太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

国が掛け声をかける問題か

2020-10-08 09:15:24 | 社会観察
 脱ハンコが話題になっている。当面は行政の事務手続きの合理化だが当然民間にも影響は及ぶだろう。現役の頃稟議書を突き返されたことがある。否決された段階で起案者に返却がルールだったから社長決裁だったので直接社長から起案者の私のところに、戻ってきた。決済を待ち望んでいた者としてはショックだったが稟議書を見ると間の決裁者印が20数個ある。一体この人達の印は何の意味だったのか。多分返却されたことすら知らない。稟議決裁に何の責任も無いなら、内容は良く分りませんが一応見ましたという「見ました印」を作れと思った。これから分かるようにハンコそのものが悪いわけではなくルールが悪いのである。電子決済にすれば仕事が早くなるかというと逆に遅れるものが相当出て来るだろう。不在とか頻繁にパソコンを見ない人はハンコを追って紙を追跡するようなことはできない。沈黙の保留となる。国が率先垂範するほどの問題かとおもう。やろうと思えば行政だって民間だってできる。仕事の効率を上げることは官民必須であることは分かっている。
 携帯の通信料金値下げも国が言い出した。国に言われたから下げる民間の経営者も情けない。これまで利益を貪っていたのか、社内はハンコ文化で猛烈に効率が悪く、その分を合理化して下げるのか。国が言う前に何とかしろと言いたい。そうすれば国はもっと大きな課題に取り組むことができる。首相のイーグルアイも凄い。内外を総合的・俯瞰的に眺めながら片隅でつまみ食いをしている子ネズミを見つけるのだから。ここで思い出されるのは拙老作ことわざ、「木を見て森を見ず」から「葉緑素を見て森を見ず」だ。
 このところ制度設計の抜け穴が目立ってきている。最近ではGoToイートの差額ポイントだ。焼き鳥1本注文して差額の数百円のポイントを稼ぐというものだ。それをやるためにかける現場まで行く交通費や予約の手間等時間の無駄を考えれば一人でできる回数は自ずと限界があり何処かで飽和するだろうがゲーム感覚で参加する若者が3万人居たらポイントは貯まるだろうが税金で補填されるポイントも堪ったもんじゃない。ふるさと納税もしかり。制度設計の時にどれだけ極限状態が想定されていたのかと思う。政治的に言うと、法律に違反しているとまでは言えないとなる。社会科学ではあらゆる場面で極限の科学というか行き着く先を想定しないと制度の主旨と大きく乖離してしまう。巧妙な詐欺まがいの手口ではないGoToイートの問題を見ていると一人が思い付いたアイデアはSNSではあっという間に拡散することだ。法律に違反しているとまでは言えないという国の答弁が弱者の擁護に使われる間は良いが、自らの弁明に使われてしまうと確実に若者の倫理観に影響を与えることを理解しなければならない。法さえ守れば良いでは社会は成り立たない。貴族でもない初老の庶民は折込チラシの100円引き券を握ってラーメンを食べに行く、この慎ましさを見習え。言われるだろう。近所の100人が行ったとしてもGoToの主旨である経済活性化には何の貢献もしていないけどね、と。