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万年東一

2017年03月11日 | Weblog

 宮崎学著 戦前の東京で愚連隊を標榜し喧嘩と抗争に明け暮れ兄貴と慕われた万年東一を主人公にし暴力団に組み込まれるのを拒否し続けた男の物語。フィクションで有りながら実在の政治家や戦後右翼の先導者をイメージする名前などが出てくる。いろんな危機を単身乗り込んで胆力と度胸で乗り越えて行く。戦前の満州であくどいことをして巨額な富を得て戦後日本を牛耳ろうとした児島義雄や小佐野賢治などが登場する。尽く万年が対立しながら最後は、ベトナム戦争の渦中にあるサイゴンに向け出国して行く。暴力と政治的背景や欲望などが戦後の日本に渦巻いて愚連隊として生き抜いて行く。とても面白い物語でした。


愚行録

2017年03月06日 | Weblog

 雑誌社に勤める妻夫木聡が演じる主人公が1年前の一家殺人事件の取材を通して、殺された一家の人間性を知り殺人犯に迫って行く。殺された夫が就職を希望する会社にコネのある女性にを利用して就職しようとする。利用した女性に対し利用価値が無ければ捨て去る。利己主義に徹してた男とその妻も大学時代に人を利用し金持ちの同級生のグループに近づく。その人間性を取材を通して知りえて行くが自分の妹も殺された主婦の大学の同級生であり利用された方であった。今は店のオーナーになっている同級生が自分の妹を蔑んだ証言をしたことに対しその女性を殺害してしまう。妹は、育児放棄で捕まり精神鑑定を受ける過程で一家殺害を語る。その育児放棄された子供の父親が妻夫木演じる兄との間に出来た子供であったとの結末が意外性を持たせる。しかし親に虐待された連れ子の兄弟が経済的にも豊かでないのに、妹が金持ちの子弟が集まる大学に入学できたのか。そして、取材していた一家殺人事件の犯人が妹だった事が筋書きに無理があり不自然な結末でした。