亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

初めに支払額ありき

2014-06-26 16:40:32 | 債務整理

京都に本社のあるI社から,またしても電話がありました。このI社,移送の申立,調停の申立等何でもありきの準大手のサラ金です。

最近,I社に対する過払金返還訴訟が続いています。ここは,訴外和解の場合,多くて過払元金の4割,一審敗訴の場合必ず控訴してきます。

そして,「当社は,財務状況がよろしくないから,和解して早く返還を受けないと武富士のように法的整理に入ったら,返還を受けられなくなりますよ。」を売り物にしています。控訴することにより,返還まで6ヶ月以上をかかるので,その期間を待てない依頼者がしびれを切らして和解するのを狙っているようです。

今回は,和解の確定効と言って,利息制限法に引き直さず,約定利率のままの債務残高でもって契約した和解を有効だとする数少ない判決を盾にとって,もし,負けたら訴訟費用まで請求しますと脅してきました。

この依頼者の過払額は10数万です。原告・被告とも経済的にはあまりメリットのない訴訟ですが,もちろん本人の意思を尊重しますが,訴訟は経済的合理性だけで行うものではありません。

この依頼者に対する過払金支払額の提示は2万円です。どうやら,2万円位で和解せよとの組織の命令が目に浮かびます。

こちらが,「本人が訴訟を行うとの意思を表明している。訴訟費用を請求するなら,本人に代わって当事務所で負担しますよ。」と答えたら,あきらめて電話を切りました。

負けることはないと思いますが,万一敗訴して,訴訟費用まで請求してきたら,今度は勝訴した場合,現在は武士の情けとしてそこまで請求していない訴訟費用を,I社に限りこちらも請求してみようかと少し思いました。

なお,訴訟費用とは,訴状に貼る印紙代・郵便切手代他,口頭弁論に出席するための日当・交通費等がありますが,弁護士や司法書士の報酬は含まれません。

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37人の法定相続人

2014-06-24 17:36:15 | 遺言・相続

登記名義人は,昭和30年代前半に亡くなっていました。相続人を順繰りにたどること約4ヶ月。法定相続人はなんと37人いました。内一人は外国に居住しているようです。

 何故,こんなに相続人が増えてしまったかというと,数次相続といって,登記名義人が亡くなった後,その法定相続人が亡くなり,その法定相続人の一部は結婚したものの子がいないため,その配偶者に相続分が,さらに配偶者が亡くなった後,配偶者の兄弟・甥姪に相続分が移ったからです。

つまり,子のいない夫婦の相続分は,仮に夫が亡くなれば妻,その妻が亡くなれば,妻側の兄弟に移ります。ですから,そのような夫婦が複数いれば,登記名義人の直系のみならず傍系の複数の家系に相続権が及ぶことになります。

本件の相続登記は,今回を逃したら半永久的に不可能でしょう?しかし,遺産分割協議が整う可能性は低く,そのリスクを考え登記を見送ることになりました。

恐らく,全国津々浦々にこのような事情を抱えた土地が存在するものと思います。国はこの対策を急がなければなりません。現状,独身者や子のいない夫婦は私の経験するところでも数多くいます。

この問題は,多数の相続人による共有物である不動産の場合,相続人全員の同意が無ければ,処分できないことにあると思います。本ケースは,37人の署名・実印押印した遺産分割協議書が無ければ,相続登記が全くできないのです。

これに対処するため,例えば,3世代以上相続登記が放置された土地は,相続人の一人からの委任で信託を可能とし,相続人全員を受益者として受益金銭債権を5年位で消滅時効にかかるものとして定めれば,土地の有効利用の端緒になるのではないかと考えます。

なお,この件については,全くのおもいつきで発言したもので深く考えておりません。いずれ,文献を漁ってみたいと思います。

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自筆証書遺言の限界

2014-06-18 15:25:54 | 遺言・相続

結婚後離婚し,子供がいなかった人が,甥に不動産を遺贈するとの文言を入れた自筆証書遺言を書きました。不動産の表示は,登記簿上の表示ではなく,自宅の住所(住居表示)が記載されたものでした。

遺言は,遺言の文言のみにとらわれること無く,遺言書において表明されている遺言者の意思を尊重して合理的にその趣旨を解釈すべきものである(最高裁平成3年4月19日第2小法廷判決遺言の趣旨)との判例があります。

これにより,不動産の表示が例え住居表示によるものであったにせよ,家屋及びその敷地においては,自宅不動産を遺贈するとの解釈は成り立つでしょう。

さて,この住居には私道がありました。この私道を含み遺贈する意思があるとの解釈は成り立つのでしょうか?

私は,遺言者の意思は,私道を除くものとは考えられませんので,私道も含めて良いと考えました。でもこのような,疑義が生じることに自筆遺言の限界を感じます。

本人の意思として,居住用にしていた不動産全部を遺贈する意思があっても,遺言のように,後から本人の意思確認ができない状態で法律効果が発生する文書の解釈は,複数の利害関係人がいることもあって,厳格にせざるを得ないのです。

「私の財産全部を○○に相続させる。」との単純な遺言ならいざ知らず,財産を特定してする場合,一定の様式に則って行う注意が必要です。

結局,本ケースの場合,私道も遺贈の対象とすることになりました。亡くなった方は,他に不動産を所有しておらず,常識的にこの私道だけを除く意思があるとは考えられないとの解釈だと思います。

公正証書遺言であれば,不動産の登記事項証明書を提出させて,登記簿の記載と合致する内容の遺言を作成しますから,このような心配は無用です。

遺言者のせっかくの意思が無駄にならないよう,遺言をする際は,法律家に相談することをお勧めします。

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お墓参りと空家問題

2014-06-03 17:13:00 | 司法書士の日記

妹夫婦が上京して,墓参りと親戚巡りに行ってきました。お墓は足利市にあります。 先ずお墓のある父の生家に行きました。6月だというのに,真夏の暑さでした。

家主は,80歳を超え,長女には若くして既に孫ができました。長男は,東京で働いています。敷地で数多くの野菜を作って生活しています。

次いで,子供の頃,大変かわいがってもらった仁井田家に行きました。栃木県いちごの創始者の家です。何でも栃木県出身のお笑い芸人「U字工事」が,栃木県を紹介する旅番組でいきなり訪ねて来てインタビューをしたとのこと。それを放映した番組を録画したものを見せてもらいました。

ネットでは,仁井田一郎(にいだいちろう) 栃木県でイチゴのビニール栽培を広めた人物。U字工事の漫才の中ではイチゴ農家のカリスマと呼ばれるとの事だが,実際には栃木県に住む人にあまり知られていない。イチゴ農家を営まれている方々の中では有名なのかもしれない。と紹介されていました。

次いで,母の実家へ,ここも80歳を超える母の弟が一人暮らしをしています。敷地は一番広く,12年くらい前に60坪位の家に建て替えたそうです。こんな広い家に一人暮らしではさぞかし大変でしょう。幸い体はいたって健康なようです。

全て共通するのは,仕事の関係で子供達は全員家を出て,家には高齢者のみが住みんでいること。家は広くてもゆったりした環境にあるが,交通の便がよくないため,子供が勤めている間は容易に子供達と同居できないと思われることです。

皆,野菜を作ったり庭の手入れをしたりの悠々時的な生活の為,平均寿命を超える長生きをしそうな人達ですが,いずれ亡くなった時は,空き家になってしまいます。

そうすると,子供が家に戻ることができなければ,空き家になってしまい,人に貸すかいっそのこと売却するしかありません。ただ, 売却するにしても広すぎるため,特殊な人達しか対象として見ない気がします。

このような現象は,全国のどこの地方にも起こっていることだと思います。この現実をどのように考えたらよいでしょう。

貴重な家屋が廃屋と化してしまうかもしれない現実を何とかしなくてはならないと思います。

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