亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

登記識別情報通知の紛失

2017-04-06 16:56:09 | 不動産登記

登記識別情報通知が無いとの電話がありました。1年位前の登記の物です。

事務所で調べると,簡易書留で郵送したことが判明しました。本人からの受領書も返送されています。

さて,自分の専門外のものについては,とかく認識が薄いことは私も例外ではありません。何度か苦い経験をしながらも対処は不十分と言えます。

特にIT系に関わることについては,全体の理解ができていませんので,十年一日の状態です。

顧客には,郵送の送付状に,重要な物であるとの説明文も記載しておりますので,受取時に紛失するとは思えません。

ただ,大事なものとして受領してもその後しばらくして,識別情報の重要性を失念するようなこともあり得ます。

今回,受領書を徴求していたからよかったのですが,徴求の管理は怠りがちです。

登記識別情報通知は登記完了後依頼者に直ちに返却し,司法書士が預かったままにしておくことはないのが業界の常識です。

ところが,依頼者からすれば,普段見慣れていない物の授受には関心や記憶がなく,後日必要になった際に所在が確認できないときは,登記を担当した事務所から返却を受けていないと判断しがちでしょう。

重要書類の授受は,入念にすべきです。

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相続事務の長期化(2)

2016-05-23 17:22:41 | 不動産登記

もう10年以上前の話でしょうか?再婚した夫が死亡し,妻(外国人)と娘2人(うち1人は前妻の子)の相続登記を受任しました。

前妻の子の住所が判明したため,不動産(居住用)を妻が相続し,前妻の子には代償金を支払うべく,代償金についてどの位の金額を希望するかを送付したところ,サングラスをした強面の人を連れた2人が事務所をいきなり訪ねて来ました。

何故勝手に分割方法を決めるのだというので,私は,分割協議案を提示しただけで,これが最終決定ではなく要望があれば,仰って欲しい旨を回答しましたが,容易に納得しません。

居座られても埒があきませんので,後は当事者で話し合って欲しいとのことで,ひとまず退出願いました。その際,俺は街宣車でも何でも繰り出すことができるとの捨て台詞を吐いていきました。

さて,改めて当事者である妻と話し合ったところ,その筋の人は,案外人が良く3時間話し合った末,外国籍の妻に根負けしたようで,私の案どおりで良いから協議書を送ってくれと連絡がありました。

その後,数年して事件を忘れた頃,その筋の人が別の事件の依頼に事務所を訪れたことにびっくりし,遠方の事件なので丁寧にお断りしたことを鮮明に記憶しています。

さて,現在,事務所で長期化している事件について次に紹介致します。

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相続事務の長期化(1)

2016-05-20 17:58:04 | 不動産登記

最近の相続登記の完了までに至る期間の長期化について述べます。

従来は,例えば夫死亡により自宅の相続登記の依頼がある場合,ほとんどが,相続人間で合意済みであり,その内容を遺産分割協議書に記載し,署名押印をしてもらった上で登記に至るパターンが主流でした。

しかし,最近受任する事件は,遺産分割の合意がなされていないか,合意することに条件が付くケースが散見されます。

先ず合意されていない場合,当職が協議案を提案することも含め依頼され,この場合当職の方針は,法定相続分により分割するような提案をしています。

相手の意思が皆目判明しない状態で,依頼者有利な提案でもしようものなら,時に当職への信頼を著しく損ねる事態も想定されるからです。

一昔のように,不動産を相続する見返りに判子代を支払います,的な提案は反発を招く可能性があると思う。

この事で,昔取り扱った事件を思い出します。

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弁護士関与の売買代金決済

2016-01-13 16:48:26 | 不動産登記

弁護士さんから依頼を受け,遠方の相手方弁護士事務所において,担保抹消を含む売買代金決済を行いました。

売買契約即代金決済ですが,事前に売買契約書案を送っていただいています。双方の弁護士さんが作成した売買契約書を見るとさすがに精密な条項が盛り込まれています。

それでも,司法書士として登記についての注意義務を果たすべく未失効照会,直前閲覧等の作業は怠れません。今回は,通常の売買とやや異なり,解決方法として売買形式を採ったので,代金決済の事務は弁護士さんが全てを仕切って行いました。

私が見たところ,さすがに,通常不動産屋さんが行っている精算業務等や鍵の引渡もスムーズに行われていました。

全ての不動産売買にとは言いませんが,一定の取引には弁護士さんが関与するような習慣が根付けば不動産売買に関わるトラブルも希になるように思います。

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抵当権抹消登記放置の危険

2015-10-21 15:33:04 | 不動産登記

住宅金融公庫の抵当権抹消登記を受任したところ,依頼者は,抵当権解除証書,委任状,現在事項一部証明書,印鑑証明書しか銀行から受け取っていないとのこと。

当初私は,住宅金融公庫から住宅金融支援機構への抵当権移転登記をすれば,抵当権設定契約書に替わる登記識別情報通知が発行されることになるので,印鑑証明書は不要であるはずなのにと思いました。

そこで,銀行に抵当権移転登記の委任状を要求しようとしたところ,解除証書の弁済日が平成14年になっていることに気づきました。なるほど,住宅金融支援機構への移転登記が必要なのは,原因日が平成19年4月1日以降のものですから移転登記は不要です。これで,移転の委任状がない理由が分かりました。

さらに,解除証書の日付を見ると最近の日付になっています。ということは,依頼者は一旦抹消登記に必要な書類を受け取ったものの紛失し,銀行に再発行してもらったものと推定され,印鑑証明書の添付の理由も分かりました。

移転登記を経ないのですから,抵当権設定登記をした時の登記済証が必要です。ところが,これを紛失しているので,申請方法としては,事前通知又は資格者代理人による本人確認情報の方法しかなく,この方法による申請には委任状に実印を押印し印鑑証明書を添付して行うことになります。

さて,本人確認情報による方法は,抵当権者が住宅金融支援機構という大組織なので,代表権を有する人物に時間を取って会うことなど不可能です。残るは,事前通知なのですが当初これが心配でした。

担保権の設定や抹消等の事務を金融機関に包括的に委託している機構が,全国から到達するであろう事前通知に対応してくれるのだろうかと。何とか受託金融機関限りで終了するような方法はないものだろうか?

銀行に問い合わせたところ,本事例のような場合は事前通知制度を利用し,機構も適格に対応してくれるとことでした。これで安心して事前通知による抹消登記申請ができます。

但し,これが売買登記に係わる抹消の場合はどうするのでしょう?私は,ローンが完済していることは解除証書により証明され,後は手続上の問題だけなので,通常は売主が権利者となって行う抹消登記を,先に所有権移転登記を申請し,次いで買主が権利者として抹消登記を申請する形式を買主に提案し,承諾を得ようと思います。

事前通知のため,法務局と機構間の郵便の往復分登記期間はかかりますが,買主としてはとりあえず所有権移転登記確保し,後は空となっている抵当権の抹消の登記手続を待つ形にするのです。

それにしても,ローンを完済し銀行から抹消書類を受け取ったら,速やかに抹消登記を済ませないとこんなことが起こり得ます。もっとも,銀行も完済した借主に対し,抹消登記を強く促すよう説明をして欲しいものです。

借主はローンが終わったら安心してしまい,抵当権のことなど眼中になくなる場合がありますから。

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