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一生涯テニスを楽しもう!

βの悲劇

2009年01月30日 | Weblog
 夏樹静子、五十嵐均共著 核戦争に備えて造られた巨大なドーム。しかし、全面核戦争は東西冷戦の終結で危険が遠のいた。それで、インフルエンザのβウィルスが猛毒性を持ち世界を壊滅的に襲った。そこで、健康な人の隔離施設としてドームを活用とする物語。今流行のインフルエンザウィルスの怖さはあるが、全人類が滅びるほどの毒性のあるウィルスとの想定である。
 物語としては、インパクトはあるがそのウィルスに全く対処する方法が無く人類が滅亡しドームで生き残った人達がその後の人類を繁栄させて行くというのはどうか。また、ドームに現実性を持たせようとして詳細に構造やシステムを描きこんでいるがちょっと説明がくどい。千人が暮らす巨大ドーム。その中の全てが完全な循環社会?やっぱり無理があると思う。

林住期

2009年01月27日 | Weblog
 五木寛之著 人生を「学生期」、「家住期」、「林住期」、「遊行期」に分けてそれぞれの生き方を行う考え方。人生100年とすると50歳以降が林住期にあたり、勉強や子育てを終えてしがらみも振り払って自由に生きれる年代だそうです。確かに会社での自分の将来も見えてき、子供も独立して家や会社に縛られる事も無くなっていく年代です。
 お金を稼ぐためだけでなく人生を楽しむために生きられる年代だそうです。現実は、そうでもないのですがね。退職後の生活も不安ですし健康も不安です。歳を取ると将来に不安を感じるのは、マイナス思考ですかね。
 余裕のある年金を貰い、健康で楽しい老後は、今の政治を見ていると一部の金持ちのものですね。

さかしま

2009年01月23日 | Weblog
 梁石日著 短編小説集。タイトルの「さかしま」は、北海道では上下反対のことを言うがこの小説は、表裏の関係を言う言葉か。この短編の前に終戦直後の大阪の長屋住宅地で起きた殺人事件を少年の目を通して描いている。「さかしま」の方は、犯人の目から殺人に至った経過と自分も死んでゆく経過を描いている。
 なかなか面白い構成だと思う。
 後の短編は、主にタクシードライバーの物語。

性犯罪被害にあうこと

2009年01月22日 | Weblog
 小林美佳著 著者が性犯罪にあって自分の心や周りの人たちとの係わり合いを書いている。心の傷が深く家族や周りの人たちとの葛藤を描いている。同じような被害に会った人に少しでも手助けになることを含め本にしたそうです。
 実際にあった話だから真実に迫ってきます。自分の心に向き合いそれを乗り越えようとしもがき苦しんでいます。
 犯罪で負った心の傷は、犯罪後に深く進行する事が分かりました。

不良定年

2009年01月21日 | Weblog
 嵐山光三郎著 定年後の遊びの勧めを書いた随筆。昔は、定年を「停年」と書いたそうです。そう言えば、就職した頃、55歳定年で年金を貰って悠々と生活をしていた先輩が居ました。今から思えばいい時代でした。今は、60歳まで定年が延び年金は、65歳支給となる。それまでは、何とか食い繋ぐしかないとの事。著者は、お金があるのか厚岸まで行って駅弁を買おうとするほどの余裕のあるお方。成田の近くまで行ったので飛行場が近いと言う理由でハワイまで行ってしまう。こんな私たちとかけ離れた生活をしている著者が不良の進めてもあきれ返ります。
 このことを書いて本にする方もあきれ返りますが、まあ、金持ちが羨ましいのと物書きの職業がそんなに収入が良いのか。やっぱ人間才能が無ければだめですかね。(愚痴)

世界を不幸にするアメリカの戦争経済

2009年01月18日 | Weblog
 リンダ・ビルムス著 アメリカのイラク侵攻を経済的に見た場合の損出の大きさから反対すると論じた書物。また、帰還兵に対する援助が遅く的確でないとの指摘が続く。それならば、経済的に潤う戦争であればいいのか?石油資本が潤うか、軍需産業が潤うか?破壊行為の戦争は、米国民が大きな損出を被ったとの結論でした。では、その戦争に加担している日本は?経済的にどんな損出があるのか。国は、具体的に説明しているのだろうか?
 他国を正当な理由無しに大国の一方的な正義感で侵略することに対しどうして防ぎようがなかったのか?多くの国は、検証する必要があるのではないか。

手塚治虫 アーチストにはなるな

2009年01月08日 | Weblog
 竹内オサム著 漫画家手塚治虫の伝記。手塚治虫が漫画家になった経緯や人となりを纏めた書物。亡くなってから書かれているので直接本人から取材はしていない。2年、歳を偽っていたことや戦時中、医者になるべく進学したことが書かれていて興味深い。本人が負けづ嫌いで誇張等が多かったことも意外であった。本人が書いた伝記があれば良かった。