亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

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裁判での時効援用

2017-05-26 17:49:57 | 債務整理

譲受債権請求訴訟を起こされている方から相談がありました。数年前に弁護士の介入により任意整理を行ったものの,分割返済の途中で返済ができなくなったまま既に数年間経っているとのことでした。

訴状を見ると,期限の利益喪失日が記載されていました。期限の利益喪失とは,分割弁済の契約をしたとき,支払期限は各月の分割弁済金につきその都度個々に発生するものなのに,分割弁済を怠ったことにより,分割して弁済する利益を失わせ,残りの元利金全てを一括弁済しなくてはならなくする条項のことです。

ただ本件は,期限の利益喪失日から既に5年以上が経過していました。譲受債権といっても,元が貸金業者からの借入金の場合,商事債権といって支払期限から5年を経過した日に債権が消滅時効にかかります。

そこで,答弁書には,請求債権につき,本書面(答弁書)により消滅時効を援用すると主張しました。 その後,原告である債権者から,消滅時効を認め訴訟を取り下げる旨の連絡がありました。

消滅時効になっている債権を請求することは,法的に何の問題もありません。ですから裁判を起こすこともできるのです。

そこで気をつけなくてはいけないのは,時効の援用をしないまま債務を認めたり,支払ったりすることです。これは,時効の中断事由である債務の承認になってしまうからです。これをすると,時効はその時点から再度起算されることになってしまいます。

金銭がからむ事件については,法律に自信が無い場合,とりあえず,法律家に相談する慎重さがあった方が良いと思います。

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過払訴訟敗訴(4)

2017-05-17 16:38:57 | 遺言・相続

本訴の主要な争点は,一つの基本契約内において,複数の取引を認定できるかということです。一つの契約内において複数の取引の存在を認めるとすれば,その取引とは,貸付けから完済までを指すものでしょうか?

そうであれば,完済後貸付け空白期間がある場合,全て最高裁20.1.18判決の判断基準に則って判断すべきものなのでしょうか?

最高裁が,消滅時効の起算点を取引の終了時からとしたのは,新たな借入金債務が見込まれる限り,過払金を同債務に充当することとした過払金充当合意の存在によるからです。

新たな借入金債務の見込みの有無を判断するに当たっては,過払金返還請求時において確定した取引の結果である空白期間の長短によって判断するのではなく,主として完済した時の当事者の意思を解釈して,新たな借入金の発生可能性を推定すべきだと思います。

今回明らかなのは,貸金業者は,再度の借入を期待していたということです。これは,一般向けにアナウンスされています。そして,契約書の返還,カードの利用停止を行っていないことからも確かです。

約定利率により完済した借主は,貸金業者にとっては優良顧客です。ということは,一般的に借主から取引の終了を告げない限り,貸主が,このような顧客との取引を終了させる意思を持つことを推定できないということです。

であれば,これは,新たな借入金債務が見込まれる事案であり,完済時借主が過払金返還請求権を行使することは想定されていなかったと結論づけることができます。

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過払訴訟敗訴(3)

2017-05-12 17:56:06 | 遺言・相続

過払金返還請求を巡る解説書においては,契約の異同は,外形的なものでは無く実質的に判断すべきで,これは事実認定の部類に属するとしています。

確かに貸金業者主導による契約書の書き換えが多い場合を想定すれば,契約書が複数あっても,これは,単に約定利率を変更するためであったり(貸金業法改正による出資法規制利率の変更を契機とするものも多々ある),約款の変更により,借主が契約書の更新を余儀なくされているような場合は,契約の個数について実質的な判断をすべきことは言うまでもありません。

しかし,借主が完済しても基本契約書を返還せず,これがため,完済後相当期間後に次の貸付けを受ける際,審査のみで新たな契約書の徴求を行わないまま貸付けを実行した場合に,契約(取引)が別だと認定するべきなのでしょうか?

貸金業者は一般消費者ではなく事業者ですよ。契約に関する法的な知識は当然持ち合わせているはずです。借主が法律的な意味を知らず,言われるままに署名・押印するのとは全く事情が異なります。

契約書は,契約の成立を立証する書面であって,契約成立の要件ではありません。しかし,貸金業法規制法17条は,契約締結時にこれを交付する義務を負わせています。

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過払訴訟敗訴(2)

2017-05-11 17:09:16 | 債務整理

本訴の主たる争点は,一つの基本契約内の取引において,完済から次の借入までの空白期間がある場合,最高裁平成21年1月18日判決に言う6つの基準を適用すべきかという点です。

私は,過払金充当合意は,契約に付随する合意であるから,一つの契約内においては空白期間の有無にかかわらず,過払金はその後に生じた貸付金に充当されると解釈していました。

仮に,現状,基本契約の有無・個数にかかわらず前記判決の基準により判断すべきだとの考えが裁判所のスタンダードだとしたら,随分借主に酷な結果となりつつあると思います。

とりあえず,時効の起算点を取引の終了時からだとする,平成21年1月22日小法廷判決の原審を確認してみます。

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