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人質の朗読会

2013年05月30日 | Weblog
 小川洋子著 海外の紛争地帯で拉致された日本人が一人一人の自分の思い出を朗読した内容を短編にした小説。最後は救助に向かった特殊部隊の盗聴した兵士の話になっています。拉致された人々は、全員救助の際死亡したことで話の連続性も関連性も無く短編のみが独立の思い出話になっています。何か尻切れトンボの短編を寄せ集めて人質が語ると言う事のみが全体の関連性を持たしています。

図書館戦争

2013年05月27日 | Weblog
 有川浩著 本などの発刊物を検閲する機関と自由に本を閲覧させたい図書館の本をめぐる内戦の様な闘争を題材に図書館に設置された自衛組織の上官と新入隊員のラブコメディ。ドジだが使命感の強い新入隊員と厳しい訓練を課す上官の関わりを中心に架空の図書館隊と検閲団体の闘争を絡めて描かれている。架空の組織だから真実味を加える必要性があまりない点と公共図書館と公共の検閲組織が内戦さながらの戦闘を繰り広げる設定がバカバカしく現実離れしているが内容がラブコメディです。上官と主人公の行く末はと気を持たしているところが続編を感じさせる映画の終わり方と似ています。

よろずのことに気をつけよ

2013年05月17日 | Weblog
 川瀬七緒著 「呪い」の研究者と祖父を殺された孫娘が犯人を突き止める物語。祖父の過去と呪いの正体と犯人の動機が謎として構成されている。最初は、オカルト的な物語かと思っていましたが推理小説でした。キーワードは、古くから伝わる呪いの儀式。その謎を追って犯人に辿り着くストーリーです。最初は、話の展開が遅く退屈しましたが最後の方は、速い展開でした。もう少しバランス良くテンポよく読めると楽しかったですね。

くちびるに歌を

2013年05月10日 | Weblog
 中田永一著 五島列島のある中学校の合唱部の物語。3人の登場人物が各章で1人称の表現で書かれている。孤独な中学生活を送っていた少年がひょうんな事で合唱部に入り代用教員が部活の顧問になった事で数名の男子が入入部し合唱コンクールの県予選に出場するまでの出来事を描いている。物語の内容は、どうってことの無い中学生の生活を男女の絡みも含め表現している。

幕末史

2013年05月02日 | Weblog
 半藤一利著 江戸末期から明治初期の変革を薩長土藩を幕府側から見た著者が徳川幕府を倒すと言う単純な構図ではなく利害関係や政治的動きの中でエピソードを交えて語っている。尊王と攘夷は当初は、統一のスローガンではなく幕府側も攘夷派が居たり尊王派にも開国派が居たりした中で下級士族が身分制度の不満もあって倒幕に動いた。その中で薩長は、外国との交戦をしたりして当初は、攘夷派だったが外国の進んだ武器や軍艦を見て開国し進んだ軍事力を学ぶべきとし、武器を外国から購入し幕府と交戦を行った。ドラマや映画で激動のこの時期を捉え英雄史的な物語として見せてくれますがもっとドロドロとした権力闘争であったとしています。