「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

日本代表発表、常連組落選理由を明快に語るハリル監督

2017年05月27日 19時18分38秒 | サッカー選手応援
5月25日、日本代表の発表がありました。6月に行われる2試合の代表です。とりわけアウェーのイラク戦は、ロシアW杯出場権獲得に向けた胸突き八丁の一戦です。

今回のメンバーリストの中に、常連組の3人が見当たらなかったのは、少なからず驚きでした。西川周作選手、森重真人選手、清武弘嗣選手の3人です。

特にGKとDFの二人は守りの要でもあるわけですから「大丈夫なの?」と思わざるを得ませんでした。

そこで、ハリル監督は何と説明したのか読まなくてはとネットで記事を見ましたらゲキサカサイトに、西山紘平さんというライターのレポートが載っていました。「会見要旨」となっていましたが、詳報に近い内容でした。まだ読んでいない方にはお勧めです。ぜひお読みください。

ハリル監督は、今回招集しなかった、これらの選手について実に明快に説明しています。まずGK西川周作選手について。

GKとしてハリル監督は5人もの選手を時間をかけて追跡してきたと言っています。そのうち川島永嗣選手と東口順昭選手はパフォーマンスが安定していて、西川周作選手と林彰洋選手はパフォーマンスが落ちていると判断しているそうです。

このうち川島永嗣選手については手放しの褒めようで「いろんな人がこのスピーチを聞いて欲しい」とまで言っています。

また東口選手は、前回はパフォーマンスが落ちていたので招集しなかったが、今回は招集したわけで、あくまで、その時の調子のいい選手を、名前とか実績だけにこだわらず選んでいる姿勢を貫いていると強調しています。

さらにGKについてはリオ五輪世代で、柏躍進の立役者、中村航輔選手を選んでいます。この選出についてもハリル監督は「GKの序列では5番目ぐらいの選手だが、最近のパフォーマンスによるところが大きい」と説明していました。

そしてDFについて。A代表でずっと先発を張っていた森重真人選手、さらには同じFC東京の丸山祐市選手のパフォーマンスが今一つなところに「ここ2、3か月、特に注意して見ていた三浦弦太(ガンバ大阪)、この若い選手が特にフィジカル面でいいパフォーマンスを見せている。デュエルの空中戦、地上戦も強い。後ろからの組み立てでも賢さを見せる。この若い選手を信頼したいと思う。ちょっと植田を抜いているかなと思う。なぜなら植田は少しケガもあるからだ。彼もこの合宿中にどのような活躍をするか見てみたい。」と説明しました。

ここまで説明されては異論をはさめません。

次にMFについて。清武弘嗣選手について、倉田秋(ガンバ大阪)との競争で「この試合では倉田選手を選ぶ」と説明しました。倉田選手について「倉田はかなり可能性のある選手と感じている。彼の良さ、リズムの変化、方向の変化を加えてもらえればと思っている。守備でもボールを奪うことをしっかりやっている。時々、ファウルをし過ぎることがあるので、そこを改善してほしい」と説明したことでわかるように、守備力を高く評価していることがわかります。

常連組の落選理由に関する記者からの質問に対してハリル監督は「彼らを完璧に外したわけではない。他の選手が良かっただけだ。私は就任当初から同じ発言をしているが、より良い選手に資格があるということ。完璧に外したわけではない。ジャーナリストのみなさんがいろいろ書き立てるのはいいが、現在のパフォーマンスでチョイスしているだけ。一番いい証明として、今野はずっと呼ばれていなかった。そのときはパフォーマンスがよくなかった。しかし現在、今野の評価はどうか。しかも34歳だ。みんなに門が開いているということ。良いパフォーマンスでないときも自分の立場があると思っている選手がいたら、それは間違いだ。ずっと先発を張っていた選手を私は簡単に変更し、若い選手をプレーさせたが、彼は良いパフォーマンスを見せてくれた。」と語りました。

いかにも熱のこもった発言という感じです。乾選手を招集して宇佐美選手を外したのも同じ理由のようです。理にかなっているとしかいいようがありません。ハリル監督もそのあたりを「ここ最近、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれているので(選出は)ロジカルだと思う。」と説明していました。

ハリル監督は、今回、サプライズとも思える招集をしました。
「みなさんがあまり知らないであろう加藤(恒平)という選手を入れた。1年かけて追跡している。ブルガリアのベロエというチームの試合を4試合ほど現地で見ている。ビデオでも何試合か見ている。もう一度言うが、4回ほど現地に行って見ている。彼はボールを奪う人という役割だ。それからしっかり組み立てもできる。このような若い選手をテストしてみたい。すぐにプレーさせるというわけではない。」

つまり、ハリル監督にとってはサプライズでもなんでもなく、長い時間をかけてウォッチしてきた結果としての自然な選出だというわけです。

さらにG大阪の今野泰幸選手についても長い時間をかけてコメントしました。ケガの回復途上にある彼が間に合って欲しいということで、いかに彼を評価しているかがよくわかるコメントでした。

それにしてもJリーグチームの中で、これほど違うのかと思うほど評価が分かれたのがG大阪とF東京です。結局F東京からはゼロだったのに対してG大阪からは5人となりました。このあたりはウーンと唸る部分でもあります。

でも、代表選出の理由について、過去これだけ名前をあげて説明した監督はいたでしょうか?
ケガで戦列を離れている長谷部誠選手、そして長らく代表から遠ざかっている内田篤人選手にまで言及していました。このゲキサカの会見要旨で名前があがった選手は、選出された25人のほか、さらに20人、合計45人もの名前をあげています。

ハリル監督が、いかに細かく選手を気にかけているかがうかがえます。

ハリル監督が選手選考の理由のほかに強調していたことが一つありました。それはイラク戦の会場になるテヘラン(イラン)のピッチ状態のことで、次のように語っています。

「もう一回言うが、グラウンド状態がキーになる。グラウンド状態が悪いと、短いパス中心の組み立てができない。つまり空中戦、ロングボールが多くなると予想している。その空中戦に勝つ想定、セカンドボールを奪う想定をしないといけない。向こうは3、4人の選手がドリブルで向かってくる。そこでしっかりボールを奪う。できるだけ早くボールを取る。そして速く背後に行くことが有効になるかもしれない。私はこうやって戦略を練る。・・・」

そのあたりの意思統一が集合してからの課題となるでしょう。最後に、選手たち、そして日本チーム全体にありがちな慢心を次のように戒めて会見を締めくくりました。

「もっと重要なことがある。いろんな人とディスカッションしているが、一番心配なのは『いつか最終予選突破できるよ』と。『毎回、最終予選はきつかったけど必ず突破しているよ』という人がいる。その罠に引っかかりたくない。まだ突破していない。1位にいるが、最後にサウジアラビアの首都で試合が待っている。できるだけ早く我々の問題を解決したい。だからまずイラクに勝利しないといけない。それによってオーストラリア戦がファイナルになるかもしれない。これは同じではない。勝利と引き分けでは、もしかしたらオーストラリア戦は引き分けで十分になるかもしれない。ただ、まだホームでオーストラリアに勝ったことがないという歴史もある。今回の合宿は重要という言葉以上の重要性がある。勝利を厳しく厳しく要求して、最終予選を美しく終われる準備をしたい。(最終予選は)本当に悪い状況からスタートした。敗戦からスタートした。今はまあまあ良い状態にいるだけ。美しく終わりたい。選手には厳しく合宿で要求する。疲労とか、クラブの変更とかは置いておいて、日本代表に犠牲心を払ってほしい」

念には念を入れて、慎重の上にも慎重を期して。かくあるべしです。アルジェリア代表をブラジルW杯のベスト16に導いたハリル監督の面目ここにありというところです。

ここまで書きながら、テレビの画面を時々見ていたのですが、U-20W杯グループリーグ第3戦、対イタリア、前半10分までに2点を先行されながら、堂安律選手が2ゴールをあげて同点で試合終了しました。これで決勝トーナメント進出を決めたようです。

エース小川航基選手がケガのため帰国することになったようで大変残念ですが、堂安選手、久保建英選手のチビッココンビに期待しましょう。

では、また。
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アジア20ケ国でプレー、流浪のサッカー選手・伊藤壇選手のこと。

2017年05月21日 10時32分53秒 | サッカー選手応援
スカパーさん、Jリーグ放映権を失ってからサッカー関係の番組が手薄になっているかといえば、そうではなくトーク番組系のものを、いろいろと投入して放送してくれています。

その一つに「スパサカライブ」という1時間半の番組があります。ジョージ・ウイリアムさんという人が司会進行役ですが、サッカー番組に次から次と登場する外国人の一人なのでしょうか?それとも知らないのは私だけだったのでしょうか。

その「スパサカライブ」に、伊藤壇(だん)という選手が呼ばれました。なんでもアジア20ケ国でプレーを続けてきた選手だそうです。

ネットのウィキペディアで「伊藤壇」を読むと、結構詳しく載っていましたので、興味ある方はどうぞ。

現在41歳で、イケメンだなと思ってスカパーを見ていましたが、ウィキペディアには「モデル」とも載っていました。さもありなんです。

北海道登別大谷高校から仙台大学を経て、1998年ブランメル仙台に入団、翌年ベガルタ仙台に変わったチーム在籍2年で戦力外になり、一度北海道に戻り「札幌蹴球団」、そして2001年にシンガポールのプロチームに加入して以来、17年目の今年20チーム目の東ティモールのプロチームに所属しているそうです。

それこそ、ご本人も最初のシンガポールでチームメイトたちに教えてもらって知ったそうですし、私も初めて知ったことですが、マカオ、ブータン、モンゴルなど「プロチームってあるの」という国にも、プロリーグがあってサッカーくじが行われている国もあるといった具合です。

伊藤選手が当初思い描いた「これからはアジアの時代になる」という見通しは、慧眼そのものだったわけで「最低でも10年は日本に帰らない」という強い意思で歩んだサッカー人生は、「流浪の」とか「渡り歩いた」という言葉で表現するのは失礼なほど立派なものだと思います。

一つの道を貫き通して究めると、何かを得られるものです。サッカーという世界共通言語とも言うべきスポーツで、アジアの多くの国々に触れた経験は、その17年間自体が貴重な人生であると同時に、そこで得た財産は、これから先の人生にも活きることでしょう。

こうしてスカパーさんならではの企画番組で、新しい世界に触れることができましたが、問題は今後の番組編成です。海外サッカーの新たなコンテンツを加えられるのかどうか、加えるとしたら何か。

それともバスケットボールなど別のスポーツに少しづつシフトしていくのか。いずれにしても当分はスカパーさんとのチャンネル契約もお別れです。今月末で「サッカーセット」契約を終わることにしました。

では、また。
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細貝萌選手加入の柏、首位争いに急上昇、因果関係はあるの?

2017年05月21日 09時49分52秒 | Jリーグ・三大タイトル
当ブログが、さる4月8日「Jリーグ・各チームのベスト補強は細貝萌選手加入の柏?」という書き込みをしました。

これは、リーグ戦が始まってから移籍交渉がまとまった細貝萌選手の柏入りが、今シーズンのベスト補強かもしれないと思っていたところに「ドンピシャの補強。「戦える」細⾙萌が、 若い柏レイソルの救世主に(by浅⽥真樹●取材・⽂)」というコラムがネットに流れたことを取り上げたものです。

この浅田さんの分析コラムを読むと、まだ「結果」という名の答えが出たわけではないので断定しませんが、細貝萌選手の獲得が今シーズンのJリーグ各チームの補強の中で「ベスト補強」と、思わず膝を打ちたくなったことをご紹介しいたものです。

それから1ケ月半、リーグ戦については負けなしの6連勝、まさに守備の安定で勝利を重ね首位争いの順位まで急上昇してきました。

そこで気になるのが、細貝選手の加入との因果関係です。彼が中盤の真ん中に君臨して、その厳しい守備を披露してくれていれば、まさに「ベスト補強」といえるのでしょうけれど、どうもスタメンでは出ていないみたいでした。

今回、出場状況を調べてみましたら、この6連勝中、細貝選手は毎試合出場はしているものの最長で28分、ここ2試合はたったの1分ですから、本人はおそらくもやもやしているに違いありません。

いくら試合を終わらせる使命でピッチに送り込まれているとはいえ、自分が連勝に貢献している実感はほとんどないでしょう。

では日常の練習などで細貝選手が指導力を発揮して、若い選手たちの意識も技術も向上させたのかどうか、ある意味、指導者的な役割を果たしているのか、それはまったくわかりませんが、可能性は極めて低いでしょう。

チーム練習で、そのプレーで影響を与えている可能性は大いに考えられますが、それが補強効果といえるのかどうか、いま少し気になっていることです。

できることなら、浅田さんの追加取材によるレポートを読みたいと思っています。
では、また。
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元祖・天才シンジ選手と、後継・天才久保クンが初めてピッチで出会った歴史的な日

2017年05月16日 18時26分29秒 | サッカー選手応援
このブログでは最近、3人のシンジ選手や3人の久保選手のことを取り上げました。それぞれに一人づつ「元祖」がいて、また、それぞれに一人づつ「天才」がいます。

シンジ選手側の「天才・小野伸二選手」と久保選手側の「天才・久保建英選手」がGW期間中の5月3日、ルヴァンカップのピッチで初めて出会いました。

久保建英選手がJ1の公式戦初登場という話題にはなりましたが、小野伸二選手との競演という視点ではあまり話題にならず、私は二人がお互いをどう感じたか、なにか取材記事があればと期待していたのですが、デイリースポーツオンラインが、取り上げてくれました。

サッカーファンなら、少なからず気になるテーマであり、それをキチンと取材してくれたデイリースポーツオンラインに拍手と感謝です。

題して「2人の天才・小野伸二と久保建英、お互いを「オーラがあった」」
ぜひ皆さんもアクセスしてお読みください。

タイトルだけでも十分お互いをどう感じたか伝わってきますが、二人とも、まるで示し合わせたかのようにお互いを「オーラがあった」と評したそうで「天才は天才を知る」を地でいったようなコメントでした。

小野選手は「今後成功するために必要なものについて「けがしないことじゃないですか。そうやっていけばきっとすごい選手になると思います」と、負傷に悩まされた自身を踏まえるように語った」そうです。

そのとおりです。小野選手のキャリアはケガによって、ずいぶんダウンさせられました。それでも「天才・小野伸二」の輝きを失わせるものではありませんでした。久保建英選手がケガをせずに選手生活をまっとうできたら、どれだけ未来が楽しみになるか、思いは小野伸二選手も同じなのですね。

この、あまり報じられなかった5月3日のルヴァンカップ、FC東京vs札幌戦の2人の初競演、語り継がれる歴史的な日として、わが「サッカー文化フォーラム」は大切にしていきたいと思います。

なぜなら、この日の、この試合は、日本サッカーにおいて「20年に一人の天才」の引き継ぎ式とも言える場になったからです。

久保建英選手がJ1デビューを果たした今年は2017年、ちょうど20年前の1997年に、小野伸二選手がJリーグデビューを果たしています。

まさに「天才」とは、そうやすやすと出現するものではなく20年かけて、やっと出現したのです。

輪廻転生の法則に従えば、次の天才は、あと20年後、2037年頃出現します、というか、あと20年待つ必要があります。

2037年頃、円熟した久保建英選手が、初々しい次の天才に称号を引き継ぐ試合があることでしょう。小野伸二選手は、1997年当時呼ばれた「天才」の輝きを失わせることなく今日(こんにち)まで保ち、輪廻転生の法則に従って久保建英選手に引き継いだように、久保選手も、紆余曲折はあるにせよ「天才」の輝きを失わせることなく、次の天才に引き継ぐに違いありません。

天才20年・輪廻転生説は、何もJリーグに限ったことではありません。プロ野球の世界にも、ほぼあてはまるものがあります。2014年、大谷翔平投手はプロ野球最速の時速162kmのスピードを記録して、まさに「天才」の称号を受けましたが、その20年前、つまり大谷翔平投手が誕生した1994年に、イチロー選手が200本安打を達成し「天才」の称号を受けています。さらにその20年前、1974年は「元祖天才・長嶋茂雄選手」が引退した年です。

我がサッカー界における次の天才の出現年、2037年まで、私は生きられそうにありません。多くのサッカーファンが尊敬する「世界最年長のジャーナリスト・賀川浩先生」のようなご長寿と情熱に恵まれればですが、私の場合それは100%ないものと思っています。

ですから、今回、書き留めた「輪廻転生の法則にもとづく次の天才の引き継ぎ年2037年」のことは「サッカー文化フォーラム」の基本的な考え方である「100年先まで伝え繋いでいくこと」の一つだと思っています。

2037年になって、どなたかが、今回の書き込みを紐解いていただき「あぁ、天才の20年・輪廻転生説とは、このことだったのか」と確認していただければ、それで報われます。

そして、その時、引き継がれた選手が何という選手なのか、何らかの方法で知らせていただければ、きっと、あの世で「そうですか、天才の称号は久保建英選手から、この選手に引き継がれたのですね」と、うれしくお聞きすることと思います。

よろしくお願いします。

では、また。
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人知を超えた出来事「ビセンテ・カルデロンの涙雨」

2017年05月15日 20時50分21秒 | 世界のサッカー
スペインリーグ、アトレチコ・マドリーのホームスタジアムは、ビセンテ・カルデロンと呼ばれています。

バルセロナのホームスタジアムをカンプ・ノウ、レアル・マドリーのホームスタジアムをサンチアゴ・ベルナベウと呼ぶのと同じです。

このアトレチコ・マドリーの、ビセンテ・カルデロンは今シーズンをもってホームスタジアムとしての長い歴史に幕を閉じるそうです。

先日行われた欧州チャンピオンズリーグ準決勝2Lgは、欧州戦として最後の試合となることが決まっていました。

相手は同じ街の宿敵レアル・マドリー、1Lgを大敗したアトレチコはホームで厳しい状況ながらも逆転勝利で、ビセンテ・カルデロンの最後を飾りたいところでした。

ここ数年、ビセンテ・カルデロンでは圧倒的な成績を残しているアトレチコの勝利を信じて詰めかけた満員のサポーターが、試合開始から片時も途切れることのない声援を送り続けたのですが、逆転勝利の女神は微笑まず、いよいよ試合もアディショナルタイムに入ろうという頃、なんとビセンテ・カルデロンの上空が、にわかにかき曇り、雷鳴とともに大粒の雨が落ちてきたのです。

解説の水沼貴史さんが試合後の総評で「なんという演出でしょうね、自然のことですから演出したわけではないですけれど・・・」と語れば、実況の西岡明彦アナウンサーが「アトレチコのサポーターにとっては涙雨になりましたが・・・」と淡々と返していました。

これこそ「ビセンテ・カルデロン、惜別の涙雨」でした。愛するチームの逆転勝利が叶わなかった、でももう欧州戦に別れを告げなければならない。であれば、勝者も敗者もサポーターもずぶ濡れになるほどの涙雨を流そう、神のおぼし召し、人知を超えた自然の摂理です。

この試合終了間際の豪雨によって、ビセンテ・カルデロンの最後は、これ以上ない幕切れとなったのです。自然という、人知を超えた力が演出したのです。

私たちは、また一つ劇的なサッカーシーンを目撃しました。
こうした出来事に出会うなんて、たまらないです。サッカーを愛する者にとっては・・・。
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NHK-BS番組「スポーツイノベーション」が齋藤学選手の進化を分析してくれました。

2017年05月14日 12時40分52秒 | サッカー選手応援
NHK-BSの番組に「スポーツイノベーション」というのがあります。いろいろなスポーツをテクノロジーを駆使して分析しながら真実に迫るという趣旨のように思います。

最近、いろいろな番組で司会を務めることが多いアメリカ人の「パックン」が進行役で、楽しく見れます。

今回は横浜Mの齋藤学選手を取り上げていました。稀代のドリブラーが、ドリブルと見せかけて決定的なバスを出したり、ミドルシュートを放ったり変幻自在のゲームメーカーに進化している姿を、データを駆使しながら分析してくれて、ナットクの50分でした。

ドリブルを仕掛ける選手のタイプにはいろいろあって、齋藤選手のドリブルは「テクニックで相手をかわしながらドリブルするタイプ」でもなく「圧倒的なスピードで相手を置き去りにするようなドリブルのタイプ」でもなく、「目の前の相手を突破するドリブル」ということになるのだそうです。

それを可能にしているのは齋藤選手の足元に吸い付かせているような細かいタッチでボールを運ぶ高い技術だそうで、齋藤選手自身もそのスキルを最大限に生かすため進化を遂げているようです。

横浜Mの10番という栄光の背番号とキャプテンという立場にたった今シーズン、齋藤選手が変えたのはドリブルする姿勢だそうです。より姿勢をただして視野を眼下だけでなく眼前からその先までを常にとらえながら、次に繰り出す仕掛けを瞬時に判断しているそうです。

その結果が、ドリブル突破と見せかけてスルーパスだったり、ミドルシュートだったりという相手の裏をかく多彩な仕掛けに結び付いているとデータが教えてくれました。

ドリブルをコアな武器としながらも、試合の中でチームリーダーとしてどう流れを変えていくかを考えるようになったといいます。

ドリブルのイメージを相手に植え付けておきながらサイドチェンジを図る、あるいは中央の選手にバスを送る、そういう駆け引きのパターンをいくつか相手に見せておいて、それで相手の対応をかく乱させて、決定的な仕事をすることにつなげているようです。

見事な進化です。持って生まれた身体能力を生かして、低い姿勢からの小回りの利くドリブル、柔らかく細かなボールタッチをしながらもスピードに乗ったドリブル、多彩なドリブル技術を生かしながら、サイドチェンジ、正確なクロスやスルーパス、意表をついたシュートなどを繰り出すゲームコントロール、まさに司令塔であり決定的な仕事をする10番らしい活躍です。

この齋藤選手の進化を後押ししたのは、その資質を見抜いて10番とキャプテンに指名したマリノス指導陣の眼力でしょう。

解説の山本昌邦さんが「メッシのようなプレースタイルが現在の最先端のよう・・・」と説明してくれたが、まさにドリブルを強みとしながら、バス能力にもたけて、ゴールゲッターでもあるという選手像。齋藤選手には、ぜひ日本代表でのそういう立場をめざして欲しいものです。

それにしても「ハリルジャパン」のどこに齋藤選手をはめ込めば生きるのか、嬉しい悩みといった要素もあります。

齋藤選手の主戦場である左サイドには原口元気選手という「替えの利かない」選手がいます。私が悩まなくても、解決してくれる人たちが大勢いますけど、齋藤学選手を、早く代表の常連にして欲しいと願う人も大勢いると思います。

次世代の代表布陣、どうなるのか本当に楽しみです。
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欧州CL決勝カードが決まった頃に毎年感じる「宴のあと」の寂寥感

2017年05月14日 12時34分53秒 | サッカー選手応援
今シーズンの欧州チャンピオンズリーグも、準決勝のカードが決まった時点での予想どおりユベントスとレアル・マドリーが勝ち上がり決勝を戦うことになりました。

一昨シーズン、ユベントスはバルセロナと決勝を戦い一蹴された感じでしたが、今回のレアル戦は、相当拮抗した試合になりそうです。

そして、毎年のことなのですが、この時期は各国リーグ戦も優勝チームが出そろい、欧州サッカーシーンは、まもなく長いオフに入ります。移籍マーケットにより新シーズンには各チームとも顔ぶれがずいぶん変わりますから、やはりこの時期は、一つの区切りの時期です。

W杯やEUROのある年は、すぐ関心がそちらに向きますが、そうでない年は「宴のあと」の寂寥感漂う期間です。

その6月、たった1試合ですが「ハリルジャパン」にとってはロシアW杯への道を大きく左右するアウェーゲーム・イラク戦があります。

いまから、もう関心はそちら一色ななりそうです。なぜなら他に関心が分散することがないからです。まだ1ケ月先だというのに、です。

余談ですが、今回、3本のタイトルを同時並行で書き込みました。これも珍しいことです。平日になかなか書き込む余裕がなくなったためですが、ネタはメモ書きしておきますので、土日にまとめ書きとなったわけです。

これから、こういうケースが増えるかも知れません。ご容赦ください。
では、また。
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柴崎岳選手の真実を現地に行って確かめてくれた人

2017年05月14日 12時27分14秒 | サッカー選手応援
テネリフェ島といえば、サッカーの世界では知名度の高いところなので、ついつい日本のジャーナリストたちも多く出入りしているものと考えていますが、実際は現地で報じられている内容の引用が多かったり、日本から見れば意外に情報過疎の地域なのだと思い知らされてしまうコラムを読みました。

5月11日付けで「サッカーダイジェストweb」が掲載してくれた佐藤香織さんというライターのレポートです。
題して「テネリフェに行ってみて分かった柴崎岳のリアルな現地評」「彼は最重要人物かもしれない」
佐藤さんの取材動機となったギモンは、実際自分が足を運び、その目で確かめたことで解消されたと、次のように書いています。

「はるか1万2500キロ離れたかの地から日本へ届く情報は、どこか妙な切り取られ方をしていて私 自身のなかで強い違和感があったが、実際にこの目で一つひとつ見ていくうちに、その違和感は消えていった」

現地で試合を観戦してチーム関係者やサポーターなどに取材した結果、佐藤さんはレポートを次のように締めくくってくれている。

「自分を容易に曲げることがない愚直な東北人=柴崎岳のまま、鮮烈なプレーで南国テネリフェ島 の人びとを納得させた瞬間を、私は目撃したのかもしれない。
 6月、半年の契約のあと彼の居場所がどこになるのか、現時点では誰にも分からない。だが、こ れだけは言える。5月28日に25歳の誕生日を迎えるGAKUはいま、熾烈な昇格争いを戦うテネリ フェの一員として、充実の日々を送っていると。」

3月頃伝わってきた柴崎岳選手の様子と、このレポートが伝える柴崎選手の様子の落差、これこそが情報過疎の地域でプレーする選手に付きまとうリスクかもしれません。

それにしても、何とかならないものでしょうか。3月の時点で佐藤さんが現地に行けていたら、私たちは全く違った情報を得られたかも知れません。2ケ月のタイムラグがもたらすリスクは、ある意味、風評被害的な損失をも生みます。

風評被害的なリスクはどのような場合にも起こりうるとすれば、私たちは、いつも「この情報は真実なのか」「この情報は正確に伝えているのか」というスクリーニングをかけて情報を受け取る必要があります。

あらためて情報の取り扱いの厳しさを感じるレポートです。佐藤香織さんとサッカーダイジェストさんにあらためて御礼しなければなりません。


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日本から世界に打って出る監督がいても不思議でない時代に・・・。

2017年05月05日 16時58分11秒 | Jリーグ・三大タイトル
本日のタイトルは、前回「欧州5大監督時代が8大監督時代に入るか注目・・」について書いた延長上のお話しです。

世界の名監督に関心を持てば、当然「日本のJリーグで指揮を執る監督に、そういう人材はいないのだろうか」というところに思考が向かいます。

現在、Jリーグの青年監督たちの中で評価が高いのは、昨シーズンまで川崎Fを率いていた風間八宏監督、広島を4年間のうち3度Jリーグチャンビオンに導いた森保一監督、G大阪を安定したチームに作り上げている長谷川健太監督あたりではないかと思います。

そのほか、現在は日本代表コーチとなっている元仙台・手倉森監督も評価が高いことと思います。

そんなJリーグの青年監督の中で、異彩を放っている一人がC大阪を率いる韓国人監督、ユン・ジョンファン氏ではないでしょうか。

現在、暫定とはいえ5位、これまでよく「桜の散るまでのセレッソ」と言われ、上位にいるのは春の珍事とさえ評されたC大阪ですが、ユン・ジョンファン監督のもとでは、その心配は全くないといっていいと思います。

私は、ずいぶん前に、鳥栖の監督をしていたユン・ジョンファン監督について書き込んだことがあります。

2012年06月03日ですから、かれこれ5年前になります。その時のタイトルは「鳥栖、ユン・ジョンファン監督にみる「監督力」」です。結構長い文ですが、ぜひ一度お読みいただければと思います。

この2012年は鳥栖を5位に引き上げています。翌シーズンは下位に低迷してギリギリで残留したのですが、次の2014年シーズンは好調な成績でシーズン半ばの8月までいっていましたが、なぜか首位にたったところで突然の退任となった経緯があります。

そして、2015年、2016年の2シーズンは韓国・蔚山現代FCの監督を務めて、今春Jリーグ監督に復帰しました。

鳥栖退任の真相は、このシーズン5位でフィニッシュしたことで、多くは語られていません。
ただ、いずれ、この時のことは検証に値する出来事となるでしょう。

C大阪は、ユン・ジョンファン監督が、選手時代に韓国から日本にやってきて最初に所属したチームです。2000年シーズン前期、C大阪は優勝争いをしていましたが最終節に敗れて横浜Mに逆転優勝を許してしまいました。けれども、ユン・ジョンファン選手はこの優勝争いの立役者の一人として活躍したわけです。
C大阪サポーターにとっては思い出深い選手が監督として帰ってきたわけです。

そして、J2からJ1に復帰したチームを順調に上位争いに導いています。C大阪にはクルピ監督時代という幸福な時期がありましたが、今年からユン・ジョンファン時代という、次の「幸福な時代」を迎える可能性があります。

例えば香川真司選手が電撃的にC大阪に復帰しようものならサイコーかも知れません。

ところで、2012年6月の書き込みで私は、
「まだ注目しているメディアが少ないユン・ジョンファン監督、当ブログは将来彼が「Jリーグで成功した最高の韓国人監督」と評される日が来るような気がしており、かつてのパク・チソン同様、Jリーグをステップとして世界に羽ばたいていける可能性を秘めている人だと思っている。なにせ、まだ39歳、あと20年は監督としてキャリアを積んでいける人なのだ。日本や韓国、アジアの枠に収まって欲しくない期待もある。」と書いています。

監督としてJリーグクラブ監督が、欧州のクラブを指揮する時代がそろそろ来てもいいと思っていたところ、スカパーで放送されている番組で、難しい問題提起がありました。

スカパーの番組で「Jリーグラボ」というタイトルの番組があります。コンサドーレ札幌のクラブ社長でありながらキャスターを務めている野々村芳和氏が、毎回いろいろな人をゲストに呼んでJリーグや日本サッカーの課題と対策について論じあう番組みたいです。

その番組に、元ジュビロ磐田の黄金時代を形成したプレーヤー・藤田俊哉さんが招かれました。彼は現役引退と同時にコーチ修行の場を海外に求め、オランダ一部リーグのVVVフェンロというチームのアシスタント・コーチをやっています。

そこで藤田さんが訴えたのは、日本人いやアジア人が欧州で指導者になれる道が極めて厳しい状況に置かれていることです。

能力とか言葉の問題以前に、そもそも欧州人以外の人に指導者ライセンスを与える制度が実はないというのです。野々村氏はそれを聞いて「でもトシヤ氏はちゃんとベンチに入れているのでしょう?」「ふつうライセンスのない人は入れないでしょう?」とか畳みかけていて、結局藤田さんは「なんだかわかんないけどベンチには入れている」という話で時間切れになったみたいです。

この話は、もっと整理した形で聞いてみたいものです。どうやらUEFAや各国リーグのライランス制度が整合がとれていないようですし、アジアのライセンス制度が、欧州では何の役にも立たないみたいな扱いも問題だと思います。

おそらく、ことライセンス問題について、欧州はアジアをまったく後進地域扱いをしているのではないでしょうか?

元日本代表・岡田監督あたりも欧州でやれないかどうか模索した時期があったのではないかと思いますが実現できそうにない壁があるとわかったのだと思います。

藤田さんは、野々村さんから「日本はどうすればいいんだろうね」と問いかけられて「一番の近道は日本代表や日本のクラブチームが欧州の各国や強豪クラブをコテンパンにやっつけて、強さを見せつけることだと思うよ」と答えていました。

つまりは、すべては日本代表も日本のクラブも、所詮二流、三流の強さとしか評価されていないことから来ているのかも知れません。

今回のタイトルは「日本から世界に打って出る監督がいても不思議ではない時代に・・・」でした。この「・・・」のあとに、ため息が出てしまいますね。
では、また。


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欧州5大監督時代が8大監督時代に入るか注目です。

2017年05月03日 14時33分13秒 | 世界のサッカー
16-17欧州チャンピオンズリーグも、いよいよ準決勝に突入、まずレアル・マドリーVSアトレチコ・マドリーのマドリッドダービーは、C・ロナウドのハットトリックでレアルが圧勝、決勝に大きく近づきました。

レアル・マドリーを率いるのは、44歳のジダン監督です。

今回は、欧州の名門クラブを率いる名だたる監督たちの中で、私が5大監督と評価する監督を取り上げ、それに3人が加わり8大監督時代になるかどうか注目です、という話しをしたいと思います。

私が5大監督と評価している監督の、ここ5シーズンの在籍チームを追ってみました。
名前のあとの(数字)は年齢、チーム名のあとの(数字)は在籍シーズン数です。

グアルディオラ(44)   バルセロナ→バイエルン(3)→マンC
モウリーニョ(54)    レアル・マドリー→チェルシー(3)→マンU
アンチェロッティ(57)  PSG→レアル・マドリー(2)→バイエルン(2)
アントニオ・コンテ(47) ユベントス(2)→伊代表監督(2)→チェルシー
ディエゴ・シメオネ(47) アトレチコ・マドリー(5)

これらの監督、いずれも華麗な監督歴を誇っています。もっともキャリア的に凄いのがアンチェロッティ監督でしょうか。彼は、ACミランとチェルシー、そしてレアル・マドリーとバイエルン、4大主要リーグすべてのチームで優勝を果たし、欧州CLも3度制覇している監督です。

モウリーニョ監督も、4大主要リーグのうちブンデスリーガを除く3リーグで優勝を果たし欧州CLも2度制覇しています。

40歳台の他の3人も、いずれ彼らのキャリアに近い実績を積み上げることでしょう。

もう一つ、上の表で特徴的なのは、レアル・マドリーやバイエルン、チェルシーなどが5大監督を順送りで使い回ししているかのようであること、そして、唯一5シーズン指揮を執り続けて、結果を出し続けているディエゴ・シメオネ監督の存在です。

この表に、3人加えたい監督がいます。冒頭書いたジダン監督と、これも準決勝に駒を進めているユベントス・アッレグリ監督、そしてユベントスにベスト4を阻まれたバルセロナのルイス・エンリケ監督です。
3人の過去5シーズンは次のとおりです。

ジネディーヌ・ジダン(44) レアル・マドリー(1.5)
アッレグリ(49)      ACミラン(2)→ユベントス(3)
ルイス・エンリケ(46)   セルタ→バルセロナ(3)

となります。この3人を、さきほど書いた5人の表に加えると、レアル・マドリーやバイエルン、チェルシーに加えて、ユベントス、バロセロナも順送りで使い回ししているかのようになります。

これでわかるのは、常勝軍団と言われる欧州名門クラブは、常勝であり続けるために、仮に監督を交代させる事態になっても、必ず勝てる監督を呼んでくるということです。
したがって、限られた優秀な監督が、欧州名門クラブを順送りのように回っている図式が出来上がるのだと思います。

もちろん、ここにあがっている名門クラブの指揮を初めて任されて、結果を出せずに去っていった監督も数多くいます。名門クラブで指揮を執るというのは大変な名誉であると同時に、常に結果を求められる過酷な立場ですから、他の名門クラブに移っても結果を出し続けられる監督というのは、凄いの一言に尽きます。

この先、私の関心は、唯一1チームだけで5シーズン指揮を執り続けているディエゴ・シメオネ監督。果たして、いつまで続けることになるのか、そして、ジダン監督がレアル・マドリーで成功を収めたあと、さらにはアッレグリ監督がユベントスで成功を収めたあと、どのようなキャリアを重ねていくのかにあります。

シメオネ監督の場合、27年間マンチェスター・Uの指揮を執り続けたアレックス・ファーガソン監督や、20年間経過した現在も指揮を執り続けているアーセナルのアーセン・ベンゲル監督のような単一チーム主義を貫くのか、それとも、あれほどバルセロナの申し子のように評されたペップ・グアルディオラ監督のように、あっさりとチームを去るのか、大いに注目です。

そしてジダン監督、トップチームの監督経験がいきなり超名門クラブということで、その手腕に懐疑的な声が多かった中、いまや欧州チャンピオンズリーグ史上初の連覇が見えるところまでチームを持ってきた実績は誰にも文句を言わせないものがあります。

果たして若くして名監督、しかも名選手にして名監督という栄光の称号を手にすることができるのか、こちらも、いやが上にも関心が高まります。

そして最後にアッレグリ監督、今シーズンはレアルの上を行くのではないか、つまり欧州制覇を果たすのはユベントスではないかとささやかれるほど完成度の高いチームを作ってきました。もし、レアルの連覇を阻もうものならアッレグリ監督の名声は一気に高まるに違いありません。

最初にあげた5大監督に加えて紹介した3人、うち2人は欧州チャンピオンズリーグ・ベスト4に名を連ねているチームの監督です。
ベスト4の残り1チームはフランスのASモナコ、その監督は、なんと若干42歳のレオナルド・ジャルディムという人です。この先、またたく間に、上記の8人衆に加わる9人目になることでしょう。

私のライブラリーには、モウリーニョ、グアルディオラ、シメオネといった監督の「監督力」を知ることができる書物があります。このあと、監督としてのジダンやアッレグリといった人たちの「監督力」にもふれてみたいと思います。

次回は、Jリーグで際立った「監督力」を発揮しているセレッソ大阪のユン・ジョンファン監督と、オランダリーグ・VVVフェンロでアシスタント・コーチを務めている藤田俊哉氏のことを取り上げたいと思います。

では、また。
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キング・カズ選手、CMでもキングですね。

2017年05月03日 08時53分50秒 | サッカー選手応援
50歳にしてゴール、50歳にして見事なボディ、いろいろな形容詞で称賛されている三浦カズ選手、いまやフランスW杯日本代表、直前落選という悲劇のヒーローは完全に過去のものとなりました。

まだ10歳台だった1980年台後半、ブラジルでプロ契約を勝ち取り、以後、常に日本サッカーの牽引者であり続けたカズ選手は、1993年10月のカタール・ドーハの悲劇や、1998年6月日本代表の合宿地フランス・ニヨンでの落選発表など、長い間、悲劇のヒーローのイメージを引きずっていましたが、とうとう、ここにきて最高の成功を収めているといっていいのかも知れません。

最近、私も含めて、多くの人たちが目にするのは、カズ選手のCM出演の画面です。それがカズ選手の成功を感じさせてくれるのです。

ずいぶん出演しているのではと思って数えてみました。
大正製薬のリポビタンD、ダイハツ自動車のタント・タントカスタム、キリンビバレッジの缶コーヒー・ファイアー、エースコックのスーパーカップ(麺)、東京西川のマットレス。5本並行してオンエアされていると思います。

カズ選手は以前、サントリー・デカビタや、日本コカ・コーラの缶コーヒー・ジョージアのCMもやっていましたから、それらの商品のライバル会社が満を持してカズ選手を起用している感じです。

つい2年ぐらい前までは、サッカー選手では本田圭佑選手、香川真司選手、長友佑都選手といった海外で活躍している選手が代表格でしたが、ここにきて完全に入れ替わりました。

カズ選手の「プロサッカー選手としてのピーク」がいまやってきたと言えると思います。言い換えれば、サッカー選手としてのキャリアのピークというのは、人によってそれぞれ違うということを、カズ選手が示してくれているのではないでしょうか。

私は何年も前から、カズ選手は何を花道に引退するのだろうかと、気にかけてきましたが、キャリアのピークを迎えている今、十分、花道はできたように思います。

といってもカズ選手自身は、まだまだ挑戦し続ける気持ちのようですから「まだ先があるんですね。」

では、また。
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