月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

言葉の面白さ

2012-06-18 | 想い
友のブログを見たら、ネーミングについて言語学的思察された文章が書かれていた。
「なるほどなぁ」と感心すること多々あり。

私も言葉に携わる人間で、幸いにして夫もそういう人種だから、
しばしば呑んでいる最中にそんな話で盛り上がることがある。
こういう話ができる人を伴侶にできたことは何よりの幸運だ。

例えば、最近、人が間違って使っている言葉が気になる・・・という話。

「敷居が高い」

たぶん、「格式が高い」というような意味と勘違いしているのだろうが、ちょっと値の張るようなお店や、京都の一見さんお断りみたいなお店に対して「敷居が高いお店」という表現を見かける(もちろん素人さんが書いたもの)。

この間、食べログのクチコミを見ていたら、「敷居が高い」どころか、「しきりが高い」と「敷居」すら間違えて書かれていた。
言葉の意味って時代によって変わっていくというし、それは別に構わないと私は思っているのだが、
こんな間違いはやっぱり「え?」と思ってしまう。

そういえば、前に一緒に仕事をしていた人がいつも「こさくやわ~」というのが気になっていた。
なんだろうかと最初は思っていたのだが、どうやら流れから推測すると、「姑息」のことを言っていたようなのだ。
おそらく彼女は「姑息」という漢字は思いついていなかったと思われる。
もしかすると、「小作」だったのでは?
小手先でなんとかする・・・みたいな感じで?(いや、これは私の推測)
まあ、「一時しのぎ」という意味からすれば、そんなに遠くはないのだが・・・

そんな感じで、言葉が気になって仕方がない。
そういう自分もたぶん間違って使っていることがあるのだろうけど・・・。

でも、気になった言葉はいつもすぐに調べるようにはしている。
日本語はなんとなく使ってしまうが、言葉を使うことを職業にしていると、「あれ?」と思うことが多々あり、そのたびに一応調べてみて、「へー」と思うことも多い。

例えば、「ひとしお」。
自分が文章の中で「喜びもひとしおだ。」と書いてみて、その後、「ん?」と思った。
「ひとしお」って、名詞?副詞?何?

調べてみると、藍染にするための布を1回浸したものを「ひとしお」というらしい。
名詞でもあるが、今はそこから副詞的に使われる。「いっそう」と同じ意味で使えばいい。

でも、その語源から考えると、「いっそう」とはまた少し違う。
布を染めるときのように、じわじわと、しみこんでいくような感情。
そういうときに使うのが正しいと思われる。

語源を知ると、言葉がまた楽しくなる。

皆が普通に使っている「明日(あした)」。
中世の頃までは「朝」という意味だった。
それがいつしか、前夜に特別なことがあった次の日を指すようになり、その後、「翌日」という意味に変わった。

そう考えると、やはり昔の人も「朝」を何か新しいことの始まりととらえていたのだとわかる。
「明日」は「朝」なんだ。

3.11の津波の後、もう使えなくなった車のドアに「明けない夜はない」と誰かが書いていたのをテレビで見た。
書いたのはもちろん、当事者だ。

「明けない夜はない」
この言葉は人が人に対して言う励ましの言葉じゃない。
自分が自分に対して言う言葉だ。
何度暗闇の夜が続いても、「いや、明けない夜はないんだ」と、そう自分を奮い立たせるための言葉だ。
その言葉を使うことに自分自身が意味がないと思うならば仕方がない。
でも、私はいつも暗闇に閉じ込められたとき、「明けない夜はない」「長いトンネルもいつかは抜けられる」と自分に言い聞かせてきた。

今日がどんなに悲惨でみじめで苦しくて悲しくて、もう立ち直れないと思った日であったとしても、
明日はわからない。絶対に。何人にも、明日はわからない。
まずはそう信じることが大事なんだと思う。

そう思っていたら、明日(あさ)が来た。
長かったけれど、やっぱり明けない夜はなかった。

「明日」
好きな言葉だ。

望むのは、爽やかな月曜日の朝。

2012-06-18 | 生活
月曜の朝はだいたい自己嫌悪で鬱になっている
まったく学習能力がなく、毎週毎週同じことの繰り返し。
週末に飲んだくれて、結局休みの間に何もできず、ぐちゃぐちゃになった部屋で目が覚める。
体もだるいし、眠い。
とても爽やかな1週間の始まりとは縁遠い。

金曜日は、ライター友達のあんこちゃんと久しぶりに飲みに行った。
京都の「恒屋伝助」という和食のお店。
割烹居酒屋という感じかな。思っていたよりきれいで高級感もあった。
そして、店の雰囲気だけでなく、お値段も高級・・・

お会計のとき、諭吉を差し出しながら、あんこちゃんが「ちょっと高い~、コスパ悪かったね~」と言っていたが、
私はおいしかったのと楽しかったので、ふわ~っとなっていて「そうかぁ?」という感じだった。
翌日になって、冷静にもう一度計算してみたら・・・あれ?高い?!
うーん・・・
メニューに値段が書いていないというのは不親切だなぁ

でも、おいしかったのだ。

お造りは、鱧のあぶり、かわはぎ、鯵のたたき。


鱧が最高やった
やっぱり鱧を食べると「あー、夏が来たなぁ」と思う。京都の夏やね。


ぐじの塩焼き


鯛のあら煮

あとは、アスパラの天ぷらも食べた。
飲み物は、ビールに日本酒。
日本酒のラインナップもなかなかよかった。
お店の雰囲気やスタッフの感じもいいし、言うことないんやけどなぁ・・・高いのだけが・・・。
でも、楽しかったから良しとしよう。

その後、2軒目はバーで、ウイスキーを2杯とドライフルーツ。
ここもいい感じのお店やった。
はぁ・・・
大人っていい

久しぶりにゆっくりあんこちゃんと話して、楽しい夜だった。
なんとか終電も間に合ったし。
いろいろ話を聞こうと思っていたのに、自分の仕事のことばかり話してしまって悪かったなぁ・・・
おかげで元気出たし、やる気にもなったけど

土曜日の夜は、うちの実家の両親を連れて食事へ。
毎年恒例の「母の日・父の日、合同お祝食事会」。
いつもは京都の割烹でランチなどを食べるのだが、なぜか父親が「外で焼肉を食べてみたい」と言い出したので、今年は焼肉を食べにいくことに・・・。
わが父、今年75歳。母、68歳。
「焼肉食べたい」って・・・元気やなぁ

私はあまり肉が好きじゃないので、焼肉など食べに行ったこともほとんどないし(人生では高校と大学で1回ずつ、塾で1回、夫と1回、仕事先で1回)、辛いものが苦手だから韓国料理も食べない。
あまり遠いところもダメだし、いい肉じゃないと文句言われるし・・・本当に店に困った

で、いろいろ調べた結果、近場で高槻の西武のレストラン街に入っている「香櫨苑」というお店を予約した。
個室があって、落ち着いて食べられそうだったし、値段もそこそこ。
「黒毛和牛一頭買い焼肉」というふれこみだったので、まあ、まずくはないだろうと。

これが、行ってみたら、意外によかった。
ガツガツ食べるわけではないので、「いいお肉をちょっとだけ」セレクトしたのもよかったのだろう。


山形牛一頭六種盛り合わせを注文(写真は2人前・4400円)。 
■ 超特選サーロイン(サーロイン)
■ 超特選ミスジ  (ウデ)
■ イチボ     (ランイチ)
■ 肩バラ     (肩)
■ 内モモ     (モモ)
■ 中落ちカルビ  (バラ)
部位ごとに味や食感、脂の感じなどが違うので、その違いを楽しめる。

あと、クーポンでロースも1皿ついてきたし、鶏肉や海老、野菜、ソーセージなども混ぜながら焼いた。
ビールも結構飲んで、おかんは冷麺を食べて、奮発して最後に「イチボ」を1皿頼んだけど、一人5000円もかからなかった。

たまにはお肉もいいかも。
ちょっと胃がむかむかしたけど。
両親も喜んでくれて、いいお祝いができた

そして、日曜は、お昼間に書籍のインタビューに行った。
1回目だったので2時間半ほど。
なかなか面白くなりそうだけど、まだ方向性は決まらない。
半年かけて、じっくり取り組むつもりだ。

インタビューの後、夫と梅田で待ち合わせて、今度は夫のお母さんの誕生日プレゼントを買いに行った。
5月・6月は毎年家族行事で忙しい。
5月は、母の日、夫のお父さんの誕生日、私の誕生日。
6月は、父の日、夫のお母さんの誕生日。
そんなこんなで、週末は家族行事で結構埋まってしまう。

プレゼントは、紅茶とアイスティー用のポットと、夏向けのエコバッグ(保冷バッグ)にした。
お母さんが喜ぶ顔が目に浮かぶ
ちょっとしたものでもすごーく喜んでくれるから、「あげがい」がある。
これは今週末、お祝いに行く時に持っていく(また週末つぶれる)

買い物のあと、夫とベルギービールのイベントへ行った。
スカイビルでやっていて、いろんなベルギービールが飲めるとのこと。

4種類を二人で分けて飲んだ。


雨も降らず、カンカン照りでもなく、夕方だったので涼しい風が吹いて、野外でビールを飲むのは気持ちよかった。
勢いづいて、ちょっとだけ居酒屋に寄って、日本酒1杯だけ飲んで帰って来た。

これでやめときゃいいのだ。
それが、帰宅してからもまだズルズルと飲んで、どうやって寝たのかわからないまま朝を迎えた
そして、後悔と自己嫌悪で1日が始まった。

朝ごはんも食べずに(私が用意できなかった)出勤する夫をパジャマで見送りながら(寝坊した)、
「・・・いってらっしゃい・・・後で反省文を送ります・・・」と言ったら、
「・・・いいよ、そんなの」と言われた。

反省文を送る前にメールが来て、「元気になった?」と書かれてあった。

やさしい・・・
しかし、その優しさが、堕落した私にはつらいのです・・・

と落ち込んだが、落ち込んでいる場合でもない。
今週も何かと忙しいのだ。
仕事が暇だと思っていたので、数週間前から遊びの予定を入れてしまっているし・・・。
思いがけず、取材も入ったし、例のプロジェクトのコピーもなんだか急ぎみたいで・・・

自己嫌悪に陥っている場合ではない、取り戻さないと!と思い、とりあえず午前中は家中を掃除した。
きれいになって落ち着いたけど、「こういうことを土日にやっておくべきなんだよな・・・」とまた反省。
来週こそは爽やかな月曜の朝を迎えようと、強く、強く、決心を固めた私

今日ももう夕方か・・・
ああ・・・
なぜ朝はあんなにも後悔しているのに、日が沈む頃になるとまたお酒が飲みたくなるんだろう・・・

私はとにかくアル中を治さなければならない。
(週に2日の禁酒が辛いと思ったら、もうアル中予備軍らしい)

サン・テグジュペリの「星の王子さま」にこんな一節があったのを、皆は覚えているだろうか?

王子さまがある星に行くと、「呑み助」が酒のビンをいっぱい並べて呑んでいる。

「なぜお酒なんか呑むの?」と王子さまは尋ねました。
「忘れたいからさ」
「忘れたいって、なにをさ?」
「はずかしいのを忘れるんだよ」
「はずかしいって、なにが?」
「酒を呑むのがはずかしいんだよ」

子供の頃は、「なんのこっちゃ」と思っていたこの場面。
今ではなんとなくわかってしまう、そんな大人になってしまった私である。