亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

弁論終結

2017-02-24 15:08:58 | 債務整理

本日は,P社との5回目の口頭弁論期日でした。地裁に限らず越谷の簡裁の事件は,一頃の事件数から激減しています。

11時の指定時刻より15分程早めに法廷に入ったところ,前の時刻の最後の事件がほぼ終わりかけ,被告が同じことによりすぐ弁論が始まりました。

今回の争点は,取引空白期間の存在により,分断計算を行うべきであるとする被告の主張に対し,基本契約は一つだから,過払金充当合意の存在により一連計算すべきだとする原告の主張と真っ向から対立する構造になっています。

最近,どこの金融業者も些細な点を挙げ争ってきます。過払金請求訴訟が少なくなって対応しやすくなったのもその理由でしょう。

被告の証拠は,交渉記録のみです。提訴から半年すぎた期日においてもその他の証拠を提出してきません。

それもそのはずです,P社は,完済しても申出のない限り契約書を返還せず,そのことにより,再契約の手間・コストを省略し,再度の取引を期待していたのですから。

ところが,訴訟を起こされると一転して,完済時借主は取引終了の意思を抱いていたと主張するのです。今回5回目の弁論を終えたので,裁判官も弁論を終結し判決すると宣言しました。

基本契約の数にかかわらず,空白期間の存在のみで分断の判断をする裁判官もいるそうです。理論的には,全く納得できないものですが,判決文を見るまでどうなるかわからないのが現状です。

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知る幸せ 知らない幸せ

2017-02-23 17:27:13 | 司法書士の日記

司法書士の仕事をしていると,一般の人にとってはあまりなじみのない法律に関わる知識を知らなければならない日常を送ることになります。

法律は,利害関係の調整を含め,人に公平・公正を求めるよう規定されています。ところが,人の行動は,感情により喚起され,変動し,時に不合理な面が多々あります。

人の意思は,人生経験や他者との関係で形成されます。私は,ともすると,合理的な行動のみ正しいものと価値づけようとします。

でも,不合理な行動でもその人にとって十分感動に値するものであれば,他者の評価など何の価値もありません。

法律を知りすぎていると,合理的でないものを全て排除しようとします。危険からは回避できるかもしれませんが,感動からも遠ざかりがちになる恐れがあります。

他人と関わる際,人にはそれぞれの人生・考えがあることを忘れないようにしたいと思います。

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研修終了

2017-02-17 17:53:33 | 司法書士の日記

14日(火),世間がバレンタインデーで浮き浮きしている日,講師として研修を実施しました。

テーマは,過払金返還請求訴訟について。 最高裁の判例解説紹介を中心に,これを当職が関わった事例に当てはめて講義しました。

過払金訴訟は,貸金業法改正により現在過払金が発生する取引は行われていないこともあり,改正前の取引に係わる過払金の返還を求めるものなので、事件数は激減しているようです。

時流に即したテーマではないのですが,研修単位の確保や普段と異なるテーマによるものか,支部単位の研修にもかかわらず10数名の参加がありました。

過払金訴訟の経験のある参加者は一人だったのですが,講師として普段あり得ない程の時間民法の勉強ができたことは,私にとって,とてもメリットがあったと思います。

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今年の仕事の傾向(3)

2017-02-06 17:55:46 | 遺言・相続

今後日本は,超高齢化社会に突入していくことは明らかです。遺言・相続・後見等高齢者に関わる仕事が増えていくことが予想されます。

そして,インターネット等の利用により情報の取得が容易になったとはいえ,サービス業においては専門化がさらに進み,多様性が増していくように思います。その中で私が手掛けていきたいと思う業務は,相続による資産承継及び高齢者の財産管理業務です。資産承継業務については,現在の親族関係の希薄さゆえの遺産分割協議の困難性から,需要があると思います。

承継内容が確定している遺言が有れば,後は遺言執行業務を残すのみですから,預金の払戻し・不動産の相続登記は,手続の複雑さはあっても実現は保障されます。しかし,遺言がない場合の,特に子がいない方の相続につきましは,日常交流の無い親族との話合いが必要になる場合も少なくありません。

その際,話の切り出し方にとまどい,気をもみ,挙げ句の果て方法を誤れば感情面のもつれにもつながりかねません。 そうした中,誰の肩を持つのでもなく中立的な立場で,法律的な根拠や割合を示した文章を作成し,親族間の合意形成に努める役割を果たすのには,司法書士の立場はとても良いのではないかと思うのです。

昨年は,大きな資産を持つ兄弟間(甥姪間)の協議を手掛け,無事終わらせることができました。当初,困難と思われた事例が,スムースに進行できたことに限りない満足感を覚えました。

近い時期に法務局による法定相続情報証明制度も始まります。相続登記に係わり戸籍の収集を業務としてきた司法書士の活躍の場は広がると思います。司法書士の役割は,円満な相続にあると思います。

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今年の仕事の傾向(2)

2017-02-03 17:50:52 | 遺言・相続

今回研修の資料の作成するため,過払金返還請求訴訟に係わる最高裁判例をピックアップしていったら,軽く20件を超えてしまいました。

訴訟の場合,事例(生の事実)は全て異なるもので,ある程度の類型化は可能なのですが,一つの判例が全てに当てはまるわけではありません。

ですから,判例の読み方としては,あくまでも判断の対象となる部分を詳細に区分けし,判断されていないことを自己に都合のよいように解釈しないようにすることが大事だと思います。

また,一語一句を丁寧に読み,事例に当てはめて解釈しないと,拡大解釈をしてしまう恐れがあります。

研修資料作成にあたり,このような観点から判例を読み込むことができたのはとてもよい経験になりました。

時間さえあれば,もっともっと掘り下げて考えることができます。 こうしていると,実務家というよりは学者の気分です。

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