5月も後半だというのに、今年は朝晩冷える日が続く。
友人がFacebookで「今年はなぜか庭のバラの花がよく咲く」と投稿しており、うちのツルバラのことを思い出した。やはりそうなのか、と思う。気候がバラ科の植物にはちょうどよかったのかもしれない。そういえば、ウォーキングの時に通るご近所のバラも、見事に大輪の花を付けていた。
毎月のことだが、入院日が迫ってくると、仕事が忙しくなる。
取材案件は延期されているままなので量的にはたいしたことはないが、それでも限られた日数でやりあげなければならないため、前倒しで原稿を書く。
土曜日も朝からパソコンに向かった。
断捨離をしてスッキリしたことや、程よい仕事量で「追われる」という感覚がないこと、ガン再発によって改めて「書く」楽しさを知ったことなどの理由から、最近は集中力が高く原稿がはかどる。
日曜にやる予定の分まで早々に終えることができた。いつもこんな感じだと精神的に穏やかに過ごせるのだが。
日曜はコーヒー豆が届いたので、実家におすそわけで持って行った。
いつも気に入っているお店で焙煎仕立ての豆を即日発送してもらうのだが、夫がテレワークになってからコーヒーの消費量が1.5倍になった。
これまで2ヶ月に1回注文していたのが、今は1ヶ月~1ヶ月半に1回。1kgの豆(100杯分)があっという間になくなる。
それで、豆のランクを一番良いものから少しだけ下げた。それでも十分に美味しいのだけど。
大量に注文すると安くなるので、前回から実家にも分けてあげるようになった。
うちは豆を挽くところから抽出まで全自動のコーヒーメーカーなのでわからないが、母が手でドリップしたところ「こんなにコーヒーが膨らむなんて!全然違う」とのこと。
焙煎仕立ての新鮮なコーヒーは、お湯を注いだ時にぶわーっとよく膨らむそうだ。これが新鮮さの証だという。
800gもあげたから当分もつだろうと思っていたら、案外早く「なくなった」と連絡が来たので驚いた。少し待ってもらって、今回届いたものをまた800g持って行った。
母はいつものように庭の花をくれた。
私が最近、宮尾登美子ばかり読んでいると話していたので、「家にもあったから」と何冊か出してきた。母も昔好きだったらしい。(LINEで懐かしい!を連発していた)
まだ持っていない「きのね」「一弦の琴」「天涯の花」を選び、貰って帰った。ありがたい。
これらのやりとりはすべて玄関先で、ドアは開けたまま。全員がマスクをして物々交換し、会話もそこそこに早々に立ち去った。
帰りの車の中で、「変な世の中になったもんやね。家族が集まることもできない。マスクなしで話もできない。えらいこっちゃ」と夫と話す。
午後は久しぶりに手芸(こぎん刺し)をして過ごした。
好きなライブDVDを見ながら針を進める。(この日はブレイク・ダウンと、RCサクセション。どちらも1980年~90年代のもの)
まさに至福の時!!
こどもの頃から、音楽を聴きながら手芸をする時間がとても好きだった。
手先が器用なほうではなく絵心も皆無なので、ただバカみたいに同じことを、根気よくひたすら繰り返すような、そしてできるだけ「細かい作業」が好きだ。
おおざっぱで飽き性の人なら「う~~っ!」となるような。
針を進めていると楽しく、どんどん「内に入っていく」のがわかった。人と関わることなく自分だけの世界にこもることができる幸せだ。
これが本来の自分。
初対面の人に何時間もインタビューするような仕事は、本当は向いていないのだろうと、また思った。コロナ収束後、元の生活に戻れるのか心配だ。
とりあえず、ぐい吞み用のコースターが1枚できた。
裏地も手縫いで付けたけど、これが面倒くさい。
母にLINEして「刺したのを持っていくから、裏地付けて」と頼んだら、「任せなさい!」と返信(母は手芸家だ)。よかった。これで安心してどんどん刺せる。
入院中もやろう。時間はたっぷりあるのだから。
スズキがあったのでスズキのポワレを作った。
珍しく、少しだけ洋風の食卓。ほうれん草とじゃがいものクリーム煮が「おいしすぎる!」と夫が大絶賛。グラタンとかそういうクリーム系のものを滅多に作らないから、クリームソース好きの夫にはたまらなかったらしい。目を細めて「たまらん、たまらん」と美味しそうに食べている夫を見て、たまには作ってあげなあかんな、と反省。
日本酒は、アルコール度数が13度の「みむろ杉」。軽いのでワインのように飲める。こういう食事にもよく合う。
昨日は和食。私はこっちのほうが落ち着くんだ。(本当は洋風のものも大好きだけど、人の2倍くらい量を食べるから、和食のほうが罪悪感が少ないのだ)
ハンバーグのように見えるものは、鶏と豆腐のつくね。半分は豆腐なのであっさりしていてパクパク食べられる。
天然の鯛は塩焼きに。肉厚で美味しそうな甘長とうがらしがあったので、それはじゃこと一緒におかか炒めにした。
あとは簡単に、焼き茄子と大根サラダ。
4人前くらいありそうな量を、また二人でペロッと食べた。
夫と「こんなに毎晩一緒にご飯食べたことないなぁ」と話す。
日付が変わらないと帰宅しないような生活をしていた夫にとっては、毎日家でご飯を食べられることがとても嬉しいらしい。
私は外食がなくなって淋しい。
もう2ヶ月も外食をしていない。
SNSで知り合いが「仕事の帰りに立ち寄った」と焼き鳥と日本酒、「ランチを食べた」と行きつけの飲み屋のおいしそうなランチ、カフェの写真などをアップしているのを見ると本当に羨ましい。ずーっと見てしまう。
外で飲食ができる人は、そこまでコロナを心配していないんだろうなと思う。
私は人より重症化リスクが高いので、要請が緩和されても当分は行かないつもりだ。
ほんの少しの気のゆるみも出せない。ガンだったという岡江久美子さんが亡くなってから、ますます怖くなった。
買い物も町内のしょぼいスーパーに週2回買い出しに行くだけ。本当は魚の充実した高槻か長岡の万代に行きたいけどそれすら我慢。
町内はまだ感染者がゼロだが高槻は出ているので、念のため避けている。
次亜塩酸が生活の中にあるのが当たり前になった。
携帯して、病院では何か(トイレはもちろんだが、診察券を通す機械や診断書なども)に触れるたびに、手に次亜塩酸を吹きかける。
帰宅したら、スマホも本も、とにかく触っていたものにはすべて次亜塩酸。
withコロナの生活か・・・。
もう元には戻れないんだろうか。
それなら早く抗がん剤治療を終えて、せめて皆と同じくらいの免疫力が欲しい。
ガン患者がコロナと生きていくのは、あまりにもリスクが高すぎる。
今月がラストケモになりますように。