かどくら邦良@高崎市議会議員 ブログ

思いをブログに綴ります。

2015.8.29 高度化の逆説

2015-08-29 10:01:16 | 日記
県議会産経土木常任委員会で県内の有力企業であるサンデンや日立オートモティブシステムズを視察させてもらった。

共に企業の生き残りをかけて物づくりにチャレンジしているわけであるが、時代を背負って社是は「環境」が第1義的なキーワードとして登場している。

2社ともに次々と高度化した製品をつくっているわけであるが、高度化、効率化により人間にとって快適、便利な物がつくられる。

一方で快適、便利になればなるほど人間の生きる力が弱くなる。快適、便利な社会は高度化した社会。高度化した社会に生きる人間は脆弱化するという逆説に至る。

日本が物づくりで世界で勝負する製品、物ができることは喜ばしいことでもある。しかし高度化した快適、便利な社会は本当に人間を幸せにするのかどうか?

全世界で貧富の格差が拡大する中で、むきだしの恐るべき社会の現実と快適、便利な社会の現実がグロテスクに交差する世界。

人間存在とは何か?人間が存在することの意味とは何か?産業育成と活性化と雇用の確保が政治の大きな命題だが、人間存在あっての政治である。社会の高度化により人間が弱体化し、社会が衰弱していくということでは社会が立ちゆかなくなる。