花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

福島「フェルメールとレンブラント」展・小林先生講演会

2016-05-06 00:22:27 | 講演会

フェルメールとレンブラント-17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」展は、感想文は書いていないが、既に森アーツセンターギャラリーで観ているので、福島の特別講演会の聴講だけさせていただいている(^^;; 

先の宮下先生の講演会に続き、先週、福島A・O・Zで小林頼子先生の講演会を聴講した。今回、初めて小林先生のご尊顔を拝したのだが、着物姿が良くお似合いで、とても素敵でしたわ~♪  

講演会テーマは「澄みわたる窓辺-フェルメールの女のいる空間-」で、今回出展されている《(窓辺で)水差しを持つ女》を中心とした内容だった。 

フェルメール《窓辺で水差しを持つ女》(1662-65年)メトロポリタン美術館

特に興味深かったのは…

・当時の居住空間は多機能で、「プライバシー」という概念が無かった。

・男女の仕事の棲み分けが奨励された(例:ヤーコブ・カッツ『乙女の書』)。

・オランダ社会の豊かさに連れ、個別機能としての「個室」が求められるようになる。

フェルメールの描く「窓際にひっそりと佇む女」はプライバシーが守れる設定になっており、フェルメールは「プライバシー」という当時の新しくビビッドな感覚を絵画の中に導入している。(超省略&誤解があったらスミマセン(^^ゞ) 

この他にも大変勉強になるお話が盛りだくさんで、もっと絵画を丹念に観なければいけないなぁと反省する事多々だった。なにしろ小林先生の細部観察が凄い!! 私もせっかく買った単眼鏡を活用しなくちゃね(^^;; 

で、フェルメール《水差しを持つ女》は先に描いた椅子や背景を塗りつぶしたり、地図を移動したりしているのだが、小林先生はその変更過程の画像も併せて紹介してくれた。その画像を見ながら、某先生のお話が凄く合点され、私的に一番の収穫だったかもしれない。