最近よく本人確認書類の提出を求められます。この目的は,個人情報保護に基づき,申請者が本人であることの確認を行うためですが,中には何故必要なの?と思う場合が,成年後見事務を行っているとき特に思います。
民法は代理の規定を設け,本人が直接行わなくても,代理人よって法律行為を行うことを認めています。現代のように複雑,広範囲な地域において法律行為を行う機会が増えている時代には,その必要性が高まっているのでしょう。
さて,他人に代理した場合に本人確認する目的は何でしょう? 契約の際,代理人の本人確認書類は,前記のとおり契約行為をする者が代理人自身であることを確認する必要が有りますが,加えて委任者の本人確認書類を求める理由は,契約当事者となる委任者個人の実在性やその情報の正確性を確認する為であると思われます。
それでは,代理人により契約解除をする場合にも委任者本人の確認書類を必要とする理由は何でしょう? 契約は既に成立しているのですから,契約締結時に必要な実在性や正確性の確認は不要だと思われます。代理による解除の効果は本人に帰属するのだから,解除の場合は受任者の本人確認だけを行えば足りるはずです。
では,委任者本人の確認書類を求める意図は何でしょう?おそらく,委任者が受任者を信頼して預けることができる書類を提出させることにより,委任の真実性を担保させることにあると考えるのですがどうでしょう?
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