我らが南野拓実選手が、さる8月のリーグ・アン月間MVPに選出されたニュースがまだ記憶に新しい中、実は、所属するASモナコと、日本のオンラインカジノ運営事業者「カジノシークレット」とのパートナー契約に関するニュースもリリースされていたようです。
とりあえず、事実関係を見るため、ASモナコのCEO(最高経営責任者)名で出されたニュースリリースから引用します。
「ASモナコは、数週間前に日本出身の国際的プレイヤーの南野拓実選手の到着ニュースと共に日本語Twitterアカウントを立ち上げた後、さらにリジョナルパートナーの1つとして、カジノシークレットを迎え入れました。
日本で最も急成長している革新的なオンラインカジノの1つであるカジノシークレットは、今後2シーズンにわたり、ASモナコの日本公式オンラインゲーミングパートナーになります。日本市場にフォーカスする企業と提携する事により、ASモナコは日本のサッカーファンにアプローチする新たなステップを進んだ事となります。
カジノシークレットとASモナコは共にこの新たなパートナーシップを記念し、日本のオーディエンスを対象に、一連のインパクトの高い限定デジタルキャンペーンを展開していきます。」
つまり、ASモナコは、南野拓実選手の活躍とともに日本における認知度をあげつつ、「カジノシークレット」サイトを通じて、日本からオンラインカジノに参加する顧客を取り込もうというビジネスの相乗効果を狙ったパートナー契約ということです。
ただ、ここに一つ大問題が潜んでいます。日本からオンラインカジノに参加した人が、カジノゲームにお金を賭ければ、そのこと自体が違法であるのに、どんどんオンラインカジノでお金を使って欲しいと誘っているわけです。
こうしたパートナー契約に至る下地として、オンラインカジノについて一つの誤った考えが流布してしまったという指摘があります。それは、今回パートナー契約を結んだオンラインカジノ運営事業者「カジノシークレット」が、政府機関から正式なカジノライセンスを取得しているので、安全に「ギャンブル」を楽しめるサイトだという考えです。
単純に読めば「政府機関からライセンスを得ているのであれば、違法とは無縁だと考えていい」という感じになります。
しかし、そこには「日本にいながらオンラインを通じて海外のカジノに参加すれば、そのこと自体が違法」なのだという視点が抜け落ちていたようです。そもそもカジノのメッカであるモナコでは、よもや日本でカジノに参加すると違法だなどとは思いもよらないことなのでしょう。
もし「日本にいながらオンラインを通じて海外のカジノに参加すれば、そのこと自体が違法」だとわかっていれば、カジノに日本の顧客を集めて利益をあげようとは考えないと思います。
ASモナコにしてみれば、オンラインカジノ運営事業者「カジノシークレット」が正式なカジノライセンスを取得しているのだから、それでよし、という感じだったことでしょう。
日本から見ると、この「政府機関から正式なカジノライセンスを取得している」という謳い文句自体も非常に紛らわしいというか、できることならカジノで遊びたいと考えている日本の顧客に、妙な安心感を植え付ける謳い文句です。
政府機関というと、うっかり日本の政府機関のことだと思いますが、違います。
オンラインカジノに詳しい人の間では「キュラソーライセンス」というのがあるそうですが、これはカリブ海にあるオランダ領・キュラソーというところにある「キュラソー政府」が出しているライセンスということのようです。
このことを指して「政府機関から正式なカジノライセンスを取得し、安全に「ギャンブル」を楽しめるサイトです。」と言っていることをまず理解しなければなりません。
今回ニュースになった「カジノシークレット」も、このキュラソーのライセンスを取得しているので合法的なカジノサイトということになります。国際的にみれば、このように、どこかの政府機関のカジノライセンスを取得しているカジノサイトは合法で、取得していないカジノサイトは非合法、つまり闇サイトということになっているようです。
繰り返しますが、ASモナコは、もともと日本のサッカーファンには知名度の高いクラブです。そこに今回、南野拓実がリパプールから移籍したことで、モナコ側が日本でのマーティング戦略を練ったことは容易に想像できます。
地中海の小国・モナコは、国全体がリゾート地といえるところで、いま日本で導入が進められようとしている統合型リゾート地のモデルのようなところです。
当然カジノも物凄く盛んで、ASモナコにとってカジノは、何の問題もない娯楽ということになっているはずです。
しかし問題は日本でそれをやるというところにあります。日本の警察は「オンラインカジノ」を通じて日本人がゲームに賭ければ、それ自体が違法であると明言していています。
さらに、記憶に新しい山口県の阿武町役場で、新型コロナウィルス対策の特別臨時給付金が、町内全世帯分4630万円を一人の20歳代の口座宛てに誤送金してしまった問題、実は振り込まれた人間がオンラインカジノに入り浸っていた男で、この問題が国会で取り上げられた際、岸田総理も「オンラインカジノでの賭けは違法、厳正に取り締まる」と明言しています。
ということで、現時点で、ASモナコの日本でのマーケティング戦略は「日本の顧客に違法行為をしてもらうこと」を前提にしていることになります。
当「夢追い人」のこの書き込みの結論はここで終わりではありません。当「夢追い人」は、かつて「サッカーくじ」と呼ばれて導入が検討された時期のことを思い起こしています。
現在totoと呼ばれて、すっかり定着した「サッカーくじ」も、検討が公になった時期には「結局、賭け事、ギャンブルの助長、絶対反対」とヒステリックに主張する人たちに、かなり攻められていたものです。
しかし、制度的に、例えば八百長防止策や購入時の規制など、いろいろなハードルを設けたこと、そして、大きな変化が、いわゆる宝くじ方式、つまりコンピュータが弾き出した対戦結果の組み合わせを「当たるも八卦当たらぬも八卦」とばかりに買う方式にしたことで、不特定多数の愛好者獲得につながったという歴史を持っています。
現在「BIG」という愛称で販売されている「サッカーくじ」です。
もっとも、本当のギャンブル好きにしてみれば「そんな宝くじ方式みたいなものは、面白くもなんともない」わけで、やはり競輪・競馬・競艇といった自分が賭けて愉しむギャンブルを好みますし、そうした層は、社会に一定程度、かならず存在します。
カジノでのギャンブルは、さらに一攫千金のチャンスがあるということで、日本国内では愉しめないカジノをオンラインで愉しもうとする層は決してなくなることはないでしょう。
問題は、カジノでの遊びが、例えオンラインでも日本では違法であるといって、終わりにしたままにしておくことだと考えています。
いまやオンラインで、世界と自由にいつでも繋がる時代であり、またカジノ文化も、日本でも「統合型リゾートの一つの要素」として受け入れる時代になったのであれば、オンラインカジノに対して、日本的なカスタマイズを加えて、門戸を拓く努力をしなければ、いつまでもグローバル化に対応できる日本ではなく、鎖国のような異質な日本と受け止められてしまうでしょう。
日本が青少年に対するギャンブル依存の未然防止や、ギャンブル依存症による自己破産、あるいは山口県阿武町の事例のように、間接的にでも犯罪を誘発することを防止するため、極めて厳しい態度で臨んでいることは、日本の誇りであり世界的に見ても受け入れられる姿勢だと思います。
しかし、一方では「ダメなものはダメ」と言って門戸を閉ざしたままにしているだけでは、無策の誹りを免れないでしょう。
統合型リゾートの一つの要素としてカジノ文化が日本に入って来ることを見据えて「日本ではどういう形なら「オンラインカジノ」が認められるのか」という前提で、かつて「サッカーくじ」導入時に経験した工夫と努力をする必要があると思います。
当「夢追い人」は「サッカーくじ」導入検討が始まった当初から「宝くじ方式」を唱えていたこともあり、今回の「オンラインカジノ」についても、日本ならどういう対応がいいのか、「日本型オンラインカジノ」とはどういうスキームで可能なのか、何としても提案したい思いを持っています。
しかし、当「夢追い人」は、カジノそのもの、そしてオンラインカジノについても知見がほとんどありませんので、相当勉強しないとできない課題でもあります。読者の皆さんから、いろいろとアドバイスや提案があればと思っています。
大事なことは「違法だ。以上終わり。」にすることではなく、否応なしに押し寄せてくるグローバル化の中で「じゃぁ、日本ではどうすればいい? どうすれば許容範囲なの?」という議論を始め、日本らしい成案を得ることだと思っています。
とりあえず、事実関係を見るため、ASモナコのCEO(最高経営責任者)名で出されたニュースリリースから引用します。
「ASモナコは、数週間前に日本出身の国際的プレイヤーの南野拓実選手の到着ニュースと共に日本語Twitterアカウントを立ち上げた後、さらにリジョナルパートナーの1つとして、カジノシークレットを迎え入れました。
日本で最も急成長している革新的なオンラインカジノの1つであるカジノシークレットは、今後2シーズンにわたり、ASモナコの日本公式オンラインゲーミングパートナーになります。日本市場にフォーカスする企業と提携する事により、ASモナコは日本のサッカーファンにアプローチする新たなステップを進んだ事となります。
カジノシークレットとASモナコは共にこの新たなパートナーシップを記念し、日本のオーディエンスを対象に、一連のインパクトの高い限定デジタルキャンペーンを展開していきます。」
つまり、ASモナコは、南野拓実選手の活躍とともに日本における認知度をあげつつ、「カジノシークレット」サイトを通じて、日本からオンラインカジノに参加する顧客を取り込もうというビジネスの相乗効果を狙ったパートナー契約ということです。
ただ、ここに一つ大問題が潜んでいます。日本からオンラインカジノに参加した人が、カジノゲームにお金を賭ければ、そのこと自体が違法であるのに、どんどんオンラインカジノでお金を使って欲しいと誘っているわけです。
こうしたパートナー契約に至る下地として、オンラインカジノについて一つの誤った考えが流布してしまったという指摘があります。それは、今回パートナー契約を結んだオンラインカジノ運営事業者「カジノシークレット」が、政府機関から正式なカジノライセンスを取得しているので、安全に「ギャンブル」を楽しめるサイトだという考えです。
単純に読めば「政府機関からライセンスを得ているのであれば、違法とは無縁だと考えていい」という感じになります。
しかし、そこには「日本にいながらオンラインを通じて海外のカジノに参加すれば、そのこと自体が違法」なのだという視点が抜け落ちていたようです。そもそもカジノのメッカであるモナコでは、よもや日本でカジノに参加すると違法だなどとは思いもよらないことなのでしょう。
もし「日本にいながらオンラインを通じて海外のカジノに参加すれば、そのこと自体が違法」だとわかっていれば、カジノに日本の顧客を集めて利益をあげようとは考えないと思います。
ASモナコにしてみれば、オンラインカジノ運営事業者「カジノシークレット」が正式なカジノライセンスを取得しているのだから、それでよし、という感じだったことでしょう。
日本から見ると、この「政府機関から正式なカジノライセンスを取得している」という謳い文句自体も非常に紛らわしいというか、できることならカジノで遊びたいと考えている日本の顧客に、妙な安心感を植え付ける謳い文句です。
政府機関というと、うっかり日本の政府機関のことだと思いますが、違います。
オンラインカジノに詳しい人の間では「キュラソーライセンス」というのがあるそうですが、これはカリブ海にあるオランダ領・キュラソーというところにある「キュラソー政府」が出しているライセンスということのようです。
このことを指して「政府機関から正式なカジノライセンスを取得し、安全に「ギャンブル」を楽しめるサイトです。」と言っていることをまず理解しなければなりません。
今回ニュースになった「カジノシークレット」も、このキュラソーのライセンスを取得しているので合法的なカジノサイトということになります。国際的にみれば、このように、どこかの政府機関のカジノライセンスを取得しているカジノサイトは合法で、取得していないカジノサイトは非合法、つまり闇サイトということになっているようです。
繰り返しますが、ASモナコは、もともと日本のサッカーファンには知名度の高いクラブです。そこに今回、南野拓実がリパプールから移籍したことで、モナコ側が日本でのマーティング戦略を練ったことは容易に想像できます。
地中海の小国・モナコは、国全体がリゾート地といえるところで、いま日本で導入が進められようとしている統合型リゾート地のモデルのようなところです。
当然カジノも物凄く盛んで、ASモナコにとってカジノは、何の問題もない娯楽ということになっているはずです。
しかし問題は日本でそれをやるというところにあります。日本の警察は「オンラインカジノ」を通じて日本人がゲームに賭ければ、それ自体が違法であると明言していています。
さらに、記憶に新しい山口県の阿武町役場で、新型コロナウィルス対策の特別臨時給付金が、町内全世帯分4630万円を一人の20歳代の口座宛てに誤送金してしまった問題、実は振り込まれた人間がオンラインカジノに入り浸っていた男で、この問題が国会で取り上げられた際、岸田総理も「オンラインカジノでの賭けは違法、厳正に取り締まる」と明言しています。
ということで、現時点で、ASモナコの日本でのマーケティング戦略は「日本の顧客に違法行為をしてもらうこと」を前提にしていることになります。
当「夢追い人」のこの書き込みの結論はここで終わりではありません。当「夢追い人」は、かつて「サッカーくじ」と呼ばれて導入が検討された時期のことを思い起こしています。
現在totoと呼ばれて、すっかり定着した「サッカーくじ」も、検討が公になった時期には「結局、賭け事、ギャンブルの助長、絶対反対」とヒステリックに主張する人たちに、かなり攻められていたものです。
しかし、制度的に、例えば八百長防止策や購入時の規制など、いろいろなハードルを設けたこと、そして、大きな変化が、いわゆる宝くじ方式、つまりコンピュータが弾き出した対戦結果の組み合わせを「当たるも八卦当たらぬも八卦」とばかりに買う方式にしたことで、不特定多数の愛好者獲得につながったという歴史を持っています。
現在「BIG」という愛称で販売されている「サッカーくじ」です。
もっとも、本当のギャンブル好きにしてみれば「そんな宝くじ方式みたいなものは、面白くもなんともない」わけで、やはり競輪・競馬・競艇といった自分が賭けて愉しむギャンブルを好みますし、そうした層は、社会に一定程度、かならず存在します。
カジノでのギャンブルは、さらに一攫千金のチャンスがあるということで、日本国内では愉しめないカジノをオンラインで愉しもうとする層は決してなくなることはないでしょう。
問題は、カジノでの遊びが、例えオンラインでも日本では違法であるといって、終わりにしたままにしておくことだと考えています。
いまやオンラインで、世界と自由にいつでも繋がる時代であり、またカジノ文化も、日本でも「統合型リゾートの一つの要素」として受け入れる時代になったのであれば、オンラインカジノに対して、日本的なカスタマイズを加えて、門戸を拓く努力をしなければ、いつまでもグローバル化に対応できる日本ではなく、鎖国のような異質な日本と受け止められてしまうでしょう。
日本が青少年に対するギャンブル依存の未然防止や、ギャンブル依存症による自己破産、あるいは山口県阿武町の事例のように、間接的にでも犯罪を誘発することを防止するため、極めて厳しい態度で臨んでいることは、日本の誇りであり世界的に見ても受け入れられる姿勢だと思います。
しかし、一方では「ダメなものはダメ」と言って門戸を閉ざしたままにしているだけでは、無策の誹りを免れないでしょう。
統合型リゾートの一つの要素としてカジノ文化が日本に入って来ることを見据えて「日本ではどういう形なら「オンラインカジノ」が認められるのか」という前提で、かつて「サッカーくじ」導入時に経験した工夫と努力をする必要があると思います。
当「夢追い人」は「サッカーくじ」導入検討が始まった当初から「宝くじ方式」を唱えていたこともあり、今回の「オンラインカジノ」についても、日本ならどういう対応がいいのか、「日本型オンラインカジノ」とはどういうスキームで可能なのか、何としても提案したい思いを持っています。
しかし、当「夢追い人」は、カジノそのもの、そしてオンラインカジノについても知見がほとんどありませんので、相当勉強しないとできない課題でもあります。読者の皆さんから、いろいろとアドバイスや提案があればと思っています。
大事なことは「違法だ。以上終わり。」にすることではなく、否応なしに押し寄せてくるグローバル化の中で「じゃぁ、日本ではどうすればいい? どうすれば許容範囲なの?」という議論を始め、日本らしい成案を得ることだと思っています。