北から北東の風が、強く吹いている。
沖に出る事は、出来ない状況。
港の目の前でも、ウネリの谷間に船が入ると、その姿が見えなくなる。
北東の風が、益々強くなっている感じがする。
「今日は、此処以外に竿を出せるポイントはないですね」
「竿が出せれば良いです」
大井さん、定さんの言葉が嬉しい。
しかし、タチウオも終盤に入り、アタリが落ちているのが現状だ。
何とか、アタリが出ると良いのだが…。
ポイントに来ている船も、少ない。
ベイト反応のある処を、流していく。
大井さんにアタリが来た。
「タチウオのようですね」
しっかりと、合わせを入れる。
良型のタチウオが、上がってきた。
しかし、アタリが連続しない。
定さんにも、アタリが来るのだが、針掛かりしない。
「ゴッ」と、バイトのみで終わる。
日が昇ると、潮の色も黄緑色の下り潮みたいになってきた。
海面では、小魚が逃げ回る様子が確認できるが、ナブラは起きない。
大井さんに、次のアタリが来た。
姿を見せたのは、マゴチ。
このポイントは、マゴチも多い。
気温が冷え込んでいくと、ヒラメのアタリも出たりするのだが…。
ベイト反応のあるところでは、何かがバイトするのだが。
その正体は、メッキだったり、鯖だったりする。
ただ、アタリと同時に、リーダーを切っていくヤツも居た。
定さんに、アタリが来た。
2度、3度と締め込んでいくが…。
「あっ、外れた」
型の良い鰺かも知れないと、想像する。
此処でヒットする鰺は、時に、35センチクラスが姿を見せる。
時間経過と共に、益々風が強くなってきた。
猪崎鼻の岩場に上がる波飛沫も、大きくなってきている。
赤灯台を少し回ってみると、大きなウネリが来る。
昼過ぎ、アタリも少なくなってきた。
「上がりますか」
強くなって風も考慮して、納竿とした。