「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

2022年制作の「2002年W杯ブラジル代表の真実」(後編)というドキュメンタリーを見ました。

2023年10月03日 13時51分29秒 | 世界のサッカー
本日10月3日(火)、偶然、新聞のテレビ番組欄で見つけた「2002年W杯ブラジル代表の真実」というNHK-BSのドキュメンタリー番組を見ました。エンドロールを見たら2022年制作、イギリスとパラグアイの共同制作のような表示でした。(なぜパラグアイと共同制作なのか不思議でしたが・・)

どうやら「前編」「後編」とあって、今日の放送は「後編」45分でした。冒頭、「前編」のあらすじが流れ、1998年W杯決勝でフランスに敗れ、選手たちも国中も「2位なんてビリと同じ」と打ちひしがれた、という内容のようでした。

番組の作り方が上手いというか、こういう番組を見ると、必ず何度も涙がこぼれそうになり「いいものを見た」という気持ちになります。
それはサッカーというスポーツが、地球上最も多くの人たちが関心を持っているスポーツで、その中でも世界最高峰の舞台であるワールドカップで優勝をめざすことの大変さ、それに突き進んでいる選手たちの思いに触れることができたからだと思います。

ブラジルは、2002年までにすでに4度のワールドカップ優勝を果たし、自他ともに認める世界一のサッカー大国ですが、それ故に、ワールドカップに臨むチームは、計り知れない重圧と戦いながら大会に臨んでいることを思い知らされます。

そのような2002年大会の一部始終を撮影した当時のフィルムに、あれから20年を経て当時を振り返った選手たちのインタビューを重ねて制作していますので、当時は、選手たち自身も気づいていなかったことや、真相とも言えるエピソードが織り交ざり、まさに2022年制作のドキュメンタリーが仕上がっていました。

番組は、準々決勝のイングランド戦、準決勝のトルコ戦、そして決勝のドイツ戦をつぶさに振り返る形で作られていて、イングランド戦のところではオーウェン選手、ベッカム選手の現在の表情を映しながら、多くの証言をしていました。

決勝のドイツ戦では、大会MVPに選出されたGKオリバー・カーン選手も当時を細かく振り返ってくれました。

そしてセレソンの選手たちの中では、主将・カフー選手、ロベルト・カルロス選手、ジュニーニョ・パウリスタ選手、ロナウジーニョ選手、そして御大・ロナウド選手たちが多くのことを語ってくれました。

皆んな、当時の絞りに絞った精悍な身体つきに比べ、ただのおっさん風の風貌でしたし、御大・ロナウド選手にいたっては、どうすれば、こんなに見事に丸々となってしまうのかと思うような太鼓腹を見せてくれました。

ロナウド選手は、ブラジルに凱旋した時の国中の歓喜の様子を見て「自分たちは、これほどの喜びを国中の人たちに贈ることができ、自分もそのご褒美として、大きな名声と富を得られて、本当によかった」と述懐し、主将・カフー選手は「優勝トロフィーを掲げた時、何とも言えない、いままで味わったことのない気持ちになった」と話していました。

しかし、そこに至る道のりが決して平坦なものではないというエピソードもありました。ロナウド選手は、フランス大会決勝を前に、とてつもない重圧に押しつぶされ、身体中が痙攣してしまうという症状に襲われました。その結果、試合では精彩を欠いてしまい、フランスに優勝を許してしまいます。

2002年大会も、同じような重圧がじわじわと迫ってきたことに加え、足のケガが治りきっておらず、そのことを世界中のマスコミが気にしていることを感じていました。
そんな中、ロナウド選手は準決勝・トルコ戦の直前、頭髪を前頭部だけ残してカットした姿で現れたのです。日本人であれば「大五郎カット」とすぐ名付けなれたほどの、あの面白い頭です。

ロナウド選手は、そのようにカットした理由を次のように語りました。「フランス大会の痙攣がトラウマになって、このままでは、また同じ経験をしてしまう。そこで考えたのは、マスコミの注意をそらす何かをしたいということだった。頭を面白いカットにすれば関心がそちらに向く、そう考えたんだ。」
作戦は見事当たったと思います。

ロナウド選手は、日本の劇画で描かれた「子連れ狼」の幼な子・大五郎のことを知識として持っていたのでしょうか? 日本人が見れば、あの頭は完全に「大五郎カット」ですので、日本のマスコミは、かなり話題にしたと思います。ブラジルのマスコミの人たちも「あの頭は日本のマンガに描かれた幼な子に似てるそうだぞ」と話題にしたかも知れません。

それから、涙がこぼれそうになったエピソードに、主将・カフー選手が「オレはロナウドよりうまいか? ノーだ。ロベルト・カルロスよりうまいか? ノーだ。リバウトよりうまいか? ノーだ。けど、サイドバックの仕事をさせたら誰にも負けないよ。みんな、それぞれのところで役目を果たせばいいんだ。それがチームだ」と話していたところや、第三GKで、出場機会は全くノーチャンスだったロジェリオ・セーニ選手が「自分が試合に出ないからと言ってセレソンの挑戦を邪魔するわけにはいかない。正GKのマルコスのためなら何でもする、という気持ちだったよ」と話したことなど、いろいろありましたが、スコラーリ監督がいかにチームマネジメントができていたかを感じさせるものでもありました。

話してくれた選手の名前は忘れたのですが、面白かったのは、決勝のホイッスル前のところでのエピソードです。両チームのペナント交換のあとオフィシャルのフォトセッションの時、その選手は「本来、フォトセッションはスタメンイレブンだけのセッションですが、その時、自分は、スタメンイレブンだけがメンバーなのではないよ、と考え、つい、ベンチからフォトセッションのところに駆け出したんです。そうしたらベンチのメンバー全員が追いかけてきて、セレソンメンバー26人全員が写ったセッション」になりました。」放送の画面には、その26人が写ったフォトが出ました。いかにもブラジルらしいですね。このあたりの自由奔放さもサッカーで頂点を極めるには必要な要素なのかも知れません。

優勝を目指して史上最高との呼び声もあったチームで大会に乗り込んできたイングランドが、ブラジルに敗れた時、オーウェン選手は「彼らのほうが完全に上だと悟ったよ」とサバサバして語り、ベッカム選手が「ブラジル代表には人のいいヤツが多くて敬意を持っているんだ」と語っているのを聞いて、2002年はブラジルの大会であり、日韓大会と言われる大会でブラジル代表の優勝を見れたことは、本当に幸せなことだと感じました。

この2022年制作のドキュメンタリーは録画保存はしていませんが、こうして書き込みの形で伝えられてよかったと思います。

今日(こんにち)日本代表も「ワールドカップ優勝」の可能性を語ることができる時期が来ました。20年前は「いつかそのうち」という夢でしかありませんでした。
かと言って、2011年女子W杯のように、何もかもうまくいって「優勝しちゃった」というわけには行かないと思いますが、日本サッカーの成長と進化(より能力の高い選手たちが、他の国以上に輩出され、W杯での勝ち方ができる指導者に恵まれるといった成長と進化)が順調であれば、あと2回あるいは3回のうちには「夢のワールドカップトロフィーを日本代表主将が掲げる日」が来るかもしれません。

今回のドキュメンタリーは、そういう気持ちで見たせいもあり、結構、現実味のある番組でした。
やはり、2002年大会から20年の歳月は日本サッカーの「成長と進化」を実感できる歳月でもあるんですね。
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「王様ペレ」がこの世を去り、年は暮れ、サッカーも新たな時代になります。

2022年12月30日 21時16分56秒 | 世界のサッカー
昨日12月29日、王様ペレ死去のニュースが世界中を駆け巡りました。ブラジルでは国をあげて3日間、喪に服することにしたそうです。

2022年カタールW杯の終了を見届けたかのような死去でした。明日31日2022年という年が暮れ、その翌日新年を迎えるというこの時期の訃報です。

すでに何度か書きましたように、今年をもってサッカーの試合・番組の映像記録保存、そしてスポーツ紙・サッカー専門誌の収集保存を、Jリーグ30年を区切りとして終わることにしました。

2年前マラドーナがこの世を去り、そして昨日ペレがこの世を去りました。年が明ければ、サッカーの世界が新しい時代、新しい世界になることを意味しています。

新しい時代の映像記録保存、スポーツ紙・サッカー専門誌の収集保存は、新しい世代の方にお任せする。そのタイミングとしては、この上ないタイミングのような気がします。

このあと当方がやるべきことは、Jリーグ30年のあいだに「日本のサッカー文化」が成長と発展を遂げ、進化してきた道のりを克明に記録として残す作業です。それは、まだ緒についたばかりです。

あと残された人生が何年なのか、神のみぞ知るですが、その期間の中で、何とかやり遂げなければという使命感だけはたぎっています。時間との戦いではありますが、日々こつこつと続けていきます。

随時、このブログでも作業の進捗をご紹介しながら、自分を鼓舞していきたいと思います。
応援、よろしくお願いいたします。

それでは、良いお年をお迎えください。そして新しい年もまたご愛読いただければと思います。
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本日、NHK放送の「カタールW杯総集編」を見ました。心揺さぶられました。

2022年12月25日 18時46分09秒 | 世界のサッカー
本日、NHK地上波放送の「カタールW杯総集編」を見ました。
焦点があたったチームは、日本代表をはじめ、優勝したアルゼンチン、クロアチア、ブラジル、ポルトガル、韓国、ポーランド、イランなどでした。

日本代表の戦いについて、日本にゆかりの深いドイツのブッフバルト氏、スペインのフリオ・サリナス氏、そして日本代表の試合を11年以上にわたって、つぶさに見てきたというスペインの指導者ミケル・エチャリ氏の目から分析していたのが印象的でした。

各国の戦いをおさらいして、心揺さぶられるシーンがいくつもありました。おもわず涙腺が緩んでしまうのです。

サッカーW杯という場が、サッカーに全身全霊を捧げている人たちにとって、いかに大きなものか。
戦いに勝利して極度の集中力と緊張から解き放たれた時の喜びが、いかに爆発的なものか、それにひきかえ、敗れ去った時の絶望感、喪失感もまた、いかに大きなものか、これからも何度見ても感じることでしょう。

もう一つ、つくづく思うのは、W杯優勝4回を誇るイタリアが2大会連続で出場権を逃し、同じく4回の優勝経験を誇るドイツが、これまた2大会連続でグループリーグ敗退、10年前には考えられなかったことが起きてしまうのもサッカーW杯という場です。

日本はいま、7大会連続出場、直近2大会はグループリーグを突破して、ベスト8進出目前という上げ潮の国ですが、これが、いつまで続くかわからないというのがW杯という場であることも肝に銘じる必要があります。

イタリアもドイツも、それなりに進化していたつもりだったと思いますが、どこかに、協会など国レベルの慢心や読み違い、あるいは選手のマインドの変化といったことが積み重なった結果が出たはずです。

おそらく、この両国とも、サッカー大国の威信を取り戻すべく、想像を超えたテコ入れを図ってくるに違いありません。そしてまた、アフリカ、アジアの新興国も、日本と同様、じわじわと力をつけてレベルをあげてくるでしょう。

そうした世界の流れを上回る進化・成長がなければ、さらなる成果が望めないことはもとより、あっという間に「グループリーグ敗退」あるいは「連続出場記録ストップ」といった屈辱を味わうことになります。

それは、国内を見てもすでに分かる話です。あれほど「サッカー王国」の名を欲しいままにしてきた静岡からJ1のクラブが消え、高校サッカーでも2019年に静岡学園が優勝したのが、1995年に同校が鹿児島実と優勝を分け合って以来、実に24年ぶりという具合です。

世界各国も、Jクラブも、高校チームも常に厳しく競い合っていて、少しでも気を緩めたら転落する世界に生きている。

すべからく人間社会の多くが競争社会の中で生きていますが、スポーツの世界、特にサッカーの世界は、競争の厳しさの度合いが相当強い世界だと思います。

こうした厳しい競争の果てに、新たな歴史は積み上げられていく。メッシは、極限までの厳しさに打ち勝って頂点に立ち、とてつもない栄光を手にした、そう感じながら見終えました。

【この書き込みは12月26日、イタリア、ドイツの話題以降の部分を大幅に加筆しました】

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神の恩寵を受けたリオネル・メッシ選手、マラドーナの時代が終わりメッシの時代に。

2022年12月19日 11時16分31秒 | 世界のサッカー
前回の書き込みで、2022カタールW杯決勝について「メッシが悲願の優勝を果たせるか、現在、最高レベルにあるフランスが連覇を果たすか、結果は神のみぞ知る、あまり物議を醸すような場面のない、すっきりした試合になって欲しいと願うばかりです」と願いました。

結果は想像の域を超えた壮絶な決勝戦となり、PK戦の末アルゼンチンが3度目の優勝を果たしました。

長らく「神の子」と呼ばれてきたリオネル・メッシ選手、その栄光に満ちた選手生活の中でただ一つ足りない栄冠がW杯優勝でした。

試合は、延長後半、メッシ選手が泥臭く押し込んでゴールをあげ、試合は決まったかに思えましたが、そのあとフランスのキリアン・エムバペ選手が、ハットトリックとなるPKを決めて同点に追いつくなど、メッシ選手のW杯優勝への道は苦難にさらされました。

これで、神様がどちらに味方するかわからないPK戦になりましたから、メッシ選手の悲願が、奈落に落ちる可能性もある、これ以上シビれる展開はないというところまで来ました。

そのような中、神はリオネル・メッシ選手に恩寵を与えたのです。本当にそうとしか言いようのない結末でした。長らく「神の子」と呼ばれてきたメッシ選手は、これで、少なくともアルゼンチン国内では神格化され、これまで36年にわたり敬愛されてきたディエゴ・マラドーナ選手に代わって「神」として敬愛されることでしょう。

NHKのラジオ中継を聴いていた中で、担当の小宮山アナウンサーと解説の早野宏史さんが「アルゼンチンのチームメイトが『メッシのために』というより『メッシとともに』戦い抜いた感じがします」と口を揃えていましたが、今大会のアルゼンチンを的確にあらわしているように思いました。

今大会、アルゼンチンのイレブンが、決してメッシ選手だけに頼るのではなく、各選手が『メッシとともに』主体的な戦い方をしたところに勝因があったように思います。

一方のフランス。神はこう呟いたように思います。「キリアン・エムバペよ、今回は君の大会ではない、リオネル・メッシを前にして君に恩寵を与える訳にはいかない。君にはまだまだ長いサッカー人生がある。必ず君の大会になる時が来る。」と。

決勝のフランスには二つほど、不運が見舞ったのではないでしょうか?
一つは、今大会、多くのチームの選手たちが陥った空調の効き過ぎによる体調不良、これが今大会の一つの「影の部分」だったと言えます。選手たちが思いもよらない体調不良に陥り、肝心な試合でのパフォーマンスを落としてしまうのは、何と不幸なことでしょう。

もう一つは、ベンゼマ、カンテ、ポグバという3人ものワールドクラスの選手が離脱した中で決勝まで勝ち上がってきたフランスですが、ここにきて、不在のツケが回ってきたように思います。

ただフランスは、今後も当分は世界のサッカーをリードしていく存在であるように思います。

大会の開催時期、施設の温度管理のこと、サポーターの宿泊の問題そして開催国の金満が何か闇で蠢いていたことはなかったのかという疑念など、さまざまな問題を引きずりながら開催された今大会、一方ではVARの本格的な運用によるテクロノジーが示した判定など、新しい時代になったことを実感させる大会でもありました。

4年後の大会は、出場国枠の大幅拡大など、これまでと大きく異なる大会になるようです。当方は、今回を区切りに試合・番組録画保存や、スポーツ紙等のの収集保存を終わることにしていますので、こうしたリアルタイムでの書き込みもなくなると思います。

今後は、前回の書き込みでもお知らせしたように、過去30年の記録をwebサイトに残していく作業を通じて得たり、再発見したことを、お伝えしながら現在進行形のサッカーの世界と重ね合わせて、つづって行きたいと思います。

それからもご愛読、よろしくお願いいたします。



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ベンゼマ、カンテ、ポグバ不在でも盤石、フランス黄金時代かも知れません。

2022年12月14日 16時55分05秒 | 世界のサッカー
今朝12月14日の産経新聞朝刊スポーツ面に「躍進モロッコ 次は王者と」という見出しが躍っていましたが、その脇に「フランスのグリーズマン」が取り上げられていました。

一般紙でグリーズマン選手が取り上げられたのは、おそらく初めてだと思いますが、今大会フランスが優勝すれば、メッシ、エムバペ、ネイマール、Cロナといった、これまでのビッグネームに代わりグリーズマンの記事が増えるかもしれません。

今大会のフランス代表は、エース・ベンゼマ、中盤の要のカンテ、ポグバがケガで離脱したにも関わらず、代わってセンターフォワードを務めているジルーをはじめ代わりの選手が大活躍、そして両サイドのエムバペ、デンベレが相手をズタズタに切り裂き、どこからでもゴールに迫る盤石のチームとなっています。

普通の国であればワールドクラスの選手が3人も離脱すれば、大きなダメージとなりますが、この国は代わりの選手たちが遜色ない働きを見せています。

どれだけ選手層が厚い国なのでしょう。とんでもない国です。まさにフランス黄金時代といえるかも知れません。

そして、それら前線の選手を繰る司令塔がグリーズマンというわけです。この産経新聞の記事も書いていましたが、確かにこれまではフォワードもしくは1.5列目の選手と言うタイプでした。

当ブログは、すでに2016年時点でグリーズマン推しでした。2016年7月9日の書き込みでは「明暗くっきりメッシとCロナ。そして躍り出たグリーズマン」というタイトルで彼に対する期待を厚く語りました。

あれから6年、いつの間にかグリーズマンも31歳だそうです。メッシ、Cロナの後を担うどころか、2019年に鳴り物入りで加入したバルセロナで輝けず、すっかり名声を落としていたのですが、昨夏にアトレチコ・マドリーに戻り、10月以降、契約上アトレチコに完全移籍したあと、パフォーマンスを取り戻したみたいです。

バルセロナでの苦しい経験が彼を成長させたのかも知れません。ピッチ中央で、攻撃面はもちろん守備面でも奮闘する姿が目立つようになったそうです。アトレチコでも、そのプレースタイルを貫いてくれればシメオネ監督も目を細めるに違いありません。

もともと攻撃を繰る才能は高い選手ですから、ピッチ中央で攻守両面でタクトを振る選手になれば、かつてのプラティニを超える存在になれるかも知れません。いまつけている背番号7は、かつてデシャンがつけていた番号だそうです。

現フランス代表監督デシャンも選手時代は、ちょうどピッチ中央で攻守両面でタクトを振り、前線のジダンに自由に攻撃させていた選手でした。その境地になった時、グリーズマンにも新たな栄光が訪れるかも知れません。

かってグリーズマンと同じ時期にスターダムにのし上がったベルギーのエデン・アザール。片やバルセロナ、片やレアル・マドリーに加入して、さぁ両雄の時代到来かと期待に胸を膨らませたものですが、アザールもレアル・マドリーで輝けず名声をさげてしまいました。

それでも今大会、彼はベルギー代表キャプテンとして優勝候補の一角とみられていました。ところがグループリーグでモロッコ、クロアチアの後塵を拝してしまい敗退の憂き目を見ました。

グリーズマンとアザール、この二人も明暗がくっきり分かれたようです。

準決勝の最初のカード、アルゼンチンvsクロアチア戦、さしものクロアチアも力尽きたようでアルゼンチンが決勝に勝ち上がりました。
もう一つはフランスvsモロッコ戦、どう考えてもフランスと言いたいところですが、今大会、軽々な予想は痛い目に遭います。
それでも、やはりアルゼンチンvsフランス戦のカードが見たいですよねぇ。

【12月15日一部加筆について】
この書き込みで、当初、カンテ、ポグバ選手のケがによる離脱のことを触れていませんでしたが、ベンゼマ選手の離脱に先立って、これらの選手も離脱したことを知りましたので、あえて加筆しました。ご了承願います。


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決勝カード予想まったく外れ。タイトル付けての予想でなくてよかったです。

2022年12月11日 13時53分34秒 | 世界のサッカー
カタールW杯ベスト8が出そろったところで、前回の書き込み「カタールW杯日本代表新語・流行語3選」の文末で、決勝予想をしてみました。

一度「どうやら決勝はブラジル、もう一つはフランスなのかアルゼンチンなのか、という感じがします」と書いたのを、勝ち上がりの山を確かめずに間違いに気が付き、わざわざ訂正していました。

しかしベスト4に残ったのは、プラジルを破ったクロアチアや、ポルトガルを破ったモロッコ。フランス、アルゼンチンは残ったものの、大本命のブラジルが消えたりモロッコが勝ち上がったり、予想の無意味なことこの上ない感じです。

本当にW杯は何が起こるかわかりません。
わざわざタイトルを付けて一項目費やして仰々しく予想しなくて本当によかった感じです。
もう、決勝予想はやめます。また外れそうですから。
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マラドーナの「神の手」ゴールを伝説の座から引きずり下ろしたテクノロジー画像「三笘の1ミリ」

2022年12月06日 21時25分36秒 | 世界のサッカー
2022年カタールW杯では、ビデオアシスタントレフェリーやゴールラインテクノロジーなどが本格導入されましたが、それによって生まれた「最初の歴史に残る一枚」の画像が日本vsスペイン戦の試合で公表されました。

「三笘の1ミリ」というキャプションがつく、ゴールラインテクノロジーが映し出した1枚です。これを見て私は、マラドーナの「神の手」ゴールが伝説の座から引きずり下ろされた感覚を抱きました。

少なくとも、今回の「三笘の1ミリ」画像の出現によって、過去にレフェリーの誤審だったのではないかと思われるすべての出来事が「伝説の出来事」ではなく「前世紀の遺物」に追いやられたように思います。

そのような意味で、「三笘の1ミリ」画像は、ワールドカップ史を完全に塗り替えたことになり、三笘選手はもちろん日本代表も「あの出来事をもって判定の仕方が完全に変わった」その主人公として、歴史に名を残すことになりました。

2022年カタールW杯の歴史的な出来事の一つと言えます。

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YouTubeへの動画掲載を通じて知る、コンテンツ保護の仕組み

2022年05月02日 13時08分45秒 | 世界のサッカー
当プログの管理人が主宰しているwebサイト「サッカーの世界にようこそ」(https://fc-forum.com/)に、最近、あらたなコンテンツを次々と投入しています。

そのうちの一つは当「サッカー文化フォーラム」が所蔵する膨大な試合映像や各種番組映像などのデータを紹介するデータパビリオンというページに、個別映像を10分前後の短縮版にした動画を「サムネイル画像」としてリンクを張り、どういう内容かちょっと見たいという時にクリックして見れるようにしました。

その「サムネイル画像」ですが、データすべてをリンクさせるには、これまた膨大な作業が必要となりますので、当方で「これは」というものをチョイスしてリンクさせています。

一番最初にリンクさせたのはJリーグの試合映像の記録データの一番最初の項目、すなわち1993年5月15日の開幕セレモニーや15日、16日に行われた歴史的第1節の試合の「サムネイル画像」ですが、開幕セレモニーで見せたTubeのギタリスト・春畑道哉さんの「Jのテーマ」演奏の部分などは6年前にYouTubeにアップしておきましたので2万回視聴いただいています。

最近になって、今度はサッカー関連番組や、W杯試合などのデータにも「サムネイル画像」をリンクさせたいと思い、ほぼ毎日のように作業を続けてきました。

その甲斐あって、サッカー関連番組の最初のデータ表である「1985年~1993年サッカー関連テレビ番組・市販ビデオデータ」という一覧表に280タイトルほどの番組等のデータがあるのですが、その中から16タイトルに「サムネイル画像」のリンクを張りました。

いまなお現役選手として活躍しているカズ・三浦知良選手の18歳当時の映像や「笑っていいとも」の番組に出演した時の映像、あるいは「ドーハの悲劇」が起きた試合の17秒には何があったのかに焦点をあてたNHKの「クローズアップ現代」の映像など、このあと何十年にもわたって、見てみたいと思ってもらえる映像を選びました。

W杯の試合映像もそうです。いまデータパビリオンに掲載されているリスト表は「1970年~1994年W杯試合・イベントデータ」という一覧表ですが、たとえば1982年スペインW杯で一番人気の高かったブラジル代表の黄金のカルテットと呼ばれたメンバーの試合や、1986年メキシコW杯でのマラドーナの準々決勝、準決勝の試合などは、このあと何年経っても繰り返しみたい試合です。
それらを、それぞれ10分程度の「サムネイル画像」に編集してYouTubeに流し、データ表の該当番号をクリックしていただくとYouTube動画にアクセスする仕組みになっています。(こちらは今日現在、まだリンク処理はしていませんが・・・)

YouTubeに動画をアップしている方ならご存じでしょうけれど、当方の場合はまずHDDに保存してある試合映像を10分程度に短縮する編集作業が必要です。中には20分ぐらい使いたい試合もありますが、15分以内に収めないとYouTubeにアップするのが面倒になるということのようです。

試合映像を1本1本選んで編集作業をしたら、今度はYouTubeにアップする作業を行ないます。これもアップロード作業なので結構時間がかかりますし、また通信回線のデータ使用量が多く、すぐ契約容量が足りなくなりそうになります。

次にwebサイト「サッカーの世界にようこそ」のデータベース表の該当番号とYouTube動画をリンクさせます。この作業は当方が直接ではなくパートナーとして仕事をお願いしている方に作業していただきます。
これでやっと、皆さんにデータベースを見ていただいた際、見たい画像をクリックしていただくとYouTube動画が見れるということになったわけです。

当方の試合映像や番組映像はほとんどがテレビ番組からの収録ですから、これまで長い間、個人が録画した画像をネットに流すことについてコンテンツ保護の観点から、法的に問題ありといったことで、どうすればいいのかわからないままに20年、いや30年ぐらい経過してきたのですが、ここにきてYouTubeにアップする一連の作業を通じて、これらの問題もYouTube側が動画アップの仕組みの中にチェック機能を組み込んでいることがわかりました。

具体的な映像を例にとって説明しますと、1994年アメリカW杯グループリーグアルゼンチンvsギリシャ戦という試合があります。
この試合、アルゼンチンにはバティステゥータ、カニーヒアといったストライカーと、中盤にマラドーナ、シメオネ、レドンドといったタレントを揃え、かなり期待度の高かったチームの初戦でした。
4年前のイタリア大会決勝で西ドイツに屈し悲嘆の涙にくれたマラドーナが元気にW杯のピッチに戻ってきたという点でも注目されました。

この試合、4-1でアルゼンチンが完勝、バティステゥータがハットトリック、マラドーナも豪快なミドルシュートを決めて、サイドラインに据えられていたテレビカメラの前に走ってきて吠えた場面が印象深い試合ですので、そのあたりを含めて12~3分の動画に編集してYouTubeにアップしました。

するとYouTube側から「この画像には著作権保護の申し立てがある部分が含まれています」という警告が出ました。
警告の詳細を見ると「開始から何分何秒の部分から何分何秒の部分までは著作権保護の対象になっています」という説明でした。
そして「その部分を削除したら残りをアップしても問題ありません。どうしますか削除しますか? 削除するつもりがなければ、プロックがかかり、この動画の視聴はできません」という告知でした。

それなら仕方がありません。その部分を削除します。残りの部分だけアップしますという処理をして、晴れて著作権保護の問題が解決しました。
ちなみに、この12~3分の中には3ケ所ほど削除しなければならない部分があり、それらにハサミを入れて削除しましたので、残ったのは2~3分だけみたいでした。まさにズタズタに切られたという感じですが、仕方がありません。

面白いなと思ったのは、著作権で保護している部分が、10分ぐらいの中でも細切れになっているということでした。今回、YouTubeへのアップ作業をして大変勉強になり、また、20年前と比べると動画の公開におけるチェック機能が格段に進歩していることも驚きでした。

当方は、30年前からサッカー映像などの記録を克明に残し100年後に継承していきたいという思いで、この取り組みを始めています。最初の頃の悩みは「著作権保護」の問題で、せっかくの映像をどこにも出せないのだろうかというものでした。次に「仮に映像は見てもらえなくてもwebサイトのデータベースという形で『こういう映像は残っていますよ』を告知だけでもしておこう」と考えました。

そのうちに、どうもYouTubeに流してもあまり問題なさそうだということがわかり、今回、その理由というか仕組みがわかったという次第です。
時代は進化しています。昔は難しかったことも少しづつ解決されて可能になっていることの端的な証拠です。
これからも、あきらめないで続けていくと時代が追い付いてくれて、以前できなかったことができるようになると信じていこうと思います。

皆さんからも、いろいろとメッセージをお待ちしています。
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BS-日テレ「ブンデスリーガ マンスリーセレクション」は来季どうなるのでしょう?

2021年07月01日 18時27分41秒 | 世界のサッカー
書き込みする前に、タイトルをそのままgoogle検索してみましたが、何も答えは出てきませんでした。

海外リーグといえば、ラ・リーガのスペインリーグあるいは、今季欧州CLのファイナリストがともに戦うプレミアリーグが最高峰に位置づけられ、ついつい、その情報に目が行きますが、考えてみれば日本人選手が多くのチームに所属しているブンデスリーガを番組にするのも当然かも知れません。

BS-日テレ「ブンデスリーガ マンスリーセレクション」は、6月27日の放送をもって今季分の放送が終わったようです。ゲストに呼ばれた遠藤航選手が名波浩さんに促され「来季も放送よろしくお願いします」とリクエストしていましたが、どうなるのでしょう。

今季の放送は、何が面白いかといえば名波浩さんと播戸竜二さんのトークにMCの高柳愛実さんがほどよく絡んで、楽しい番組に仕上がったことでしょう。

その名波浩さんは松本山雅の監督に就任しましたから、当分は出演しないでしょう。名波さんという人のトークは、誰と組んでも絶妙の仕上がりにできるところが素晴らしく、ある意味、替えが効かない人でもあります。

「ブンデスリーガ マンスリーセレクション」は来季どうなるのでしょう? と感じたのは、その部分が気になったからで、番組制作サイドも同様の気持ちでいるのではないでしょうか。どうなるのか要チェックです。
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お盆期間中に、書きたいこと一気にまとめ書き② 欧州サッカーの潮流、次の10年

2019年08月13日 18時48分46秒 | 世界のサッカー
このテーマも、折に触れ書き込むテーマです。最近の書き込みを振り返ってみると、ちょうど1年前、2018年8月24日に「今年の海外リーグは突出したところがない感じですね。」というタイトルで書いています。

この時期、やはり欧州サッカーについて書きたくなるのは、各国リーグがまもなく開幕する時期だからですね。
昨シーズン開幕直前に感じたことが「今年の海外リーグは突出したところがない感じですね。」というタイトルに凝縮されています。本文で次のように書いています。

「リーガ・エスパニョーラが突出していた感のある欧州各国リーグの魅力度も、プレミア、ブンデス、リーガ、セリエAの4つが、また覇を競うような時代に入るかもしれません。

17~18欧州チャンピオンズリーグの準決勝に進出した4チーム、レアル・マドリー、リバプール、バイエルン、ASローマが、その4大リーグのチームだったことは、その前触れだったのかもしれません。

1980年代のブンデスリーガ、90年代のセリエA、00年代のプレミアリーグそして2010年代のリーガ・エスパニョーラ、きれいに10年毎に入れ替わった「世界最高峰のリーグ」という称号。

一巡した後に来る、次の活況リーグはどこでしょうか?
それとも、突出したリーグのない時代になるのでしょうか。」

今シーズンは19~20シーズンと呼ぶシーズンです。すなわち2020年代の10年の幕開けになります。そう考えると、今回のタイトル「欧州サッカーの潮流、次の10年」を牽引するのはどこか、占ってみたくなるというものです。

18-19シーズンの欧州チャンピオンズリーグは、次の10年を暗示するのかと思わせるほど、それまでの常連が姿を消し、意外なチームがベスト4に勝ち上がりました。

トッテナム、アヤックス、リバプール、バルセロナの4チームです。それまでのベスト4の常連とも言っていい、レアル・マドリー、ユベントス、バイエルン・ミュンヘン、つまりリーガ、ブンデス、セリエAを代表する3チームが名を連ねなかったという意味では、歴史的なシーズンと言っていいと思います。

もちろんリバブールもアヤックスも名門であり、これまで欧州チャンピオンズリーグをたびたび制覇してきたチームですし、バルセロナは言うに及ばす、トッテナムにしても、新興でもなんでもなく130年以上の歴史を持つチームですから、さすがではあるのですが、問題は、その構成です。プレミア組が2つ、あとはリーガとオランダです。

しかも決勝にはプレミア組が勝ち上がったのです。

もう少し細かく見ていきましょう。ベスト8はどういう構成だったか? ここでもプレミアが、マンUとマンCを加えて4つ、あとはセリエAのユベントス、ポルトガルのFCポルトです。これはもう完全に、プレミアが欧州を牽引したと言わざるを得ないシーズンです。00年代のプレミアリーグも、欧州チャンピオンズリーグのベスト4に3チーム送り込んだシーズンを複数経験しています。

これまで、2010年代の欧州サッカーでは、リーガ勢がベスト4に3チームというシーズンこそないものの、レアル、バルサ、アトレチコのうち2チームが占めたシーズンを7シーズンも経験しており、やはりリーガの時代と言わしめるにふさわしい成績です。加えて、2010年代は、C・ロナウド、メッシという二人のスーパースターが覇を競い合って欧州サッカーを牽引したこともリーガの時代と言わしめる大きな要因となっています。

それが2010年代の最終盤にきて、プレミア勢がリーガの時代からとって代わるかのような席捲ぶりです。これは次の10年の時代の予兆ではないのでしょうか。

ここでプレミアについて、もう少し見てみましょう。ここ最近のリバプールの強さは、もはや本物と誰しもが認めるわけですが、00年代に欧州サッカーを牽引してきたのは、当時ビック4と呼ばれた、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、リバプールです。

このうち、最近アーセナルの強さが影をひそめ、代わってマンCすなわち、マンチェスター・シティが台頭しています。さらに、そこにトッテナムが割って入り、新たなビック4あるいはビック5を形成するのかどうか、そのあたりが見どころということになります。

しかし、今後の10年間、すなわち2020年代の10年間を見通した場合、必ずしもプレミアの時代になるとは言えないという見方があります。それはイギリスのEUROからの離脱問題があるためです。

もし、合意なき離脱ということにでもなった場合、プレミアリーグにおける選手獲得においても甚大な影響が出ると懸念されていて、むしろ凋落の道を歩み始めるかもしれないとさえ、ささやかれています。

では、どのリーグが牽引するのか、やはりーガか? ということになりますが、さきほども書きましたように、ここ10年のリーガの力は、アトレチコの存在が大きかったと言えます。レアル、バルサは、これからも欧州サッカーのトップクラスに君臨し続けるでしょう。けれども2チームだけで10年間牽引し続けることは至難の業であり、そこにアトレチコが加わったことでリーガ時代が形成できたと思うのです。

この先もアトレチコがビック3の一角を保ち続けられるのかどうか、そこが分かれ目になりそうです。私はシメオネ監督の力量を高く評価していますし、これから何年も続けて欲しいと思っているのですが、シメオネ監督のもと、的確な選手補強が続けられるかどうか、そこがよくわからないのです。

そしてリーガにおけるもう一つの柱だったメッシ、Cロナの存在、すでにCロナはリーガを去り、メッシもこれまでのような輝きを期待することはできないでしょう。この点も「次の時代もリーガ」とは言い切れない要因です。

そうなると、あとはセリエAとブンデスですが、この先数年が楽しみなのはセリエAです。ユベントスにナポリの監督だったサッリが移り、そのナポリにアンチェロッティです。そしてインテルはアントニオ・コンテ、この3人の監督の采配がセリエA復権をもたらすか。今シーズン19~00シーズンに、一つの方向性が見られるかもしれません・

こうしてみると、次の10年、結論的には1年前の書き込みでも暗示しましたが「突出したリーグのない時代になるのでしょうか」ということかも知れません。
また来年の今頃、進捗状況を検証しながら「次の10年、2020年代の欧州サッカーを牽引するリーグはどこか?」という書き込みをするかも知れません。

どうぞ、お楽しみに。





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人知を超えた出来事「ビセンテ・カルデロンの涙雨」

2017年05月15日 20時50分21秒 | 世界のサッカー
スペインリーグ、アトレチコ・マドリーのホームスタジアムは、ビセンテ・カルデロンと呼ばれています。

バルセロナのホームスタジアムをカンプ・ノウ、レアル・マドリーのホームスタジアムをサンチアゴ・ベルナベウと呼ぶのと同じです。

このアトレチコ・マドリーの、ビセンテ・カルデロンは今シーズンをもってホームスタジアムとしての長い歴史に幕を閉じるそうです。

先日行われた欧州チャンピオンズリーグ準決勝2Lgは、欧州戦として最後の試合となることが決まっていました。

相手は同じ街の宿敵レアル・マドリー、1Lgを大敗したアトレチコはホームで厳しい状況ながらも逆転勝利で、ビセンテ・カルデロンの最後を飾りたいところでした。

ここ数年、ビセンテ・カルデロンでは圧倒的な成績を残しているアトレチコの勝利を信じて詰めかけた満員のサポーターが、試合開始から片時も途切れることのない声援を送り続けたのですが、逆転勝利の女神は微笑まず、いよいよ試合もアディショナルタイムに入ろうという頃、なんとビセンテ・カルデロンの上空が、にわかにかき曇り、雷鳴とともに大粒の雨が落ちてきたのです。

解説の水沼貴史さんが試合後の総評で「なんという演出でしょうね、自然のことですから演出したわけではないですけれど・・・」と語れば、実況の西岡明彦アナウンサーが「アトレチコのサポーターにとっては涙雨になりましたが・・・」と淡々と返していました。

これこそ「ビセンテ・カルデロン、惜別の涙雨」でした。愛するチームの逆転勝利が叶わなかった、でももう欧州戦に別れを告げなければならない。であれば、勝者も敗者もサポーターもずぶ濡れになるほどの涙雨を流そう、神のおぼし召し、人知を超えた自然の摂理です。

この試合終了間際の豪雨によって、ビセンテ・カルデロンの最後は、これ以上ない幕切れとなったのです。自然という、人知を超えた力が演出したのです。

私たちは、また一つ劇的なサッカーシーンを目撃しました。
こうした出来事に出会うなんて、たまらないです。サッカーを愛する者にとっては・・・。
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欧州5大監督時代が8大監督時代に入るか注目です。

2017年05月03日 14時33分13秒 | 世界のサッカー
16-17欧州チャンピオンズリーグも、いよいよ準決勝に突入、まずレアル・マドリーVSアトレチコ・マドリーのマドリッドダービーは、C・ロナウドのハットトリックでレアルが圧勝、決勝に大きく近づきました。

レアル・マドリーを率いるのは、44歳のジダン監督です。

今回は、欧州の名門クラブを率いる名だたる監督たちの中で、私が5大監督と評価する監督を取り上げ、それに3人が加わり8大監督時代になるかどうか注目です、という話しをしたいと思います。

私が5大監督と評価している監督の、ここ5シーズンの在籍チームを追ってみました。
名前のあとの(数字)は年齢、チーム名のあとの(数字)は在籍シーズン数です。

グアルディオラ(44)   バルセロナ→バイエルン(3)→マンC
モウリーニョ(54)    レアル・マドリー→チェルシー(3)→マンU
アンチェロッティ(57)  PSG→レアル・マドリー(2)→バイエルン(2)
アントニオ・コンテ(47) ユベントス(2)→伊代表監督(2)→チェルシー
ディエゴ・シメオネ(47) アトレチコ・マドリー(5)

これらの監督、いずれも華麗な監督歴を誇っています。もっともキャリア的に凄いのがアンチェロッティ監督でしょうか。彼は、ACミランとチェルシー、そしてレアル・マドリーとバイエルン、4大主要リーグすべてのチームで優勝を果たし、欧州CLも3度制覇している監督です。

モウリーニョ監督も、4大主要リーグのうちブンデスリーガを除く3リーグで優勝を果たし欧州CLも2度制覇しています。

40歳台の他の3人も、いずれ彼らのキャリアに近い実績を積み上げることでしょう。

もう一つ、上の表で特徴的なのは、レアル・マドリーやバイエルン、チェルシーなどが5大監督を順送りで使い回ししているかのようであること、そして、唯一5シーズン指揮を執り続けて、結果を出し続けているディエゴ・シメオネ監督の存在です。

この表に、3人加えたい監督がいます。冒頭書いたジダン監督と、これも準決勝に駒を進めているユベントス・アッレグリ監督、そしてユベントスにベスト4を阻まれたバルセロナのルイス・エンリケ監督です。
3人の過去5シーズンは次のとおりです。

ジネディーヌ・ジダン(44) レアル・マドリー(1.5)
アッレグリ(49)      ACミラン(2)→ユベントス(3)
ルイス・エンリケ(46)   セルタ→バルセロナ(3)

となります。この3人を、さきほど書いた5人の表に加えると、レアル・マドリーやバイエルン、チェルシーに加えて、ユベントス、バロセロナも順送りで使い回ししているかのようになります。

これでわかるのは、常勝軍団と言われる欧州名門クラブは、常勝であり続けるために、仮に監督を交代させる事態になっても、必ず勝てる監督を呼んでくるということです。
したがって、限られた優秀な監督が、欧州名門クラブを順送りのように回っている図式が出来上がるのだと思います。

もちろん、ここにあがっている名門クラブの指揮を初めて任されて、結果を出せずに去っていった監督も数多くいます。名門クラブで指揮を執るというのは大変な名誉であると同時に、常に結果を求められる過酷な立場ですから、他の名門クラブに移っても結果を出し続けられる監督というのは、凄いの一言に尽きます。

この先、私の関心は、唯一1チームだけで5シーズン指揮を執り続けているディエゴ・シメオネ監督。果たして、いつまで続けることになるのか、そして、ジダン監督がレアル・マドリーで成功を収めたあと、さらにはアッレグリ監督がユベントスで成功を収めたあと、どのようなキャリアを重ねていくのかにあります。

シメオネ監督の場合、27年間マンチェスター・Uの指揮を執り続けたアレックス・ファーガソン監督や、20年間経過した現在も指揮を執り続けているアーセナルのアーセン・ベンゲル監督のような単一チーム主義を貫くのか、それとも、あれほどバルセロナの申し子のように評されたペップ・グアルディオラ監督のように、あっさりとチームを去るのか、大いに注目です。

そしてジダン監督、トップチームの監督経験がいきなり超名門クラブということで、その手腕に懐疑的な声が多かった中、いまや欧州チャンピオンズリーグ史上初の連覇が見えるところまでチームを持ってきた実績は誰にも文句を言わせないものがあります。

果たして若くして名監督、しかも名選手にして名監督という栄光の称号を手にすることができるのか、こちらも、いやが上にも関心が高まります。

そして最後にアッレグリ監督、今シーズンはレアルの上を行くのではないか、つまり欧州制覇を果たすのはユベントスではないかとささやかれるほど完成度の高いチームを作ってきました。もし、レアルの連覇を阻もうものならアッレグリ監督の名声は一気に高まるに違いありません。

最初にあげた5大監督に加えて紹介した3人、うち2人は欧州チャンピオンズリーグ・ベスト4に名を連ねているチームの監督です。
ベスト4の残り1チームはフランスのASモナコ、その監督は、なんと若干42歳のレオナルド・ジャルディムという人です。この先、またたく間に、上記の8人衆に加わる9人目になることでしょう。

私のライブラリーには、モウリーニョ、グアルディオラ、シメオネといった監督の「監督力」を知ることができる書物があります。このあと、監督としてのジダンやアッレグリといった人たちの「監督力」にもふれてみたいと思います。

次回は、Jリーグで際立った「監督力」を発揮しているセレッソ大阪のユン・ジョンファン監督と、オランダリーグ・VVVフェンロでアシスタント・コーチを務めている藤田俊哉氏のことを取り上げたいと思います。

では、また。
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C・ロナ、メッシ超えをめざすスター候補生が揃う準決勝

2017年04月22日 06時46分49秒 | 世界のサッカー
我らが二人のシンジ選手のいない準決勝になっていました欧州CL。組み合わせはマドリードダービーと、ユベントスvsモナコとなりました。

一昨シーズンはバルセロナvsユベントスの決勝となり、バルサが圧勝しましたが、今度はそうはいかないのではないかと思います。つまり、ユベントスが決勝に勝ち上がって、スペイン勢のどちらかを迎え討つという展開を予想するわけですが、今シーズンのユベントスは前回とは違う気がします。

まぁ、勝ち上がり予想はブックメーカーにお任せして、私の関心は、ここ数年続いたC・ロナ、メッシというスーパースターの時代から、新しいスーパースターの時代に代わっていくか、それともスター不在の年が数年続く時代になるのか、というところに向いています。

C・ロナ、メッシという2人ものスーパースターが長らく君臨し続けているここ数年は、サッカーを愛する私たちにとっては、至福の期間だとも言えます。こんな時代は、そういつもあるものではありません。

C・ロナ、メッシの前のスーパースターが誰だったかを思い起こしてみれば、それがわかります。やはりジダンと怪物ロナウドの時代まで遡らなければならないのではないでしょうか?

ジダンは1998年フランスW杯で開催国である自国を優勝に導き、さらには2001~2002欧州CL決勝で魅せたスーパーボレーなど、伝説的な活躍を見せてくれました。

片や怪物ロナウド、私がC・ロナウドと区別するため必ず「怪物」を名前に冠しているブラジルのストライカー。こちらは96-97シーズンのバルセロナ時代から誰にも止められないスピードとパワーでゴールを量産し、「怪物」の名をほしいままにしてきました。

1998年W杯こそジダンに主役の座を譲りましたが2002年日韓W杯ではブラジル優勝の立役者でした。

ジダンが2006年W杯決勝で相手DFマルコ・マテラッツィに頭突きを食らわせて退場処分、選手生活を終え、またロナウドもこの大会準々決勝でフランスに敗れ、さらにはレアル・マドリーでも監督の構想から外れて出場機会を減らし、2人のスーパーな時代が終わっています。

ジダン・怪物ロナウドよりさらに遡れば、相当昔になってしまいます。そうマラドーナの時代です。いまから30年も前の時代です。

やはりスーパースターとは10年に1人か2人現れるかどうかの希少性に満ちた存在だと思うのです。

いつの時代も、一つの大会だけで脚光を浴びる選手は数多くいます。最近ではブラジルW杯でのハメス・ロドリゲス。コロンビア代表躍進の原動力となった活躍もあって、レアル・マドリーに鳴り物入りで加入しましたが、その後は、なかなか壁を突き破れません。

何年もの間、世界のトップとして活躍し続けることはそれだけ至難の業なのだと思います。

それでもC・ロナ、メッシの時代は、まもなく終わりを迎えるでしょう。

そこで気になるのが、次に彼らを超えるスーパースターは現れるのか、それは誰なのかという点です。

今回のCL準決勝に勝ち上がったレアル以外の3チームには、それぞれ候補生ともいうべき選手たちが揃っています。

アトレチコ・マドリーのグリーズマン、ユベントスのパウロ・ディバラ、モナコのムバッペです。

このうち私はユベントスのパウロ・ディバラを一押ししています。彼が最近あげたゴールシーンを録画で見ましたが、その才能は楽しみです。特にCL準々決勝バルセロナ戦の1Lgであげた2ゴールは、2本とも観る者の度胆を抜く文句なしのゴールです。

ネットで「パウロ・ディバラのゴールシーン」で検索すると見れると思いますので、まだ見ていない方は、ぜひご覧ください。

ゴールパフォーマンスもオリジナリティに溢れています。両目の下に左手の2本の指を開き、鼻と口もふさぐようなポーズで、ミステリアスに見えます。端正なヨーロピアン風の顔立ちと合わせて、スーパースター性を備えている雰囲気です。

イタリアとポーランドにルーツを持ち、それでいてアルゼンチン代表としてプレーするディパラ、まさにコスモポリタンです。

このパウロ・ディバラの前に今後立ちふさがるであろうスーパースター候補生の筆頭といえば、準々決勝でユベントスに屈したバルセロナのネイマールでしょう。

目の前でディバラの2ゴールを見せつけられたネイマールの心中やいかばかりでしょう。スーパースターレースではオレが先を行ってるというプライドをズタズタにされたでしょうから。

確かにネイマールはスーパースターの星のもとに生まれているような気がします。リオ五輪での金メダルがまず大きな勲章になっています。

ネイマールとディバラ。ブラジル代表ととアルゼンチン代表、いろいろな意味で今後が楽しみな二人です。

こう書いているうち、ネットには我らが久保裕也選手、ベルギーリーグ・ヘントでプレーしている次世代の日本代表のエースが、またゴールを決めたと報じる記事がアップされました。着々と実績を重ねている姿は頼もしい限りです。

ニッポンのスーパースターの座は現在空席中です。久保クン、弟分の久保クンが成長するまで、まだ時間がかかると思うので、いつでもスーパースターに駆け上ってもらってもいいですヨ。

さぁ、欧州CLも先が見えてきました。二人のシンジくんのことはひとまず置いて、次は二人の久保クンをウォッチしていきましょうか・・。

では、また。
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鹿島がなぜ勝てそうだと思ったか、ハーフタイムに書いておきます。

2016年12月14日 20時27分43秒 | 世界のサッカー
ハーフタイム中のFIFAクラブW杯準決勝、鹿島vs南米王者戦、なぜ勝てそうだと書いたかといいますと、ここにも歴史の潮流があると思います。

一つは、鹿島が第三期黄金時代に入ろうとしているという潮流です。PKを土居聖真選手が蹴り込んで、見事決めたのは、まさに彼が黄金時代の扉を開いたように思ったからです。

もはや小笠原選手が主役ではなく、さりとて柴崎岳選手だけが主役では決して黄金時代など作れません。チームに二人も三人も主役級が育っている。それが、このシーンを見てわかります。

もう一つは、ビデオアシスタントレフェリーシステムという新時代の判定システムに鹿島が愛された事実です。これも歴史の必然として鹿島が選ばれたとしかいいようがありません。

それにしても鹿島。まぁ、あとは試合終了後に書きましょう。
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ビデオアシスタントレフェリー、史上初の適用が鹿島を決勝に導くのではないかと思う。

2016年12月14日 20時02分36秒 | 世界のサッカー
FIFAクラブW杯で鹿島が南米王者と準決勝を戦っています。

前半32分、レフェリーが「ビデオアシスタントレフェリーで判断する」とゲームを一旦止めました。

ピッチサイドに置かれているビデオを確認すると、南米王者のGKが守るゴールマウスの方向を指し、ホイッスルを吹きました。

FIFA主催の大会で史上初めてビデオアシスタントレフェリーシステムで判定された瞬間でした。

この判定で得たPKを蹴り込んだのは土居聖真選手でした。

私は、この一連のプレーを見て、いままで日本チームがどうしても破れなかった準決勝の壁を、鹿島があれよあれよと突破して、夢の舞台、レアル・マドリッドとの決勝戦に駒を進めるのではないかという気がしてきました。

今日のGK・曽ケ端も完全にゾーンに入っているというか、今年の流行語風に言えば「神ってる」状態です。

あとはレフェリーが、相手側にもPKのチャンスをプレゼントするスキを与えるかどうか、あるいは相手の猛攻に耐え切れず失点して、ズルズルと相手ペースに持ち込まれるか、そこをどうマネジメントするかでしょう。

私は、こういう時の鹿島は冷静に試合をコントロールできるチームだと結構、楽観しています。
ちょうどハーフタイムに入りましたので、あとは結果を見て書き込むことにします。

果たして史上初の決勝進出なるか・・・・。私は「なります」に賭けます。



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