亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

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遺言の効力(贈与税対策)

2015-04-24 14:03:15 | 不動産登記

遺言により,法定相続人以外の者に財産を取得させることを遺贈と言います。遺言者の死亡により効力が発生します。

遺贈の場合,税務上は贈与税ではなく相続税が課せられます。但し,法定相続人に対する相続とは異なり,小規模宅地の特例,生命保険金の非課税枠,未成年者・障がい者控除等の控除は適用されません。

税額も相続人に対する税額の2割加算になります。それでも,贈与税より割安な課税基準になると思います。生前贈与と遺贈のどちらを選択するかは節税問題も複雑に絡む案件ですので,資産税専門の税理士さんに相談することをお勧め致します。

一般的に見過ごしてしまうのが,再婚の場合の戸籍上の関係です。再婚の場合,籍を同じくするのは夫婦となる当事者同士のみであって,例えば後妻と先妻の子は,同居して互いに扶養していても戸籍上の親子になりません。

この場合,夫(子から見て父)が死亡した場合の相続人は,後妻と先妻の子なので,相続権は家庭内に収まり問題ないのですが,次に後妻が亡くなった場合に,先妻の子は後妻の相続権を持たないため,後妻の兄弟のみに相続権があることになります。

実際,先に父が亡くなり後妻と子が2分の1ずつ共有の登記を行った後,後妻が亡くなった案件で,子は後妻の介護をずっと行ってきて,後妻(子から見て義母)が亡くなったため,後妻の持分を相続できるものとして預金の払戻に行ったところ,相続権が無いことに初めて気がつく場合も少なくありません。

この場合,子は後妻との養子縁組をしておく必要があったのです。幸い後妻の兄弟は快く相続分を子に渡すことを承諾してくれましたが,登記手続や税金が大変になりました。

いったん兄弟名義に法定相続の登記を行ってから相続分の贈与による登記を行う必要があるのです。加えて,相続分の贈与による贈与税の申告も行う必要があります。このように法定相続の制度には,一般常識とは異なる思い違いや落とし穴があります。

ですからこれに頼ることなく,自らの財産の行方は相続人任せにするのではなく自らの意思により行うため,遺言を積極的に活用する姿勢が必要でしょう。

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遺言の効力(2)認知症対策

2015-04-15 10:39:39 | 不動産登記

人の死亡により相続が開始すると,民法900条の法定相続分により相続が開始されたことになります。ただし,相続人全員の合意による遺産分割協議が整った場合,民法909条により相続開始の時に遡って効力が発生することになります。

一般的には,法定相続分により相続することはまれで協議をすることの方が多いのですが,協議には当然意思能力(行為能力=単独で有効に法律行為をなし得る能力)が必要です。

ですから,法定相続人に認知症の方や未成年者等がいる場合,その方達に後見人等法定代理人を選任し,代理人との間で協議を行わなければなりません。また,代理人制度は本人保護を目的としていて協議の内容について裁判所を許可が必要ですので,本人の利益を考慮し,少なくとも法定相続分以上の相続財産を取得するとの内容でなければ裁判所の理解を得られません。

さて,高齢化社会になりますと,夫婦のどちらかあるいは双方とも認知症になっている場合も少なくありません。私の依頼者も,母が認知症になっていました。この状況で,父が先に亡くなると相続人は母と子等になり,母が認知症のため協議を行うためには成年後見の申立を行う必要があります。

そして,後見が開始されると遺産分割協議のみならず以後の生活全般に対しても後見事務を行うことになり費用及び事務負担を考慮する必要もありました。

そこで,今般父が遺言を作成することになりました。これで,協議を要せずして父の遺言どおりの相続が果たされることになります。公正証書遺言に必要な費用は,平均的な市民の財産,仮に1億円以下を相続させる場合,証人2名を専門家に依頼しても10万円以下で済みます。

自らの手で合理的かつ平穏な終末を迎えるために必要な費用と考えましょう。

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遺言の効力(1)付言事項

2015-04-13 18:19:02 | 不動産登記

昨今の業務に相続登記関係が多いのは,高齢化社会の影響でしょうか?先日,自筆ですが遺言状に書かれた文面を拝見する機会がありました。

遺言の冒頭に「私が今日まで幸せに暮らすことができたのは,妻○○のおかげであり感謝しています。」と記されていた。この遺言は封印されており,家庭裁判所で開封するまでどのような文言が記載されているか全く不明の状態であった。

兄弟も多く検認手続きのための戸籍収集も結構な期間がかかりました。このようにして行われた検認で,遺言内容が無効であったらさぞかし落胆するであろうと心配していました。

ところが,開封したところ前記の文言があり,遺言内容も有効なものであり形式上も不備はありませんでした。ようやく故人の遺志が100%実現されることとなったのです。

財産の相続はもとより,夫の変わらぬ愛情を天国から受け取ることができたことに,この遺言の価値があると思います。

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不在者見つかる

2015-04-06 16:15:03 | 成年後見

私が就任している不在者の財産管理人事件で,不在者の住所が判明したと兄から連絡がありました。不在者が生活保護の申請をしたため,扶養の可否の照会通知が兄に送られてきたことにより住所が判明したものです。

以前この方については,失踪宣告の申立を行ったのですが,免許更新の事実があるということで失踪宣告がされなかった経緯があります。その後体調を崩されたのでしょう,就労不能による生活保護申請を行うため市の福祉課に行ったところ,住民登録が消除されていることから再登録した上,照会書が発送されたのです。

不在者については,当面の生活費を賄うだけの財産を私が保管していますので,これを返還して財産管理は終了します。弟の生存が判明したとき,兄としての気持ちはどのようなものでしょう?

以前,体育館に宿泊している派遣村避難者の相談に行った際も,借金のため家族と音信不通でいる人がいました。本人の気持ちとしては,家族に対する引け目のような気持ちがあって,連絡しにくい状況であることが想像されます。

でも,親族の一人が行方不明であることは,常に心の引っかかりとして残っている場合も大いにあり得るのです。職権で住民票を消除された人と連絡がとれたのは,ここ最近2件目です。

借金の返済が不能になり住所を移せば貸金業者に知られるから,住民登録をせずに住所を移転する。いわば夜逃げという行為は少なからず存在します。

個人情報保護といわれて久しいのですが,この現象がある限り親族への照会は積極的にすべきであると思います。そうしないと,ますます孤独死が増える世の中になってしまいます。

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