月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

ワイン会と思い出した使命

2012-06-06 | 生活
ここんとこ、毎週東京へ日帰り出張があり、今週もまだ明日、明後日と打ち合わせが入っているしで、落ち着いて原稿を書く時間がない。
今週は、今日だけが外出のない日なので、とにかくたまっている原稿を全部書き上げてしまおうと朝からパソコンに向かっている。
仕事は増やし、飲み会をもっと減らさないといけないなぁと思うのだが、これが難しい・・・

でも、家で飲むことは確実に減った。
ほぼない、と言ってもいいくらい。
「週3回の禁酒」を命じられているので、土日と平日もう1日を飲みに行ったら、あと1日しかないわけで。
それも家でビール1缶くらいに抑えることもあるので、日本酒を飲む回数がぐーんと減った。
外でもワインバルにハマっているし(4月・5月で7軒開拓した)、ちょっと日本酒熱はさめかけている・・・

今日はそんなお話。

この間の土曜日は、「第4回ワイン会」だった。
私の親友、あやとそのダンナとしくんが年に1、2回催してくれる会。

正直に言えば、第1回のときは、まだ「ちょっとワインは苦手だなー」なんて思っていたくらいで。
しかし、何でもそうだと思うんだけど、「知る」ということは「楽しい」のだ。
勉強も一緒やね。わかれば楽しい。わからないから敬遠する。
知識と共に、自分の好みの味もわかるようになり、だんだんワインが好きになっていった。

毎回テーマを決めてワインを用意してくれるのだけど、今回のテーマは「葡萄種の違いとテロワールの違いを楽しむ会」だった。
簡単に言えば、いろんな葡萄で醸したワインを比較して、違いを知ろう!という会。
同じワイナリーでも葡萄が違えば味が違う。
また、同じ葡萄でも栽培する気候が違えば、味も変わってくる。
分析好きの私(笑)にはぴったりの企画だった。

一番面白かったのは、チリの同じワイナリーで葡萄種が違う赤ワインを6本用意し、それを一度に開栓して、「ききワイン」してみようというもの。
これまでに少しは知識がついて、「ピノノワール」だとか「メルロー」「カベルネソーヴィニヨン」などが葡萄の名前だということがようやくわかり、ピノノワールはブルゴーニュ、カベルネはボルドー、みたいなのもちょっとわかってきていた。

でも、肝心の「味の特徴」がわからない。
お店で飲むときも葡萄を意識していなかったし(メニューに書いてある「軽め」「酸味が強い」「フレッシュ」等の言葉で決めることが多い)、たとえ意識したところで、違うワイナリーだったり、国まで違ったりで、比較対象にはなりづらかった。

だから、これはすごいチャンス!!
6種類、一度に比べて、味を覚えることができるのだから。

種類は、カベルネソーヴィニヨン、ピノノワール、メルロー、シラー、サンジョベーゼ、カルメネール。
比べると、確かに違いがわかる。
この中だったら、シラーが好きだった。
どっしりと重く、タンニンを感じるけれど、どこかまろやかで心地よい。
カベルネソーヴィニヨンは、飲んだ瞬間に「あ、よく飲む味」と思った。
ワインバルなどで飲むのはこの味に似ていた。
日本酒だったら五百万石ってとこかな。私はあまり飲まないけど、一般的に人が「日本酒の味」と思っているのはこれが多いと思うので。
サンジョベーゼも好きだった。
ちょっとスパイシーで、シラーほどは重くないけど、しっかり味わえるタイプ。

・・・みたいな感じで、いろいろと違いはわかったのだが、やっぱり味を覚えるのは1回じゃ無理か・・・と思った。
この後でまったく違うピノノワールのワインを開けてもらったのだが、さっきはピノノワールが一番おいしくないと思ったのに、これはすごくおいしい!!
山田錦を使った日本酒がどこの蔵でも美味しくなるわけじゃないように、ワイナリーによって葡萄が同じでも味わいはこんなに違うんだなぁと思った。
作り方とか年代というより、土地や気候によるものなんだろうなぁ。

それでも、なんとなーくの、味の傾向だけはわかったように思う。
舌がいつまで覚えていてくれるのかはわからないけれど

このようにとても役立ったワイン会。
10人で、13本を開けました!
(この写真の後で2本開けている)


このお料理、どこのレストランかと思うでしょ?


実は、あやちゃんが出してくれた前菜
すごい~!!
他にもワインに合うお料理をいっぱい出してくれた。
座ってるだけでどんどん美味しいものが出てくるって、最高やなぁ

それに、いつもこの家の料理は美味しいだけでなく、おしゃれでリッチなのだ。
いつも帰りに夫が「食材が高価そうやったな…。今日も牛肉出たな。かおりはいつも鶏肉やのに」と言う。

いいやん!
安い鶏肉を美味しく料理するのが腕の見せ所でしょーが!!

そしてこうも言う。
「かおりの料理って、だいたい『茶色い』よな……おしゃれじゃない

茶色くて何が悪い!!
酒と砂糖と醤油!
日本人ならこの鉄板の調味料を使うべきでしょーが!!

と、ぷんぷん怒っているのだが、まあ実際は私も「おしゃれ料理」に憧れていて、最近は人が来る時には少し色味を出している(笑)
しかし、高価な食材は未だ使わず。
酒の飲みすぎで家計が苦しいので仕方がないね

まあ、そんなわけで本当に楽しくためになる会だった。
翌日、阪神の地下のワイン売場へ行き、早速試してみようと、何も見ずに試飲してみた。
「サンジョベーゼだ!」と思って表示を見たら、「サンジョヴェーゼ」と書いてあった!
よし!!

もっと試したかったのだけど、15分しか時間がなく、早くワインを選ばないといけなかったので、あと1種類飲んで、スパークリングワインを試して、レジに行ったのでそれで終わり。
舌が覚えているうちに、もっと復習してみたいなぁ

そして、その日から3日間、またワインを飲んだ。(いろいろ付き合いがあって)
料理は毎日イタリアンだった。

そうしたら、いよいよ昨日の帰り、「あー、日本酒飲みたい」と切実に思った。
ちょっとスタイリッシュでおしゃれな女に浮気していたけれど、結局は茶色いおかずを作って待っている素朴な女のもとに帰りたくなった男の気分だった。(なんのこっちゃ)

というか、ワインをとても好きになったし、少しはわかるようになってきたけれど、
結論としては「やっぱりワインは難しい」と思う。
ソムリエの人って、ほんまにすごい。

4月、5月とワインバルをめぐり、ワイン会へ行き、ひたすらワインを飲み続けていたけれど、ワインを極めるのは無理だなぁと、なぜか飲めば飲むほど痛感してしまったのだ。
こんな中途半端にワイン道を走っていても、ゴールはない。

「初心に返ろう」

昨日、そう思った。
最近、私は日本酒の事をおざなりにしていた。

思い出そう。
世界に誇れる日本酒がたくさんあるのに、大手メーカーがしょうもない日本酒をはびこらせるせいで、日本人の多くが「日本酒はまずい」「日本酒だけは飲みたくない」「日本酒だけは失敗する」と思っている。
私は、そんな勘違いをなくし、本当に良い日本酒と、魂を込めて酒を醸している酒蔵があることをこの世の中に伝えたいと、そう思って「きき酒師」になり、活動してきた(飲んできた)のだった!!

それが、最近は日本酒を飲んでも、「おいしいなー」くらいのもので。
もっと鼻と舌を研ぎ澄まして、もっと勉強して、いろんな人に広めていくという義務(?)を忘れていた。

「きき酒」の面白さを思い出すことができたのもワイン会のおかげ。
単なる酔っ払いに終わらず、私は文化としての日本酒を極めていかなければ。

これから夏酒の季節。
発泡感のある微炭酸のもの、ロックで呑むもの、爽やかなにごり酒、キリリと冷やす超辛口など、夏らしい日本酒が出揃う。
夏酒に合う、夏の料理(茶色くない)も考えていこうと思う。
もっと勉強しないとなぁ・・・。

と、ワイン好きにはなったものの、自分の使命を思い出し(?)、再び日本酒の道を歩みだした私
まあ、ワインも飲むけどね~