「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

そろそろ見えてきた、J優勝チームは総額22億円ダソーン。

2017年09月26日 21時36分43秒 | サッカー選手応援
今年は、そういう年だと、皆さんも気づいたことでしょう。春先は話題になった「DZAN契約によるJリーグ賞金総額の大幅アップ」

優勝チームだと、向こう3年間で総額22億円が支給されるという、これまでの10倍以上の恩恵、もちろん2位でも3位でも相当の額を得られますし、J2降格になっても救済金が結構もらえるという、どのチームにもおいしい変化なのですが、何といっても優勝チームはケタ違いです。

私が言いたいのは、結局、これを持っていくのはJリーグ最多タイトル獲得を誇る王者・鹿島なんだなぁ、ということです。まさに、ここ一番という時にはキッチリと逃さない、常勝チームらしいところです。

まだ決まったわけではありませんが、こういう状況で鹿島が、このチャンスをミスミス逃すと思うほうが甘いということです。

これを機に、鹿島は「強いけれど所詮地方のクラブ」から予算規模を伴った名実ともにビッグクラブに飛躍するでしょう。

欧州の名門クラブが、強さの持続による人気の獲得と、クラブ資金の上積みによって、長い年月をかけて名門クラブになっていったことを思えば、鹿島がまさにその道を歩んでいるわけで、王道を歩んでいると言っても過言ではありません。

さぁ、問題は他のJリーグクラブです。鹿島の一人勝ちを指を加えて見ているだけなのか、どこか骨のあるチームはないのか、奮起を促したいこと、この上ありません。残念なことに、そういうクラブ作りは一人や二人の力でできるものではありません。

長い年月にわたってチームを貫くスピリットと、それを継承する揺るぎないクラブ経営者の質、そして、そのスピリッツを現場で選手たちに植え付け、継承していくチームスタッフ。さらには、そういうチームを愛してやまない分厚いサポーター。

それらが長い年月、揃い続けないと育たない世界でもあります。でも、私は何度もこの書き込みで言うのですが、そういう可能性を持ったクラブが皆無ではないので、あとはクラブ経営としての持続性、チーム作りとしての持続性、サポーター熱意の持続性があればと願う次第です。

近いうちに、試練にさらされている名古屋と広島について触れたいと思いますが、こうしたチームも、手厳しい試練をくぐればこそ育まれる「力」というものがあります。

今年手にするであろう鹿島の莫大な優勝賞金が話題になる頃、各チームとも、今更ながら取り逃がしたものの大きさに愕然とすることでしょう。

当ブログは、何ごとも先見的に取り上げていくことに努めていますので、一足先にお知らせした次第です。

では、また。
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中吊り広告「週刊プレイボーイ」本田圭佑・代表に不要?論会議を見て

2017年09月26日 20時58分10秒 | サッカー選手応援
タイトルにあるように、今回の書き込みは、一昨日見た、電車の中吊り広告「週刊プレイボーイ」誌の記事見出しからインスピレーションを得たものです。

正確な見出しは「『本田圭佑は日本代表に必要ないのか』会議」だったと思います。ですから週刊プレイボーイ誌の記事本体は読んでおりません。

記事は記事で面白いのだと思いますが・・・。

私の場合は、本田圭佑選手と日本代表に関しては、かつて、トルシエ監督が中村俊輔選手を日本代表から外した時と同じ位置づけに本田選手があると考えているので、必要とか不必要と二者択一の問題ではないと言いたいのです。

トルシエ監督時代に中村俊輔選手を外した理由について、彼はこう言ってたと思います。「私の中でシュンスケは中盤の選手の中の4番手か5番手、23人の代表全体の中では13~14番目の選手、少なくともスタメンで使う選手ではない、では途中から流れを変えたり守備固めに使う可能性があるかというと、それもない。だからシュンスケはメンバーから外した」と。

結構、明快な答えだと思いました。

いまの本田選手がまさにそういう位置づけだと思います。トップから中盤の選手の中の、おそらく5番手から6番手だと思います。ハリル監督の場合は、まだ途中から流れを変える可能性があるかも知れないという気持ちがあるので、代表から外すところまでは行っていないですが、もう少しパフォーマンスの悪い状態が続けば、その可能性もあきらめ、代表から外す、そういう決断が近づいているかも知れません。

けれども、パチューカでキレを取り戻し、代表での序列が4番手、3番手に戻る可能性はありますから、すべては今後のパフォーマンス次第だと思います。

少なくとも過去の「絶対的エース」「圧倒的存在感」の本田圭佑選手の時代は終わったわけで、それは選手としてのピークを下っているさなかの本田選手としては、やむを得ない「老い」というものです。

週刊プレイボーイ誌の議論がどんなふうなのか、知る由もないのですが、私はそう思います。
では、また。
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柴崎岳選手とグリーズマン選手が持つスター性

2017年09月17日 11時59分20秒 | サッカー選手応援
前回、乾選手のドキュメンタリー番組のことを書き込みましたが、今朝は同じリーガ・エスパニョーラ・ヘタフェの柴崎岳選手がバルセロナ戦で、記念すべき初ゴールを叩き込んだニュースが飛び込んできました。

前半39分、高いところから落ちてきたボールを抑えるようにして放った左足のスーパボレーは、0-0の均衡を破る先制ゴールでした。

「美しい絵画のような傑作だ」、フランスのメディアがこう評したそうです。こういう表現を日本のメディアにもお願いしたいですよね。これが文化の薫り高さというものです。

柴崎選手は、これでスペインのみならず世界のビッククラブと言われるバルセロナとレアル・マドリーの両方からゴールをあげた初の日本人選手になったそうです。

しかし、好事魔多しです。柴崎選手、後半9分、その左足首に激痛が走り無念の交代となりました。まだ詳細な情報が入ってきていませんが、心配です。次節は3日後にありますから。

さきほど「フランスのメディアが・・・」という話をしましたが、そのフランスが送り出しているリーガのスターがアトレチコ・マドリーのアントワーヌ・グリーズマンです。

柴崎選手のスーパーボレーと相前後して入ってきたニュースが、グリーズマンのアトレチコ・マドリー新スタジアムでの第一号ゴールでした。

アトレチコ・マドリーは、昨年まで50年間使用していたホームスタジアム、ビセンテ・カルデロンに別れを告げ、今シーズンから新スタジアム「ワンダ・メトロポリターノ」に本拠地を移し、この日がこけら落としの試合でした。

注目はやはり、新スタジアムの第一号ゴールゲッターは誰か、ということですが、決めたのは、最も期待されているエース、アントワーヌ・グリーズマンだったわけです。アトレチコは彼のゴールを守り切って、記念すべき新スタジアム初戦を勝利で飾りました。

グリーズマン選手、ブロンドの髪をヘア・バンドで束ねた、アイドル顔の優男(やさおとこ)ですが、ゴールゲッターとしての嗅覚に優れています。

そのグリーズマンについて当ブログは昨年7月9日に取り上げています。「明暗くっきりメッシとC・ロナ。そして躍り出たグリーズマン」というタイトルで、EURO2016決勝を前に書き込んだものです。

この時、彼にスーパースターとしての予感を感じたのですが、まだメッシとC・ロナを超えるところまでは行ってません。けれども千両役者であることは間違いありません。

そして柴崎岳選手、まだ欧州での実績はなく、日本代表としてもこれからの選手ですが、スター性を持っています。昨年のクラブW杯レアル・マドリー戦、そしてリーガでのバルサ戦、大一番での強さが際立っています。

今回のスーパーボレーを実況したWOWOWの柄沢晃弘アナウンサーと解説の安永聡太郎さんは、彼の平常心をあげていました。まさにそれですね。キリまないで練習と同じ精神状態で打てる、これが彼の素晴らしさでしょう。

グリーズマン選手のゴールもまた、そうでした。右サイドからのグラウンダーのクロスに、相手DFの後ろから走り込み、ハーフボレー気味にミートしたゴールですが、ミートした瞬間のリキみのなさ、これが千両役者たるゆえんでしょう。

グリーズマン選手は1年半前までは、エースでありながら大切なPKを外すメンタルの弱さが心配されました。けれども、もう大丈夫でしょう。

二人とも、ここぞという時に力を発揮できる選手になりました。スター選手だけが持つ重要な資質です。
次のロシアW杯、二人とも大きな舞台になります。フランス代表は、死のグループとも言えるオランダ、スウェーデンと同組の欧州予選で、まだ出場権を決めていませんが心配ないと思います。

ロシアW杯で、大舞台に強い二人が、それぞれどんな驚きを世界に与えるか、注目です。
日本とフランスが同組でグループリーグを戦うのも見たいですね。柴崎、乾、グリーズマン、リーガ戦士がピッチに勢ぞろい、ゾクゾクします。

では、また。

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乾貴士選手29歳、堂安律選手19歳、二つのドキュメンタリー番組

2017年09月16日 15時20分33秒 | サッカー選手応援
たまたま、この時期に、乾貴士選手と堂安律選手、二つのドキュメンリー番組を見ました。一応ご紹介しておきますと、乾選手の放送は、WOWOW制作「ノンフィクションW 乾貴士 そのドリブルで未踏の領域へ」、堂安選手の放送は、BS-TBS「裸のアスリートⅡ『堂安律(サッカーU-20日本代表)』」です。

乾選手のは、初回放送を見ておらず、今回再放送を見たものです。堂安選手のは初回放送だと思います。

タイトルに「乾貴士選手29歳、堂安律選手19歳」と付けました。まさに10年の違いが詰まったドキュメンタリーのように感じました。

二人に共通している日本人的な特徴が二つあります。一つは小柄であること、乾選手などは自分が4つも5つも年上でも、小柄であることから「可愛がられ」一方では「いじられ」ていることをサバサバとして語ってくれました。

もう一つの特徴は、すばしこくドリブラーであること。これも、いかにも日本人的ですよね。つまり世界基準で日本人が勝負できる分野を象徴している選手といえます。

もちろん本田圭佑選手や、吉田麻也選手のように外国人にひけをとらないフィジカルで勝負できる選手も増えてはいますが、今回の二人は、かつての日本の代表的な輸出品、トランジスタラジオやウォークマンをイメージさせる、いわばオーソドックスな日本の輸出品という感じです。

たまたま、乾選手は右利きで左サイドの前線、堂安選手は左利きで右サイドの前線という違いがあり、そこは面白いところです。

あえて、もう一つの共通点を付け加えれば、二人とも関西人だということです。この関西人らしい「ノリの良さ」を二人とも備えていて、それが欧州サッカー戦場で生き抜くためには、いいほうに作用してくれると思います。

二人のドキュメンタリー放送を見て思ったのは、日本人選手の欧州での活躍に10年の幅ができてきたということです。10歳の年の違いといえば、完全に別の世代です。別の世代の選手たちが同時期に欧州の戦場にいる、そういう時代になったということです。

乾選手は、リーガ・エスパニョーラという、これまで日本人が誰一人成功したと言われていないリーグで最初の成功者になろうとして頑張っている選手、片や堂安選手は、当面「東京五輪で日本代表を勝たせるエースと言われる選手になる」ことを目指して海外挑戦を始めた選手です。

乾選手は、いまキャリアのピークを充実した思いで戦っています。5月のバルセロナ戦での2ゴールは、彼をゴールハンターとして一段エゴイストにしたことでしょう。

堂安選手は言います「それまでには、もう一段ステップアップの移籍ができなければと思っています」と。10歳台で欧州移籍を果たした選手は堂安選手が初ということですから、新たな時代が来たということになります。

まさに欧州における日本人サッカー選手の豊穣なるさまを見る思いです。来年のロシアW杯に必ずしもこの二人がそろい踏みできるかどうかは未知数です。ハリル監督の戦術的なチョイスに合うかどうかもありますし、コンディションがそこに合うかどうかもあります。

それでも、ゴールに向かう気持ちを一段と強めた選手たちが、一人でも多く育つことが、今の日本サッカーにもっとも必要なことです。楽しみです。

では、また。
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サッカーカメラマン・今井恭司さん(71歳)が「サッカーの殿堂」入り

2017年09月15日 18時40分28秒 | サッカー選手応援
サッカーカメラマンという分野の方が「サッカーの殿堂」入りされたということで、今井恭司さんを、テレビ東京のサッカー番組「FOOT×BRAIN」が、9月10日放送分のゲストとして招いてくれました。

71歳になられた今も現役で試合の写真を撮り続けておられるとのこと。素晴らしい限りです。

(このあと、また書き込みしますので、お待ちください)(翌日、追加書き込みです)

スタジオで、これまでの長いカメラマン人生の中で撮り続けた話の数々と、珠玉の写真が紹介されましたが、私は東京はもちろんのこと、全国各地で、いわゆる展示会で見たいと思っていますし、多くのサッカーファン、スポーツファン、写真ファンの皆さんにも見て欲しいのです。

この気持ちが「サッカー文化フォーラム夢追い人」の原動力になっています。多くのサッカーカメラマンがW杯、海外サッカー、日本代表そしてJリーグ、さらには下のカテゴリーの試合、「なでしこ」「大学・高校」など、あらゆる試合の会場で、日夜、選手たちの姿を追い、撮り続けています。

写真というのは、重要な芸術ジャンルです。写真芸術には、いろいろな魅力がありますが、躍動するアスリートの姿というのは普遍的な美しさを持っており、それを被写体にして素晴らしい写真を撮りたいという願望もまた、スポーツカメラマンの普遍的な欲求です。

いま写真ギャラリーが結構増えてはいるのですが、スポーツシーンをテーマにした展示会は、意外と少ないと思っています。

最近でこそ行く機会が減っていますが、東京・六本木のフジフィルムギャラリーや、品川のニコンギャラリーなど常設の写真ギャラリーには、散歩気分で足を運び、富士山をテーマにした展示会などを愉しんでいるのですが、スポーツ系の写真展示会はなかなかありません。

ですから、私はスポーツ写真を、スポーツ文化としてキチンと、常時表現できる場を整備することが不可欠だと思っており「サッカー文化フォーラム」という場で、サッカーカメラマンの作品を常に発表できるようにかることを目指しています。

実際の常設展示スペースの確保もそうですし、web上でのバーチャル展示スペースも合わせて用意したいと思っています。

いまお読みいただいているページの左側の列にプロフィールから始まる欄がありますが、「自己紹介」の下に「ブックマーク」の欄があります。そこに「サッカーの世界にようこそ」というページにリンクで飛べるようになっていますが、実はそこに「バーチャル写真ギャラリー」を開設したいのです。

資金不足とマンパワー不足、そして常設ギャラリーに展示してもらえるカメラマンさんとの人脈不足のため、ここ2年ぐらい作業が手つかずになっていますが、そういう思いは持ち続けています。

今回、日本サッカー殿堂入りされた、今井恭司さんは、これでメジャーなサッカーカメラマンになられましたから、たとえ「サッカーの世界にようこそ」のサイトに常設ギャラリーを開設できても、とてもお招きできるような方ではなくなりました。

けれども、自分の撮影したサッカーシーンを何らかの形で発表できる機会を持ちたいと考えている多くのサッカーカメラマンさんがいます。サッカーを撮影することが好きでたまらずにカメラマンとしてスタジアムに足を運んでいるカメラマンさん。

実は、プロのカメラマンとして、それだけで食べていくのはなかなか大変と、今井恭司さんもおっしゃってました。そういう世界です。スポンサーがついて個展などを開ける人は、本当に一握りです。

だからこそ、私は多くのカメラマンの方が捉えてくれたサッカーシーンの数々、各選手たちの一瞬の表情を、多くのサッカーファンの人たちに見てもらいたいのです。

文化の深みがある社会というのは、そういうものだと思います。写真芸術という文化に触れる、スポーツシーン、サッカーシーンという一瞬を切り取った芸術に触れる、この愉しみを一人でも多くの人に味わってもらいたい。

今井恭司さんの殿堂入りのニュースに接して、また新たな力をもらい「サッカー文化フォーラム夢追い人」の活動のエネルギーにさせていただきました。

ありがとうございます。
では、また。







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日本選手の欧州サッカー挑戦、これまでと、この先。

2017年09月14日 04時52分33秒 | サッカー選手応援
07-08欧州チャンピオンズリーグがスタートして、世界のサッカーシーンが一段と賑わいを増す時期になってきました。

かの小柳ルミ子さんのように、どのサッカーシーンもウォッチするほどエネルギーがない私は、最低限としてリーガ・エスパニョーラの5試合、つまりレアル、バルサ、アトレチコそしてエバイルとヘタフェの試合だけを追っかけています。

考えてみますと、今年こうやってスペインリーグだけを追いかけているというのも、時代の移り変わりを敏感に反映した結果かも知れません。そんなことから、「日本選手の欧州サッカー挑戦、これまでとこの先」というテーマで書いてみたくなりました。

「日本選手の欧州サッカー挑戦」という話になる時、必ずあがるのは「奥寺選手以来」という枕詞(まくらことば)です。でも、私はJリーグ以前を「紀元前」という言い方で分けたいと思っています。

つまり奥寺康彦さん、尾崎加寿夫さん、風間八宏さんといったブンデスリーガ組を「紀元前」の選手として脇において、カズ選手に始まるJリーグ以降、すなわち「紀元後」からの選手を取り上げたいと思います。ご了承ください。

Jリーグスタート直後のカズ選手の時代、日本人選手にとって海外とは「挑戦できる立場になることに意義がある場」だったと思います。そして当時、世界最高峰のリーグとはイタリア・セリエAでした。プラティニ、マラドーナ、ルート・フリット、ローター・マテウス・・・。スーパーな選手はことごとくセリエAに集結していました。

そこに挑戦できる立場になることは、日本のサッカー選手にとって当時「憧れ」だったと思います。そこにカズ選手が挑戦できてから、中田英寿選手、名波浩選手が続きました。

1998年に日本が初めてW杯の舞台にたつと、今度は海外挑戦の幅が広がってきました。城彰二選手、西沢明訓選手はスペイン、小野伸二選手はオランダ、稲本潤一選手はプレミア、高原直泰選手はアルゼンチン経由でブンデス、中村俊輔、柳沢敦、小笠原満男らの選手がセリエAといった具合です。

西暦2000年すなわち21世紀に入ると、次第に世界最高峰のリーグとはイングランド「プレミアリーグ」だ、と言われる時代に入ります。サッカービジネスがビッグビジネスとして注目され始め、その舞台がプレミアリーグだったことも影響していると思います。

ですから、この頃の日本にはプレミア以外はワンランク、レベルが落ちるリーグなのに、あえて海外挑戦に意味があるのか?、といった議論も出始めました。高原直泰選手のように、日本で「エコノミークラス症候群」と呼ばれた、航空機移動の多い人たちに見られる難病のような症状に見舞われる選手も出たことも影響しています。

つまり極東の日本と欧州という地球半分の移動をたびたび強いられる日本代表クラスの選手にとって、欧州で戦い続けるということは、計り知れない負担になるということも知られるようになったわけです。

けれども2006年ドイツW杯で日本が惨敗すると、再び「海外リーグで揉まれないと日本代表は強くならない」という議論が高まり、むしろ日本選手がすんなりと入っていけるリーグを選ぶべきではないか、という声とともにブンデスリーガへの移籍が加速するようになりました。

つまり奥寺、尾崎、風間各選手の時代から四半世紀を経て、再びブンデス回帰の流れがきたわけです。長谷部誠選手、内田篤人選手、香川真司選手といった選手たちのことは、もう誰もが知っています。

一方では、まず欧州の手ごろなリーグで活躍して、いわば小さなショーウィンドウではあるけれど欧州のショーウィンドウであれば、強豪クラブのスカウトたちの目に留まる機会も多いので、そういうルートも一つの道だという考え方も広まってきました。

本田圭佑選手がオランダのVVVフェンロから、吉田麻也選手も後を追うようにVVVフェンロからキャリアをスタートさせています。GKの川島永嗣選手はベルギーのリールセから欧州のキャリアを始めています。

そして彼らは、狙い通りに四大リーグといわれるリーグへの移籍を果たしています。

長友佑都選手のように「ボクは世界最高のサイドバックになるため、あくまでセリエAで挑戦する」といって、チェゼーナに移籍した例もありますが、この時期、少数派でしたね。

時代が2010年代に入ると、世界最高峰のリーグの舞台はスペイン、リーガ・エスパニョーラに移っていきます。スペイン代表がEURO2008、2010南アW杯、EURO2012と3大会制覇したこと、同じ時期に、ペップ・グアルディオラ監督率いるバルセロナが魅惑のサッカーと言われるスタイルで世界を魅了したことなどによるものです。

したがって、多くの日本人選手たちも「いずれはスペインでプレーしたい」と口にするほど憧れのリーグになったと思います。けれども、かつて城、西沢、大久保嘉人選手らがスペインに挑戦して、うまくいかなかったわけで、スペインで戦うには独特の難しさがあるということが、彼らの経験によって生かされ始めました。

ですから、いまスペインに渡ってサッカーをしようと思えば、その難しさを克服することが必須条件である、ということを承知の上で渡ることになります。

いま乾貴士選手や柴崎岳選手が、やっと成功の兆しを見せ始めているのも、そうした先達の日本人選手たちによって受け継がれた経験の賜物といえると思います。

いま、この二人は世界最高峰のリーグでの「第一段階」を歩んでいるところです。まず第一段階で成功を収めることができれば、第二段階に進めるというところです。

かつて、中田英寿選手も中村俊輔選手も、ペルージャ、レッジーナといった第一段階での成功は手にしました。しかし第二段階には進めなかったと思います。ACミラン、インテルあるいは他のリーグのビッグクラブに引き抜かれるところまでは行かなかったと言えます。

確かに中田英寿選手はASローマでスクデットを獲得できました。そのことをもって「成功を収めた」と言っていいのかも知れません。けれども、私は、中田英寿選手自身には、それほどの達成感はなかったように思います。チーム内での彼の立ち位置は、フランチェスコ・トッティという絶対的なエースの次のセカンドチョイス的なものではなかったでしょうか。

また、長友佑都選手はインテル、本田圭佑選手選手はACミランという名門チームでプレーする機会を得ましたが、これらのチームは、今、欧州全体の中では中位レベルの評価しか受けていないチームであり、いわば欧州挑戦の第二段階で成功を収めたとは、なかなか言い難い状況にあります。

さらに、香川真司選手がドルトムントからマンチェスター・Uへ、これこそ「第二段階」か?と、色めき立ちましたが、うまく行きませんでした。

つまり欧州挑戦における第二段階というのは、たとえスタートが「プロビンチャ」(地方(日本風なら田舎)の弱小・中堅クラブ)であっても、最終的に世界最高峰のリーグのビッグクラブに引き抜かれ、そこで押しも押されぬレギュラーを張れることができた時だと思うのです。

いま日本選手は、そこを目指すところにきたと言えます。乾選手や柴崎選手に続き、リーガ・エスパニョーラのプロビンチャで活躍できる選手は生まれると思います。けれども、そこからレアル、バルサ、アトレチコといったクラブに引き抜かれる選手を見るまでには、まだ時間がかかりそうです。

ただ「この先」について言えば、別なルートから一つの可能性が見えてきたことも事実です。バルサ育ちの久保建英選手、レアル育ちの中井卓大選手という未来です。
もし彼らが、いつの日か、バルサやレアルの一員として、リーガ・エスパニョーラのプリマベーラ(一部リーグ)を戦う日が来たならば・・・と、夢見ることはできます。

おそらく彼等も、一旦プロビンチャにレンタルされて、そこで力をつけて呼び戻されなければならないのではないかと思います。さらには仮に呼び戻されて、バルサやレアルの登録メンバーになっても、いつもスタンド観戦、せいぜいベンチ入り程度では意味がありません。

彼らが24~27歳あたり、キャリアのピークを迎える時期にバルサ、レアルに呼び戻されることができれば、私たちは日本選手の欧州挑戦における「第二段階」の成功を目にすることができるかも知れません。

久保選手にしてあと7~8年先、中井選手の場合は、あと10年以上先の話です。楽しみはまだまだ先にあります。私はその頃何歳になっている? いやいや賀川浩大先輩のような方もいらっしゃいます。賀川浩先輩から見たら私たちは、鼻たれ小僧もいいところです。

では、また。
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日本代表戦の余韻、最後の楽しみはNumber誌

2017年09月09日 18時36分16秒 | サッカー選手応援
豪州戦、サウジ戦と続いた日本代表2連戦、テレビ、ネット、スポーツ紙と余韻を楽しみ、そろそろ終息かなというところにNumber誌臨時増刊号が出ました。

「ハリルホジッチと27人の男たち」表紙の印字は小さかったのですが、27人全員を取り上げた記事、そして巻頭を「ヴァイッド・ハリルホジッチの勝利」という二宮寿朗氏のレポートが飾っています。


before 日本代表2連戦 after

ハリル監督は、アギーレ前監督の辞任を受けて、いわばピンチヒッター的に登板して、ロシアW杯出場権獲得という難しいミッションを成功させました。

Number誌の特集記事を読みながら、私自身は、この1年間、ハリル監督について、どう見てきたのか振り返ることにしました。

まず昨年10月8日の書き込み、3日前にイラク戦を辛くも勝った日本代表、次のアウェー・豪州戦を前にこう指摘していました。再録が少し長くなりますが、ご容赦ください。

「ハリルホジッチ監督の命運という点では、オーストラリア戦での引き分けが最低条件でしょう。負けたら終わりにしましょう。但し、私は、引き分けても本田選手をスタメンで使ったら監督更迭、スタメンで使わずに引き分けたら続投でもいいと思います。

とにかく世代交代の意図を明確にしてもらわないと、もたないということです。(中略)さて、11日のオーストラリア戦、私は監督更迭に向かう公算が大きいと見ています。ハリルホジッチ監督は、アギーレ監督の後を引き継いで、時間のない中最終予選を迎えているという気の毒な面があります。ある意味、運が悪いとも言えます。

日本代表が一時の勢いを失って、後に続く選手の底上げがない中、中東をはじめ他の国が力をつけてきており、それこそ成長曲線では日本が下降局面、中東諸国が上昇局面、すでに幾つかの国は、日本の力を上回るところまで成長している感じがします。

そういう中で、したたかにW杯出場権をつかむには、各選手の伸び具合や国際試合への向き不向きを的確に見極め、その選手たちをどう配置してチームとしての力を高めるか、まさに監督の腕の見せ所にほかなりません。

その意味で、ハリルホジッチ監督に、そこまで求めるのは酷なのかも知れません。

かつてのボラ・ミルティノビッチ監督、そしてフース・ヒディング監督といった人たちは、そこで確実な仕事をした人たちです。

日本にもたった一人ですが、そういう監督がいます。岡田武史監督その人です。私は、またぞろ岡田さんに頭を下げて、ご登板願わなければならないと思っています。

「また岡チャンかよ、困った時の岡チャン頼み、日本にはそれしかないのかよ」と、国内はもとより海外メディアからも、こっぴどく叩かれそうです。

(中略)日本協会は、打診をしているのでしょうか? 打診どころか三顧の礼をもって口説き落とさなければならないところまで来ていると思います。ハリルホジッチ監督が次のオーストラリア戦で世代交代をキチンとした上で引き分け以上の結果を残さなければ、更迭しかないのですから。

私は、そういう思いで11日を迎えようと思います。」

以上が昨年10月8日の書き込みです。
アウェーの豪州戦を前に、もうハリル監督ではダメだという気持ちになっています。しかし、豪州に引き分けたものの、世代交代の声は無視されました。

メディアでは監督交代論が高まり、次のサウジ戦の結果次第では明らかに交代が現実のものになろうかという時、直前のテストマッチ・オマーン戦でハリル監督は手を打ってきました。その時のことを11月13日にこう書き込んでいます。

「ハリル監督がやっと世代交代に動きましたけど、本物かどうか・・・。」
本文をまた再録します。少し長くなりますが、お付き合いください。

「一昨日、11月11日、オマーンとのテストマッチ、ハリル監督がやっと世代交代に動いたかと思われる布陣で臨みました。

最前線に大迫勇也選手、サイドに齊藤学選手、トップ下には清武弘嗣選手、ボランチに山口蛍選手、両サイドバックに酒井宏樹選手、酒井高徳選手、センターバックに丸山祐市選手、実に7人もの南ア組でない選手を並べました。

これに本田圭佑選手のかわり原口元気選手を入れれば、世代交代完了です。ボランチの長谷部誠選手とセンターバックの吉田麻也選手は外さなくてもいい選手でしょう。

これでサウジアラビア戦に臨めば、勝っても負けてもハリル監督続投で構いません。明確な世代交代の意思を見せての結果であれば、次につながります。

サウジ戦に負けると、自動出場権獲得の2位以内がかなり厳しくなります。でも私は、この布陣で臨めば負けないと思っています。悪くても引き分け、勝てる確率はかなり高いと思っています。」

このように、ハリル監督が私の言うことさえ聞いてくれたら、サウジ戦はかなり勝てる確率が高いと言っています。これは、私の揺るぎない「選手のキャリアピーク交差論」からきています。

この日の書き込みは、かなり過激な言葉で締めくくっています。

「サウジ戦、もしハリル監督が、南ア・ブラジル4人組(本田、長友、岡崎、香川)の一人でもスタメンに使ったら、即退陣です。使わなかったら負けても続投でいいです。私は負けないと確信しているからです。」

そしてサウジ戦、長友選手だけは使いましたが他の3人はスタメンから外れ、結果2-1の勝利。

当日、リアルタイム書き込みで「ハリル監督、よくぞ決断しました、世代交代」を①から⑤まで綴りました。試合終了後の「⑤21;28現在」では、こう総括しています。

「試合が終わりました。1点は返されたものの第一関門突破です。NHK-BSの放送陣は「2点差で勝てれば・・」としきりに話していますが、点差とか内容とか今日は問題ではなく、勝利することが最優先。

これで私が一昨日「勝てる確率はかなり高いと思っています」と繰り返したことが確かめられました。

キャリアのピークに近づきつつある選手たちで構成すれば、日本代表はまだまだ大丈夫なんです。これでハリル監督は、今後使っていくべき選手たちが明確になったことと思います。

それにしてもハリル監督はよく決断しましたよね。正直、私はここまでのことができる監督とは思っていませんでした。

オマーン戦の前までは「どうせ経験を買うとかなんとか言って世代交代には踏み切れないのだろう」と思っていましたし、だから監督交代、後任を誰にするというような話ばかりしたわけです。」

このように、当時、私自身もヒステリックなまでに「世代交代、さもなくば監督交代」を叫び続けましたが、チームの内側を十分につかめないままに論じていた面を、今年1月2日の「ハリル監督年頭インタビュー」で反省しました。その部分を再録します。

「思い起こせば3ケ月前の10月、私の書き込みは「ハリル監督の後任監督」の話題でした。第3戦のイラク戦、後半アディショナルタイム、山口蛍選手の劇的ゴールで辛くも命脈を保った日本代表を、これからも託したいという気持にはなれませんでした。

このイラク戦で、選手たちが自信を取り戻しつつつあり、監督もチームの一体感に少しづつ手ごたえを感じ始めた時期にあたります。

チームの内側の変化をなかなか読み取れない外野席とのギャップが漂っていた1ケ月といえるでしょう。監督更迭問題で世間が騒々しくなる時というのは、多くの場合、チーム内部の状況変化が外側から見てわからない時です。

チームに生じていた問題が処理されたり課題が解決されたのに、外側からはそれがわからないで騒いでしまう。メディアを通じてしか情報を持たない私たちまでが、それに踊らされて的外れな論陣を張ってしまうのです。

気をつけなければいけないことですが、監督更迭問題といった話になると、一億総ヒステリー気味に感情的になってしまいます。

ですから、こういった番組で実情を知って、キチンと私自身の言動も軌道修正していく必要があります。あらためて、その思いを強くした次第です。」

年を越してからのハリル監督は、実績やネームバリューを一切考慮せず「コンディションのよい選手を使う」という点で一貫していました。

3月のアウェー・UAE戦での今野泰幸選手の起用、ホーム・タイ戦での長友選手の中盤での起用など、徐々にハリル監督らしい変幻自在の戦術も奏功しました。

そして極めつけが、今回の豪州戦での浅野、井手口のスタメン起用です。3月以降、ハリル監督は本来の戦略家らしい姿を取り戻したと思います。

かつてアルジェリア代表を率い、ブラジルW杯アフリカ予選を勝ち抜き、本大会で決勝トーナメントに導いた手腕が本物であることを、今年3月以降はいかんなく発揮してくれました。それもこれも、昨年11月のサウジ戦、その前のテストマッチ・オマーン戦が分水嶺になったことがよくわかります。

私自身は、ハリル監督が世代交代を断行してくれたこと、それがロシアW杯出場権獲得のカギになったと確信しています。と同時に、今はハリル監督が本大会でも期待の持てる監督だと感じています。

本大会で、日本代表がどこまでやれるかは、新しい選手たちが、もっと何人も突き上げて選手層が厚くなることに尽きると思います。

例えば前線から、大迫勇也、久保裕也、浅野琢磨、乾貴士、宇佐美貴史、武藤嘉紀、杉本健勇らが、どの選手を使ったらいいか迷うようなパフォーマンスが欲しいですし、二列目もそうですよね、原口元気、香川真司、清武弘嗣、柴崎岳、小林祐希らの選手。

要するにメンバーはいるわけですが、いまの段階では使える選手とベンチの選手がはっきりしています。誰が出てもおかしくないところまでいく必要があるということです。

中盤の底からDF陣はメンバーそのものが足りない感じです。出場停止やケガで中核選手が離脱すると、途端に大きな戦力ダウンです。この部分は急速な成長が期待薄のところです。かつて長友選手が短期間に世界レベルまで駆け上がったり、今回、井手口陽介選手が一気にレギュラーレベルまで成長したようなサプライズがあと二人ぐらい欲しいところです。

日本代表の余韻は、本大会のメンバー想定にまで発展しました。しばらく各選手たちは所属チームでアピールを続ける日々が続きます。

そして季節が秋深まるにつれ、各国リーグ戦あるいはUEFAチャンピオンズリーグなど、毎年の愉しみがやってきます。

そんなことを考えながら日本代表2連戦、ロシアW杯出場権獲得の余韻から覚めたいと思います。
では、また。





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ユン・ジョンファン監督にお願いしよっ。清武選手を大切に使ってネって

2017年09月07日 18時23分36秒 | サッカー選手応援
豪州戦、サウジ戦の日本代表2連戦のことを書き、一方でNHK-BS「スポーツイノベーション」で紹介されたC大阪・山村和也選手のことを書いて、ふと思い当たったのが「清武弘嗣選手は淋しい思いで、このウィークを過ごしただろうな」ということです。

セレッソでも日本代表でも、トップ下といったら2ケ月前までは清武選手だったじゃないですか。その大切な選手が、このウィーク、全く顧みられませんでした。

やはり次世代の日本代表のトップ下もしくは右サイドに清武選手という選択肢は必要ですし、何より、そのプレースキックの精度は、他の選手にはそう簡単にマネできないでしょう。

それはセレッソについても言える話で、ユン・ジョンファン監督が山村和也選手をトップ下にコンバートして、2列目に並べ2トップの杉本健勇選手、柿谷曜一朗選手との面白いようなコンビネーションで快進撃に貢献したことを思えば、清武選手の復帰が待たれていることは、言うまでもありません。

それでも、日々リーグ戦は待ってくれませんから、清武選手の回復が遅くなればユン・ジョンファン監督も、計算できる選手に託すしかありません。

Jリーグの上位争いはし烈を極めていますから1試合たりとも気を緩められません。どうでしょう、清武選手、10月には万全の状態で戻れればいいのですが。

この秋のセレッソの上位争いの中で、清武選手がムリな形でピッチに立ち、壊れてしまう悪夢だけはさけたいところです。

これはもうユン・ジョンファン監督にお願いするしかありません。清武選手は来年のW杯に臨む日本代表の大切な宝です、どうか大切に使ってくださいネって。

ここしばらく、清武選手、ユン・ジョンファン監督、セレッソのことをウォッチしていきたいと思います。

では、また。
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何という過酷なサウジ戦、「ただただお疲れさま」ということです。

2017年09月06日 18時56分11秒 | サッカー選手応援
今日のネットにアップされた「サッカーダイジェスト」編集部の連載コラムで、セルジオ越後さんがサウジ戦を「眠くなる試合内容。サウジに敗れ、ワールドカップへの危機感は増した」と評していました。

そのコラム本文の最後で「深夜2時半からの試合で、あんな内容を演じられたら、眠くなってテレビを消してしまった人は多いんじゃないかな。」と締めくくっていました。

辛口・毒舌でなるセルジオさんらしいと言えば「らしい」批評ですが、当ブログははっきりと言っておきたいと思います。

「見ている日本が深夜2時半というだけの話で、その時間眠いからといって、試合に文句付けているのはどういう神経ですか?」と。
つまり「眠くなっているのは、ぬくぬくとしてテレビの前にいた贅沢なサポーターたち、あるいは評論家たちだけでしょ」と。

テレビを観ていても伝わってくる暑さ、湿気という過酷な状況、風が通らない「蒸し風呂」的なところでフルパワーで90分を戦うには、それなりの戦術が必要なわけで、セルジオさんはそういうことを百も承知な人なのに、こういういい加減な批評をするようでは、鼎の軽重が問われるというものです。

スタメンの選び方などには、いろいろと言いたいことがありますが、とにかく過酷な環境でのサウジ戦、選手たちに「ただただお疲れさま」と言ってあげたいというのが率直な感想です。

サウジ戦を経験した柴崎、井手口、昌司源などの選手は次世代のチームで核になる選手です。試合には負けましたが、彼らが得たものは大きいと思います。

そういう部分も見た上で論評すべきであって、やみくもに「眠くなってテレビを消してしまった人は多いんじゃないかな。」などと、ただのサポーターみたいな批評を載せてちゃって・・・。

私はむしろ「サッカーダイジェスト」誌に言いたいです。「このまま評論家界のレジェンドだからと言って契約を続けるんですか?」と。

では、また。
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山村和也選手の能力をあっさりと引き出したユン・ジョンファン監督の眼力

2017年09月05日 20時18分59秒 | サッカー選手応援
一昨日、日曜夜9時、NHK-BS「スポーツイノベーション」で、C大阪のトップ下にコンバートされ、セレッソの優勝争いに絡む躍進に貢献している山村和也選手が紹介されました。

センターバックやボランチといった守備的なエリアを主戦場にしていた山村選手を、今シーズンセレッソの監督に就任したユン・ジョンファン監督は、第4節からトップ下で起用しました。

「スポーツイノベーション」では、山村選手がディフェンス力を生かして前線からプレスをかけボールを奪ったり、デイフェンスを経験した裏返しで、相手ディフェンダーが嫌がる動きでゴールを奪ったり、高さを生かしたヘディングゴールを紹介したり、さらには、試合終盤にはセンターバックにポジションを移して試合を終わらせるなどの活躍ぶりを、画像データや数値データを駆使して35分にわたって報じてレポートしていました。

そればかりか、データは、彼がJリーグ屈指の運動量を誇る選手であることも裏付けていました。

その山村選手、2015年シーズン終了後、鹿島からC大阪に移籍して、昨年(2016年シーズン)、それまでレギュラーだった山口蛍選手がブンデスリーガ挑戦のため抜けた穴を埋めるべく、ボランチで活躍していました。

ところが山口蛍選手が、わずか半年でC大阪に復帰してボランチのボジション争いが激化、スーパーサブに回りながらもチームのJ1復帰に一定の役割を果たしたようです。

そして今シーズン、就任したユン・ジョンファン監督は、山村選手がボランチの控えに甘んじている姿を見て、すぐさま「宝の持ち腐れ」と感じたことと思います。

山村選手の足元の確かさ、読みの鋭いボール奪取能力、そしてヘディングの強さによるゴールゲッターとしての可能性などを把握して、すぐトップ下というポジションをイメージしたのでしょう。

ここにユン・ジョンファン監督の独自性が見てとれます。常識的にはトップ下の選手の資質とはゲームメーク能力であり、スルーパスやプレースキックに長けている選手の居場所というイメージがあります。

しかしユン・ジョンファン監督の戦術ではトップ下とは第一ディフェンダーの居場所なのです。従来のイメージでトップ下にふさわしい選手を選択すると山村和也選手というチョイスはないと思いますが、第一ディフェンダーというイメージで選択すると、すぐに山村和也選手がベストチョイスになります。

選手と監督の出会い、巡り合いも結構運命的なとろがあり、おそらく山村和也選手が、このタイミングでC大阪にいて、ユン・ジョンファン監督がこのタイミングで監督に就任しなければ、あり得なかったコンバートでしょう。

山村選手は左ひざじん帯損傷のため現在欠場していますが、ちょうど日本代表戦のためJリーグの中断が入り欠場試合数が少なくて済むと思われますが、それでも杉本健勇、柿谷曜一朗ら前線の選手とのコンビネーションが失われ、また第一ディフェンダーとしての効果が失われることで、大きな痛手になっているようです。

今シーズン、C大阪がどのような形でシーズンをフィニッシュするかわかりませんが、少なくともユン・ジョンファン監督が、いとも簡単そうに見抜いた山村選手の眼力がチームを活性化させてことには疑いの余地がありません。

私は、これまでもユン・ジョンファン監督の資質に注目して、今年01月22日の書き込みで「Jリーグ新シーズンの関心、ユン・ジョンファンC大阪監督と、風間名古屋監督」というタイトルで紹介しましたが、さる2012年シーズン、鳥栖の監督をしていた頃からウォッチしていました。

2012年6月3日付けの書き込みは「鳥栖、ユン・ジョンファン監督にみる『監督力』」、2012年の12月9日には「シーズン前半に論評したガンバと鳥栖、対照的な結末」という書き込みをしています。

今回の山村和也選手のコンバートで改めて感じたことは、ユン・ジョンファン監督によって日本人選手の埋もれた才能が引き出されることに対する感謝の念です。監督であれば誰しも持てる戦力を冷静に見極め最大能力を引き出そうとするものですが、コンバートとなると現実にはなかなか多くはありません。

ましてや守備的なポジションの選手をトップ下にという選択は、慧眼という表現がピッタリする力量だと思います。

一方、27歳、選手としてのピークを迎えつつある山村和也選手、ロシアW杯本番に向けてメンバー入りが可能かどうか注目していきたいと思います。

明朝、アウエーでのサウジ戦が終われば、また選手たちは各チームに戻り、ロシアW杯本番でのメンバー入りを目指したサバイバルに入ります。

それを見守る私たち、楽しみな1年を過ごさせていただきます。
では、また。



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豪州戦の余韻を味わうスポーツ紙面、3紙一挙掲載

2017年09月03日 20時01分30秒 | サッカー選手応援
前回の書き込みでスポーツ紙の扱いぶりについて触れました。当然のことながら100年後に残す記録として3紙を手元に確保しましたのでご紹介します。(なおタイトルには当初4紙掲載としてしまいました。3紙に訂正させいただきます)
いずれも東京版です。上から順に、

・2017.09.01日刊スポーツ1面見開き


・同じく   日刊スポーツ2面見開き


・同じく   日刊スポーツ3面見開き


・同じく   日刊スポーツ4面見開き


・2017.09.01スポーツニッポン1面


・2017.09.01スポーツ報知1面

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W杯出場権獲得、快勝の豪州戦の余韻に浸って

2017年09月02日 22時01分06秒 | サッカー選手応援
あの試合終了を告げるホイッスルから2日経ちました。
年寄りは、そのあとじっくり「祝い酒」というわけにはいかず、まず寝ることに集中しました。

そして翌日、まずテレビ番組です。試合を放送したテレビ朝日が一番賑々しく取り上げてくれるかと思いきや、朝8時の「羽鳥慎一モーニングショー」は、冒頭ちょこっと紹介したきり、いつまで待っても取り上げてくれず、途中であきらめてしまいました。

羽鳥さんは、もともとプロ野球の実況中継が希望でアナウンサーになった方だそうなので、徳光さん同様、ほとんどサッカーに関心を示さないのでしょうね。自局が豪州戦を放送したからと言っても、モーニングショーは羽鳥さんの意向で内容を決められるのでしょうから、ほとんど扱わないという奇妙なことになるんですね。

それでも同局午前10時25分からの「ワイド!スクランブル」が、冒頭から30分ほど特集してくれました。浅野琢磨選手、井手口陽介選手の活躍を中心に紹介したのと、系列の日刊スポーツ紙が、一面トップと終面を使ってくれた様子を紹介していました。

この番組、キャスターの大下容子さんは、以前、長らくサッカー番組を担当してくれたことがある方なので、ホントに嬉しそうに紹介してくれて、やっとハッピーになれました。

ちょうど1週間前の「ジョプチューン」で「野球とサッカー、国民的スポーツはどちらか」というテーマを取り上げてくれましたが、豪州戦の夜はサッカーが国民的関心事だったようです。

「ワイド!スクランブル」では、勝利のあとに渋谷・スクランブル交差点に繰り出す若い人たちを写していました。勝利のあとに繰り出す二大ポイントは「東の渋谷、西の道頓堀」で、道頓堀では今回も戎橋からダイブする人の様子を流していました。

翌朝のスポーツ紙、さきほど日刊スポーツが一面トップと終面を使ってくれたと書きましたが、主要スポーツ6紙(日刊スポーツ、スポーツニッポン、スポーツ報知、サンケイスポーツ、東京中日スポーツ、デイリースポーツ)が揃って、日本勝利を一面で報じてくれました。

それでも日刊スポーツを除けば、終面も使ってくれたのは他にありません。そもそもサッカーがスポーツ紙で一面を飾る日というのは、めっきり少なくなっています。

私がネットを通じて確認している日刊スポーツ、スポーツニッポン、スポーツ報知の3紙について言えば、最近では日本代表選手発表があった翌日に日刊スポーツだけ、そして豪州戦の前日に「柴崎司令塔?」というネタなどで3紙、当日に2紙、そして勝利した翌日全紙といった程度です。

「ジョプチューン」の「野球とサッカー、国民的スポーツはどちらか」議論の延長戦になりますが、ことスポーツ紙に関してはプロ野球がほぼ毎日のように一面を飾っているのに比べ、サッカーは、ほとんどなくなってしまったと言っていい状態です。

こうしてテレビ、スポーツ紙を確認したあとはネットのコラムなどを点検しました。

豪州戦のあと、ハリル監督の会見があったわけですが、監督は「実はプライベートなことで問題があって、とても難しい状態だった」と告白されました。そのことがなければ若手の大胆な起用に称賛の嵐となる会見だったことと思います。

ハリル監督は、記者団の質問を受けずに終わった会見が、フランスをはじめ世界中に配信された結果、いろいろ憶測を呼ぶことになりかねないと判断したようで、翌日1日に会見を開いたようです。そして続投を明言しました。

ネット記事やコラムを点検していましたら、いろいろわかってきました。

一つは豪州が「パスサッカー」にモデルチェンジをしているさなかで、そう簡単に放り込みサッカーをしないチームになっていることがわかりました。

私はそんなことを知りませんでしたから「豪州戦リアルタイム書き込み」の中で、「豪州はイメージが変わったなぁ、つないでくるネ。もしかしたら前半と後半で変えてくるかも。」と、日本を幻惑するための作戦かもと思いました。

しかし、日本代表チームはスカウティングの段階で「豪州は将来を見据えてパスサッカーに固執している。試合の中でもそのスタイルは崩さない」と見切って、バスサッカーの要となる中盤の二人からボールを奪う能力に長けた山口蛍選手と井手口陽介選手を配したといいます。

みごとな戦略です。

もう一つの論点は世代交代です。今回の試合ほど日本代表の世代交代を印象づけた試合はありません。本田圭佑選手も香川真司選手もピッチに立つことなくW杯出場を決めてしまったのですから。

私は、どんなに日本代表に貢献した選手でも、キャリアの上昇局面と下降局面が必ずあり、下降局面から再び上昇に転ずることは、よほどの選手でないと難しいと主張しています。一方、これまで代表に貢献する機会がなかった若手選手は、徐々にキャリアの上昇局面に入っていきます。中には一試合ごとに自信を増して加速度的に上昇していく選手もいます。

今回の井手口陽介選手などが典型的な例です。名伯楽の資質は、その才能をどうやって見極めて試合に使っていくかというところにあります。

フランスW杯アジア予選を前にした加茂周監督が、一番の若手選手だった中田英寿選手をキーマンに抜擢したり、南アW杯最終予選を前にした岡田武史監督が、本田圭佑選手をキーマンに抜擢した、その慧眼によってW杯連続出場が繋がれているといってもいいでしょう。

そして今回のハリル監督の井手口陽介選手の抜擢です。私は彼に「日本のシメオネ」になれる雰囲気を感じると書き込んできました。

彼についても少しづつわかってきました。ガンバ大阪の先輩・宇佐美貴史選手は彼を「怪物」と評したそうです。サッカー選手にしては小柄な彼が「怪物」と評される理由が、今回の豪州戦の並外れた働きで判明しました。

そして彼の語り口、聞かれても決して勢い込んで答えることはありません。むしろ、間をおいて淡々と答えます。これはメンタリティからきています。かつて中田英寿選手もそうでした。どんな場面でも気負わずに対処できるメンタリティです。

中田英寿選手と井手口陽介選手の受け答えで違うのは、中田選手が年長のインタビュアーを凌ぐような論理思考で受け答えするのに対して、井手口選手は、あまり細かいことには言及せずに、わからないことはわからないなりに受け答えするところです。

井手口陽介選手はJリーグ新人王、ルヴァン杯(旧ナビスコ杯)新人王も獲得している折り紙つきの逸材です。ポッと出の選手とはわけが違うのですが、最近の海外組礼賛傾向の中で、どうしてもJリーグ組が未知数扱いされています。というか自分自身もそういう眼で見ているかも知れません。これは反省点です。

「豪州戦リアルタイム書き込み」⑧の中では、「わぁ~~~~~。井手口だぁ~~~~。井手口が大ヒーローになったぁ~~~。もう、日本のシメオネなんかでなく「ニッポンの心臓・井手口」だぁ~~~」と絶叫しました。

こういう歴史的瞬間に立ち会えるのは「サッカーを愛する者」にとって、ホントに至福の喜びです。1-0の重苦しい空気が支配していた試合を、勝利を確信できる試合にしてくれた重みたるや・・・。

ネットでは井手口陽介で検索すると、さっそく「井手口選手と中田英寿選手似てる」という項目がヒットします。私にしてみれば「似て非なる」といった感じなのですが。

こんな風にして「快勝の豪州戦の余韻に浸った」時間が過ぎました。すでに、どの選手たちも「これからまた新たなスタート」と気を引き締めているようです。

私は、そうした日本サッカーの行く末を、引き続き見せていただける「幸せ」に感謝するばかりです。

また共に新たな歴史に出会い、感動して、語り合いましょう。
では、また。

【9月3日加筆  次回書き込み欄を使ってスポーツ紙の紙面を載せておきます】

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