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市民自治の憲法理論 松下圭一 岩波新書 1975年
今日、5月3日は憲法記念日です。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の憲法の三原則をさらに発展させ、内実をつくって行かなければなりません。
松下圭一法政大名誉教授の名著である「市民自治の憲法理論」の表紙を開いてすぐ右にこの本の紹介文があります。
「憲法は国家のものか、市民のものか。今日の市民運動の昴進は、市民こそが憲法理論をつくる主体であることを認識させつつある。市民自治から発する分節政治システムと、基本的人権を核とした国民の政府への機構信託を構想することによって国民主権の発動を目標とする憲法理論の再構成を提案する。」
とあります。冷戦期のいわば冷戦型の対応の護憲運動からなかなか抜けきれないでいた私に目を開かさせてもらった、私にとって大切な理論本です。
本の内容は、Ⅰ 市民運動と法学的思考。Ⅱ 戦後憲法学の理論構成。Ⅲ 憲法理論への市民的視角となっています。何度読んでも政治的、運動的に新しい発見があります。
私も自治体議員となって2年、ローカルガバメント「地方政府」の議員であることをたえず意識して活動しています。
「中央政府」と対等の関係にある「地方政府」の力をさらに強めていくための課題は山とあります。
条例づくりをはじめとする議員の政策立案能力の向上、市民自治の実践により自治体の中に市民自治の理念を制度的に埋め込む作業等々です。
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大臣 菅直人・著
松下理論の政治的実践者である菅直人民主党代表代行の「大臣」の中で松下氏は、「戦後50年を通じて憲法をめぐる問題点が順次、移行、深化してきます。つまり戦後、政治を『保守 対 革新』のドラマとみなした考え方から見えなかった『官治 対 自治』という、明治以来基本の政治転換が見えるように、ようやくなったのです。」(大臣175ページ)と語っています。
菅氏が国会の中で内閣法制局長官に明らかにさせた憲法第65条「行政権は内閣に属する」について内閣の行政権=国の行政権とは別に「地方公共団体に属する地方行政執行権を除いた」(1996年12月6日:衆議員予算委員会)という自治体の独自の行政権を活かし地方政府の力をさらに強められるのか。自治体議員の力が試されています。
「保守 対 革新」から「官治 対 自治」へ。
市民自治の憲法理論の発展をさらに。