亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

自筆証書遺言の欠点

2014-02-25 17:27:56 | 遺言・相続

被保佐人であった方の相続の依頼を受けました。この方は生涯独身でした。施設で亡くなったそうですが,自筆での遺言を残しました。

遺言は密封され封印がなされていました。遺言は,受遺者の父から受遺者に渡され保管されていました。

自筆証書遺言は,家庭裁判所の検認を受けなければなりません。法定相続人に,遺言書の存在を知らせることと,遺言書が本人自筆の物かを確認させるためです。

封印された遺言は,民法1004条により,検認手続きにおいて開封しなければなりません。つまり,遺言が有効か否かは開封するまで明らかにならないのです。

封印されていない遺言であれば,その内容を見ることができるため,無効な遺言と判断できた場合,検認の申立を行わない事ができます。ただし,法律的に無効とはいえ,故人の遺志を表すものとして敢えて申立をする場合もあります。

今回は,相続人の確定に相当手間がかかりました。兄弟が法定相続人の場合,民法901条により甥・姪の代まで相続権があります。故人は兄弟が多く,1ヶ月余り掛かった戸籍収集の結果,法定相続人は10人になりました。

検認期日が開かれる迄には通常約1ヶ月半掛かります。少なくとも,この日までは相続財産の帰属者が確定しません。遺言が公正証書である場合との違いは,これらの手間と期間です。

故人は,亡くなった後の関係者の事を思い遺言をしたためたと思います。ただ,もし,これを公正証書にしてくれていたら,もっと良かったと思うのは贅沢でしょうか。

公証人役場の敷居は,依然高いのでしょうか?それとも,私達の広報が不足しているのでしょうか?

よろしければ,クリックお願いします。

にほんブログ村 士業ブログ 司法書士へ
にほんブログ村

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

永代供養信託(3)

2014-02-24 18:04:25 | 司法書士の日記

疑問とは,B案に「受益者は,いつでも受益者のために信託金銭を受益者に払い渡すように請求することができる」との条項が入っていたことです。

信託財産には,倒産隔離機能というものがあります。信託財産は,委託者のものでも,受託者のものでもないということです。

自益信託と言って,委託者兼受益者の信託にこれを認めると,この条文により,委託者兼受益者が,いつでも信託財産の払い戻しができるような状態になってしまいます。

これは,預金(金銭消費寄託)契約に類似しています。にもかかわらず,信託財産であることにより,委託者の債権者からの差押えを免れられることになります。

信託の目的において拘束されるならいざしらず,受託者が信託財産の管理処分を行うにあたり,受益者の指図を受けるとする信託はあり得ないと思います。

この条項は,信託財産に組み入れた後の生活資金の不足に対応するため,信託の解除によらずして,信託財産を活用する方法として考えられたのだと思いますが・・・。

高齢化社会に伴う財産管理の必要性から,信託の利用を推進していく立場としては,信託を利用することによる,信託当事者を取り巻く人々の疑念や不公平感は,払拭しておかなければならない事だと思います。

よろしければ,クリックお願いします。

にほんブログ村 士業ブログ 司法書士へ

にほんブログ村

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

永代供養信託(2)

2014-02-14 15:31:31 | 司法書士の日記

事例は,子供のいない夫婦の年忌法要の催し方についてでした。田舎を出て都会暮らしをしていると,田舎にあるお墓は,どうしても,実家又はその近くに住む兄弟等の親族が主として守ることになります。

事例で,都会に住む長男は,実家に住む弟が催す法要の資金を援助してきました。そして,今後,自身及び妻も実家のお墓に入り,弟の親族によって,相当な期間継続して供養をしてもらい,いずれは,寺の永代供養を受けたいと希望しています。そのための資金も用意していますが,どのような形で資金を管理・処分したらよいのかわからないので相談に来ました。

これを,信託で行う場合のスキームが紹介されました。受託者は弟で,当初受益者を委託者自身である夫,夫死後を妻,妻死亡後の受益者は,A案が供養を行う宗教法人。B案は,供養を行う寺の住職を受益者指定権者として,檀家の中から受益者を選任してもらうという内容です。

宗教法人を受益者とするスキームについての疑問ですが,信託財産から受益を受ける人を受益者と言いますが,宗教法人は,信託財産から受益を受ける者というよりは,法要の対価(お布施)として,信託財産から支出を受ける第三者のように感じていました。もっとも,信託銀行の永代供養信託のスキームも,受益者が宗教法人になっています。

考え方として,法要で支払うお布施を,これとの対価関係と考えず,法要とは切り離して,純粋に宗教法人の活動を支援する目的で,受益者として指定していると考えれば筋が通るように思います。ただ,事例発表に対する質問で,負担付き受益と答える人もいました。

別の案では,住職を受益者指定権者としていますが,指定された住職は,どのような基準で受益者を選ぶのでしょう。選ばれた受益者は,信託の目的に則って,委託者である夫婦の法要を主催しなければなりません。

住職は,法要をきちんと執り行ってくれる人を受益者に選ぶのでしょう。この夫婦の親族以外の檀家が選ばれた場合,他人の法要を主催することになるのですから。

もっとも,田舎では,親族にはならなくても,遠縁に当たる人が寺の檀家にいることはよくあることでしょうから,そういう人を選ぶのかもしれません。でも,住職にとっては少し面倒な事を頼まれたと感じないでしょうか。

批判は簡単ですけど,色々と検討し,練られた条項であることは感じられました。でも,もう一つ疑問が・・・。

よろしければ,クリックお願いします。

にほんブログ村 士業ブログ 司法書士へ
にほんブログ村

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

永代供養信託(1)

2014-02-13 17:18:58 | 司法書士の日記

昨日,所属している信託研究会の研修に行ってきました。今回は,事例研究発表。テーマは,永代供養の費用を信託で賄うというものでした。

永代供養については,寺院により,未来永劫供養をしてもらうことであるとのイメージが有りました。私の周囲では,ごくまれにお墓の話が出ることがあっても,まだまだ日常的に,死後のお墓の事を考えたことはなく,漠然と子供の誰かが,守ってくれるものだと思っていました。

ところが,最近は,核家族化が浸透し,お墓を守っていくべき親族が,お墓を承継しきれなくなったり,家族はいるのだけれど,家族に負担をかけたくない気持ちから,お寺さんに供養を頼もうとする人が多いとのことです。

このような背景から,永代供養信託が考えられたのでしょう。既にこのような信託を行う会社も現れたようです。今回は,13回忌位までの法要を行い,その後,永代供養にしてもらうというようなスキームでした。

何でもお金で解決するというのは,少し寂しい気がしますが,現実的ではあります。 さて,この信託のスキームを考えるにあたり,受益者は誰になるのかという議論がありました。

研究チーム4人が議論・検討した結果の契約条項でしたが,ふと疑問を抱く条項がありました。

よろしければ,クリックお願いします。

にほんブログ村 士業ブログ 司法書士へ
にほんブログ村

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

会社の作り方(2)

2014-02-12 10:44:18 | 商業登記

会社設立登記のステップは,①定款認証(合同会社を除く)②出資払込③登記申請の順番になります。何日に登記申請できるかは,定款認証をいつ終えるか次第です。

定款認証に必要な書類は,発起人の印鑑証明書及び定款案を合綴した司法書士への電子定款認証委任状になります。定款の主要な要素(絶対的記載事項といいます)として,商号・目的等があります。

商号についてですが, 現在,類似商号の審査を法務局では行わず,そのため,同一本店・同一商号の設立登記を除き,登記を行ってしまいます。

ですから,不正競争防止法による差止請求を受ける恐れがないように,同種の目的を持つ類似した商号の会社が,営業圏に存在していない事を,法務省のオンライン検索やインターネットの検索を駆使して確認します。定款作成時には,役員(設立時取締役及び代表取締役)もほぼ決まっていると思いますので,これも定款で定めておいた方が良いでしょう。

そして,作成した定款をあらかじめ公証人にFAXし,確認を受けた上で,発起人の実印を押印した委任状を持って定款の認証を受けます。出資金の払い込みは,定款認証日以降に,発起人名義の通帳に入金した人の氏名がわかるように入金します。このコピーを出資の払込を証する書面として使用します。

ここまで済めば,後の書類は,取締役になる人の就任承諾書及び印鑑証明書(取締役会非設置会社の場合)の他は,会社の実印と代表取締役個人の実印があれば,即座に整えることができます。

なお,会社の実印は,類似商号の確認が済んだ後,作成を依頼します。どんなに早くても即日には渡してもらえないので,早めに注文します。

以上のとおり,会社設立は,定款認証及び払込までがネックで,これさえ済めば,8割以上は完了したようなものと言えます。

よろしければ,クリックお願いします。

にほんブログ村 士業ブログ 司法書士へ
にほんブログ村

コメント
この記事をはてなブックマークに追加