「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

年末サッカーで感じたこと

2015年12月29日 18時44分22秒 | サッカー・ユース年代、女子
毎年思うが、日本ではレギュラーシーズンが終わっても、年末までサッカーの話題に事欠かず、楽しい。

そこで感じたことをいくつかあげてみたくなった。

①Jリーグの七不思議に入るだろう「広島の天皇杯勝てないジンクス」
今季年間チャンピオンの広島は、クラブワールドカップでも3位の成績を残し、安心して見ていられるチームに成熟してきた。その広島が天皇杯準決勝で敗退した。

広島と天皇杯といえばJリーグ発足後、5度も決勝に進出しながらすべて負けている。これまでは「そこまでのチーム」と片付けられていたが、ここ4年、森保監督になってからのチームは、いつ優勝してもおかしくない力をつけていると思う。

今年はJリーグチャンピオンシップからクラブワールドカップ、そして天皇杯と過密な連戦続きだったことを思えば、ベスト4で力尽きた感が強い。であれば来年以降、そういうハンディのない年に、手際よく優勝して欲しいものだ。そうでないと、本当の七不思議になってしまうかも。

天皇杯決勝のカードは浦和vsG大阪となった。12月6日の書き込みでは「チャンピオンシップが西のチーム同士になったので、天皇杯決勝には浦和か鹿島、どちらか東のチームが勝ち上がってほしいものだ」と期待をにじませた。広島が浦和を撃破していたら、またチャンピオンシップの再現になるところだった。

皮肉なことに広島が負けたことで東西対決が実現したともいえる。

②全日本少年サッカーが12月開催に移った? 、14歳の久保建英くんがFC東京U-18に昇格
毎年夏の風物詩になっていた全日本少年サッカーが、知らないうちに12月開催、しかも8人制の大会に変わっていた。それについて解説してある記事などが見当たらず(といってもネットでちょこっと検索しただけだが)、「へぇ~、そうなんだぁ」

久保建英くんといえば、バルセロナの下部組織でプレーした経験を持つ「日本サッカー史上最高の逸材」と評するメディアもあるほど将来が楽しみな選手らしい。私はまだ実際にも映像でもプレーを見たことがないので、どのようなタイプの選手なのか、何も知らないが、このほど所属するFC東京のU-18チームが、まだ14歳の久保くんを引き上げたとのこと。

FC東京U-18は来シーズンもプレミアリーグを戦うようなので、試合で見れるかも知れない。
バルセロナといえばカンテラと呼ばれる育成組織出身の選手が多いことで知られているが、その中でもクラブが育てた最高傑作といわれるのがイニエスタ選手だ。そのイニエスタ選手がU-14世代の国際大会でキャプテンとしてチームを牽引して優勝した時の映像を見たことがある。

当フォーラムが所蔵しているサッカー映像の1998年頃のライブラリーから出てきたものだ。当時のCS放送、いまはスカパーにすべて取り込まれているが、sport-iESPNやJスポーツといった局のどこかで放送した大会ハイライト的な映像だった。

その大会には日本から東京ヴェルディU-14が参戦して、確か準々決勝でバルセロナと対戦して敗退している。その時参加した東京ヴェルディの選手たちにとってはイニエスタのいるチームと試合したという経験が勲章となっていることだろう。このプログをお読みになった方の中に「オレ、出てました」という方がおられたら、ぜひ経験談を聞かせてください。

さてイニエスタ選手と久保選手、12~13歳の時点で天才と呼ばれた選手の中で、選手全盛期になっても、その国の中でトップクラスに残り続ける選手は本当に稀なようだし、ましてやイニエスタ選手のようにワールドカップ優勝の中心的選手として活躍する選手は、本当の意味で天才といえる。

我らが久保くんには決してプレッシャーになるような「もてはやし」は禁物だが、静かに見守ってあげたいとは思う。

ところで、また「東京U-18」チームという報道の書き方に苦言を呈したい。つまり報道する側は「東京」といえばFC東京しかないと決めてかかっていることに対してだ。このことは以前にも取り上げたことがあり、報道に対して善処を促したが、私ごときがブログで書いたところで、どうなるものでもなく、同じことが繰り返された。

少なくとも私は、東京といえばFC東京と東京ヴェルディの2チームがあると思っている。ましてやヴェルディのユース年代は、いまも人気が高い。それをまったく考慮することなく「東京U-18」という書き方をする。久保くんがどちらのU-15に所属しているのか知らない私は、それを確かめるため余計な検索を強いられる。

③澤穂希選手、最後まで圧倒的な存在感を示しながら引退
澤選手が引退を表明した翌日と、引退会見をした翌日、そして皇后杯決勝で自らのゴールで優勝した翌日、各スポーツ紙はこぞって一面トップで報じた。テレビもスポーツ番組はもとより、一般ニュース番組、そしてワイドショー番組でも大きく取り上げていた。

それもそのはず。サッカー界のノーベル賞にあたるFIFAバロンドールを受賞した世界トップクラスの選手だからであり、日本女子代表では歴代トップの出場数とゴール数というダントツの記録持っている選手だからだ。

その澤選手が、功成り名遂げての引退なのだが、最後の試合でも両チーム唯一の得点となるゴールを叩き込んで優勝に導き有終の美を飾るのだから、まさに現役選手でありながらレジェンドという感じだ。

果たして澤選手がいない「なでしこジャパン」はどうなるのか。澤選手がいない日本女子サッカーはどうなるのか、私ならずとも心配になったのではないだろうか? それほどインパクトの強い引退劇だったといえる。

ほかにも、国内ではJリーグMVPに広島の青山敏弘選手、JFA会長選挙の公開型会長選挙の話題、海外からFIFA・ブラッター会長、UEFA・プラティニ会長の処分問題など、書きたい出来事がまだまだあるが、自分の意見が生煮え状態なので控えたい。

とはいえ、青山敏弘選手の選出は文句なしの当然だし、万雷の拍手を送りたい。今シーズンのベストゴールとベストイレブンも合わせての3冠だそうで、来季もますますの進化を遂げて欲しい。森保監督の青山選手評、青山選手の森保監督評というのも、ぜひ聞いてみたいものだ。

では、皆さん、よいお年を。

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日独交流展トークショーの後半だけ拝聴してきました。

2015年12月23日 18時30分17秒 | サッカー文化
今日、12月23日、お茶ノ水のJFAハウスにある「日本サッカーミュージアム」主催の日独サッカー交流展トークショーが行われました。
プログラムは3本立てで、①ショートフィルム上映、②賀川浩さんの講演、③トークショー(司会・木崎伸也さん、出演・祖母井秀隆さん、奥寺康彦さん、高原直泰さん)という内容でした。

午後2時30分開会のところ、私は、買い物などをして遅れ3時20分頃に入りました。すでに賀川浩さんのご講演も終わり、トークショーに入っていました。

ですから想像するしかないのですが、時間配分からみて賀川さんのご講演は30分から40分程度だったのかもしれません。

賀川さんのお元気な、そして、いつもながらの軽妙洒脱なお話しを聞き逃したのは後悔に値します。

トークショーは、おそらく始まってそれほど経過していなかったと思いますが、途中からでも十分有意義なものでした。

テーマは「日本サッカーの今~ドイツがもたらしたもの」という研究論文のようなタイトルでしたが、奥寺さんは日本人第一号海外移籍選手としてのご苦労やドイツサッカーがご自分を成長させてくれた話し。

祖母井さんは指導者として、あるいはクラブフロントとしてドイツサッカーから感じたこと、それ以上にドイツ社会全体に根付いているサッカー文化、いやスポーツ文化の深さを感じ、日本社会に対して発信したい話し。

高原さんは、現役選手目線で感じたドイツサッカーと日本サッカーの違いなどの話し。

それぞれ、ぶっつけ本番でしょうけれど的確なお話しで、感銘を受けました。

私が特に強く印象に残ったのは、最近奥寺さんがブンデスリーガの試合を見にいった時、スタジアムが満員になっていた時の話しでした。

旧知の人に「なぜこんなに観客が入るんだ」と聞いても「自分にもよくわからない」と言われたそうで、それでも試合が、一瞬たりとも目が離せないスピーティさと、攻守が一瞬にして変わるスリリングさで、答えがそのあたりにあるのではないかと感じたそうです。要するにサッカーを観戦するのは楽しい、感動する、価値がある、といった、お客さんが来たくなる試合であることに理由があるのだろうと思います。

「なぜ観客が満員になるのか」、この願望にも似た課題がJリーグでも達成されるためには、さまざまな要素が満たされなければならないだろうと思います。つまりJリーグの試合が感動の連続で、また来たくなるようになるためには、単に選手たちの頑張りだけが必要なのでなく、いろいろな要素が満たされる必要があるということです。

そのすべての要素を満たして、いまブンデスリーガは栄華を誇っているといっていいでしょう。

その要素をすべて列挙するのは大変ですが、少なくとも主要な要素はあげられます。
それらを挙げて、少しコメントをつけてみたいと思います。以下、私の独白になりますので「です」「ます」口調でないことをお許しください。

①なんといっても祖母井さんが指摘された「サッカー文化」「スポーツ文化」の厚み、奥深さでしょう。具体的にどういうことか、祖母井さんは二つのことを指摘しておられました。一つはサッカーもスポーツも、チームにいて試合に出られないなどというケースがないということ。

日本はどうか、小学校レベルで全国大会があり、トーナメントを勝ち上がるために試合に出られる子と出られない子が出る「サッカー文化」「スポーツ文化」の中で少年から青年、大人へと成長していく。出られなかった子に将来にわたってサッカーファンであることを求めたら酷というものだろう。ドイツには全国大会などないと。

もう一つの指摘、それはメディアが社会に対して発信するスポーツ情報の薄っぺらさ、祖母井さんは今年のラグビーワールドカップの日本代表の活躍を例にあげておられました。

ラグビーもサッカー同様、社会全体に通じるいろいろなスポーツ精神を持っていて「One for All, All for One」「スクラムプレー」「ノーサイドの精神」など、社会全体に発信して欲しい絶好の機会だったのに、五郎丸選手のポーズばかりを話題にするといった薄っぺらさを指摘しておられました。

そもそもテレビ局自体が少年サッカーなどの全国大会を主催していることもあって、試合に出られない子が出る現状を憂えるはずがない。ラグビーの持つ素晴らしい魅力、サッカーの持つ素晴らしい魅力などを論じていては視聴率に響くといったメディア風土、これが現状だと思う。

サッカー文化、スポーツ文化を分厚く、深みのあるものにするためには、サッカーなら当事者であるJFAなどの幹部が、愚直にメディアに対して働きかけていかなければならないと思う。

Jリーグ草創期、川淵チェアマンが自ら広告塔となって、それこそ愚直にサッカーのもつ素晴らしさ、サッカーのプロ化によって進めたいスポーツ文化の醸成について、語ってくれたが、いま、それをどなたが引き継いでいてくれているのか、どなたも「私です」と言える方はいまい。

メディアに対して発信を愚直に続けなければ、メディアはサッカー文化を、スポーツ文化を深みあるものとして評価してはくれない。

②サッカー、特にJリーグに対する企業スポンサーの支援の問題も大きいと思います。ドイツの強み、これはヨーロッパ全体に言える強みですが、大企業の本社が地方にも数多くあるということです。

それはなぜか、いままさに日本で言われている「地方創生」と関係してくるのですが、日本の企業本社があまりにも東京一極に集中しすぎています。これには日本の事情があって、企業活動の原則である最適経済の論理から言えば当然ということになり、地方にいたまま世界的企業を目指そうとするのは、かなり勇気がいることです。

それでも、名古屋グランパスのメーンスポンサーが愛知県のトヨタであり、ガンバ大阪のメーンが大阪府のパナソニックであり、サンフレッチェのメーンが広島県のマツダなど、決して地方に本社を置く大企業がないわけではありません。

しかし、Jリーグ10チームの時代から、いまやJ3まで50近いチームに膨れ上がった中で、地方の弱い経済力でチームを支援していくには限度があります。

いまの時代に企業スポンサーの支援をどう厚くして、チーム予算を多くして育成、補強、施設整備などを充実していくか、ここの部分で抜け落ちている視点があるように思います。

それは、鹿島アントラーズを支援する新日鉄住金、浦和レッズを支援する三菱自動車の形をもっともっと取り入れるべきだと思うのです。

つまり、本社がその地域にあるわけでなくとチームの支援をしてもらえるという視点です。鹿島アントラーズの新日鉄住金は、住友金属単独だった時代から、鉄鋼業界のグローバル競争の中で合併があり支援が厳しい時代があったはずです。

浦和レッズは、とにかく弱い時代が続き三菱自動車にとって支援が厳しい時代があったはずです。しかし、いまはJリーグを代表するクラブです。

例えば山形、例えば甲府、例えば湘南、あげればキリがないほどクラブ予算が厳しいチームが多い現状です。それを各クラブの問題、各地域の問題として放置しているところに日本の進歩が止まっている原因があります。

やはりJFAあるいはJリーグが全体として大企業からの支援を求める取り組みをしていかなければならないと思います。国レベルで「政労使会議」とか「政府と経済界の対話」といった場が持たれているのをヒントとすべきです。

JFAが経済界と定期的に話し合う場を作り、鹿島のような、浦和のような形で大企業が地方のチームを支援する機運を高めていくべきです。

③これは日本的風土からくるサッカースタイルの部分です。トークショーでも話題になっていました。海外で活躍する選手たちが集まって代表チームになると、なぜか十分に力が出せない場合が多いと。

登壇者に共通していたのは、海外のチームの中で、日本人選手が果たすべき役割が割とはっきりしていて、それをキチンとやっていると周りの選手たちがこれに応えるように動いてくれる。しかし代表に戻ってくると、クラブでやっていた役割で仕事をしても、周りとかみ合わないことが多い、それでチームとして機能しないのだろうと。

最近のフル代表チームでは、選手たちが臨機応変に修正しながら、かみ合うようにしていく努力を覚えてきた、いわば学習効果が出ているように思うが、五輪代表あたりのレベルだと心配だ。

日本的風土からくることとして、あげられるのは、ゴール前にいるのにシュートをなかなか打たないとか、打ったシュートが、どういう意図で打ったのかわからない、つまりキーパーやDFのいないところにコントロールして打とうとしたのか、それともキーパーやDFの体にあたっても弾き飛ばすぐらいのボンバーシュートのつもりだったのか、それともDFやキーパーを抜き切って無人のゴールに流し込もうとする意図だったのか、やっとシュートを打ったと思っても、意図のわからないシュートで終わることが多いといった問題だ。

まぁ、大久保嘉人選手のようなタイプがもっともっと数多く出ないとダメだと言ったほうがわかりやすいかも知れない。
大久保嘉人があと5歳若ければ、まさに日本のロマーリオとして期待が持てたかも知れない。

バルセロナサッカースタイル全盛時代のいま、日本においては、小学生の段階でなかなか強烈な個性のストライカーを礼賛する風土が生まれにくいのかもしれない。それは、チームワークが均一な個性の集まりでないと育めないと感じる日本的育成風土のいまを象徴していると思う。多様な個性が集まった中でチームワークを育むことが育成だと心得る欧州のクラブとの決定的な違いだと、祖母井さんも指摘していた。

欧州の少年チームには、白人系もアラブ系も黒人系もごちゃごちゃいる。民族性の違いも個性もハンパないほど違う。その中でチームワークを育むということは個性の違いを当然の前提として行なう作業だ。

日本では、個性の違いを前提とするという発想がほとんどない。現実に他民族チームでもない日本の少年チームの中で個性の違いを前提にしてチームワークを育めといっても、難しいのかも知れない。しかし、こと教育という視点で捉えれば、個性の違いを前提として学ばせなければ真の教育はできない。

なかなか息の長い取り組みだが、育成年代での指導のあり方を日本全体として見つめ直していかないと、第二の釜本邦成は出現しないかも知れない。

とりあえず、そんなことを感じたトークショーでした。

最後に、会場でもらった「クラマーさん、ありがとう」という冊子について。
この冊子は、われらが「サロン2002」というネットワーク組織が2005年に行った「公開シンポジウム」の報告書になっている冊子です。

「クラマーさん、ありがとう」まさに、今回の日独サッカー交流展が、デッドマール・クラマーさんを追悼する催事である中で、配布するにふさわしい表題となっている冊子だと感動しました。

報告書は、その年招いたクラマーさんの講演録も収録してあり、クラマーさんは、その中で『「サロン2002」という団体を初めて知ったが素晴らしい活動だと思う』と述べておられる。まさにそのとおりで、時を超えて冊子という形で、その活動が今日まで伝えられたことにも感動を覚えました。

私などは、遅刻しながらも今日のトークショーに行かなければ、この冊子にも出会えなかったことを思うと、一層実り多いトークショーでした。






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日本サッカー待望の有力指導者候補

2015年12月06日 19時56分17秒 | Jリーグ・三大タイトル
2015年Jリーグがほぼ終了した。三大タイトルのうち残すは天皇杯だけだ。

リーグタイトルは広島、それにしても森保一監督の4年間で3度のタイトルというのは驚異的な実績だ。おそらく、これからしばらくのサッカージャナリズムは、森保監督論で盛り上がるに違いないし、当然、森保監督著の「監督論」「マネジメント論」が発売になろう。

そして、当然、いずれかのタイミングで日本代表監督の声もかかるであろう。岡田監督のあとを任せられる待望の日本人指導者の有力候補といえる。

私はテレビの画面を通じてしか、森保監督の人となりを知る機会がないので、ぜひ監督の考えに触れたいと思う。それができるような著書が待ち遠しい。

今年のJリーグチャンピオンシップは2004年まで11回行われたものが11年ぶりに復活したのだという。
そのイレブンに縁の深い今年の決勝は広島のG大阪、西の2チームが戦った。過去のチャンピオンシップ、磐田と清水の戦いが一度あったが、さらに西のチーム同士の試合は史上初めてだ。

11年前ならリーグ関係者やテレビ局、スポンサーなど多くの関係者が、盛り上がらない試合と嘆いただろう。しかし、もはや広島とG大阪の試合を盛り上がらないと言う人たちは少数派ではなかろうか?

2チームの人気、実力は、そう思わせるに十分なものがある。
東の鹿島、浦和にはせめて天皇杯で決勝まで勝ち上がってほしいものだ。

まもなくJリーグアウォーズが行われるだろうが、今年のMVPは誰になるのだろうか?


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ワールドカップ日本代表歴代最高のゴール

2015年12月02日 18時54分16秒 | サッカー日本代表
yahooのニュース配信で、鈴木隆行選手の引退が発表されたという項目を見た。
鈴木隆行選手は現在、千葉に所属しているという。1995年にキャリアを鹿島でスタートさせて以来、彼ほど多くのチームに所属した選手も珍しいと思う。

そんな彼なので、現在の所属も思わず確認した次第だ。
そのニュースを伝える項目を開くと、「日本代表のW杯歴代最高ゴールは・・・・」というコラムにアクセスできる。

その最高のゴールが、2002年日韓大会での初戦ベルギー戦であげた彼の"つま先弾"というわけだ。
私もそれに賛成だ。

2014年6月にアップされたサッカーライター・清水英斗氏のコラムは、各大会で記録されたゴールの数々を検証しながら鈴木隆行選手のゴールが最高と導き出しているが、私は日本サッカーの分水嶺に位置づけられるゴールだと思っている。

4年前の1998年にワールドカップ初出場を果たしたとはいえ、そして2001年のコンフェデ杯で決勝まで進んだとはいえ、ワールドカップ本番は別物だということを選手たちもサポーターも、そして世界中のサッカーファンもいやというほど知っている。

そして迎えた2002年大会初戦である。日本列島が固唾をのんで見守る中、ベルギーに先制を許して「やっぱり、そう甘くはないのか」という気持ちが頭をよぎってまもなくの鈴木選手のゴールだ。しかも気持ちで押し込んだかのような、いかにも彼らしい泥臭いゴールは、その瞬間をとらえたスクープ写真の画像とともに、長く私たちの脳裏に刻まれるゴールだった。

その後、守備の要である森岡隆三選手を負傷で失う中でも、稲本潤一選手の活躍などで勝利の予感さえ抱かせる試合を見せた日本代表、その後の決勝トーナメント進出に向かう出発点となったのが鈴木隆行選手のゴールであり、その後のワールドカップ連続出場、2010年南アフリカ大会決勝トーナメント進出にもつながる日本サッカーの成長・進化の道に向かわせたゴールだったと思っている。

2014年ブラジル大会で惨敗を喫した日本代表は、ちょうど2006年大会のあとのような不透明な状況を迎えている。2007年アジアカップもオシム監督のもと、満足のいく結果を得られず、そのオシム監督が病魔に倒れ監督交代を余儀なくされた点まで似ている。

その後を引き継いだ岡田監督が主力に据えた選手たちによって2014年大会まで成長軌道を保った日本サッカーが、このあと失速するか成長軌道を維持するか、この1~2年の中で分水嶺となる試合が出てくる。

もしかしたら、次の分水嶺によって鈴木隆行選手のゴールは一つのエポックメイキングの役割を終えるかもしれないが、いまのところ、まだ、ここまで10~15年の日本サッカーの成長・進化の起点となったゴールだった
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