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極北ラプソディ

2012年11月30日 | Weblog
 海堂尊著 北海道の財政破綻したとある市の市立病院で働く医師が緊急医療や医療体制に疑問を持ちながら周りに助けられる物語。
小説の表現に疑問がるが(本州を本土とは言わない)や市役所の課長の方言も全然違います。細かいところはさておき、医療小説としては面白いですが市立の救命センターに医療ヘリですか?市内や近接市町村をカバーしても救急車の方が早いのではないでしょうか。

クリーピー

2012年11月23日 | Weblog
 前川裕著 引越し先の隣人がその家の主人に成りすましその家族を支配し連続殺人を犯してゆく。隣から逃れた娘を匿ってから事件に巻き込まれ行く。主人公は大学の教授で犯罪に関する専門家。しかし、犯人は、裏をかき逃走する。10年後、その謎が解ける。家族を乗っ取るという筋書きが恐怖を印象付ける。何か最近似たような事件が実際にあったような?養子縁組などで家族になり殺人を繰り返していた女の人?この物語は、逃走から10年後にどんでん返しの結末を迎える。この結末は少し無理があるような感じです。成りすまし殺人を犯す犯人の動機が不明です。犯人は、架空の金融会社を経営しそこの客をターゲットにし近づく設定ですので乗っ取る家の財産が目的でもなく娘に対する異常性癖か。なぜ、それならば連続殺人を犯すのか?結末は、強引とも言える幕引きでした。

女神のタクト

2012年11月16日 | Weblog
 塩田武士著 自分探しの旅に出て偶然会った老人に世界的な指揮者を再起させる手伝いを頼まれる。老人が大手飲料メーカーの創業者で指揮者はその孫であった。つぶれる寸前のオーケストラに雇われた主人公は、公演に準備に追われ数々のトラブルを乗り越えて成功を収め老人の思い出の曲を演奏を贈った。音楽を言葉で表現することの巧みさは、料理を言葉で表現すること以上に難しいと思えるし聴いた事のない楽章を読者に伝えることも難しい。その感動の表現が上手いと思いました。

グッバイ艶

2012年11月07日 | Weblog
 岡本泰三著 奥さんとの出会いから奥さんが亡くなるまでの二人の愛憎に満ちた生活の私小説。アルコール依存症の奥さんが肝硬変で亡くなるまでの25年間の夫婦の物語。こんな夫婦も居るんですね。

舟を編む

2012年11月01日 | Weblog
 三浦しをん著 国語辞典を出版するまでの作成作業に掛る物語。出版社の花形とは言えない辞典編集部所の苦悩と苦労を冴えない社員とその協力者で「大渡海」という国語辞典を作成する。言葉の持つ定義や表現を後世に残し言葉の意味を深く追求すし解釈する。興味深い内容でした。作家は、取材力と物語の内容を膨らませる構想力と言葉での表現力が必要な職業ですね。

終の信託

2012年11月01日 | Weblog
草刈民代主演。役所広司演じる患者が喘息で末期になったら延命治療はしないと主治医(草刈民代)に依頼する。そして発作で心肺停止の状態で救急車で搬送された主治医の元、意識が戻らないまま3週間たち家族の同意を得、人工呼吸器を外したが役所広司は、意識が無いはずなのに苦しみだし薬を注射してやっと静かな死を迎えた。この処置をめぐり検察に呼び出され殺人罪で追及を受け書面による本人同意や安楽死に対する裁判所の判例に基づいた確認をしないまま処置したことが追及され有罪になった。安楽死をめぐり北海道の病院でも多分、善意で医者が呼吸器等を外し自然死させる事が起ったが難しい処置です。家族の負担や本人の人生観や苦痛等が入り組んだ問題で、安楽死時点で本位の意思表示ができない状態での判断ですので余計、困難な判断でしょう。映画は、ラストで検事役の大沢たかおが追及し主治医が意識的に死に至らした事を認め罪に問われた事で終わっています。役所広司の喘息患者の苦しむ演技も迫力があり見ている方も苦しくなりそうでした。