「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

2011年の川澄選手ロングシュートを思い出させる谷川萌々子選手のゴール!!

2024年07月30日 16時56分03秒 | サッカー・ユース年代、女子
2024年パリ五輪サッカーのことを書きたいです。
男子は「強さ」、女子は「あきらめない気持ち」を思い起こさせる活躍です。
男子についてはネットに論評が氾濫していますので、女子について書きたいと思います。

つい先日、NHK-TVの「プロジェクトX」が特別制作した「女子サッカー不屈のバトンリレー なでしこの花咲く日まで」を放送しました。

いまは録画をしていないため初回放送と1週間後の再放送をメモをとりながら見ました。
女子サッカー黎明期のレジェンドの一人、本田美登里さんと、ご存じバロンドール選手の澤穂希さんがスタジオ出演しながら、本田美登里さんが小学生の頃から、澤さんが2011年女子W杯で世界制覇するまでの苦難の30年間を辿った番組です。

そして日本時間7月29日早朝におこなれたパリ五輪サッカー女子、グループリーグ2戦ブラジル戦です。

3組12チーム(12ケ国)しか参加しないグループリーグ、そのうち4チーム(4ケ国)だけを振るい落とす戦いですが、かなり過酷です。日本の入ったグループは昨年の女子W杯優勝国スペイン、日本と世界ランキングがほぼ互角のブラジル、そしてナイジェリア代表、ランキング的には劣るものの異次元の身体能力を持つ侮れない国です。

初戦スペイン戦を落としました。そしてブラジル戦です。もう後がないと思わなければならない戦いでした。
結果はご存じのとおりでしたが、なでしこジャパンが1点のビハインドから同点、逆転に持ち込んだのは90分+アディショナルタイム8分の中でした。

よくぞ逆転勝ちしたものだと思います。
まさに「プロジェクトX」が番組を通して伝えてくれた「なでしこ」たちの「決してあきらめない気持ち」「このままでは終わらないぞという気持ち」が、この試合にも現れたと感じました。

早朝の生放送は、とても見れる年代ではなくなりました。夜9時台には寝床に入り、朝7時台には寝床から出るという基本パターンの生活は、もはや崩せません。崩してしまうと必ず副作用に見舞われる年代になりました。

それでも幸いなことにサッカー競技に関しては少し時間を短縮するものの再放送してくれていますので楽しめます。

なでしこジャパンの2つのゴールは、2011年女子W杯優勝時を思い出させるものがありました。

まず、同点に持ち込むPKを蹴ったのはキャプテン・熊谷紗希選手、2011年W杯優勝がTVで語られる時、必ずPK戦で優勝キッカーとなった熊谷選手のシーンが出てきます。

今回のPKの時、日本の多くのファンは、あの時と同じ角度・方向に蹴るのではと見守ったようです。結果は冷静にキーパーの動きを見極めて逆サイドに確実に流し込んだキックでした。あれから10数年を重ねた熊谷選手のキャリアが導き出したキックだったのです。

次に逆転ゴールとなった谷川萌々子選手のスーパーミドルロビングシュート、これを見た瞬間、2011年W杯準決勝で初スタメンを果たした川澄奈穂美選手が放ったスーパーミドルロビングシュートを思い出しました。

川澄選手のゴールはスウェーデンを3-1と突き放すゴールで、角度も距離も今回とは少し違ってはいましたが、意表をついて放たれ、見事にゴールに吸い込まれたという点で、今回の谷川萌々子選手のゴールも、まったく同じことが起きたと感じました。

川澄選手のゴールが長く記憶に刻まれているのは「あそこで、そういうシュートをよく打てるものだ」という衝撃と感嘆の気持ちからであり、今回の谷川選手のゴールもそうなのです。

2011年女子W杯と重なる2つのゴールは、今回のパリ五輪サッカーにおける「なでしこジャパン」の行く末を予感させるものだと書いておきます。

2012年ロンドン五輪、2020年東京五輪に続き男女ともグループリーグを突破してくれると、サッカーファンのみならず日本中がサッカー競技の行方に関心を深めてくれることになり、五輪の楽しみ方が濃密でしあわせなものになります。

ありがたいことです。ガンバレ日本サッカー・男子、女子!!!



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なでしこジャパン「あと少し」「あと、ほんの少し」でした。

2023年08月11日 18時28分18秒 | サッカー・ユース年代、女子
なでしこジャパン、準々決勝・スウェーデン戦、信じるに足る試合をしてくれました。「あと少し」「あと、ほんの少し」でした。スウェーデンは、おそらく最強チームでしょう。準々決勝で当たりたくはない相手でした。

それでも、なでしこジャパンは立派に戦いました。スウェーデンをギリギリのところまで追い詰めました。
選手たちは決して満足できないことでしょう。悔いの残る選手もいたでしょう。それでも顔をあげて帰ってきてください。

心から健闘を称えたいと思います。

【8月11日追記】今朝のスポーツ紙、負けはしましたがスポニチ紙は1面で報じてくれました。「パリにつながる血の涙」、そう例えたのは金子達仁氏、かつて「ドーハの悲劇」で男子が流した「血の涙」に匹敵する経験ではなかったか? と感じたのだそうです。

つまり、男子サッカーは、あの「血の涙」を流し、さらにジョホールバルでやっとの思いでW杯出場を勝ち得た経験によって、その後の日本サッカーの成長と進化につながった、なでしこたちも、今回の経験が、未来のなでしこサッカーの成長と進化のスタートラインに立ったのだと結んでいます。

当ブログは、今回のチームが10歳台の選手から、W杯出場4度目の熊谷紗希選手まで、バランスのとれたチーム構成で世界経験の豊富な選手たちばかりということで、一つのピークにあるチームではないかと思いましたが、フル代表の円熟度という点では、もう少しパワーと試合巧者の経験が必要だったと思います。

まさに今回のスウェーデンが、その点で1枚上でした。けれども、決して勝てない相手ではないことも確かです。世界レベルは常に進化しています。3連覇を目指したアメリカさえも、対戦相手が悪ければベスト16で姿を消してしまう世界です。

そう思って、選手たちには精進と経験を積んで欲しいと思います。金子氏が喝破したように、今回があって4年後、8年後に成長と進化した姿を見せてくれることを待っています。

なでしこジャパン!! 顔をあげて胸を張って帰ってきてください。
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なでしこジャパン、また大きな自信を手にしたと思います。

2023年08月05日 18時56分06秒 | サッカー・ユース年代、女子
2023年女子W杯決勝トーナメント1回戦なでしこジャパンvsノルウェー戦が終わりました。3-1で勝利、先制点をとり、同点に追いつかれた後半まもなくの勝ち越し、そして終盤のダメ押し、試合運びの面からもいい勝ち方でした。

何よりも、これまでの圧倒した試合から一転、強豪であり高さという武器もあるチームを相手の一発勝負、試合後、池田監督も話していたように「しびれる」試合を経験して、また2点目を決めた清水選手が「同点にされても誰一人ネガディブになっていなかった」中で、きっちりと勝利をモノにしたことで、また一つ大きな自信を手にしたと思います。

試合をネットで速報したスボーツ報知の岡島記者は「結果的に、失点こそしたが、なでしこの高さ対策は見事の一言だった。」と絶賛しています。すなわち「 日本は「いかに弾くか(競り勝つか)」ではなく、「いかに(クロスを)上げさせないか」の土俵を選択した。クロッサーとなり得る選手のキック方向に必ず1人が立つことで、さほど突破力のない相手選手はプレーの選択肢が限定された。」とのことです。

そんな中、後半パワープレーを仕掛けてきたノルウェー、決定的なシュートをGK山下杏也加選手が片手一本で防ぎました。これまで仕事の場面が少なかった山下選手、集中力を保つのが難しかったと思いますが、よくぞ止めてくれました。GKからFWまでイレブン全員が大きな自信を手にした試合でした。

次の準々決勝は3連覇をめざすアメリカかスウェーデンのどちらかとのこと。応援する側がネガティブなことを考えたり、次の対戦相手を考えて弱気になっているのが申し訳ないところです。選手たちと同じ気持ちでポジティブに勝ちに行きましょう。

今回、選手交代が田中美南選手に代えて植木理子選手を入れただけでした。宮澤ひなた選手も藤野あおば選手も、前半から走りずめで相当疲れていると思いましたが、それでもピッチに残していたのは、役割を果たし続けるスタミナを信じてのことだと思います。現に終盤の3点目は、藤野あおば選手のラストパスを受けた宮澤選手、この二人によるゴールでした。脱帽です。

これで布陣は盤石になったと思います。
11日(金)16時10分からの放送で、勝利のエネルギーを日本から送ります。

【追加記述】
ここからは、当「サッカー文化フォーラム」の視点での書き込みです。題して、
「火中の栗を拾ったNHKさん、拾った栗はまさにホクホク」
どうです? なかなか洒落たタイトルだと思いませんか?

今大会の日本での放映は、どこの放送局も高い放映権に見合うリターンが見通せず、大会が始まるギリギリまで決まりませんでした。最後はNHKさんが「なでしこジャパン」の試合だけ拾って放送することに決まったわけですが、まさに公共放送として日本サッカー協会からの要請を受ける形での決断でした。
いわば「火中の栗を拾った」形でしたが、その拾った栗が、なんとホクホクのおいしい栗だったわけで、当のNHKさんもホクホクだと思います。

一方の民放各社、一番ストーリーとしておいしい形になった絶好のコンテンツを逃したことになり、さぞ地団駄を踏んでいることでしょう。ひと昔前なら「この大会はウチがとるべきだ」と上層部に粘る気骨のテレビマンがいたと思いますが、テレビの時代が長い長い下り坂にある今日、そこまで粘れるテレビマンはもういないかも知れません。

ここまで来ると、世間を煽ることでは民放局に引けを取らないNHKさんのこと、いろいろな番組を使って「なでしこジャパン」の快進撃を煽ってくれます。
昨夜、夜9時からのニュースでも15分ぐらいの特集を組んでくれました。
「また世間の関心を高めたい」という大和撫子の健気な思いが、少しづつ実りつつあります。
次の試合を乗り切れば、さらに2試合できることが決まります。神様にお願いしてでも次の試合を勝たせてあげたいと思います。

テレビ放送の話題と来たら次はスポーツ紙の話題もしましょう。今大会、グループリーグの初戦、2戦は勝ってもスポーツ紙で1面に持ってきたところはどこもなかったと思います。これまでの経験から確認しなくても大丈夫だと思います。
しかし3戦目も勝って3連勝でグループリーグを突破した時は、さすがにどこかはトップに持ってくるでしょうと買いに走りました。案の定、スポーツ報知と日刊スポーツが1面を飾ってくれました。

そして今回、ノルウェー戦に勝った試合については、さらにスポーツニッポンも加わって3紙がトップを飾ってくれました。
さぁ、次勝てば当然サンスポさんも来ないわけにはいかないでしょう。
という次第でした。
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ふたたび「なでしこジャパン」真夏の日本列島に感動の予感。

2023年08月04日 12時58分52秒 | サッカー・ユース年代、女子
グループリーグ2023年女子W杯、「なでしこジャパン」がグループリーグを圧倒的なスコアで勝ち上がりました。
第3戦のスペイン戦は「なでしこジャパン」のボール支配率が、わずか23%だというのにスコアは4-0。「なでしこジャパン」が放った枠内シュート5本のうち4本を決め切った勝利でした。
しかも3戦をクリーンシートで乗り切っています。

いよいよ明日からノックアウト方式です。一発勝負は何があるかわからない世界ですが、今回の「なでしこジャパン」には日本列島を感動の夏に染めてくれる予感があります。

夢の途中で大会を去らなければならない結果になることも、勝負の世界ですのでありますが、今回の大会は、それ以上の予感がしてなりません。

なぜなら、今回の「なでしこジャパン」には、そう思わせるだけの、いくつのも理由が揃っているからです。

まず「守りの戦術」が徹底していることです。初戦のザンビア戦で、このチームがいかにその戦術を練り上げてきたかが示されましたし、第3戦のスペイン戦も相手にボールを支配される試合展開でも、守りに破綻をきたしませんでした。

もちろん、熊谷紗希選手、南萌華選手というワールドクラスのセンターバックが強いこともありますが、池田監督が徹底してきた前線の選手も含めての「守りの戦術」が浸透していなければ長丁場の大会では持ちこたえられません。

このあとの見所は、まだ許していない先制点を許した試合での復元力が一つ、もう一つは高さのあるチームと対戦した時のCK、FKといったセットプレーの対応です。次の相手、ノルウェー戦では、この点が鍵を握るでしょう。

次の理由は、試合ごとに成長していくチームの特長を備えている点です。現在、大会得点王の宮澤ひなた選手を筆頭に、植木理子選手、遠藤純選手、藤野あおば選手といった選手が試合ごとに自信をつけ成長しているのがわかります。
こうしたチームが勢いに乗り、素晴らしい結果を残すことにつながるのが、大きな大会ではよく見られるパターンです。

3点目は、ユース年代で世界大会優勝を経験している実力派の選手たちが中盤の守りを固めている強みがあります。男子日本代表で「中盤」といえば、攻撃的な魅力にあふれたイメージが強いポジションですが、なでしこジャパンでは、長谷川唯選手と長野風花選手が中盤の底を固める役回りです。二人とも攻撃的なポジションをこなすチームの司令塔的なイメージの強い選手ですが、そうした選手が中盤の底を固めるのは強いチームのパターンでもあります。
また杉田妃和選手、清水梨紗選手も中盤の左右のサイドを主戦場にしてチーム全体のサイド攻撃に欠かせない選手です。

4点目は、20歳後半にして初めてワールドカップ出場のキップを掴んだ田中美南選手と猶本光選手の、さすが実力者ならではの躍動ぶりです。
二人ともこれまでW杯メンバーになっていなかったのが不思議なぐらいで、特に田中美南選手は確実視されていながらの落選でした。けれども二人とも黙々と実力をあげていく強靭な精神力を持っています。
この二人が本来の力を発揮してくれるとすれば、代表のパワーはいやがうえにも増すというものです。楽しみです。

5点目は、各世代の選手たちがバランスよく配置されていて、若いが故に浮足立つこともなく、年齢が高いが故にスタミナ切れを起こす心配のないチーム構成になっています。
また、控えの選手たちが集中を切らすことなく、またピッチで活躍している選手たちへの貢献を惜しまない姿勢が、チームの一体感や長丁場の大会での選手層の厚さにつながっていることも大きな特徴です。

6点目は池田監督、宮本ともみコーチをはじめとしたスタッフと選手たちの相互信頼、そして采配の確かさです。初戦のザンビア戦のDF陣に、なんと20歳になったばかりの石川瑠音選手を配したのです。昨年のU-20女子W杯ではDFの主力として日本の準優勝に貢献したとはいえ、フル代表ではさる2月の国際大会でデビューを果たしたばかりの選手。

実はザンビアのエースストライカーが最近対戦したばかりのドイツとの親善試合で勝利の大役者となるなど、絶対に封じなければならない選手ということで、石川選手を指名したのです。石川選手は監督の期待に見事に応える働きぶりで「なでしこジャパン」の初戦大勝に貢献しました。この采配一つをとっても、池田監督を中心とした「なでしこスタッフ」のスカウティングの確かさ、選手起用の大胆さが伺える例でした。

このように数多くの理由があげられる今回の「なでしこジャパン」。まさに真夏の日本列島に感動の予感がします。
なぜ、今回、このようなチームが出来上がったのかを辿りますと、ちょうど、2011年大会優勝のなごりがチームから消え、着々と力をつけてきたアンダーカテゴリーの選手たちがチームの主力になってくるという、まさに世代交代が完了した時期であることが大きな要因です。

キャプテンの熊谷紗希選手が若干20歳のDFとして2011年大会優勝メンバーとなり、今回は、その経験を持つ唯一の存在としてキャプテンの立場からチームをけん引しています。他の選手たちにとって2011年優勝は、プレッシャーとして意識する出来事ではなく「私たちの世代もふたたびあの栄光を、そしてWリーグの認知度を少しでも高めなければ」という新たなモチベーションで大会の臨んでいます。

歴史の巡り合わせなのでしょう。4大会ぶりに「なでしこジャパン」に大きなウェーブが来たのだと思います。
まず明日のノルウェー戦、強い気持ちでぶつかって欲しいものです。

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100回大会の高校サッカー決勝で伝説が生まれた

2022年01月11日 18時17分12秒 | サッカー・ユース年代、女子
作曲家・三木たかしさんがサッカー界に置き土産をしてくれた全国高校サッカー選手権のテーマ曲「振り向くな君は美しい」が、今年もテレビから流れてきて、新しい年を一層うきうき感のあるものにしてくれました。

今年は100回目の大会とのこと、YouTubeのこの曲に関するコメントを見ていたら「100年後もこの曲であって欲しい」と書き込んだ人がいました。

まさにそう思います。当「サッカー文化フォーラム」は、志を受け継いでくれる方のリレーによって、100年後を見届けたいと思います。

当「サッカー文化フォーラム」(https://fc-forum.com/cms/)のデータパビリオンで、高校サッカー選手権の最も古い試合映像記録は、1993年に日テレG+局で放送された「高校サッカー決勝10年の記録」で流れた第62回大会決勝帝京vs清水東戦の9分ほどのダイジェスト版です。そこからだけでも38大会分の映像が記録されています。(ちなみにwebサイトへのデータアップまでもう少しお待ちください)

本日の日刊スポーツ(東京版)2面を開くと「J以前を引っ張った選手権も新時代」という見出しが目に入ります。まさにJリーグ以前の国内サッカーを牽引したのは高校サッカー選手権です。

その節目の100回大会では、対戦相手の大津高校をゼロ封どころか、シュートを1本も打たせない完璧な試合運びで制した青森山田高校の強さが突出していました。

4年連続決勝に進出、まさに近年の高校サッカー王者の名を欲しいままにしている同校も、ここ2年は決勝で涙を呑んでいます。
選手権の決勝を制するというのは、そう簡単なことではないにもかかわらず、当然のように勝ち切る、相当の総合力が感じられます。

とりわけ1年生からレギュラーを張り最終学年の今年はキャプテンとして牽引した松木玖生(くりゅう)選手のメンタルの強さが目を引きました。
同じ日刊スポーツの1面には、松木選手を紹介する記事で「『ホスト界の帝王』ROLAND(ローランド)を尊敬する人物にあげ、彼の座右の銘である『俺か、俺以外か』という強気な発言とかも好きです」と書かれています。

自分も強気な発言をして自分を追い込みながら結果を出していくタイプのようで、本田圭佑選手と重なり合う感じがします。

その松木選手、今大会に関しては「自分を犠牲にしてでもチームを勝たせたい」という気持ちを強く持って臨んでいたとのことで、まさに結実した大会でした。

もちろん大津高校も、公立高校でありながら素晴らしい指導者のもとで才能を伸ばしてきた選手たちが多く、決勝を争うにあさわしい2校と言われたが、どうやら選手たちが体感したように青森山田イレブンの圧倒的パワー、フィジカルの前に屈したようです。

100回記念大会を歴史的な内容で制した青森山田、かつての帝京、清水商、国見、市船のように一時代を築いたチームと並ぶところまできましたが、果たして次にどこが青森山田にとってかわるのか、次の100年が楽しみです。
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「WEリーグ」についてのシンポジウムにリモート参加しました。

2021年08月24日 20時24分56秒 | サッカー・ユース年代、女子
昨日「WEリーグを語ろう!」というシンポジウムがリモート形式で開かれ参加しました。
NPO法人「サロン2002」の主催で行われました。
この「サロン2002」については、当ブログでも何度かご紹介したことがありますが、しばらくご無沙汰していた中で、今回はJFA100周年記念事業:日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」を語ろう!という、触れ込みでしたので、参加しました。

「WEリーグ」の初代チェア岡島さんが出席され、じかに理念やリーグの内容をご説明いただいたので、そのことだけでも大変有意義でした。
出席者からチャット等でいろいろ質問・意見が出されましたので、いろいろな考え方を知ることができたのも有意義でした。

ここでは2つの視点から私の思いを書きたいと思います。
一つは「理念・ビジョン・ステートメント・設立の意義」という「WEリーグ」ホームページに掲げられているメッセージを、岡島チェアがかみ砕いて説明してくださったことが有意義でした。

説明をうかがって印象的だったのは、理念の中核となっている考え方が「ジェンダーの公平性」であり、特に「エンパワーメント」(日本語に直せば「権限を与えること」「自信を与えること」「力を付けてやること」など複数の意味があるようです)の部分を「WEリーグ」はアピールしたいというお話でした。

ここだけ聞くと、かなりラディカルな、プロスポーツの理念になじむのか懐疑的でしたが、岡島チェアが「パートナー(すなわちスポンサー)企業は、「WEリーグ」がどういう理念を掲げているかを見て賛同してくれており、私たちはパートナー企業とともに「WEリーグ」をやっていくことになった」と話したのを聞き、いわば得心した気持ちになりました。

何よりもプロスポーツの世界は、パートナー企業からの長期的なサポートがなければ成り立ちませんし、パートナー企業は、そのプロスポーツの何に価値を見出してサポートするかといえば、普遍的な理念に共感できるかどうかが判断基準になります。

その意味で、私が「ラディカルな」と感じているのは、いわばジェンダー後進国がゆえであり「これから先の時代」を見据えだ場合には、相当先をみた理念構築が必要で、10年後、20年後に「WEリーグスタート時に掲げた理念に少し時代が追い付いてきたね」と言われるようになることでしょう。

もう一つの視点は「WEリーグ」のプロモーションについてです。これは参加者からの質問・意見にもあったことなのですが、ついついJリーグとの比較でモノを考えてしまうわけで、あのJリーグスタート時点での大変な盛り上がりは、社会現象になったほどでしたから「それに比べて」ということになりますが、私は、あまり心配していません。

岡島チェアもおっしゃっていたように「要は中身、要はこれから」ということだと思います。
1年半も続いているコロナ禍によって、かなりプロモーション活動は影響を受けたと思いますが、それでも始まれば、かなり注目されるようになると思います。

これまで「なでしこリーグ」で戦っていた選手たち、強豪チームや中心選手たちは、かなり高い意識でプレーしていたと思いますが、これからはアマチュアではない、プロ選手です。かなりプレー面でも変わるでしょうし、もう一つは外国人選手の加入です。
Jリーグがジーコを筆頭に、世界的な選手の加入によって質的な魅力を増したように「WEリーグ」にレベルの高い外国人選手が加入することによって、日本人選手のプレーの質が向上し、ひいては「なでしこジャパン」を強化することにつながる。これはJリーグとまったく同じ効果を得ることになると思います。

私は、いま海外に出ている「なでしこジャパン」代表選手も「WEリーグ」に戻ってきてくれることを期待しています。そうやって海外に出たり「WEリーグ」に戻ってきたりという姿になればいいと思います。

9月12日(日)の記念すべき初日は、INAC神戸、日テレベレーザが、それぞれホームに埼玉の2チーム(大宮、浦和)を迎えて開幕試合を行なうそうです。ベレーザの試合会場・西が丘に行ってみたいところですが、入場人数制限がかかっているそうですから、おそらくチケットがとれないでしょう。テレビ放映してくれそうなので、自室の特等席で観ることにします。

プロ契約をした選手たち、身震いするような一日になることでしょう。

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「FCふじざくら」のサポータークラブに入会申し込みするところです。

2019年05月18日 18時12分57秒 | サッカー・ユース年代、女子
「富士山大好き」の私が待ちに待った、富士山の麓のサッカーチームが始動したみたいです。その名も「FCふじざくら」
もう、何をおいてもサポータークラブに入会することが先決です。

いま申込み作業中ですが、なでしこのカテゴリーでは7部チーム。雲の上の「なでしこ一部」入りまで、何としても生き延びなければなりません。もし「なでしこ一部」入りしたら「全国でも最高齢に近いであろう名物サポーター」という触れ込みで、晴れの一部開幕戦を応援しようと思います。

まずは、書きかけですが、ここまでにして、申込み作業を続けます。

【ここから翌朝加筆しました】

昨夜、申込書と「FCふじざくら」サポータークラブ入会のお願いに際して」というメッセージペーパーをメールに添付して、事務局さんに送りました。
これを事務局の方がお読みになったら「なんだか東京に住んでる年寄りの人から、やたら熱いこと書いてあるペーパーが届いちゃったよ、そんなこと書かれても・・・・」みたいな反応かなと、想像しています。

どんなこと書いたかと言いますと、例えば「待ちに待った、富士山麓のサッカーチームの記事です。なるべく早くサポータークラブのメンバーになり、これから先の長いチームの挑戦とともに歩みたいと思うとワクワクします。」とか、

「私がなぜサポータークラブに入会したいかですが、純粋に、単純に富士山麓のサッカークラブなら、ぜひサポーターになりたいからです。」とか、
「FCふじざくら」を純粋に応援するというモチベーションがあれば、また富士山麓で暮らしながら「ギャラリーカフェ」を再開したいという夢の実現につながると考えたからです。」とか・・・。

年寄りの割には、いまだに小学生みたいな夢を臆面もなく語れるところが、私の真骨頂かもしれません。

そして文面の最後は「(FCふじざくらは)まだ、当分は山梨県内での活動が中心かと思いますが関東二部に昇格されれば、首都圏への遠征が始まることと思います。首都圏遠征の試合の時は、サポーターの皆さん何人か(特に金欠病のメンバーに)は、我が家のザコ寝場所を提供したいと思っています。(中略) 人生の残り少ない年寄りですが、まだまだ、そのような夢もありますので、ぜひお仲間に入れていただきたく、ご審査いただきますよう、よろしくお願いいたします。」というお願いでしめくくっています。

今朝、読み返してみると「これもらった事務局さんも迷惑な話かもしれないなぁ」とも思いますが、もう「覆水盆に返らず」です。まぁ、単なるサポーターの一人としての入会は認めてもらえると思いますが「余計なことは考えないでね」ということになるかも知れません。

私は自分の「サッカー好き」からくる、いろいろなアプローチを、これまでもしてきました。ブログを開設してからも7年以上になりますので、その中でも、こういうところに話を持ちかけました、とか、ここに相談に行きました、とか、いろいろ報告したと思いますが、まだ、達成感のあったアプローチは一つもありません。

私の人生の針は刻々と過ぎて、日に日に残り少なくなっていますが、それでも「サッカー文化フォーラム夢追い人」は、行動をやめようとしていません。まだ元気だからだと思います。

いつか、続けていてよかったと思える日が来ることを夢見て、コツコツと続けていきたいと思います。
それにしても、今年2月19日の書き込みでご報告した「サッカー情報のパソコン取り込み、その先について」の中で「今はただコツコツとパソコン取り込みの作業を続けることしか出来ない状況です。」と書きましたが、その作業も1ケ月以上中断してしまいました。

理由は「稼がなきゃ」です。どうしても、カネに結び付く作業に時間を割かれ、1銭のお金にもならないパソコン取り込み作業に時間が回りません。でも、あきらめず「いつか専念できる時が来て、いつか作業を完了できる日が来る」と信じています。

折しも、今月5月6日から産経新聞の「話の肖像画」というインタビュー企画に「現役最年長ライター」というキャプションで賀川浩さんが登場しています。10回(10日間掲載)続いたシリーズが一昨日完結しましたが、インタビュアーからの最後の質問で「日本サッカー界の発展に努めてきた先人たちの事績を発掘してきた。自身にとってサッカーの記事を書く仕事とは」と問われて、

「昔の人のことは多少は書いてきたつもりやけど、あちこち書き散らかしている。令和になって世の中変わるから、まとめるか最初から書くかしないとね。昔の仲間が『天国にぼつぼつ来い』と言うとるかもしれん。『あまりそんなとこで遊んでいるんやのうて』って。でも、やることがある。こんなこと言うてたら死なれへんな。」と締めくくっています。

この、人生の大先輩にして、この心意気です。賀川さんから見たら「鼻たれ小僧」にしか見えない私などが弱音を吐いたら「罰が当たる」というものです。
それにしても私たち「サッカーを愛する」者たちは幸せですよね、同じ世界にこんな素晴らしい人生のお手本を持っているのですから。

では、また。


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なでしこジャパン、国内での1年1ケ月ぶりの試合

2017年04月09日 19時17分15秒 | サッカー・ユース年代、女子
なでしこジャパン。なんだか遠くにいってしまったようなチームに感じられました。今日のチームを見るまでは。

3月のアルガルペ杯はフジテレビ系で全試合放送してくれたようですが、1試合も見ないで録画もし損なったこともあり、今日のキリンチャレンジ・コスタリカ女子代表戦が、ひさしぶりの試合のように感じました。

国内での試合はいつ以来かと調べてみましたら、昨年3月9日以来みたいです。1年1ケ月ぶりということになります。これまでこんなこと、あったっけというぐらいの空白です。

高倉麻子監督就任後、今日で8試合目のようですが、過去7試合すべて海外での試合ということです。ゴールデンタイムにテレビ観覧席で見れないのは残念ですが、海外での試合経験は多ければ多いほどいいと思います。新体制の方針なのかも知れません。

テレビ画面には、ここ数年のなでしこジャパンの成績が映し出されていましたが、2011年の歓喜の女子W杯優勝から4年連続で国際大会のタイトルを争った時代が、完全に過去のものになったことを実感します。

高倉体制になってから8試合目にして国内にお披露目となった「なでしこジャパン」は、私たちに過去の栄光を完全にリセットさせてくれるチームです。

2020年東京五輪がもっとも大切なターゲットであることを思えば、23歳の横山久美選手が先制点、22歳の田中美南選手が追加点、途中出場の21歳の籾木結花がダメ押し点という展開は、まずまずの成果でしょう。

最後に、将来のチームリーダーを期待されている猶本光選手が登場してくれて、新生なでしこ国内初のお披露目は完結した感じです。

澤穂希、宮間あやといった「厳しく激しいなでしこジャパン」のDNAを受け継ぐ闘う女・阪口夢穂、熊谷紗希両選手から、若い選手たちが、そのDNAを引き継いで欲しいですし、当分は、これらの選手たちが軸になることを感じさせた試合です。

とはいっても、世界経験の豊富な岩渕真奈、センス溢れる京川舞両選手にも、忘れられないよう頑張って欲しいと願う私です。

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湯郷ベルに何があったのか誰か教えてください。

2016年08月12日 19時19分26秒 | サッカー・ユース年代、女子

世間は、連日リオ五輪のメダル獲得ニュースで一色です。すごい活躍ですね。我れらがサッカー五輪代表は終戦となりました。なでしこジャパンも出ていませんので、ことサッカーに関してはホントに終わった感じです。

思い起こせば4年前、ロンドン五輪サッカーでは、男女とも最大試合数6試合まで勝ち残り、合計12試合を応援できる幸せを味わいました。当時、その幸福感をこの欄に書き込んだことを思い出します。

こればかりは、いつもいつも同じ経験ができるわけではありません。W杯優勝、ロンドン五輪銀メダルという金字塔を打ち立てた「なでしこジャパン」でさえもリオ五輪出場権を逃すことがある世界ですから。

今日は、その「なでしこジャパン」キャプテンを澤穂希選手から引き継いでリオ五輪アジア予選を戦った宮間あや選手の所属チーム「湯郷ベル」について書きたいと思います。

というのは、標題にも書きましたように「湯郷ベル」に一体何があったのか、真相を誰か教えて欲しい気持ちだからです。

最新のニュースによれば、宮間、福元という「なでしこジャパン」経験者をはじめ主力4選手が退団意向を示していた件については、宮間選手が残留、他の3選手が退団という形で収束したといいます。

地元では、2001年のチーム立ち上げ以来、チームの顔として人気があった宮間、福元の両選手が別々の道を歩むことになったことを惜しむ声が大きいといいます。さもありなんです。

しかし、現在「なでしこリーグBグループ」でダントツの最下位に沈むチームは、監督が不在状態、まさにチーム崩壊といっても過言ではない危機に瀕しています。

どうも、チームとしておかしくなったのは今年からではないようです。2014年シーズン当初にも大量の選手退団がありました。このシーズンは、10チーム総当たりによる1次リーグ「レギュラーシリーズ」を優勝し初のタイトルを獲得したこともあり、チームの不協和音が表面化しなかったようですが、昨シーズンの成績不振から一挙におかしくなったようです。

今シーズン、9月からの後半戦でよほどの巻き返しを図らないと2部落ちになるでしょう。2005年になでしこリーグ1部に復帰して以来、10シーズンにわたってリーグ上位をキープしてきた小さなクラブ。

私は、2013年4月9日付けの当欄で、宮間選手と湯郷ベルについて取り上げたことがあります。

その中で私は「湯郷ベルというチームが鹿島アントラーズと同じ道を歩むべきチームではないかと感じたのです。少なくとも宮間あや選手は、あと20年後には「湯郷ベル」にジーコイズムならぬ「あやイズム」を根付かせた選手として湯郷ベルの歴史にその名を刻む選手だと直感しているのです。」と書きました。

ただ、こうも書きました。「ただ、湯郷ベルが鹿島アントラーズになれる素地は、今のところありません。けれども湯郷ベルには、鹿島アントラーズをめざして欲しいのです。なぜなら、湯郷ベルに宮間あや選手がいるからです。」

そして、読者の皆さんにお知恵をお借りしたいとこう呼びかけました。「そこで全国の皆さんに相談です。湯郷ベルが鹿島アントラーズをめざすために何が必要か、一緒に考えていただき、一つのムーヴメントにできないかと思うのです。」

いま私は後悔しています。そのあとも、絶えず湯郷ベルをウォッチし続け、クラブ経営、フロント、現場といったチーム状況をよく追いかけておくべきだったと。

事ここに至っては、2部落ちぐらいは覚悟しなければならないでしょう。けれども、それで世の中が終わるわけではありません。Jリーグスタート時からのメンバーでも浦和、広島、G大阪といったチームがJ2陥落を経験しながら、立て直してJ1の優勝争いにからむチームによみがえっています。

大事なことは、それらJ1チームが1年で返り咲いていることです。ズルズルと2部が定位置にならないよう、1シーズンで復帰するミッションを達成するということが何より重要です。そのためにはクラブ経営、フロント、現場、このいずれもが同じベクトルを向けるかどうかです。

それがどうなのか知りたいのです。どうか読者の皆さん、「湯郷ベルに何があったのか」誰か教えてください。クラブ経営陣はどうだったのか、フロント(よく言われるゼネラルマネジャーなどのチーム編成陣)はどうだったのか、そして監督・コーチ陣と選手たちといった現場はどうだったのか、

ネットで情報を検索すると、岡山地域の新聞「山陽新聞」あたりが、結構詳しく把握していそうな感じですが、細かい記事までは入手できていません。サッカー専門誌の中には追跡取材している誌があるのかも知れません。

それらの手がかりでも結構ですから、何か教えていただければと思います。

日本のサッカー風土の中で、鹿島のように決して大都会とはいえない地域のクラブがリーグを代表するクラブになっていることと同じように、岡山・美作という小さな街の「湯郷ベル」というクラブが「なでしこ」を代表するクラブになって欲しいのです。

なぜなら、長い歴史を通じてリーグを代表するクラブになるためには、必ず、そのチームに息づくフィソロフィー(哲学とか理念といったもの)が不可欠だからです。

2013年4月9日にも書き込みましたように、鹿島にジーコイズムというフィソロフィーが根付いているように、湯郷ベルにも「あやイズム」といったものが根付く可能性を信じたいのです。

おそらく、いまの湯郷ベルに足りないのは、ジーコイズムをクラブ全体として年月を超えて浸透させようとした、鹿島のような一貫したクラブ経営であり、その経営方針にそってチーム編成を続けてきた鹿島のようなフロントの姿勢でしょう。

今年後半から来年一杯がクラブとしての正念場だと思います。どうか、その後20年、30年につながるクラブにしていけるよう立て直してください。

全国の読者の皆さんから、いろいろな手がかりを教えていただき、この欄からも、応援の気持ちと何らかの提案を発信していきたいと思います。

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凛とした妥協のない表情と、はじける屈託のない笑顔、人間力の大きさをそこに見ます

2016年04月27日 19時30分43秒 | サッカー・ユース年代、女子

今回のタイトル、なんのことだと思います?

なでしこジャパンの新監督に就任した高倉麻子監督のことです。

高倉麻子監督、女子サッカーの黎明期から笑顔がステキな存在感溢れる選手でしたし、読売ベレーザ所属ということもあってバラエティ番組などへの露出も多く、とても魅力的な方でした。

今日、なでしこジャパンの監督就任会見があったみたいで、ネットでは会見抄録が読めましたし、NHKニュースでは映像も少し見れました。

今回、あらためて感じたのは、U-17女子世界選手権制覇、U-19女子アジア選手権制覇を成し遂げた監督としての人間力の大きさでした。

目標や決意を語る部分での凛とした妥協のない表情と、フォトセッションの時に見せてくれる、はじけるような屈託のない笑顔、これを合わせ持っている人は、すでに高いレベルの人間力を備えていることが見てとれます。

女性にもかかわらず遠慮会釈なく年齢が暴露されますから、48歳になられたそうです。一般のビジネス社会でも企業トップあるいは幹部クラスになる時期ですから、人間としての器量の大きい方は自然にそれが滲み出て、ごく自然にトップに選ばれるものです。

U-17やU-19の監督は、企業でいえば部長クラス、せいぜい執行役員クラスでしかありませんから、高倉さんの人間としての器がどうこうと気にしていませんでしたが、今回、こうしてトップの座におさまった状態での立ち振る舞いを見せていただき、「あぁ、やっぱり、なるべくしてトップになる素晴らしい方なのだ」とわかります。

*高倉監督は「女性として初の監督だが・・・・」と問われて「選手の時からそうですけれども、一番最初を歩く役割といいますか、ずっとそうだったような気がします。ただ、一番最初を歩く役割にプレッシャーを感じることはないです。」と答えています。

この受け答えを読んで、私はNHK朝ドラの「あさが来た」で交わされた「ファーストペングィン」のやりとりを思い出しました。

主人公・白岡あさの能力を高く評価していた明治維新の高官・五代友厚が、あさに向かって「あなたはファーストペングィンになりんさい。南極という過酷なところに生息するペングィンは、海に飛び込んでエサを探すことさえも、とても勇気がいることですが、群れの中で一番初めに海へ飛び込む勇気あるペングィンの事をファーストペングィンといいます。あなたは、これまで女性がしなかったことを最初にやろうとしている。どうぞ、ファーストペングィンになりんさい。」というわけです。

高倉監督も選手の頃から「ファーストペングィン」であり続けてきた人なのだと思い至ったのです。(*印のところから、ここまでは翌朝加筆した部分です)

さる3月5日の書き込みで「なでしこジャパン佐々木監督、勝負の世界に生きる難しさ」について書きましたが、高倉監督も、これからは厳しい勝負の世界にさらされメディアの洗礼を浴び続けなければなりません。

その中で生き抜いていくには結果を出し続けていくしか方法がないのですが、選手たちの力を引き出すことにかけては、手ごたえをもっている様子です。

監督としてのデビュー戦が2015W杯カナダ大会優勝のアメリカだそうで、相手にとって不足ない、この上ないデビュー戦になりそうです。

そもそも、この試合の勝ち負けに一喜一憂してはサッカーファンの資格なしでしょう。99%勝ち目がないと考えて観戦しなくてはなりません。残りたった1%の可能性は高倉監督のマジックがさく裂すれば、といったところです。

それでも6月2日のアメリカ戦、楽しみになりました。まず誰を選んで、というところから興味深いです。

佐々木監督が、ブラジル五輪出場権失敗という、お土産のない状態で交替されましたから、まったくのゼロからの出発といっていい高倉監督です。

今回の会見での立ち振る舞いで、一気にその器量の大きさに触れたのは私だけではないと思います。うれしい体験です。

とにかく、しばらく時間をかけて楽しみにしていきましょう。なでしこジャパンの今後を。

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なでしこジャパン佐々木監督、勝負の世界に生きる難しさ

2016年03月05日 13時37分44秒 | サッカー・ユース年代、女子
なでしこジャパンのリオ五輪出場が絶望的になった。NHKさんは地上波ゴールデンタイムに放送するという気合の入れようだったが、完全に裏切られた気分だろう。

これから佐々木監督に対する風当たりが強くなるだろうが、監督自身は淡々と身を引くに違いない。勝てば官軍、負ければ賊軍。

今回のアジア予選敗退、それは直前に絞り込んだ20名の登録メンバー選考の段階で、針が敗退に振れたといえる。

出場権獲得が絶望的になった今書くのは後付けのそしりを免れないが、正直、私は20名の選考結果を見て「こりゃダメだ」と思った。

つくづく思うのは「過去の成功体験を否定する難しさ」と「引き際の難しさ」だ。

佐々木監督の目から見れば、ふるい落とした選手たちは、まだまだ厳しい試合経験が足りないと映ったのだろう。しかし、若手は伸びていく一方、ベテランの力は落ちていく。

昨年のW杯も決勝まで駒を進めた経験値の高い選手たちに対する信頼は絶大なものだろう。けれどもライバル国の選手たちとの相対比較で言えば、ライバル国の選手たちは世代交代などで伸びていて、我がなでしこたちは同じメンバーであっても力は衰えている。その力の差は、どこかで交差する可能性が必ずある。

力の差を交差させないようにするには、こちらも若手への世代交代を図り、いわゆる底上げしなければならない。それをしなかった今回、ものの見事に力の交差が起こった。勝負というのは相手のあることで、その力関係は相対的なものだ。相手も力が上がったり落ちたりする。こちらもそれは同じだ。

チーム作りというのは、経験豊富な選手の力も必要だが、大舞台を経験する毎に伸びていくような勢いのある選手も必要なのだ。

経験値、経験値といって、いつまでも世代交代しなければ、育つものも育たなくなるばかりか、次の数年間は、なでしこ全体の力がガクンと落ちる時期を作ることになる。

育てながら勝つ難しさがあるのは確かだが、監督自身が世代交代を図れない場合、通常は監督交代によって図られる。

日本協会は、多少の世代交代は図ってくれると思って続投させたと思う。まさか、これほど世代交代をせず、過去の成功体験にしがみつくとは思わなかっただろう。それもまた協会の見通しの甘さと言われてしまう。

佐々木監督の引き際という意味では、晩節を多少汚して引くことになる。五輪本大会で十分な結果が残せない可能性ぐらいは想定していただろうが、まさか本大会出場権を失ってしまうとは思わなかったのではないか。

誰しも、そんな可能性を感じて監督続投を引き受けたりはしないだろう。それが引き際の難しさというものだ。

引き際という点では、同じなでしこジャパンの澤穂希選手の引き際の鮮やかさと好対照をなすことになった。

もはや、なでしこジャパンの絶対的レギュラーとは言えなくなった澤選手だが、今回、敗退が決定的となって「やはり澤選手がいなかったからではないか」という声が相当あがることだろう。

今回、五輪出場権を逃したからといって、佐々木監督が日本サッカー史に刻んだ燦然と輝く業績は少しも価値が下がるものではない。どのチームにも浮沈はつきものなのだ。

むしろ、日本協会としては、さきほど述べたように、このあと数年間落ち込むことが必至のレベルをどの程度の落ち込みで済ませられるか、そのリカバーに全力をあげなければならない。

幸いリトルなでしこには、2014年U-17世界選手権に優勝した世代がいる。常識的に考えれば次の監督の仕事は、この世代をどうフル代表に引き上げ育てるかであろう。

1999年、ワールドユース決勝まで進んだゴールデンエイジ、小野伸二、稲本潤一、高原直泰らの世代を当時のトルシエ監督は大胆に引き上げ2002年W杯の主力にした。すでに日本サッカーにも手本にできる歴史がある。

なでしこジャパンを取り巻くアジアのレベルの高さ、今回、あらためて思い知った。豪州も中国も前回オリンピックには出場できなかったチームだ。明日は我が身ということだったのだ。

あと2試合の戦い方が非常に難しいとは思いますが、出場権うんぬんを抜きにして悔いのないように戦っていただければと思います。

宮間キャプテンはじめ選手の皆さん、私たちは最後まで応援します。
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年末サッカーで感じたこと

2015年12月29日 18時44分22秒 | サッカー・ユース年代、女子
毎年思うが、日本ではレギュラーシーズンが終わっても、年末までサッカーの話題に事欠かず、楽しい。

そこで感じたことをいくつかあげてみたくなった。

①Jリーグの七不思議に入るだろう「広島の天皇杯勝てないジンクス」
今季年間チャンピオンの広島は、クラブワールドカップでも3位の成績を残し、安心して見ていられるチームに成熟してきた。その広島が天皇杯準決勝で敗退した。

広島と天皇杯といえばJリーグ発足後、5度も決勝に進出しながらすべて負けている。これまでは「そこまでのチーム」と片付けられていたが、ここ4年、森保監督になってからのチームは、いつ優勝してもおかしくない力をつけていると思う。

今年はJリーグチャンピオンシップからクラブワールドカップ、そして天皇杯と過密な連戦続きだったことを思えば、ベスト4で力尽きた感が強い。であれば来年以降、そういうハンディのない年に、手際よく優勝して欲しいものだ。そうでないと、本当の七不思議になってしまうかも。

天皇杯決勝のカードは浦和vsG大阪となった。12月6日の書き込みでは「チャンピオンシップが西のチーム同士になったので、天皇杯決勝には浦和か鹿島、どちらか東のチームが勝ち上がってほしいものだ」と期待をにじませた。広島が浦和を撃破していたら、またチャンピオンシップの再現になるところだった。

皮肉なことに広島が負けたことで東西対決が実現したともいえる。

②全日本少年サッカーが12月開催に移った? 、14歳の久保建英くんがFC東京U-18に昇格
毎年夏の風物詩になっていた全日本少年サッカーが、知らないうちに12月開催、しかも8人制の大会に変わっていた。それについて解説してある記事などが見当たらず(といってもネットでちょこっと検索しただけだが)、「へぇ~、そうなんだぁ」

久保建英くんといえば、バルセロナの下部組織でプレーした経験を持つ「日本サッカー史上最高の逸材」と評するメディアもあるほど将来が楽しみな選手らしい。私はまだ実際にも映像でもプレーを見たことがないので、どのようなタイプの選手なのか、何も知らないが、このほど所属するFC東京のU-18チームが、まだ14歳の久保くんを引き上げたとのこと。

FC東京U-18は来シーズンもプレミアリーグを戦うようなので、試合で見れるかも知れない。
バルセロナといえばカンテラと呼ばれる育成組織出身の選手が多いことで知られているが、その中でもクラブが育てた最高傑作といわれるのがイニエスタ選手だ。そのイニエスタ選手がU-14世代の国際大会でキャプテンとしてチームを牽引して優勝した時の映像を見たことがある。

当フォーラムが所蔵しているサッカー映像の1998年頃のライブラリーから出てきたものだ。当時のCS放送、いまはスカパーにすべて取り込まれているが、sport-iESPNやJスポーツといった局のどこかで放送した大会ハイライト的な映像だった。

その大会には日本から東京ヴェルディU-14が参戦して、確か準々決勝でバルセロナと対戦して敗退している。その時参加した東京ヴェルディの選手たちにとってはイニエスタのいるチームと試合したという経験が勲章となっていることだろう。このプログをお読みになった方の中に「オレ、出てました」という方がおられたら、ぜひ経験談を聞かせてください。

さてイニエスタ選手と久保選手、12~13歳の時点で天才と呼ばれた選手の中で、選手全盛期になっても、その国の中でトップクラスに残り続ける選手は本当に稀なようだし、ましてやイニエスタ選手のようにワールドカップ優勝の中心的選手として活躍する選手は、本当の意味で天才といえる。

我らが久保くんには決してプレッシャーになるような「もてはやし」は禁物だが、静かに見守ってあげたいとは思う。

ところで、また「東京U-18」チームという報道の書き方に苦言を呈したい。つまり報道する側は「東京」といえばFC東京しかないと決めてかかっていることに対してだ。このことは以前にも取り上げたことがあり、報道に対して善処を促したが、私ごときがブログで書いたところで、どうなるものでもなく、同じことが繰り返された。

少なくとも私は、東京といえばFC東京と東京ヴェルディの2チームがあると思っている。ましてやヴェルディのユース年代は、いまも人気が高い。それをまったく考慮することなく「東京U-18」という書き方をする。久保くんがどちらのU-15に所属しているのか知らない私は、それを確かめるため余計な検索を強いられる。

③澤穂希選手、最後まで圧倒的な存在感を示しながら引退
澤選手が引退を表明した翌日と、引退会見をした翌日、そして皇后杯決勝で自らのゴールで優勝した翌日、各スポーツ紙はこぞって一面トップで報じた。テレビもスポーツ番組はもとより、一般ニュース番組、そしてワイドショー番組でも大きく取り上げていた。

それもそのはず。サッカー界のノーベル賞にあたるFIFAバロンドールを受賞した世界トップクラスの選手だからであり、日本女子代表では歴代トップの出場数とゴール数というダントツの記録持っている選手だからだ。

その澤選手が、功成り名遂げての引退なのだが、最後の試合でも両チーム唯一の得点となるゴールを叩き込んで優勝に導き有終の美を飾るのだから、まさに現役選手でありながらレジェンドという感じだ。

果たして澤選手がいない「なでしこジャパン」はどうなるのか。澤選手がいない日本女子サッカーはどうなるのか、私ならずとも心配になったのではないだろうか? それほどインパクトの強い引退劇だったといえる。

ほかにも、国内ではJリーグMVPに広島の青山敏弘選手、JFA会長選挙の公開型会長選挙の話題、海外からFIFA・ブラッター会長、UEFA・プラティニ会長の処分問題など、書きたい出来事がまだまだあるが、自分の意見が生煮え状態なので控えたい。

とはいえ、青山敏弘選手の選出は文句なしの当然だし、万雷の拍手を送りたい。今シーズンのベストゴールとベストイレブンも合わせての3冠だそうで、来季もますますの進化を遂げて欲しい。森保監督の青山選手評、青山選手の森保監督評というのも、ぜひ聞いてみたいものだ。

では、皆さん、よいお年を。

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女子高校サッカー準決勝常盤木学園vs藤枝順心戦の価値ある壮絶さ

2015年01月07日 22時14分43秒 | サッカー・ユース年代、女子
高校サッカーといえば男子、という時代ではなくなったと思う。女子も価値ある大会になっている。まだサッカー誌では男子のように選手名鑑や大会注目選手などを網羅した綴じ込み版を作ったりしていないが、来年あたりからは、ぜひ、そうしてもらいたいと思う。

なにせ、お姉さん格の「なでしこジャパン」に続いて、U-17世代もワールドカップ制覇を果たしたのだから、世界レベルの実績で言えば男子以上ということになる。

女子高校サッカー選手権は、今回、第23回大会とのことだが、その間、なでしこジャパンやなでしこリーグに選手を送り込む土壌を着実に培ってきたといっていいのではないか。

この女子選手権を、テレビではTBS系列がCS、BSそして地上波を駆使して連日放映しているが、TBSとしては、先物買いのつもりで始めたのではないかと思う。フジテレビが「春高バレー」という知名度の高いコンテンツを有しているから、うちも何か育てたいと思う気持ちがあったに違いない。

今大会あたりを、コンテンツとしてどう評価をするのか、地上波の視聴率と合わせてTBS局の論評に注目してみたい。

さて今日は、たまたま準決勝・常盤木学園vs藤枝順心戦を地上波で短縮版を放送していたので見た。そうしたら、何と、まぁ、歴史的な試合を見た気がする。

この両校、過去2年連続対戦して、いずれもPK戦にもつれ込んでいる。おととしの第21回大会は準々決勝で対戦、両校無得点のままPK戦へ、この時は常盤木学園が勝ち、そのまま優勝、大会最多の5度目の栄冠を獲得している。

昨年は準決勝で対戦、後半アディショナルタイムに藤枝順心が同点に追いつきPK戦に、この時は藤枝順心がPK戦を制して決勝進出を果たしている。

そして今回である。試合は藤枝順心が交替出場の元気印・児野楓香(このふうか、と読むのだそうだ、なんてファンタスティックな名前の選手だろう)が先制ゴールを決めたので、これは藤枝順心の試合で終わるかと思ったら、なんと今回も後半アディショナルタイム、今度は常盤木学園が同点ゴールを決め、またもやPK戦にもつれ込んだのだ。

選手たちには過酷な試練だ。2度ならず3年連続してPK戦を戦わなければならなくなったのだ。しかも過去1勝1敗、決着の3度目みたいなことになってしまった。

ここまで来ると、どちらが勝ってもドキュメンタリーになるのだが、むしろ、見る側も威儀を正して、従容として結果を受け入れなければならないという気持ちになる。

結果はご存じのとおり、今回は常盤木学園が制した。敗者となった藤枝順心の選手たちの中には必ず自らを責める選手もいるに違いない。私は、軽薄な言葉や気持ちで、なぐさめを言うべきではないと思っている。

願わくば「勝負」という場に身を投じた自らを、さらに磨いていく動機づけになれば幸いだと思うし、これを、これから先長い人生の、一つの通過点としてぜひ糧にして欲しいと願うばかりだ。

そのようなことまで感じさせる、非常に価値のある試合を見せてもらった。感謝の気持ちで一杯だ。



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