亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

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上告棄却

2017-11-10 17:07:30 | 遺言・相続

本件上告は棄却されました。理由を紹介しましょう。

「所論は,原判決には影響を及ぼすことが明らかな法令違反があると主張するが,その実質は,原判決にいう,T社と同A社の取引を一連の取引と認めず,過払金充当合意の存在を認めなかった原判決には,事実誤認及び判例違反があるというに帰するところ,所論の点に関する原審の認定判断は,本件の関係証拠に照らし,正当として是認することができ,原判決に所論の違法はない。論旨は,原審の専権に属する証拠の取捨判断,事実の認定を非難するか,又は独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず,採用することができない。」となっていました。

棄却の文は,このような振り合いになるのでしょう。学校における論文のテストのように,主張(陳述)をあげて,この部分が正しくないのですよとは解説してくれません。

納得いくもいかないも,上告理由書を提出して一年半待ってこの結果でした。私より絶対優秀な裁判官3人がこのような判断をしたのですから仕方がありません。でも,借主は,全て貸主の主導的な要求に応えた結果,過払金が時効消滅したのですから納得がいきません。貸主が債権譲渡や借換を指示しなければ,一つの取引が続いていたのです。

現に,プロミスの事案においてですが,債権譲渡会社であるクオークに対して発生した過払金を,譲受会社であるプロミスは引き受けないと判断しましたが,その最高裁判決の原審において,ただし,債権譲渡時に既に生じている過払金を引き受けるものでは無いが,譲渡後債務が存在するものとして返済した分の過払金は,その後基本契約に基づき貸付けた債務に充当する合意があったと判断しているのです。

借主は何も落ち度がないのに,法律違反により生じた過払金返還請求権を時効により失いました。ですから,これを容認する裁判所の姿勢には信頼を抱けません。何か政策的な臭いさえします。残念ながら,訴訟に対する意欲が失せました。

弁護士さんは日々どのような感情を抱いて業務にあたっているのでしょう?このようなことばかりでなく意義あることがたくさんあるから仕事にやり甲斐があるのでしょう。

この程度でへこたれないようにしたいものです。

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上告審判決日(4)

2017-11-10 16:48:22 | 遺言・相続

本件のような借換えの場合,先に貸付けをしてその一部で同一会社の債務を完済して,残金のみを融資します。これは,借換の対象となる債務への充当の指定または合意になります。ところが,指定した債務が利息制限法限度利率に引き直せば有効に存在しない場合,適法に存在する別口の債務に直ちに充当されるべきです。

昭和43.10.29判決はこのように判示しています。 これは,過払充当合意の適用場面ではないのです。弁済の意思があるのですから,充当先に債務が存在しない場合,同時に存在している債務に充当することで債務者・債権者とも異存はないはずです。

どうして,これを過払金返還請求権と貸付金に併存させる意思を推定するのでしょうか? 判決は,24.9.11判決に捕らわれ過払金充当合意の要件のみに拘泥しています。

24.9.11判決は,それでも補足意見として,無担保リボ取引において生じた過払金が担保付貸付金に充当されない主な理由は,リボと証書貸付という契約形態の大きな違いによると述べました。また,他社借換えを重点とする取引ではなく,自身または親族の債務を一本化する場合,充当合意が認められる可能性があるとも言っています。

現に,同じ東京高裁でもタンポートからの譲受債権をプロミスの貸付けで借り替えた事例では,債権譲渡前にタンポートに対し生じた過払金をプロミスは引き受けないけど,譲渡後存在しない債務の分を譲渡先のプロミスに支払った分は,プロミス取引の貸付けに充当する合意があるとしています。

他にも有担保の取引が証書貸付でなくリボ取引の場合や本ケースのような取引で,過払金充当合意を認めた複数の判決があります。ただし,東京高裁においては,債権の種類が異なるとの理由により一連の取引と認められないとする判決も多いのです。

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上告審判決日(3)

2017-11-01 17:12:27 | 遺言・相続

借換の場合,実際は,貸付金と完済の対象となる債務残高の差額が借主に交付されるだけですが。実体的な流れを見れば,貸付けが先でその資金をもって返済したことになります。つまり,完済した時には既に貸付金債務が存在しています。

すると,過払い金発生後間隔を経て貸付けが発生する場合と異なり過払金充当合意の問題ではなく,民法489条法定充当の問題だと考えることができると思います。利息制限法上無効な貸付残高を弁済しこれにより過払いとなったが,その時に別の債務があったとき,法定充当の規定により充当されると考えれば,その時点で過払金は精算されるのです。

この考えは,平成15年7月18日の日榮との判決で示されています。これは,基本契約内の別口の債務についての充当でしたが,民法489条は,そのように限定していません。

これに矛盾するのが,平成24年9月11日の無担保リボを有担保証書貸付けで借り替えた事例のとき,無担保リボで発生した過払金を証書貸付け債務に充当されないとする判決です。 これは,両取引が種類を別にする場合,一個の連続した取引とは認められないとして,連続性を重視し法定充当の規定を無視しました。

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