亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

仕事の傾向(7)

2015-09-16 15:43:50 | 司法書士の日記

次に最近の「個」の時代の傾向を現す仕事として,相続財産管理人選任の申立を受任しました。

独身で多重債務であったため,法定相続人である兄弟が相続放棄をしました。ゆえに相続人が不存在であると思われる案件です。

被相続人は不動産を持っています。この不動産の一つを依頼者と共有している状態です。相続人が不存在と思われる場合,相続財産管理人を選任し相続財産は法人とされるため,管理人は亡○○相続財産名に所有権登記名義人の表示変更登記を行うことになります。

通常は,弁護士が選任されることが多いのですが,相続放棄をされる位ですから故人の財産はこの不動産位しかなく,この不動産を換価して債権者に配当をすることになります。

相続財産管理人の報酬は裁判所が決めますが,この額が多いと債権者に配当する金額が減ってしまいます。どうなるか分かりませんが,私を管理人候補者として申立をしてみました。

未だ結果は出ていません。申立をした裁判所において司法書士が管理人に選任された事例はあります。選任されれば経験ができます。

裁判所による相続財産管理人選任の公告の後,管理人は相続債権者・受遺者に対する請求申出の官報公告をし,相続人が現れない場合次いで相続人探索の公告の申立をします。

その後相続債権が確定し,任意売却を行う場合,権限外行為許可の申立をして財産換価をして,その額に応じた債務の一部カットの交渉をします。

なにやら任意整理の仕事と似ているような気がします。

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仕事の傾向(6)

2015-09-16 15:42:51 | 司法書士の日記

4親等内の親族は,成年後見人選任申立の申立権者になります。いとこは4親等の親族になり申立人適格があります。

ところが,医師の診断書一つ取るにも,いとこであることの証明が必要です。具体的には,被後見人の叔父叔母の子であることすなわち申立人と叔父叔母との親子関係及び父母と叔父叔母の兄弟関係を証明する必要があり,そのために祖父母の戸籍まで遡って取得する必要があります。

祖父母の戸籍によって被後見人の父母のどちらかと叔父叔母が兄弟であることを証明することになります。そして,この書面は「登記されていないことの証明申請書」の交付請求にも必要です。

下世話な話ですが,いとこは法定相続人にはなりません。この方も迷った末に心情的に後見申立をすることにしたのです。但し,特別縁故者に該当する可能性はあります。

昨今,配偶者を亡くし子がいない(親は既に死亡)ため,兄弟に相続権が行くのですが,兄弟・甥姪もいない方も少なからず見かけます。この場合,遺言をするか養子を取るかをしないと相続人不存在になり,最終的に国庫に財産が帰属することになります。

それで良ければよいのですが,法律知識の不足でこれを知らないのなら,周りの方が教えてあげるべきだと思います。それも,遺言の可能な意思能力のある内にです。

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仕事の傾向(5)

2015-09-10 15:05:04 | 司法書士の日記

相続人代表者を除き委任した相続人全員から,「万一紛争があった場合は,これによる損害を引受ける」旨の申立書については,そのような場合,法律上不当利得になるため,「当然のことを文書で提出する必要があるのですか?」と問いかけ,本部に是非を照会してもらったところ,今回は,相続人代表者からの同様の趣旨の文書の提出に替えるとのことでした。

金融機関の二重払いに対する恐れは相当なものです。思うに,裁判になれば勝訴することが分かっていても,裁判になること自体を恐れていてそれを防止するためにがんじがらめの文書を提出させるのではと思われます。

しかし,裁判を起こすのは,本件では委任をせず払戻に参加しなかった相続人であると思われ,どちらにしても余り意味のある文書とは言えないと思います。そんな経過でようやく全ての金融機関に対する払戻請求手続が終わりました。

次は,四親等であるいとこからの成年後見人選任申立を受任しました。被後見人である高齢のいとこが認知症の疑いがあり,いつの間にか内縁の者が同居し財産を意のままにしているのでは無いかとの疑いがあるためです。

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仕事の傾向(4)

2015-09-07 18:14:33 | 司法書士の日記

遺産分割の審判に対し,2週間以内に相続人の誰からも異議が出なかったことにより審判は確定しました。そして,審判の対象となったものはその割合により,対象とされなかったものは法定相続分により払戻請求をすることになります。

そこで,相続人の一人を代表相続人として今回相続分の払戻金入金専用口座を作成し,そこに全員の払戻金を一旦入金した上,相続分に応じた金額を各人の口座に振り込む方法を提案し,払戻手続きの当職への委任を呼びかけました。

ところが,3人から委任が得られません。内2人は相続分を要らないと言い,1人は自ら行うから委任しないというのです。

要らないと言う方には,相続分譲渡証書に署名・実印押印をしてもらえるかと聞いてみても,具体的手続に協力してくれずはっきりしません。相続分をいったん受取った後,贈与する方法もありますと提案しましたが,結局,本件相続には係わりたくないと言い始めました。

いつまでも待っていても仕方ないので,委任された方のみで払戻を行うことにしました。こうなると,金融機関により対応がまちまちです。

すんなり委任を受けた者の相続分を払い戻してくれる所もあれば,委任を行わなかった者に対し,「遺言や遺産分割協議の成立はない」ことの確認を求める文書を発送する所,代表相続人以外の全員に対して,万一紛争が発生した場合責任を持つ旨の文書の提出を求める所もありました。

遺産分割の調停があれば,全相続人に通知が行くはずで,仮に遺言や遺産分割協議の成立があったならばそのことを調停上主張すると思われます。にもかかわらず,それが主張されずに審判が確定したということは,遺言等が無かったと推定できるのではと思います。

は,金融機関の善管注意義務の問題だと思われるのですが,無いことが容易に推定されるのであれば,そのまま払戻に応じても,債権の準占有者に対する弁済と認められ,相続人に対し,ことさら責任を負う旨を確認する必要はないと思うのですが。

本件のように,相続人が各地に散らばっていて一堂に会することができない場合,結果的に書面のやりとりを何度も行うことになります。

意味の無い書類を徴求する金融機関より,最低限の法律的な問題をクリアして,後は請求者の便宜を図る姿勢の金融機関方が,優れた対応であると思いました。

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仕事の傾向(3)

2015-09-04 15:09:30 | 司法書士の日記

相続登記以外には,遺産分割による預貯金等の払戻請求手続を受任致しました。 ようやく手続を終え後は各相続人に対する配分を残すのみとなりましたが,これがなかなか大変でした。

叔母の相続でしたが,叔母の相続ということは,法定相続人は甥・姪ということになります。つまり兄弟相続であり被相続人の兄弟は全て死亡しているため甥・姪が代襲相続人になったという事案でした。

叔母の遺産に関しての紛争はなかったのですが,甥・姪達の実父の方の遺産分割の方がもめていて,もう10年以上経つのに未だ協議が終わっていないという状態でした。

叔母の遺産は数種類に渡るため,当初は相続人の一人が遺産分割協議により全ての遺産を単独相続して遺産の払戻しを行い,これを各人の法定相続分に応じ,代償金として支払う方法を考え各相続人の意向を伺いました。

すると一人から実家の相続をさておいて叔母の相続に着手するとは何事だ。私は叔母の分なんて要らないと主張する方がいらっしゃいました。実家と叔母の相続は別問題であるとどうしても認識しようとしません。

やむなく,遺産分割の調停を申し立てました。調停には申立人の他二人が出頭しましたが,その方は調停の場でも,申立事案ではなく実家の相続についての主張をする始末で,当然調停成立に至らず審判に移行しました。

審判は,死亡により当然に分割相続される預金等金銭債権については相続人全員の同意が無いと対象とすることができませんので,それらを除く保険,株式等につきなされました。

そして,審判は,誰からも異議が出ずに確定し,その後は相続分に応じた払戻手続きになるのですが,これが大変でした。

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