控訴審ですが,残念な結果に終わりました。裁判長は,2回目の口頭弁論において弁論を終結し,その場で,予め被控訴人に打診して準備書面に記載されていた額での和解の可否につき,控訴人に意見を求めました。
控訴人が和解額の増額を主張したところ,提示額を僅か数万円上回る額を,裁判所が相当と考える額と述べたのです。
この額は,どのように理論付けても算出できない額であり,言わば和解を成立させるためだけの額と思われます。
本人訴訟において,裁判長から○円が相当であると告げられたとき,本人はこれに抗えるものでしょうか?裁判長の発言は,それ程重いということを,意識してのことでしょうか?
裁判長は,事件を早期に解決させたのですから,実務家としては優秀な方と評価されるのでしょう。ただ,この方法にとても違和感を持ちました。
今まで,裁判所からの和解勧試を,何度も経験しました。しかし,いきなり,裁判所から具体的な額を告げられたことはありません。
一般的には,弁論準備手続等非公開の場で,一方に妥協できる額を聞き,その後その額についての相手方の回答により,双方の妥協をさぐる方法でした。つまり,競りのような方法でした。
ところが,このように裁判所からいきなり額を告げられれば,これは判決に等しい効果をもたらす程の影響力を持つと考えてもおかしくはないでしょう。
仮に本件において,和解を拒否したらどのような判決になったのでしょう?請求を棄却しても,提示額は,あくまで互譲により和解を勧めるための金額であるから,何ら矛盾しないことになるのでしょうか?
とすれば,このままでは,請求棄却になるのだから,少しでも和解額をもらって解決するという助け船を出してくれたことになるのでしょうか?
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