27日「精神疾患を有する方への対応について」をテーマとする会の研修を受けました。私が成年後見をしている被後見人が統合失調症であること,債務整理の相談を受ける際,心身に障害を持っていると思われる人が,僅かですが過去にもいましたし,今後も遭遇する可能性があるからです。その際,幾分かの知識を持って臨んだ方が良いのは当然です。
講義は,ベテランの精神保健福祉士によってよどみなく行われました。さすがに,数多くの人の精神状況に立会い,対応してきた自信のオーラのようなものがにじみ出ていました。
最初は3つの事例を解説し,その後,病状ごとに特徴や医療の方法等を解説してくれました。最後に,今注目されている発達障害について話してくれました。
発達障害とりわけアスペルガー症候群とは,「他の人が当然思っているだろうという感覚つまり共通理解が無い」状態で,4~5才で差が生まれるそうです。簡単に言えば,「周りの空気が読めない」状態なのです。
この人達は,刑事裁判で情状酌量の余地がない人が多いそうです。一例として,ストーカーされた女性を刺して殺してしまった人に対し,裁判官が,今の気持ちはと聞いたところ,「私が好きでも無いのに勝手に私の周りにまとわりついて,邪魔だから殺した。」と言ったそうです。「取り返しがつかない事をしてしまった。彼女の遺族には大変申し訳ない。」と言えば反省している評価され,情状酌量の可能性が有るのに。彼等には一切そういう感覚が無いのだそうです。
人の心理を探求することは興味深いです。なぜなら,人と人との誤解や争いは,相手との心理の錯綜により産まれるものだから,相手の心理状況を少しでも理解することができれば,これに対応できる術を見つけられるのではと思うからです。
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