海上は、北東からのウネリが大きかった。
目線を超えるウネリが、短い波長で押し寄せてくる。
船の揺れを気にしながら、ポイントを探って行く。
潮行は、下り潮が沖に払い出している。
流れ自体は、0.5ノット前後と、ゆっくりしている。
仕掛けの入り具合から想像して、上潮と下潮の流れが交差している様にも感じている。
ベイト反応を見て、船を流すポイントを決める。
「鰺が大好きなんですよね」
ベイトの正体は、その鰺だった。
大きさは、30~35㎝と、良型だ。
釣り開始から、鯵が連続して来る。
鰺がヒットして来る合間に、青物がヒットして来る。
強い引き、鋭い突っ込みに、ラインが切られる。
鰺の群れは、型が大きく成ったり、鯵子に成ったりする。
風が、北東に変わって、船の流れる方向が変わって来た。
海底の変化の有る所で、大きなベイト反応が出て来た。
アタリが、4人同時に出た。
ドラグ音が鳴る。
「ラインが、だいぶ出ました」
ゆっくりと、巻き上げる。
良型の、カンパチ(ネリゴ)が上がって来た。
アタリは、続けて来た。
太ったカンパチ(ネリゴ)が、嬉しい釣果アップになった。
楽しい釣果は、続いた。
海中を縦横に、走り回る。
時には、ドラグ音を響かせて、真下に突っ込む。
緊張と気持ちの高鳴りが、入り混じった楽しい時間。
釣り人だけが、味わえる釣りの醍醐味だ。
姿を見せたのは、鰤(ハマチ)。
釣り上げた鰤を掲げる笑顔が、輝く瞬間だ。