亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

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債権回収の方法

2012-01-24 11:05:41 | 司法書士の日記

以下は、私があるサイトにコラムとして公開したものです。
このサイトでは、私のコラムを人気上位に挙げ、登録会員向けに電子メールで推奨しています。主に事業者向けのコラムですが、一般の方にも参考になるかもしれませんので本ブログに載せます。長文で失礼します。
でも、できればこんな目に遭わないように気をつけてましょうね。

どのように注意しても,未回収債権は発生するものです。
相手からの自発的な支払いの見込みが無い場合,債権回収は早い者勝ちとなる可能性が高いため,一刻も早く裁判手続き等に入らざるを得ません。うかうかしていると,債権の種類によっては早期に消滅時効の期間を迎えてしまう恐れがあります。
債権回収を専門家に依頼すると,多ければ債権額の30%程度の支出の覚悟が必要です。
それでも,全くの泣き寝入りよりはましと考えましょう。

滞った債権を回収するにはどのような方法があるのでしょう?

最初にすることは,相手方(債務者)の財産調査です。
最悪の場合に差し押さえる資産がなければ,どうにもなりません。
裁判に勝っても,国は債務者に代わって支払を行ってくれません。
差し押さえるものを,債権者が特定して,民事執行の申立を行うことになります。
この中で,差押えが奏功するのは,預金や売掛金です。
不動産も競落した価格から先順位の担保権者の取り分を差し引いて余力があれば,(強制)競売の申立が可能ですが,50万円を超える予納金が必要です。

今回は,仮に100万円の未回収債権が発生したとして,この回収方法を紹介致します。
さて,差押えをするためには,債務名義が必要です。
債務名義とは,私的財産に対する強制執行を行う前提として,国等の機関が請求権を認めた事を証明する文書の提出が必要でこの文書のことを言います。
私的な契約書や納品書,請求書はこの文書に当たりません。
具体的には,判決,和解調書,仮執行宣言付支払督促,強制執行認諾文付公正証書等です。

それでは,裁判等手続きの中で,比較的費用が安いと思われるものを紹介します。

1.公正証書
公正証書とは,債権者と債務者が公証人役場に行って,①債権額②支払期限③支払方法④期限までに支払を怠ったときは,強制執行されても仕方が無い 等を記載した文書を作成し,公証人役場を含め各人が一通ずつ保管をする手続きです。
 この手続きのメリットは,費用が安いことです。公証人のホームページhttp://www.koshonin.gr.jp/index2.htmlによれば,手数料は,100万円で5000円とあります。
 デメリットは,公正証書の作成に相手方の同意が必要なことです。

2.仮執行宣言付支払督促
  仮執行宣言付支払督促は,債権を特定する事項を申立書に記載し,これを簡易裁判所に提出し,これが債務者に到達して2週間以内に債務者が異議を出さなければ,債務名義になります。証拠の提出も不要です。内容証明を出しても払ってもらえる見込みが無い場合,いきなり申立をした方が早いでしょう。
  申立時以外(郵送も可)裁判所に行かなくても,債務名義が取れることになります。
  費用は,1回目の申立時に,印紙が100万円で5000円 郵便切手が1050円+80円各1枚 送達日を知らせる自分宛の住所を記載した官製葉書1枚です。
  2回目は,支払督促が債務者に到達してから一ヶ月以内に,仮執行宣言の申立をします。この際,郵便切手1050円を1枚及び官製葉書1枚を添付します。
  この手続きのメリットは,相手から異議が出なければ,裁判所に行くことなく債務名義が取れること。印紙,切手代等の申立費用も簡単に債務名義に含められることです。
  デメリットは,債務者の本店又は住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てる必要が有ること及び支払督促申立書には,異議申立用の書面や説明文書が同封されているため,異議を申し立てられる可能性が高いことがあります。
  異議を申し立てられた場合,通常の訴訟に移行するので,訴状に代わる準備書面と通常訴訟との印紙差額(つまり支払督促の時納付したものと同額=残りの半分)を治める必要が有ります。
  ただし,異議を申し立てられても,例えば分割払いを希望する等債権の存在自体は認める内容であれば,分割払いになっても裁判上の和解になり,この和解内容を記載した和解調書が債務名義になります。
  一般的に,自分の住所地を管轄する裁判所と同じ管轄でなければ,支払督促は行いません。なぜなら,一番近い裁判所で裁判ができなくなるからです。

3.通常訴訟(債権額が60万円までは少額訴訟)
これは,債務の弁済地が相手の住所地等の契約になっていない限り,持参債務と言って,自分の住所地(本店)を管轄する裁判所に訴訟提起できます。
100万円の場合,印紙は1万円。郵便切手は,約6000円分です。
その他必要なものは,債務者から債務を否認された場合に備え,請求権を証明する証拠書面です。契約書,納品書,請求書あるいは債務者から振込があった銀行口座の通帳の写し等です。
債権額が60万円以下の場合は,少額訴訟と言って,口頭弁論1回だけで決着がつく裁判方法も有ります。何度も裁判所に行きたくない場合選択します。
ただし,1回で決着をつけるのですから,確かな証拠を持っていることが必要です。
相手方が,通常訴訟を希望した場合は通常の訴訟手続きになります。
他のメリットは,少額債権執行と言って,簡易な強制執行手続きが取れることで,これは司法書士も執行の代理人になれます。
デメリットは,一括払いを求めても分割払いの判決が可能だという事です。
相手が全てを認めても,裁判官が分割払いを相当だと認めれば,分割して支払う旨の判決を出せます。

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相続登記に必要な戸籍

2012-01-19 17:45:20 | 遺言・相続
相続登記をする際必要な戸籍は,全ての場合に必要な相続人の現在戸籍の他,遺言が有る場合は,被相続人の死亡の記載された戸籍のみです。さて,遺言が無くても子供(直系卑属)がいる場合には,被相続人の死亡から出生までの連続した戸籍だけで足ります。ところが,子供がいない場合,配偶者及び親(直系尊属)が死亡時に存命でない限り,必ず兄弟に相続分が行きます。そのとき相続人としての兄弟を探索・確定するための戸籍の収集が思ったより大変なのです。
兄弟に相続分が有る場合,被相続人の全ての兄弟又は甥姪を探す必要が有ります。
そのために必要な戸籍は,1.被相続人の両親の死亡から出生までの戸籍,場合によっては被相続人の祖父・祖母の死亡の記載のある戸籍 2.被相続人の兄弟が死亡している場合,死亡している兄弟全ての死亡から出生までの戸籍が必要です。
最近のように少子化の時代はそれ程苦労がないのですが,兄弟が多数いてしかもその中に結婚して死亡した人がいると大変です。法律上は,甥姪の代まで相続権が有ります。つまり,亡くなった人の生涯のみならず,相続権の有った兄弟の相続権を代襲(引き継ぐこと)した人を確定するために,亡くなった兄弟の生涯の戸籍も探す必要が有るのです。そして,昨今の親戚づきあいの中では,甥・姪とのつきあいが断絶している場合も多く,住所も把握していないことがあります。この場合,戸籍のみならず戸籍の附票といって本籍地において住民登録地を記録している票を取り寄せる必要が有ります。
最近も独身のまま亡くなった方の面倒を見ていた兄から,相続に必要な戸籍の収集を依頼され収集に着手したところ,なんと11人兄弟。内結婚して死亡した兄弟が3人いてその人達の子が12人。最終的な法定相続人は7人でした。これから,この7人で遺産分割協議を行い,協議の結果を書面にして署名・実印の捺印をもらわなければなりません。本ケースは極端にしても,自筆でも良いから遺言をしてもらっていれば,こんな苦労はしなくて良いはずなのにとつくづく思った事案でした。



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高畑山

2012-01-16 10:21:34 | 司法書士の日記
三連休中日1月8日,秀麗な富士山を拝むべく山梨の高畑山に登りました。朝7時前の電車に乗るつもりが,目が覚めたら7時をまわっていました。それでも決行できるのが単独行の良いところ,1時間弱送れて出発しました。最寄り駅の鳥沢には9時半過ぎに到着、9時40分頃歩き始めました。最初は、宿場町の面影残る街道沿いの道を歩き,途中から線路のガード下を横切り民家を抜け,通行禁止の表示がある柵の右側を明けて通り抜けます。貯水ダムと思われる池を抜け徐々に鬱蒼とした森林地帯に入ります。未だ気温は0度近いのでしょうか手袋をしても手は冷たいです。徐々に大月市と思われる町並みを眼下に望むようになり,正月で鈍った体にはきつい登りが続きます。この頃はさすがに汗をかいてきました。あそこが頂上だと思われる最後の急坂を登り切ったところ,なんと真正面に,額の中に描かれたような富士が見えました。時刻は,11時30分頃,ヤマレコの行動記録とほぼ同じタイムで登れました。頂上には10人位いましたが,私が到着したときには,何故か皆無言。皆富士の美しさに見とれているのではと錯覚しそうな雰囲気でした。コーヒーを入れ,真正面に絵画のような富士を見ながら至福のひとときを過ごしました。お昼は次の倉岳山の頂上で食べようと,12時頃出発。滑りやすい斜面を降りた後,登り返した後の尾根筋を少し歩いたところが倉岳山の頂上。少し木の枝が邪魔になるものの,ここでランチタイム。ぽかぽかの日差しの中,おにぎりをほおばった後,富士と反対側に扇山や大月市街を見下ろすことができました。
40分程滞在したでしょうか,下りは約1時間30分位かかる予定で1時過ぎに下山開始。この頃,富士には雲が掛かり頂は見えなくなっていました。山中を一人黙々と歩き,数人ほどを追い越して梁川駅を目指します。梁川側の登山口に降りると後は舗装道路をひたすら歩きます。冬でもこれくらいの低山なら,雪もなく空気が澄んで絶景の富士が拝め,この冬再度山梨の山に登りたくなりました。
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新年あけましておめでとうございます。並びに訂正文

2012-01-06 10:08:11 | 遺言・相続
新年あけましておめでとうございます。今回の正月は思うところあって,普段の自分とは違いひたすら家にこもって読書,衛星放送の映画三昧でした。普段は,体を動かさないとすぐ体力が落ちてしまうとの強迫観念からか,年甲斐も無く疲れていても体を動かす姿勢でしたが,それを意識しないでなすがままにしていたら,引きこもりになりました。でもこれだけでは結局なまけものになっただけなので,今年は,自然体で,室内,屋外の行動を使い分けたいと思います。さて,読書の結果,法律家として恥ずかしい誤解釈に気づきましたのでお詫びして訂正致します。
前回の表題,遺言執行者の文中,「執行者を定めない場合,実際の取得者でない法定相続人が,法定相続分による共有の登記をしてしまい,その後,その持分の移転を受けた者あるいは,持分に対する担保権を設定した者に対しては,遺言により単独で不動産を取得したはずなのに,民法177条により法定相続分を超える持分を取得したことを対抗できません。」と書きましたが,これは私の思い込みで,平成14年6月10日最高裁判決により,登記が無くても第三者に対抗できます。理由として,「相続させる」趣旨の遺言は,(遺産)分割方法の指定であり,何らの行為を要せずして,遺産は被相続人の死亡の時に直ちに相続により承継され,遺産共有の状態を経ることがありません。つまり,指定を受けない相続人は,一度も当該物件を取得する事がないため,仮に法定相続分の登記をしても,これは無権利者による登記であって無効であるとの考えです。さて,これでは,相続を原因とする共有持分の登記がされている場合,安心して当該不動産を購入できないではないかとの懸念を抱きがちですが,ふと考えれば,共有不動産の一部の共有者の持分のみを購入する場合はほとんどありません。なぜなら,赤の他人との共有を望んで不動産を購入する人はいないからです。共有の登記がされていても,この全員が売買の当事者となるなら,この中に遺言により不動産の全部を取得した法定相続人が必ず存在しますので,この人が遺言と異なる相続登記を放置することはあり得ません。ですから,共有者の全員を当事者とする売買ならばほぼ安全です。
但し,これはあくまでも,「相続させる」趣旨の遺言の解釈ですから,これ以外の例えば,「遺贈する」との趣旨の場合は当てはまりませんので注意が必要です。以上,本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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