朝のタチウオは、30分位で切り上げた。
魚探にベイト反応が、出てこない。
「風が出てくる前に、沖に出てみましょうか」
一つテンヤで、真鯛狙いに切り替える。
裸バエ辺りに来ると、北東からのウネリが寄せて、船が上下に揺れる。
船の揺れも気になるが、魚探に出てくるベイト反応が気になった。
「ベイトボールが、沢山出てきますね」
「ちょっと、やってみますか」
少し沖合に出て、船を止めてみた。
釣りを開始して、直ぐのこと。
「凄い、凄いですね」と、久家さんが声を上げた。
その久家さんの目線の先には、凄いナブラが起きていた。
カツオ類のナブラのように見える。
海面には、小さい鰯だと思われる小魚が、沢山見える。
もしかしたら、ベイト反応の正体は、これかも知れない。
海面にナブラは立つものの、アタリが出てこない。
その内に、北東の風が強くなり、沖から白波が立ち始めた。
天気予報を確認すると、風がもっと強くなる予報。
「内場に行きますか」
久家さんと話して、移動する事にした。
内場に入ると、直ぐに反応が出てきた。
「ここは、良い反応がありますよ」
直ぐに久家さんが、竿を出す。
いきなり、ホール中にアタリが来た。
竿先が激しく叩かれるアタリ。
竿先が、海面に突き刺さるようなアタリが来たが…、針が外れた。
巻き上げて針を確認して、直ぐに仕掛けを入れていく。
「又、来ました」
今度は、ドラグ音が鳴り、ラインが引き出される。
「青物かな、真鯛の様にも感じるけど…あっ…外れた」
ラインを巻き上げると、針が結ばれていたケプラーが切れていた。
一投目からのアタリの連続に、期待感が膨らむ。
仕掛けを作り直して、気持ちも新たに竿を出していく。
直ぐにアタリが来た。
「今度は逃がさない」
慎重に、やり取りを繰り返す。
やがて、姿を見せたのは1キロ超の真鯛。
アタリの正体は、真鯛だった。
「綺麗な真鯛ですね」
「上げることが出来て、ホッとしました」
久家さんに、笑顔が戻った。
この後のアタリには、大きなエソが混じり始めた。
魚探に出てくるベイト反応は、内場では多い気がする。
一投目から、切られたり、外れたりと悔しさも続いたが、楽しみも出てきた気がする。