亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

建物明渡し(3)

2018-05-09 11:19:00 | 司法書士の日記

賃借人の主張は,建物の管理が悪いから賃料を支払わないというものでした。 賃借人曰く,何度か貸主に修繕等の対応を求めたが,一向に直さない。だから,賃料を支払う必要が無いというものでした。

これは,一見正当な主張のように思われますが,大きな誤りが有ります。 それは,賃料の支払いと建物修繕とは売買契約のように,同時履行の関係に無いことです。

売買の場合,引渡が無ければ代金を支払いませんよという主張は,同時履行の抗弁権と言って民法533条に規定されています。

しかし,賃貸借の場合は,賃料減額請求または使用に耐えられないほどの大きな瑕疵(欠陥)の場合の契約解除権が認められているだけです。

本件では,修繕しなければ使用に耐えられない程の瑕疵ではなく,修繕しなければ賃料を減額してくださいと請求した上で,聞き入れられなければ,賃料減額の調停を申立てかつ自身が正当と思われる賃料を供託する必要が有るのです。

しかも借主は,不動産関係の会社に勤務する人です。このような知識を持っていないとも思えません。借主は,答弁書でこのような主張したまま一回目の弁論期日を迎えました。

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建物明渡し(2)

2018-05-07 15:09:08 | 司法書士の日記

前回のブログから相当期間が経過しましたが,遅ればせながら,明渡し訴訟の結果をお伝え致します。

先ず本件は,以前の内容証明郵便が受取拒否により,差出人に戻されたという事案でしたので,訴状の送達について懸念があったのですが,あっさり送達されました。

次に,契約条項には,解除後の遅延損害金につき,賃料の2倍相当額とする定めがあったのですが,督促及び解除の通知を被告がいつ受け取るか日時が確定しないため(普通郵便では立証性に問題がある),延滞金及び支払済みまで賃料相当額の損害金を求める形にしました。

これで,契約解除日の特定が必要ないことになります。例え,契約解除後の遅延損害金の額を減額してでも,訴状の複雑化を回避したのです。

すると,当職の不在中,訴状の内容について反論があると,被告の弟と称する者の訪問がありました。その反論とは?

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成年後見制度の無理解(1)

2018-03-09 15:22:20 | 司法書士の日記

成年後見人の事務を行っていると,時々どうして?と思うことがあります。先日も,ある年金型生命保険の受取口座指定手続で,こんなことがありました。

その金融機関の窓口で,成年後見人の登録(設定)の有る口座を受取人口座に指定することはできないと言うのです。

これは,被後見人氏名○○成年後見人○○という口座で,実質は後見人自身の口座ではなく契約者である被後見人の口座ですと言っても二度とも同じ答え。

だって,既に年金保険金を受け取っている口座を,私が成年後見人になったため成年後見の手続をした口座です。つまり,後付けで成年後見の登録(設定)した口座には,引き続き保険金が入金されるのに,年金の受取が開始される前の契約の年金受取口座にはできないと言うのです。

であれば,受取口座を敢えてそこの金融機関にする必要もなく,成年後見の登録はしていても,決してそのようなことは言わない別の金融機関を指定すればすむのですが,契約の際,被後見人がそこの金融機関を選んだのですから,同じ金融機関を指定しました。それでも,指定できないと言うのであれば,別の金融機関にすれば良いのですから。

それにしても,一生懸命勧誘に励んで獲得した顧客の保険金をむざむざ他の金融機関に流出させるかのような対応は,とても考えられません。


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建物明渡し

2018-02-23 15:41:11 | 司法書士の日記

久しぶりに建物明渡しを受任する事になりました。同職からの紹介です。

既に1年以上未払いが続き,賃料支払催告の内容証明郵便を受け取らないとのことです。

そこで,特定記録の普通郵便で賃料催告及び契約解除の通知を発送しました。ただ,これはポストに投函したことは証明されるものの,それ以上のことは証明されません。内容証明と異なり文書に記載された内容も同様です。

そこで,訴状をもって解除の通知をすることを予備的に主張しました。さらに念を入れて訴状に催告書としての効力も主張し,送達後相当期間経過後解除の効力が発生するとも主張しました。

1年以上の賃料未払いは,十分信頼関係破綻の要件を満たし,催告は必要ないように思いますが,念には念を入れる必要があります。

訴状の送達には,被告住所に送達が奏効しなかった場合,民訴法103条2項の就業場所への送達の上申をするか,確実に居住していること等の調査書を添付し,民訴法107条の付郵便での送達にするか迷う所です。

しかし,就業場所への送達では受取を拒否される可能性も捨てきれず,付郵便での送達を求めることになりそうです。

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不在住・不在籍証明

2018-01-29 16:47:32 | 司法書士の日記

新幹線も止まる程の地方都市に不在住・不在籍証明を郵送請求したら,委任状が足りませんと電話がありました。おまけに登記簿の写しも付けて欲しいと・・。

この証明は,情報をこちらが提供して,そちらは,その情報の有無を答えるだけだから,委任状など要りませんよと答えると,上司と相談してから,やはり要ります,ずっとこのようにお願いしておりますと。

で,他の自治体は求めてないのに何故貴方の所だけ求めるのですか,何か根拠があるのでしょうか?条例でも定めているのですか?と聞いたら再度相談し,今度の答えが,弁護士・司法書士さんが職務で使用することが明らかなので今回は出しますと。

この証明は,誰でも請求で請求できるはずなのに・・。これよく考えたら,出しようがないものなのです。

だって,登記上の所有者が亡くなっている場合,その相続人の委任状を付けるのですが,登記簿上の所有者の本籍・氏名が存在しないことの証明を求めているのですから,登記簿と本籍・氏名が一致した戸籍を付けられるわけないのです。

とすると,ただ,登記簿上の所有者と同姓同名の氏名のみ一致する戸籍を付けられるだけです。これでは,委任者が登記上の所有者の相続人かどうかを氏名だけで判断することになります。そのことを指摘しましたら,確かにそのとおりですねと。

それにしても,この自治体に,過去不在住・不在籍を請求した人々は,皆,指示どおり委任状または職務上請求書を付けていたのでしょうか?

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