亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

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過払金返還訴訟に関する最高裁最新判例

2011-07-27 09:34:01 | 債務整理

ここ2回は、趣味の話を書きましたが、当初取り上げた過払金返還訴訟に関する最新判例が、偶然にも7月14日に出ましたので、今回はこれに関する話です。
この判例は、平成23年7月14日第一小法廷判決 平成23年(受)第332号です。裁判所ホームページで、判決日あるいは事件番号を入力し検索すると全文を見ることができます。
内容は、昭和56年から平成21年までの期間中、3回の取引中断期間により四つの基本契約が存在するとする事案で、原審名古屋高裁は、これを事実上1個の連続した貸付取引と評価し、一連の取引として計算した結果の主張を認めました。つまり、契約期間(2年間)の自動継続の条項により、(第1の)基本契約は自動継続されていたとして、過払金充当合意が基本契約第2ないし第4に基づく取引に係わる債務に及ぶと判断したのです。
ところが、本判例は、平成20年1月18日判決を持ち出して、同判決の示す6要素を総合的に考慮して判断すべきとし、自動継続条項に基づく法律的・形式的な契約の継続は考慮すべき重要な要素(6要素)に位置づけられていないとしました。
さて、私も過去、自動継続条項(期間は3年が多かった)を挙げ、契約が終了するためには借主または貸主からの契約終了の意思表示の相手方への到達が必要だとして、借主側からその形跡がない場合、貸主側はいつ取引終了の意思表示を行ったのかそれを立証するようにとの主張をしたことがあります。通常、約定利率による利息を払い完済をした借主(優良顧客)に対し、貸主側から契約終了を告げるだろうか?との推測を交えて。常識的に貸主は、顧客に借入を行って欲しいはずであり、貸主からそれを不可能とする行為をするわけはない、ということです。ところが、この判例以降は、貸主側からの契約の終了の意思表示を立証せよと主張することは無意味になりました。残念ですが、今後はこの判例を踏まえた対応が必要です。

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三連休中日

2011-07-20 14:20:42 | 司法書士の日記
16日からの三連休。酷暑の中日、標高の高いところへ行けば少しは涼しいかと思い、棒ノ折山(棒ノ峰)へ単独登山に行きました。標高969メートル。西武線飯能駅から8時45分発のバスで50分位乗って名栗湖(さわらびの湯)バス停で降りました。
有間ダムを横切り、白谷沢登山口からの登り初めは、鬱蒼とした樹林帯。登山客は、連休の割にはそんなに多くない。
単独行なので、グループ連れよりは少し早く、道を譲られ、すみませんと挨拶して先に進む。登り初めから沢の水音が聞こえそれだけでも涼しげだ。途中いよいよ沢を右へ左の徒渉が始まる。途中の滝でしぶきを体一杯に浴び、マイナスイオンを吸収する。誰かのブログに靴はゴアテックスの完全防水のものが必要と書いてあったが、沢の水かさはそれほどでもなく、ただ石の上で滑らないように気をつけ歩く。途中くさり場の急な登りもあり、そこで渋滞もあったが、順調に歩みを進めて行く。沢がつきると丸太の階段の急な登りに会う。上に何があるのかと一気に昇る。登り切ったところが岩茸石。ここには涼しい風が吹いていました。少し休んでいると、後から職場の仲間達と思しき若者数人を始め少し込んできたので、出発することに。登り初めはそれ程でもなかったが、徐々に険しくなり、丸太の真っ直ぐな階段が始まりこれが結構続く。息を切らせながら根性入れて登り切ったところがゴンジリ峠。ここから名栗湖が見えました。ここで、写真を2~3枚撮って再出発。再度丸太の階段が続く、一心不乱に上り詰めるとようやく頂上でした。頂上は意外と広く、180度のパノラマ。ただ、季節柄遠くの山は霞んでよく見えませんでした。ここで昼食。単独行はこの程度の山では珍しく、中高年及び若年の団体さんや、親子連れ、男女二人のカップルがほとんどでした。
帰りは、岩茸石の裏側を通り、尾根筋をひたすら下りました。景色は無いけれど、樹林の陰で日射は遮られ何とかさわらびの湯にたどり着きました。さわらびの湯の手前のきれいな川で泳ぐ子供をみて、自分の幼少の頃を思い出しました。さわらびの湯で汗をたっぷり流し、缶ビールを流し込み帰途につきました。翌日、ふくらはぎが筋肉痛になっていました。今年は、高水三山・秩父丸山・尾瀬に次いで四回目。今度は、2000メートル級の山に挑戦する予定。

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南越谷の司法書士の独り言

2011-07-15 16:31:22 | 司法書士の日記
ブログ始めた端から、過払金返還請求訴訟なんて難しい話題を取り上げてしまった。
この話題の評価は、専門家に任せるとして、今回は、私の普段の実像を紹介することにしよう。
私の趣味は、テニス。もちろん硬式テニス。キャリアは、かれこれ30年近くになる。
週末の土曜日、自宅から10キロメートル程のテニスクラブに、雨の心配がない日は、これも20年近く乗っているロードレーサーで通っている。車で行っても自転車で行っても30分程でクラブに到着する。テニスはレジャーであるから、平日仕事で乗っている車で、週末にも30分乗るのは苦痛だ。クラブに到着するまでの時間が、仕事の一部と錯覚してしまう。
自転車なら、自宅を出るときからレジャーが始まる。それに、テニスのための準備運動にもなる。
テニスはいつまでたってもへたくそ。対外試合も、最後に出たのが何年前か分からない程昔の話。テニスへの情熱は、かなり下がった。では、何故テニスに行くのか。世間話をしに行くのである。普段は、事務所の所員や依頼者としか話をしない。職業柄、当然堅い話題になる。週末にはこれを切り替える必要がある。世間話をして、自分を客観化しないと司法書士独特の環境にどっぷりつかってしまう。別にこれが悪いというわけでもないが。
世間話のついでに、気の合う数人と昼食に行く。当然アルコールが付きもの。この前なんか、昼間からホッピーを頼んでしまった。一応断っておきますけど、こんな事滅多にありませんから。中(焼酎のこと)1合、外(ホッピー)1本、氷入りのジョッキが来ます。結構酔っぱらいます。クラブに帰って1時間弱休んで、ほろ酔い加減のまま、最後の1試合を行い、
自転車に乗って10キロを帰りました。なんか前回とうって変わって、飲んだくれの男の話になってしまいました。
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過払金返還訴訟における司法書士の独り言 続き

2011-07-14 14:47:41 | 債務整理

平成20年1月18日最高裁判例の評価基準の根拠

最高裁がこの評価基準を設定した趣旨・根拠を私なりに推察してみると、
1.第1の基本契約に基づく貸付け及び弁済が行われた期間の長さ、第1の基本契約に基づく取引が長ければ、過払金の額も当然多くなるはずであり、この取引に基づく過払金を次の基本契約に基づく債務に充当できないとする事への影響が大きいのであるから、基本契約の違いのみをもって、単純に充当を否定すべきではないとの考え。
2.最終の弁済から第2の基本契約に基づく最初の貸付けまでの期間 この期間が短い、つまり、完済後すぐ取引を開始したという事は、完済時の取引の終了の意思・認識がないまま債務を完済したとも推定できる。
 ごく短期間に取引を開始するということは、仮に取引終了の意思が完済時に有ったとする場合、その短期間の後にこの意思を撤回したと考える外はなく、いったん固めた意思を短期間の内に撤回するということは通常まれであるため、通常は、元々取引の終了の意思など無かったのであろうとの推定が十分働く。 
3.契約書の返還の有無、取引の終了時に契約書は返還されるものであり、この手続きを履践していた事実は、契約の終了を認定させる。カードの利用停止も、取引終了時にカードの返却を受けなかった場合、利用を止める措置をするのは当然である。逆にこれを止めなかったら、取引は継続されていたことになる。

4.貸主と借主の接触の状況、貸主からの勧誘により取引を再開したということは、少なくとも貸主側には取引終了の意思が無く、仮に借主側に取引終了の意思が有ったとしても、貸主の行為により、その意思を撤回させ取引を開始させたという事実は、取引終了の事実を翻して、取引終了が無かったことにする意思も含まれていると見ることもできる。このような状況を自ら作出しておいて、後日、一転して取引の終了を主張することは、禁反言又は信義則によって否定されるべきとの考え。
5.契約が締結されるに至る経緯、この経緯により取引終了意思の有無の推定、あるいは、前項と同様貸主側からの行為による契約締結への影響等の有無を考慮しなければならないとの考え。
6.利率等の契約条件の異同等  契約内容の外形的相違により、契約の同一性を判定する。
と私なりに判例の趣旨を推察してみた。
 実際問題として、この基準だけで『事実上1個の連続した貸付取引』であるとの評価が客観的にできるものであろうか?
 結局、これによっても確たる詳細な統一的基準が判明したわけではない。やはり、有る程度裁判官の判断・裁量に委ねられているのであり、 主張が認められるか否かは、裁判官の過去の判決の傾向を類推するしかないだろう。
 
 それでもあえて、実務上の基準を挙げるとすれば、
1.第1と第2の基本契約の長さ、第1の基本契約の方が長いこと。
2.最終の弁済から第2の基本契約に基づく最初の貸付けまでの期間、概ね3年位。これは、一般的な契約期間が3年であり、どちらか一方からの解約の申し出がない限り継続するとの自動更新規定が置かれている。よって、完済後3年以上経過した後に取引を始めても、契約期間の満了時に取引が行われていない事態が生じているため、その時点で、取引が終了されたとの推定が働く。そこで取引が中断していても契約が継続中であったとの特段の事情の主張・立証が必要となる。
3.契約書の返還、貸主が返還を立証できれば、当然当該契約は終了したとの認定がされる。ただし、現実には立証が容易ではないと思われる。特に完済事案で契約書が破棄されていて存在しないい場合は、契約書がどのような経緯で返還もしくは破棄されたかについて、主張が異なることも多いと思われる。貸主側にとっては、完済時の契約書を借主が受領した旨の書類を徴求していれば、有力な証拠になる。
 一方、同一のカードを継続して使用して取引をしていた場合、所持するカードを証拠申請して、カードの発行時期の認定を受けることにより、同一のカードを継続して使用していた事実の立証を図ることがある。貸金業者側は、失効の手続きをとった旨の主張を行うことがあるが、自己証明に過ぎず立証は容易でないと思われる。
4.接触の状況も同様である。従来多くの貸金業者が勧誘を行っていたと思われる。その方法は、職場への電話であると思われる。なぜなら、貸金業者から借りる人は、一般的に家族に内緒で借入を行っている場合が多いため、勧誘は自宅ではなく必然的に職場に、業者名でなく個人名で行っていたと思われる。
もっとも、携帯電話が普及してきた頃からは、携帯電話に直接電話する方法に変わってきたと思う。
ただし、勧誘があったとの立証も容易ではない。貸金業者側の顧客管理名簿等の提出を求め、そこに勧誘行為の記録が有ったことをもって立証されることがある。この場合この提出を求める申請を行い、裁判官に認めてもらわなければならない。
5.第2の基本契約が締結される経緯、この基準は、正直なところ漠然としていてどのようなケースを想定しているのかよく分からない。
例えば、限度額の増額や約定利率の変更等、第1の基本契約と異なる約定を合意するために基本契約を締結する場合も有るが、同一の基本契約内のその一部の内容変更と解される場合も多く、単に基本契約書が新しくなったことのみをもって、新たな基本契約を締結したと見ることができない。
貸金業者の典型的基本契約書の条項の一つに限度額があり、これを変更するために、再度基本契約書に署名を求める事も多く、この時既存契約書を返還して、新しい契約書のみを保管することがある。この場合、別個の基本契約の締結というよりは、当初の基本契約の内、限度額のみを変更した変更契約であると見る方が自然であろう。
6、利率等の契約条件の異同等、同一の基本契約による取引中に約定利率の変動がある場合、特に平成12年6月1日の出資法改正により、最高限度が年29.2%に変更になったときは、当然、これを上回る約定利率は変更せざるを得ない。この時に、約定利率を変更するために、契約書への署名を求められることがある。これもまた、契約内容の内、約定利率のみの変更であって、新たな基本契約を締結したものでないことは明白である。
 
 以上を総合的に踏まえた上で、こちらが保持する証拠としての明細書領収書・通帳・基本契約書等及び貸金業者側から提出された証拠を吟味し、主張立証方法の検討並びに主張が認められる可能性を熟慮し、場合によっては和解による解決も含め検討を行う。

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過払金返還訴訟における司法書士の独り言

2011-07-13 14:18:03 | 債務整理

 最近の貸金業者との過払金返還訴訟の争点は、基本契約の個数から派生する充当問題に絞られたように思われる。一連計算or個別計算の争いである。他に悪意の受益者について争う業者もまれに見られるが、貸金業者側の主張が認められる(つまり、悪意の受益者でないとの判断)場合は、少ない。(ほとんど無い)
 貸金業者側は、基本契約が別であるとして、同一の基本契約内においてのみ一連計算を行い、この結果、仮に過払金が生じたとしても、訴え提起時において10年を経過しているものは、消滅時効を援用するというものである。
 この主張の根拠となるものが、最高裁平成19年2月13日第三小法廷判決であり、これを踏まえた充当合意の有無を判断する基準を例示したものが、平成20年1月18日第二小法廷判決平成18年(受)第2268号である。
 この判例は前段において、過払金が発生した後、改めて基本契約が締結され、これに基づく債務が発生した場合に、「第1の基本契約に基づく取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意が存在するなど特段の事情がない限り、第1の基本契約に基づく取引に係わる過払金は、第2の基本契約に基づく取引に係わる債務には充当されない。」とした。
 つまり、基本契約が別の場合は、既に発生した過払金は、新たな基本契約において発生した債務に充当されないとの原則を述べ、例外として、充当されるためには、充当合意の存在が必要だとしている。
 これにより、貸金業者側は、基本契約が別であることの主張・立証さえすれば基本契約を異にする取引における債務への充当を否定でき、基本契約終了後10年を経過している場合、過払金が生じていたとしても消滅時効を援用することにより、過払金返還債務を負わない。このため、過払金発生後に、その後の基本契約による債務が残存している場合を含め、一連計算によれば過払金がより多額になる優位性もあって、借主側は、一連計算の主張の根拠を示すため、過払金充当合意の存在という特段の事情の立証を求められる事となったのである。
 さて、この充当合意の存在を推定する基準であるが、表現上は、「第1の基本契約に基づく債務が完済されてもこれが終了せず、第1の基本契約に基づく取引と第2の基本契約に基づく取引とが事実上1個の連続した貸付取引であると評価できるとき」は、充当の合意が存在するものと解するのが相当であるとしている。
連続した貸付取引であるとの評価の基準としては、以下の6つを挙げている。
1.第1の基本契約に基づく貸付け及び弁済が行われた期間の長さやこれに基づく最終の弁済から第2の基本契約に基づく最初の貸付けまでの期間
2.第1の基本契約についての契約書の返還の有無
3.借入等に際し使用されているカードが発行されている場合にはその失効手続きの有無
4.第1の基本契約に基づく最終の弁済から第2の基本契約が締結されるまでの間における貸主と借主の接触の状況
5.第2の基本契約が締結されるに至る経緯
6.第1と第2の各基本契約における利率等の契約条件の異同等
 本日はここまでで、次回以降この評価基準が設定されたことの趣旨を私なりに推察して述べていきたいと思う。

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