「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

HDD化作業は、半年で400本を達成です。

2012年12月13日 23時47分39秒 | スポーツ

私の誕生日であり、日本サッカーにとっても記念すべき日の6月14日、今年のその日から始めたサッカー映像ビデオテープのHDD変換作業、本日がちょうど半年目ですが400本に到達しました。

最初はビデオキャプチャ1台だけでしたので100本に到達するまで2ケ月弱かかりました。これではペースが遅すぎるとばかり、ビデオキャプチャを1台増設して、その後の2ケ月強で一気に300本まで伸ばしました。

そのままのペースであれば、半年で500本も可能だったのですが、次の2ケ月間、金を稼ぐほうのことに時間をとられ、なかなか伸びず、何とか半年で400本まで漕ぎつけたというところです。

それでも、次の半年間で500本上乗せして最初の1年で900本という数字がイメージできるところまできたので自信になります。

この3ケ月間でまとまった作業を行なったのは、一つにはJリーグ1993年シーズンの試合のHDD化です。一部分、1994年シーズンも混じっていましたが、ここまで変換したJリーグの試合145本の多くが1993年シーズンです。ビデオテープのままであれば再生してみなければ内容がわからなかったのですが、パソコンに取り込んでしまえば部分的にでも簡単に取り出して確認できますので、まさにデジタル化の威力です。

ところで1993年シーズンは、鹿島アントラーズとヴェルディ川崎が前期、後期それぞれ制してチャンピオンシップを争いましたから、結局その2チームが語り継がれているわけですが、それ以外に清水エスパルスとサンフレッチェ広島の強さも目立っていたようです。

特に清水は前期、後期とも優勝争いにからみ、惜しいところで優勝を逃したチームのようです。清水は天皇杯、ナビスコ杯を含めてたびたびファイナリストになる機会が多く、そのほとんどを勝てなかったために「シルバーコレクター」という悔しい称号を得ているチームですが、それはJリーグ初年度から、いや前年、Jリーグ最初のタイトル争いだった1992年ナビスコ杯の時から呪縛にとりつかれ、ずっと続いているようです。

この呪縛から逃れるには、Jリーグチャンピオンか天皇杯のいずれかを制するしかないように思われます。

1993年シーズンの、チームの強さ弱さを分けた要因は何か、それを考えてみると「監督力」に行きつき、特に外国人監督もしくはヘッドコーチにプロサッカーの世界を制する力量の差を見る思いがしました。

ヴェルディにはヘッドコーチのネルシーニョ、アントラーズにはプレイングマネージャー格のジーコ、エスパルスはレオン監督、サンフレッチェもバクスター監督といった具合です。

そのほか上位に入ったチームに横浜マリノス、ジェフ市原があり両方とも日本人監督でしたが、むしろ充実した戦力を生かしきれなかったチームという印象です。

この年、名古屋が年間12勝24敗、浦和が年間8勝28敗ということで、年間1位チーム、2位チームの勝ち数、負け数とほぼ逆の結果でした。この2チームは監督の力量とチーム戦力、両方とも相当劣っていたということになります。

なにぶんJリーグ初年度。どの程度のチーム作りで臨めばいいのか手探りだったのだと思います。けれども、浦和、名古屋ともJリーグ屈指の資金力を誇るチームです。外国人監督を招へいしたり、実力ある外国人選手を呼ぶことは可能だったのですが、特に浦和はJリーグに参戦するにあたってのチーム作りを、監督人選も含めて読み誤ったということでしょう。なにぶん名門と言われたチームです。順送りで功労者を監督に据えていかなければOBが黙っていないといったタイプのチームだったことが、初年度の結果を招いたのだと思います。

1993年のJリーグをHDD化しながら、そのようなことを考えています。

ここ最近のHDD化作業で、もう一つ、まとまった量を手掛けているのが1990年イタリアW杯です。1986年メキシコW杯、1982年スペインW杯も変換作業しましたが、明らかに違うのが大会テーマ音楽の有無ではないかと思います。イタリアW杯の開会式では、ボーカルグループが登場して曲を披露しました。以来、どの試合でも彼らのサウンドが場内に響いているようです。たぶん、W杯がアンセムやテーマ音楽に彩られるようになった最初の大会なんだなぁと、テーマ音楽を聴きながらHDD化作業を楽しんでいます。

このように、一見単調な作業に思えるHDD化作業ですが、いろいろな切り口が楽しめる作業です。次の目標は500本です。到達したら、またご報告したいと思います。

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シーズン前半に論評したガンバと鳥栖、対照的な結末

2012年12月09日 15時46分46秒 | スポーツ

2012年シーズンのJリーグも終わり、あとはクラブW杯に出場している広島の活躍と、天皇杯に興味が残るだけとなった。

今シーズンの中で、このブログで取り上げたチームが二つある。一つは4月7日に取り上げたガンバ、もう一つは6月3日に取り上げた鳥栖だ。

ガンバの降格は、Jリーグのスターティング10(テン)の中で、降格経験のないチームの一つだったのでニュースインパクトも大きかった。

しかし、4月7日の段階で、私は今シーズンのガンバの行く末に予感を覚え、思わずブログで「何の根拠があって寺田がPKを蹴るのか」と厳しく指摘した。

その日、広島との試合、以下ブログにこう書いた。

「前半2点リードされたガンバ、後半早々1点を返し、さらにPKのチャンス、得たのは確かに寺田だったが、何の根拠があって蹴るのが寺田か?

これを決めるか決めないか、シーズン全体の流れにもかかわる場面だ。それは勝負の世界に身をおいている人間なら本能的にわかる。

この場合、結果に納得を得られるのは遠藤保仁が蹴ることだ。少なくともキッカーが遠藤であるべきなのは誰の目にも明らかだ。それがピッチ上で判断されないなら、あとは指揮官が指示すべきことだ。」

そして、最後にこう締めくくった。「それをやれなかったピッチのメンバー、指揮官。今シーズンのガンバは当分浮上できない。」

あの時のPK失敗で失った試合の流れ、その試合は結局、後半40分台にさらに2点を失い大敗。そしてシーズンを終え降格という結果を招いた。最善の選択をしないと悔いを残すのだ。

松波監督でなくとも、もし同じ対応であれば、勝負の世界に身をおいている者としては甘い。私が「まずいっ、寺田でなく遠藤に蹴らせろっ」と感じたのは、あとあと禍根を残す可能性があるぞ、という本能からきたものだ。

もう1チーム、鳥栖は5位でフィニッシュした。ACL出場権のかかった最終節を落としチームとしては大魚を逃したと思っているかも知れないが、ACL出場は戦力的な分厚さがないと戦えないし、うかつにシーズンに突入するとガンバの二の舞になる。むしろクラブ全体として戦略をキチンとしてからACLを狙って欲しい。

鳥栖については、6月3日に「鳥栖、ユン・ジョンファン監督にみる『監督力』」というブログを書いた。つまり、あぁ、この監督に率いられているうちは、このチームはそこそこやるな、という感覚だ。

まず、豊田陽平選手をはじめとした主力選手の持つ潜在能力を引き出す力量が、この監督は高いと感じたのが一つ。

そして、前線からのプレッシングを可能にする体力維持のトレーニングが、夏場に再度可能だという日程的な運、この運を味方に付けられる監督だとも感じたのだ。

そしてシーズン終了、5位というフィニッシュは初昇格のチームとして史上最高順位とのこと。エースの豊田陽平選手は今シーズンのベストイレブンとなった。彼はそれぐらいの力量のある選手だったわけで、それをユン・ジョンファン監督は的確に引き出したと言える。豊田選手にとって、ユン監督は、今後の選手生活を含めても、おそらく最高の監督との出会いとなったことだろう。

研究され、戦力に変化も生ずる来シーズンの鳥栖の戦いぶりに注目したい。6月3日のブログで私はこう締めくくっている。

「名将への道のりには幸運も必要であり、いろいろな意味で巡り合せの良さも条件の一つかも知れない。松本育夫監督という伯楽との出会いから始まったユン・ジョンファン監督の名将への道、当ブログは、これから20年ぐらいのスパンで彼を追ってみたい。

これも『サッカーを愛する者』にプレゼントされた『夢』といえるだろう。」

それにしても、「スターティング10」という栄誉あるチームでありながらチーム初の降格という屈辱を味わったガンバ、片や、チーム消滅の危機にさらされたこともある金欠チームながら初昇格で史上最高順位でフィニッシュした鳥栖。

私は、折に触れ、かつてJリーグ初代王者に輝き2連覇したもののJ2に降格して低迷を続けるヴェルディと、そのヴェルディに、理不尽なジャッジもあって敗れたと信じて疑わず、その後、圧倒的な三大タイトル奪取数を誇ってJリーグに君臨するチームを作り続けたアントラーズとの彼我の差を思うのですが、ガンバと鳥栖の未来にも似たような行く末が待っているのではないかと考えてしまいます。遠藤保仁、今野泰幸といった日本代表クラスが、そうならないよう踏ん張ることを願っています。

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オリジナル10(テン)と呼ぶ違和感

2012年12月03日 13時29分08秒 | スポーツ

1993年からのJリーグスタート時の10チーム(厳密には1992年のナビスコカップ開始時ということになるが、ここではリーグ戦スタート時)のことを「オリジナル10(テン)」と呼ぶ向きがあります。

インターネット字典のウィキペディアによれば「この呼称はJリーグが自ら定めた呼称であるとは確認がされていない」とあります。

そうであれば、なおさらのことですが、その10チームを「オリジナル」と呼ぶのは違和感があります。

なぜなら「オリジナル」と、「オリジナルでないもの」との違いを、私たちは、加工されたり複製されていない原型のものが「オリジナル」で、いわば創造物と模倣物の違いと理解しているからです。

Jリーグ1年目から構成されたチームが創造されたチームで、2年目以降に加わったチームが模倣チームだということには、どう考えてもならないと思います。どなたかが「オリジナル10」と名付け、それが結構メディアに流れて知られるようになったのだと思いますし、名付けた方も「決して10チームが創造されたチームで2年目以降のチームが模倣チームでありません。オリジナルとは、Jリーグの原型となった10チームとなったという意味です」と説明されるのではないかと思います。

それならば、オリジナルではなく「ファースト10(テン)」とか、スターティング10(テン)と呼ぶべきではないでしょうか? ファースト10の場合、よく最初の10年間というような使われ方をすることがあるので、スターティング10の方がいいかも知れません。スターティングイレブンという言葉があります。先発メンバーです。先発の10チームです。「スタテン」と呼ぶのも一興です。

要するに「最初の10チーム」として識別できればいいのであって、何も「オリジナル」などと別格扱いして欲しいような呼称を使う必要はないと思います。

10チームを選定した「Jリーグ」側では、最初の10チームにあえて呼称を付ける意思がないのだと思いますが、ヘンな呼称が出回って流布されるよりは、「スターティング10(テン)=スタテン」がふさわしい呼び方だという見解を出していただくほうが、いいように思います。

これをお読みいただいた関係者の方々の善処を期待しております。

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