムレスナティーの箱が積まれているのが目に入った。
お気に入りの「京都四条の香り」が目に入ったので、1つ取ってレジに持って行った。
うれしい。この紅茶も久しぶりだ。
基本的にはフレーバーティーよりも、茶葉そのものの味わいと香りを楽しみたいのだが、たまに好きな香りの紅茶が飲みたくなる。これはローズとジャスミンのフレーバーで私好み。

こういう一人ランチや突発的なちょっとした買い物をするのも数ヶ月ぶりで、満足感が高かった。
それだけでいい気分になって、午後からの仕事場へと向かう。

今日は日本酒の雑誌の最終校正の日だった。これに参加するのも1月以来。
病気が原因で取材に行かせてもらえなかったから、初めて4月号に1記事も載らず、7月号はコロナで休刊。
そういうわけで、スタッフの皆に会うのも久しぶりだった。

デザイナーさんの事務所で、次の発行号の全ページを皆で校正する。
発行前に他のライターさんの記事が読めるのもうれしい。
I田さんの記事に惚れ惚れする。取材ライターの真価は文章力じゃなくて構成力だなと感じる。もちろん彼女は文章も上手。(難しい言葉をあえて使うのだけが、私の好みではないところだけど)
記事の内容とまとめ方が素晴らしくて、「うわー、いいなぁ、面白いなぁ、いい記事だ~」と誰に言うというわけでもなく一人ごちていたら、私の前に座っていたYデスクが「寒紅梅もよかったですよ」と言ってくれた。(寒紅梅は私が書いた記事)
Yデスクに褒められると自信がつく。よっしゃー!って感じだ。

夕方17時半頃には終わり、YデスクとクライアントのI山さんと3人で飲みに行った。
何度か行ったことのある日本酒の美味しいお店へ。
このスタッフメンバーで飲むのも久しぶりだから、とにかく楽しかった。
I山さんが面白いので、笑いこけた。

私はずっと元気だったし、他のクライアントは普通に依頼してくれていたのに、なぜあなたたちだけは私に取材をさせてくれなかったのか、ということを聞いたら、「この雑誌にとって本当に重要な人だから。スタッフ全員一致で、治すことに専念してほしいと思った」とI山さんが言ってくれて、じんとする。
「もう治ったんなら、カラカラになるまでこき使いますから」と言われて、「いやいや、やめてよー」と言いながらも、泣きそうになるほど嬉しかった。

ここにはちゃんと「私の居場所」があるんだなぁと思った。ありがたいことだ。大切にしたい。

いい気分で帰宅。
これから年内に4蔵くらいは取材がありそうだ。3月以来の酒蔵取材。早く行きたくてうずうずする。
少し離れてよかったのかもしれないなとも思う。
「もういいかな、十分だな」と思っていたのに、やっぱり日本酒は自分にとってライフワークとなるものだと気づいた。
迷ったら、一度手放すこと、一度離れて見てみることがとても大事なのかもしれない。そうしてわかることもある。