どうにもおぞましい事件であり,人間の心の根幹に絶望を抱きかねない。過去少年による凄惨な事件がなかったわけではないが,今回の手口は悪魔の仕業。どうしたらこのような発想をして,それを実行できるのだろうか。
犯人は,グループの複数の高校生と予想されている。集団で,想像するにもぞっとするひどい方法で行った。でも憎しみによるものとは思われない。何故なら,被害者から犯行者に対して,恨みを抱かれる行為を行ったわけではないから,恨みによる仕返しとは思えない。
とすると,人が苦しむのを見て快感を覚える類いの,言わばゲーム感覚による犯行なのではないか。そして,その感覚を醸成していった物が,コンピュータゲームであることが想像の一つにある。これは,大人の作った爆弾に等しい。
徒党を組む少年達の中では,首謀者が指示したりあるいは自ら先頭に立って行為を行えば,その取り巻きは,間違った行為だと思っていても忠誠を尽くす姿勢を見せなければ,自分が同様の目に遭うと思ってやめる事ができなかったというような発言をするだろう。
それにしても,少年を取り巻く大人達に,どうにかする方法はなかったのだろうか。警察,学校,弁護士,人権擁護委員や民生委員に相談する方法がある。
恐らく親は,被害者少年に警察や学校に相談や連絡することを止められていたのだと思うが,親が勇気を持って相談するとか,誰かが危険を察知し動いて,少なくとも相手の存在が突き止められれば,やつらは自分の身を守るためにも,殺人まではできないだろう。
一番良い方法と思われるのは,人権派の弁護士に相談して,弁護士事務所から警察や犯行者の親に警告をしてもらう事だったと思う。動機がゲーム感覚なのかもしれないのだから,自分の身に不利益が迫れば,あっさりいじめは止んでしまう可能性が少なくない。
金銭的に苦しい状況であれば,法テラスの相談を受けてから,民事法律扶助の建て替え制度を使う事もできたはず。まだまだ情報が不足しているのだろうか?
悔しい。悔しい。弁護士がこんなに増えたのに,本当に必要な所に行き渡らない。法律で完全に人を救える時代は未だ遠いのか。