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聖なる怪物たち

2013年02月28日 | Weblog
 河原れん著 ある病院の医師に起きた医療事故から事件が始まるサスペンス。代理出産を持ちかけた裕福な夫婦と救急病院で死亡した代理の母がお互いに騙し合いそのとばっちりを受けた医師が退職を余儀なくされる。その謎を医師自らが解明して行く。生まれた子供は、誰の子か。医療関係の小説に多い専門的な事柄を散りばめ話は、進んで行く。入院患者が心付けとして200万円を担当看護師に贈るという現実味の無い事が書かれているが面白い小説でした。外科医が忙しくて疲れ果てる内容の小説が多いような気がしますね。

紅梅

2013年02月25日 | Weblog
 津村節子著 作家吉村昭の闘病生活を描いた私小説。夫が癌に侵され放射線治療や手術で抗がん剤治療や手術に苦しむ様を書いている。物書きとしての矜持なのか身内の事も本にすることで亡くなった人を偲ぶのかは分かりませんが小説家も大変な職業ですね。

隻眼の少女

2013年02月19日 | Weblog
 麻耶雄嵩著 探偵志望の少女と自殺願望の青年が事件に遭遇し犯人を探す推理小説。しかし、結末がどうも無理です。3人の少女を首を切断して殺害する手口と少女の推理で前編がおわり、後編ではその犯人がその少女であった結末。父親に恨みがありその殺害を隠すため3人の少女を殺害する手口も動機も荒唐無稽です。後編は、18年後、同じ村に現れ自分の子供が探偵になって母親が犯人とする結末。動機も手口も話の展開も無理があるのではないでしょうか。この頃の推理小説は、緻密さや内容及びトリックに稚拙さが感じられます。

誰かが足りない

2013年02月08日 | Weblog
 宮下奈都著 短編小説ながら各章に共通しているのは、美味しいレストランに思い入れがありそのレストランに行く予約を入れる事が物語の流れを創っている。題名の誰かが足りないは、レストランで最後にの章で食事した者が居て欲しい人がいないという感覚にとらわれる事から題名になったのか。各章の物語は、総じて物足りなさを感じました。

ルーズヴェルト・ゲーム

2013年02月06日 | Weblog
 池井戸潤著 社会人野球を題材にした物語。会社の業績で廃部を余儀なくされる社会人野球。会社の利潤追及が厳しさを増すこの時代にその費用対効果が要求される厳しい環境で野球をすることは大変な事です。会社の社員のの一体感や企業イメージの向上に寄与することで存在感が無ければ即廃部となりかねないです。この物語は、会社の立て直しと吸収合併を含め色々な問題を抱えながら話は進み、野球部そのものが他企業に移籍する結末を迎えます。オーナー社長の絶大な力が無ければ中々スポーツを企業が支えるのは難しいです。