亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

控訴審勝訴

2015-05-29 16:30:33 | 債務整理

京都のA社との控訴審の判決が届きました。控訴棄却。こちらは被控訴人なので全面勝訴です。おそらく上告はしないので,これで確定すると思います。

A社は,この間何度も何度も電話をしてきます。こちらは,依頼者に予め説明し,依頼者から判決確定まで和解はしないとの意思を確認していますので,その都度その旨を回答するだけです。

控訴するのは自由ですが,和解しない場合ほぼ全面的に控訴してくるのは,やはり,判決を待たず和解するケースも少なからずあるからだと思います。そうでなければ,企業活動として全く経済的合理性を欠くのであって,株主から批判を受けても仕方がない行為だと思います。

現在A社とは,もう1件簡裁で勝訴した案件があり,これもまた和解をする気はないので,控訴されると思います。依頼者にも,ここはそういう方針ですから,解決するまで相当期間がかかることは伝えてあります。

過去の私のような代理人との折衝の記録は保管しているでしょうから,経験則を重視して無益な控訴は避ける方が経営的には正解だと思います。

こんなことを書いたら失礼に当たるかもしれませんが,良い意味でも悪い意味でも,この粘り強さは京都人の特徴なのでしょうか?

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地域包括ケアシステム会議(2)

2015-05-27 17:49:29 | 司法書士の日記

会議の趣旨は,独居の要介護者を対象として起こる様々なことに,どのように対処していけば良いのかという事例問題です。資産のある人は専門家に依頼する等の方法が採れるが,資産の乏しい人は方策が極端に限られてきてしまい,要は資力の問題であって大変悩ましい問題なのです。

今回の事例の対象者も,一人暮らしで他人との係わりを拒み,親族も葬儀・埋葬さえ拒絶するような状況にありました。彼は,生きる目的を失いお酒に溺れつつある人のようで,ケアマネージャー(以下「ケアマネ」という)は,このような方を励まし,見守り,時に必要な医療を受けさせるため医療機関との連絡を取ったりすることが少なくありません。

そんな中,入院が必要になる程重篤な病気になったとき,身元保証人引受の問題が生じます。ケアマネの中には,入院費滞納のリスクを承知で,身元引受人になる方もいるようです。

このような,実態をマスコミは報道しません。ケアマネの横領行為は,すぐさま報道するのに。そのような人はごく一部で,ほとんどの方が困った人を救いたいとの人間愛を持っています。会議に出席してそれがひしひしと伝わってきます。法律の冷徹な判断・処理とは別の世界です。

生活保護を受けている人は,医療扶助により入院できますが,生活保護を受けていない人は,身元保証人問題で,オミットされてしまう恐れがあります。この事例において,ケアマネ自身では,どうすることもできません。行政の何らかの施策に頼るほかはありません。

根が優しい人ばかりなので,その時はやるせない気持ちになるでしょう。社会の底辺ともいうべき状態で生活している人を相手にするのは,精神的にとても大変なことだと思います。

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地域包括ケアシステム会議(1)

2015-05-20 17:49:46 | 司法書士の日記

本日は,地域包括ケアシステムの会議に,県からの派遣講師として参加して来ました。以前,他の包括支援センター開催の会議に参加しましたので,今回で2回目の参加となります。

前回は成年後見制度及びその申立について,今回は相続財産管理人について,事例検討の中で解決方法の選択肢の一つとして説明を行いました。何れも,所属のケアマネージャーの取扱事例で,主に独居の高齢者に対する対応の中で知っておくべき事項として説明を行いました。

今回の事例は,遺産承継。特に親族が要介護者との係わりを拒絶している場合,要介護者の入院や死後の事務及び遺産承継について,悩ましい問題が山積しています。

先ず,入院ですが病院は身元保証人がいないと入院をさせてくれません。死後事務については,火葬まではやむを得ず自治体が行ってくれますが,それ以降は関与しません。さらに,残された遺産は,権限のある相続人しか払戻等の取引ができません。

ですから,担当ケアマネージャーが立替を行っても,精算される見込みがはっきりしません。ところが,緊急入院の必要がある場合,人の命にかかわることなので,知らないふりもできないのです。

結局,予め必要と思われる資金を預かっておかない限り,特に死を間近に控えた要介護者に対しては,人権的に十分な手当を行う術をなくしてしまう恐れがあるのです。ここに,制度の落とし穴があるのです。

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その後の事情

2015-05-13 17:27:56 | 債務整理

自己破産の申立に添付する陳述書には,その後の事情つまり借入後返済が不能となっていった事情を記載する必要があります。多くは,当職が依頼者から事情を聴取して時系列に文書にします。そんな中時にドラマチックな過去に遭遇します。

ある依頼者は,職場の女性から夫の暴力に堪えかねて離婚について相談され,その内につきあってくれと言われ,つきあいが始まりました。

そのことに夫が気づき,妻は夫の暴力を逃れ実家に身を潜め,依頼者の所には会社宛夫から苦情が申し立てられたそうです。夫は警察に訴えるとも言っていたようです。今は姦通罪は存在しませんので刑事事件にはなりませんが,法律を知らない依頼者は警察沙汰になると思ったようです。

そうこうする内互いに実家に居づらくなって,ふたりは駆け落ちのような形で住み込みの仕事につきました。ところが,夫及び依頼者の家族が行方不明の捜索願を出したことにより,どのように探したのか働き場所に警察が来て,二人は職場を解雇されました。

そして,妻は夫の下,依頼者は実家に戻ることになりました。その後,依頼者は定職に就かないまま実家を飛び出し路上生活をすることになりました。

住民登録がなくても就ける仕事は日雇いの仕事位しかありません。仕事を見つけるために部屋を借りる資金として借入を行いました。

その後,けがをしたり事情があって仕事ができず収入が途絶え,生活もできない状態になり生活保護を受給するようになりました。

彼の弱さと言えばきりが無いのですが,現代社会においては,容易に社会から脱落してしまうリスクが強いのです。

彼は気の優しいごく平凡な人間でした。彼のような人間が,仕事に就けず生活保護を受給するような状態は,社会にとってマイナスです。自己破産した後の生活が心配です。

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