「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

ラグビー界のデットマール・クラマーさんに想う

2017年11月26日 15時43分45秒 | サッカー選手応援
NHK-BSの番組に「奇跡のレッスン」というのがあります。最近放送された番組で、ラグビー日本代表の前監督エディ・ジョーンズさんが来日され、国内のラグビー指導者たちを対象にレッスンを行なった様子が放送されました。

現在はイングランド代表の監督(海外では監督という呼称は使わずヘッドコーチという呼称のようですが)をされているエディ・ジョーンズさん。2012年4月から2015年11月まで日本代表監督をされ、世界で戦えるチームを作り上げた方です。

今回の「奇跡のレッスン」の放送に先立ち、NHKの朝のニュースが要約版のような紹介をしてくれました。それを見て、私は「この人はラグビー界に現れたデットマール・クラマーさんだ」と思いました。

日本サッカーは、いまから57年前、西ドイツからデットマール・クラマーさんを招聘して指導を受け、その後のメキシコ五輪銅メダルにつながる成果をあげました。

デットマール・クラマーさんが偉大たったのは、長期的な視点にたった日本サッカー強化のための提言を残してくれたことで、現在につながる日本サッカーへの貢献から「日本サッカーの父」とまで呼ばれている方です。

今回、ラグビー指導者たちを前にしてエディ・ジョーンズさんは、こう話したそうです。「そもそも日本発祥でないスポーツのラグビーにおいて、日本的なチーム作りをしても勝てるわけがない。日本的な考え方を根本的に変えなければ勝てない。つまり自分たちを変えなければ勝てない。」

そして日本的であることの典型的な例としてコミュニケーションの問題、選手間の意思疎通の問題をあげたそうです。日本的な「阿吽の呼吸」ではダメなんです。一瞬にして攻守が切り替わってしまうラグビーの試合の中では、常に緻密で的確なコミュニケーションを積み重ねていかないと必ず負けてしまうというのです。

試合中によく声を出せ、という言い方をしますが、ただ声を出しても意味がないわけで「何を誰に伝えるのか」という意思が明確であることが、真のコミュニケーション・意思疎通だというわけです。

ラグビー界におけるこのような指導の様子を、日本のサッカー関係者が見たり聞いたりすれば「サッカー界では50年前のクラマーさんの時代から、それをわかっていましたよ」という反応が聞こえそうです。

つまり「ラグビー界もやっとデットマール・クラマーさんのような指導者を得たのですね」という反応です。おそらくサッカー界に身を置く方100人に感想を聞けば、98人はそう答えると思います。

けれども思考がそこで止まってしまっては、やがてサッカー界はラグビー界に人気スポーツの座を奪われてしまうのではないかと感じました。

W杯出場も、ラグビー代表が常連になり、サッカー代表は出場がおぼつかないような時代がくるのではという危機感です。ラグビー界の指導者たちは、いま必死です。エディ・ジョーンズさんの教えを、まるで吸い取り紙で全て吸い取ってしまわんばかりに吸収しようとしています。

サッカー界の指導者たちに、いま、そのような純粋な真剣さを求めても無理ではないでしょうか。だとすれば、それでは「まずい」と考える人が、先ほどの100人のうち2人ぐらいはいて欲しいと思います。

「これは、まずい。我々も今一度初心に返らなければ」という危機感を抱いて欲しいのです。
「あれは遅れているラグビー界の話」と感じるだけで思考が止まるのは、ある種の「驕り」があるからです。

常に他を見習い、初心に返り、わが身を振り直す気持ちがなければ、やがてツケが回ってくるに違いありません。

「ラグビー界のデットマール・クラマーさんであるエディ・ジョーンズさん」のニュースに接して、そのようなことを想いました。

では、また。

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アルゼンチン代表チームが襲われていた地獄の恐怖と、そこからの生還

2017年11月26日 13時22分13秒 | サッカー選手応援
今日の話題は、最新号のNnmber誌940号「動乱の時代のフットボール」にある、チズル・デ・ガルシアという人のレポートによるアルゼンチン代表です。

Nnmber誌では「神に導かれしアルゼンチン リオネル・メッシ恐怖と腐敗を乗り越えて」というタイトルがついています。

ご存知のように、ロシアW杯南米予選の最終節、アウェーのエクアドル戦、2800m以上の高地にあるキトでの試合、開始40秒で先制されたにもかかわらず、メッシがハットトリックを達成、W杯脱落の危機から一転、出場権を勝ち取った試合のレポートです。

このレポート、キトでの試合に帯同した元アルゼンチン代表のルジェリ選手へのインタビューを中心に構成されていますが、アルゼンチン代表チームが、W杯脱落の危機に陥った時に襲われる恐怖の壮絶さたるや「これほどまでの立場に立たされるのか」と思わずにはいられませんでした。

そこで、少しでも多くの「サッカーを愛する皆さん」にお伝えしたくレポートから抜粋してみたいと思います。

ルジェリ氏自身も、1994年アメリカW杯の予選では、オーストラリアとの大陸間プレーオフに回る綱渡りの中、アウェーの第一戦を1-1のドローに終ったため、国内は選手に対する残酷なほどのバッシングで溢れかえったそうです。

そんな中での迎えたホームでの最終戦、ルジェリたち代表選手は、スタジアムに向かうバスの中、全員でバスの窓ガラスを叩きながら大声を張り上げて歌いながら気持を紛らわせたそうです。恐怖感で締め付けられるような時間、そうしないではいられなかったのです。

さらに、試合に臨むためピッチまでの通路を歩いていく中、足はガクガク震え、手には汗が滲みだしたといいます。もし負けたら、もしW杯に出場できなかったら、という思いが頭の中で渦巻き、一刻も早くキックオフの笛を聞きたかったそうです。

24年の時を経て、今回エクアドル戦に臨んだ選手たちも、同じ思いでピッチに向かったことは想像に難くありません。

なぜなら、メッシの神がかり的な活躍で出場を決めたあとのロッカールーム、何人かの選手たちは慰めようもないほど号泣し、むせび泣きが止まなかったといいます。

その様子を見てルジェリ氏は言います「私にはその気持ちが痛いほど理解できたからね。W杯に出場できなかった屈辱は国史における汚点として後世まで語り継がれ、主人公たちはその『罪』を背負ったまま生涯を過ごし、本人だけではなく家族も苦しむ。そんな悲劇が起きずに済んだ。救われたという安堵感から涙が溢れ出たんだ。(中略)我々アルゼンチン人にとって、W杯とはそういうものなのさ」

何ということでしょう。地獄の恐怖に襲われ、そこから生還できた選手たち、彼等は、うれし涙に暮れたのではなく、救われた安堵感から、とめどなく嗚咽していたのです。

私の心は激しく揺さぶられました。W杯サッカーの本当の凄さが凝縮されている光景です。世界のサッカーシーンには、こういう過酷なシーンも存在するのです。そして、我らが日本代表は、そういう過酷な体験をくぐり抜けてきたチームとも戦わなくてはならないのです。

もはや「たかがサッカー」でないことは歴然です。よくサッカーというスポーツは「その国の文化そのものを映すスポーツだ」と言われます。アルゼンチン代表チームの体験は、そのことを雄弁に物語っています。

このレポートには、もう一つのポイントがあります。それはリオネル・メッシの試合後の対応です。これはサプライズ対応だったそうです。代表チームに対する攻撃的な報道が一部で続いたことを理由に、選手たちは昨年11月から取材を一切拒否する姿勢を貫いていたからだそうです。

メッシは、大勢の報道陣が待ち構えていたところで足をとめ、マイクとテレビカメラが立ち並ぶ中、メディアの取材に応じて、母国の人々に結束を呼び掛けたというのです。

「代表チームが順調であって欲しいと願う気持ちは皆同じ。そのために手を取り合って団結すれば、実現がもっと簡単になる」とメディアにも連帯意識を促したのです。

筆者は言います。「多大なプレッシャーと恐怖に包まれたチームを勝利に導き、母国を悲劇から救った直後とは思えないほど冷静な口調と穏やかな表情からは、どこか高貴な雰囲気さえ感じられた」と。

実はアルゼンチンサッカー協会は、長い間腐敗しきった組織が、2016年ブラジルW杯の直後に崩れ、それが代表チームをサポートできない状況を作りだしていたそうです。

それが、今年の3月になってから新会長の体制になり、劇的にサポート体制が強化され、メッシ自身もチーム作りに意欲を表していたことで、エクアドル戦にも強い信念を持って、迷いなく臨んでいたようです。

レポートは、こう締めくくっています。「協会の腐敗による影響、そして予選敗退の恐怖を乗り越えたメッシ。一時は失ったアルゼンチンサッカー協会からのバックアップを取り戻し、結束したアルゼンチン国民からのサポートを得た今、もはや恐れるものはない。あとは4度めのW杯で母国を32年ぶりの世界チャンピオンの座に導くという大きなチャレンジを、仲間たちと一緒に堪能するだけだ。」

ロシアW杯が楽しみになってきました。4度めの出場にして、ついに「メッシの大会」と言わしめる可能性がにわかに現実味を帯びてきたからです。

イタリア、オランダの不出場も、メッシがその活躍によって忘れさせてくれるかも知れません。そのアルゼンチンとなら、ぜひハリルジャパンも相まみえて欲しいものです。


最後に、この珠玉のレポートをモノにしてくださった「チズル・デ・ガルシア」という人のプロフィールをNumber webサイトから、敬意を込めて転載させていただきます。

藤坂ガルシア千鶴(Chizuru de Garcia)
1989年3月よりブエノスアイレス在住。チヅル・デ・ガルシアの名前でサッカー専門誌、スポーツ誌等に執筆中。著書に『マラドーナ新たなる闘い』(河出書房新社)と『ストライカーのつくり方』(講談社現代新書)、訳書に『マラドーナ自伝』(幻冬舎)がある。

では、また。

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「ジャパネットたかた」高田社長と長崎昇格の因果関係を考えてみたいです。

2017年11月19日 12時08分32秒 | サッカー選手応援
J2での、Vファーレン長崎の自動昇格決定は見事ですが、驚きでもありました。しかし、J2に参入してから今年を除く4シーズンのうち半分、2回昇格プレーオフに進んでいた実力チームといえます。

したがって自動昇格権獲得は決してフロックでも何でもないことがわかります。チームの力を維持することがいかに難しいか、あとの2シーズンは14位と15位に沈んでいることが証明しています。

その長崎ですが、今シーズンはじめは経営問題に揺れていたクラブです。Jリーグの監査を受けて経営陣が交代するも、新たな問題が発覚して経営危機に陥っていたのです。

一時は英会話教室を展開するNOVAホールディングスの出資を得る方向性が決まりかけたところ、クラブの筆頭株主であるジャパネットホールディングスがクラブを100%子会社化する意向を示し、急転直下「ジャパネットたかた」創業者・高田明氏がクラブ社長に就任した経緯があります。

高田社長の就任が決まった4月後半、リーグ戦は9節まで進んでいましたが、チームは経営問題に惑わされることなく昇格プレーオフ圏をキープしていました。

その後も大崩れせずにリーグ戦を戦い抜き、ついに9月中旬、33節終了時に2位に浮上、以降の8試合、福岡、名古屋との激しい順位争いに屈することなく自動昇格というゴールテープを切ったのです。

昇格が決まった翌日午前に放送されたテレビ東京FOOT×BRAINに出演した高田社長は、キャスター・勝村政信さんからの「高田社長はどのような手を打ったのですか?」という問いに答えて「私が選手の皆さんに話したことは一つ、資金面の心配をせずにプレーに集中できるように約束しますので頑張ってください、ということだけ」だと言います。

その放送では、高田社長が自らスタジアムでサポーターの人たちと交流する様子が紹介されていました。確かに、表面的にはチームとして、あるいは各選手が経営問題という騒音に煩わされることなくプレーに集中できる環境が整ったという要因があると思います。

私はそれ以上に、Vファーレン長崎が名実ともに地元のシンボリックなチームになったという潜在意識が、チーム全体、サポーターを含めた地域全体に生まれたことが、有形無形の後押しになったのではないかという気がします。

長崎に生まれ、あくまで長崎から全国区に成長することにこだわった高田社長の姿そのままに、Vファーレン長崎も、ここから全国を目指すんだという空気になっていった、そういう効果が大きいのではないかということです。

もともと指揮官としての高木琢也監督の力量は折り紙つきでしたし、冒頭紹介しましたとおり、過去4シーズン中、2回昇格プレーオフに駒を進めていたチームですから、そこに選手たちの潜在力、サポーターの後押しといったパワーが加われば、自動昇格も不思議でないチームだったということかも知れません。

でも、そういったことは、よく政治的な雰囲気で使われる「ふわっとした民意」と同じで、なかなか検証しにくい要因だと思います。

シーズン当初の経営問題というネガティブな要素を跳ねのけて、見事自動昇格を成しえた要因、この「ふわっとした民意」に加えて、あとどのようなことが言えるのか、いろいろと分析してくださる専門家の方のお話しを待ちたいと思います。

その文献なり論評を見つけましたら、またこの欄でご紹介しようと思います。
遅ればせながら、長崎の皆さん、昇格おめでとうございます。







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なんと60年ぶりの出来事、イタリアの脱落

2017年11月18日 20時51分12秒 | サッカー選手応援
W杯欧州予選、プレーオフの末イタリアが脱落しました。なんと60年ぶりの出来事だそうです。ブラジル、ドイツとともに50年以上W杯の常連国の名を欲しいままにしてきたイタリア。

この3ケ国だけは常に出続けるものという常識めいたものも、私にはありました。それが覆されたのです。

それでも海外サッカーに詳しい評論家に言わせると、もう10年前から予兆があったといいます。過去2大会、本大会には出場できたものの、いずれもグループリーグを突破できないで終わっています。

この原因を世代交代の遅れと指摘する方も多いようですが、私の見立ては、やはり自国リーグの欧州における地盤沈下が大きいと思います。

世界最高峰のリーグと言われたセリエA、1990年代は欧州各国はもちろん南米をはじめ世界中の選手たちがセリエAでのプレーを目指しましたが、2000年台代に入りプレミアリーグ、2010年代に入りリーガ・エスパニョーラに世界最高峰のリーグの座を譲っています。(このあたりのことは、9月14日の書き込み「日本選手の欧州サッカー挑戦、これまでと、この先。」でも紹介しています)

いまや、セリエAは、世界四大リーグの中でも一番下のランクというのがもっぱらの評価です。
そうなると自国の選手たちはレベルの高い選手たちの中でもまれる機会が減り、相対的に力を落としていると思われます。

セリエAは、2006年に発覚した一大スキャンダルのためガタガタになってしまいました。これが長期低落のトリガーになったことは間違いありません。

それによるリーグの低迷、自国選手のレベル低下が積み重なり、W杯本大会でのグループリーグ敗退につながり、とうとう予選敗退というところまで来たわけです。スキャンダルによって失ったものの大きさを、あらためて感じる出来事です。

やはり驕りですよね。国のサッカー全体に驕りがあるとこうなります。日本で言えば、さしずめ日馬富士の暴力問題を通して浮かび上がる相撲協会の姿といったところでしょう。

我が日本代表、今回は首尾よく出場権を獲得できましたが、次の保証はどこにもありません。回を追う毎に厳しさを増しています。3年後から始まる次のアジア予選。まだ何も語れませんが、どの関係者も気を引き締めて全力を尽くす必要があると思います。

では、また。
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ハリル監督、長澤和輝選手発掘に大満足みたい。

2017年11月18日 19時15分31秒 | サッカー選手応援
前回10日のブラジル戦、リアルタイム書き込みから10日、その間に14日、ベルギー戦がありました。結果は0-1、しかし、この2試合を通じて、ハリル監督が考えているスタメン表がほぼ見えてきたといえます。

今回、ブラジル戦から変えたメンバーは、中盤・長谷部誠選手を長澤和輝選手に、前線・久保裕也選手を浅野琢磨選手、二人だけでした。

久保選手と浅野選手は、現時点では「どんぐりの背比べ」といった感じです。久保選手が連続ゴールを叩き出した昨年秋の頃のストライカーぶりが戻ってこないことには期待薄です。

そして、もう一つ、足りないピースがセントラルミッドフィルダーです。山口蛍選手と井手口陽介選手の二人は決まりです。

今回は、山口蛍選手をアンカーにして、井手口選手と長澤選手でインサイドハーフを形成しました。

初招集でいきなりスタメン、いくらブンデスリーガで経験を積んでいると言っても、私など「ナガサワ選手って誰?」という認知度でしたから、スタメンと言われても「ヘ~~、そうなんだぁ~」程度の反応でした。

それが、フタをあけてみれば堂々のパフォーマンスでした。ハリル監督も「オレの見立てどおりだ」「これは使えるぞ~」と感じたことでしょう。


これで年明けの東アジアカップでも使うでしょうし、大きくパフォーマンスを落とさなければ、井手口選手同様、レギュラーに定着するでしょう。

あらためて、改訂版日本代表最強メンバーをあげておきます。
GK川島永嗣
DF吉田麻也、槙野智章(昌子源)、酒井宏樹、長友佑都(酒井高徳) 
MF長澤和輝(長谷部誠)、山口蛍、井手口陽介
FW大迫勇也、久保裕也(浅野拓磨)、原口元気(乾貴士)

今回のカッコ内は、格下相手で攻撃的にいける時のメンバーと考えられます。格上相手の時にはどうしてもスタメンに乾選手を使えない、守りができる原口選手で行かざるを得ないということですね。

今回の欧州遠征、ブラジル戦が始まるまでは、本田、岡崎、香川といった重鎮を呼ばなかったことが話題になりましたが、2試合を終えて、もう彼らが戻る場所はないと思います。

彼らがどれだけ海外で高いパフォーマンスを見せたとしても待望論は起きないと思います。理由は簡単です。キャリアのピークに向かってグングンと勢いを増す時期と、キャリアの終り近くに線香花火が最後の輝きを見せるのとでは、自ずと「持ち」が違うということです。

井手口選手のいまを見れば、それは歴然でしょう。一試合ごとに自信を増し、プレー精度もあがっているこの時期、彼は自分のキャリアのピークに向かって日の出の勢いで昇っているところです。

9月に井手口選手を発掘したハリル監督、たった2ケ月でもう一人発掘に成功したと言えるでしょう。ベルギー戦後の監督会見は、そうした気持ちが表れた、やけにポジティブなものでした。

これで日本代表は1年納めの試合となりました。
イタリア、オランダなどの強豪が出場権を逃す中、よくぞW杯出場を果たした日本代表。あと3年は私たちにW杯出場国としての誇りを与えてくれました。

ありがとうございます。あと3年後、また過酷なアジアの戦いが来るまでサポーターの我々もエネルギーを蓄えておかなければなりませんね。
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ブラジル戦、リアルタイム書き込み、やってみます。

2017年11月10日 21時04分02秒 | サッカー選手応援
ブラジルとの親善マッチ、日本時間で夜9時のキックオフですから、リアルタイムで書き込んでみます。

前半9分、ブラジルのコーナーキック、ゴール前の競り合いでファウルを取られ、ブラジルにPK、ネイマールに決められ先制されました。

かえって試合が落ち着くでしょう。この間を使って日本代表スタメンを点検します。

ここまで書いて、前半16分、ブラジルのカウンターを受けゴール前でまたもファウル。ネイマールの2本目のPKを今度は川島がセーブ。しかし、CKからのこぼれ球をマルセロに叩き込まれ2-0。

では、スタメン点検に戻って・・。11月5日の書き込みでリストアップした最強メンバーは、
GK川島永嗣
DF吉田麻也、昌子源、酒井宏樹、酒井高徳(長友佑都) 
MF長谷部誠、山口蛍、原口元気(倉田秋)
FW大迫勇也、久保裕也(浅野拓磨)、乾貴士

でした。この中で変わったのは、DF昌子源から槙野智章、FW乾貴士からMF井手口陽介の二人。かっこ書きでハリル監督が選ぶでしょうと指摘した3人のからは、DF長友佑都選手がチョイスされました。

私は将来的なことを考え、絶対に昌司源選手を使って欲しかったですが、やむを得ないでしょう。

ここまで書いてきましたら、ブラジルの右からの高速グラウンダークロスがさく裂、左サイドゴール前につめたジェススに難なく決められ3点目です。世界のトップクラスのクロスボールを見せつけられた感じです。

さて、日本の布陣の話に戻ります。
大きな違いは、井手口陽介選手を入れたこと。これも理にかなっていることはかなっています。
守備を重視しての起用ですから。

しかし、やはり清武選手もしくは柴崎岳選手を欠いている布陣はプレースキックでのチャンスをまったく作れません。まもなく前半終了ですが、CKは井手口選手が蹴り、一度だけあったゴール前でのFKには吉田麻也選手と原口元気選手が立ち、吉田選手が蹴りました。

これでは、いかにも貧弱でしょう?
井手口選手は、かつての中田英寿選手のように、はじめは覚束ないプレースキッカーだったのに、いつの何か絶対的なキッカーになっていったように、いま、ひたすら場数を踏んでいる状態とも言えます。

トップ下に当たるポジションに守備面で大き力を発揮できて、それでいてプレースキッカーとしても卓越していれば、それに越したことはありませんから、井手口選手のチョイスもよしとしましょう。

そもそも、私は「日本のシメオネ、井手口選手」と呼んで高く評価していますから・・。

さて後半が始まりました。交代は久保裕也選手に代わって浅野琢磨選手、これもかっこ書きで想定していました。

後半1分、さきほどのブラジルの超高速グラウンダークロスが放たれた全く同じ位置から、井手口選手が同じようなクロスを放ちました。これは、ブラジルDFの網にかかってしまいましたが、井手口選手の脳裏には、あの超高速グラウンダークロスがあったことは間違いありません。

つまり実際目の前で体感したことが、即、経験値になっているのです。井手口選手の放ったクロスは「超」がつくほどではなかったのですが、それでも精いっぱいの高速クロスでした。

井手口選手と、清武、柴崎選手との関係で言えば、清武、柴崎選手は強豪と対戦する時に、井手口選手と同等の守備力を示さなければ出番は与えられないということが見えてきます。

さて試合ですが、後半16分、その井手口選手のCKから槙野選手のヘディングで1点返しました。中央で大迫、吉田、酒井宏樹選手が相手DFをひきつけ、ファーサイドの槙野選手が合わせたゴールでした。

これは自信になります。あとは2枚目のイエローカードで退場者を出さないようにしなければなりません。ネイマールに対する厳しいチェックを続けている酒井宏樹、井手口陽介、そしてDF吉田麻也、MF山口蛍各選手が1枚もらっていますので。

さて後半24分、日本は2枚変えてきました。長谷部誠選手に代えて森岡亮太選手、原口元気選手に代えて乾貴士選手。

ブラジルも時を同じくしてネイマールがお役御免になりました。

後半30分を過ぎてブラジルは後方に6枚残る形にして、それほど攻めに人数をかけなくなりました。あとは乾もしくは浅野がサイド突破できた時に何人がゴール前に詰められるかあたりでしょう。

その後、選手交代は井手口選手に代わって遠藤航選手、大迫勇也選手に代わって杉本健勇選手でした。長谷部選手より前の選手をすべて変えた形になりました。

後半アディショナルタイムは5分、2分過ぎたあたりに、森岡亮太選手が絡んで中央から右サイドに展開してつないだボール、酒井宏樹からゴール前に折り返されたところに浅野琢磨選手、ミートしきれずに千載一遇のチャンスを仕留められませんでした。まさにブラジルと日本の力の差が出た場面でした。

浅野選手は「あれを決められなければ、いつまでも二流の選手だ」と自覚しなければなりません。もし「まぁ、仕方がない」などとエクスキューズしようものなら、日本代表FWの資格を疑います。

まぁ、全体としてチャンスは少なかったですが、それでも「なすすべなく」というほどではなかったと思います。PKを2本とられましたが、強豪と試合する時の日本の慢性的リスクとも言えます。

特にブラジルの選手たちはマリーシアにたけています。ファウルを誘うプレーにまんまと嵌ることもあります。強豪との試合勘も必要ですし、その中でペナルティエリア内での対処の仕方を体感していくしかないところです。

来年の本番まで、強化試合が限られているようですから、PKをとられるリスクは本番でも覚悟しなければならないでしょう。

ということで、いろいろな教訓が詰まった試合になりました。
次のベルギー戦には、どういう布陣で臨んでくるでしょうか? ブラジル戦で出場機会のなかった選手を試すことにウェイトを置くのか、骨格はブラジル戦と同じで微調整してくるだけなのか、どちらかということです。

では、また。 





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本田、岡崎、香川のいないブラジル戦、ベルギー戦、W杯本番の布陣は?

2017年11月05日 16時10分08秒 | サッカー選手応援
日本代表は欧州遠征を行ない、11月10日にブラジルと、14日はベルギーと対戦します。この遠征メンバー発表会見は、いろいろな議論を呼んでいます。
それらのポイントをあげてみます。

①本田、岡崎、香川といったこれまでの代表の中心だった選手を軒並み招集外としてしまい、本当にいいのか?

②代わりに招集した森岡亮太、長澤和輝といった選手たち、代表経験のない選手たちをブラジル戦、ベルギー戦のメンバーに加えるというのは、どんな考えがあってりことか?

③そもそも、その前のニュージーランド戦、ハイチ戦、ハリル監督自身が酷評していた試合内容。ハリル監督には見切りをつけるべきなのではないか。

ロシアW杯まで、あと8ケ月です。その間、代表チームの試合は今回の欧州遠征を除くと、あと2試合しかないとのこと。それを考えればハリル監督の交替は、もう時間が許さないところまできたと言わざるを得ません。

そもそも、ハリル監督は前回のブラジルW杯でアルジェリア代表を率いてグループリーグを勝ち上がり、決勝トーナメント1回戦ではドイツをあと一歩のところまで苦しめた実績を持つ監督だということを思い出さなければなりません。

それを、日本代表との比較で言えば地域予選を勝ち上がった時のチーム構成と、本番でのチーム構成がどうなのか、という分析が必要です。おそらくハリル監督はアルジェリア代表の時、地域予選を勝ち上がったメンバーを底上げする形で本番を迎えられたのだと思います。

対して日本代表、ちょうど世代交代期にあたり、何とかハリル監督も決断してやっとこ地域予選を勝ち上がりましたが、ここにきて、もう本田、岡崎、香川らの選手が賞味期限が切れたと実感していることでしょう。

そこがアルジェリア代表を率いた時と今回の違いだと思いますし、ハリル監督もここにきて本番に向けた戦力の底上げができていない苛立ちを覚えているのでしょう。

では、ブラジル戦、ベルギー戦に代表経験がほとんどない選手たちを加えることに対する批判についてはどうでしょうか。

過去にも日本代表は、アギーレ監督時代の2014年秋にシンガポールを行なわれたブラジル戦に新顔の選手を何人か招集して、さらに、いきなりスタメンに起用するということがありました。試合は0-4の大敗でしたから「なぜブラジル相手に、考えうる最強メンバーで戦わないのか」という批判が多く寄せられました。

では、今回のブラジル戦ではどうでしょうか? 2014年のブラジル戦に招集された森岡亮太選手が今回も呼ばれたのは、何かの因縁でしょう。けれども、私はハリル監督の場合は「考えうる最強メンバー」でスタメンを構成すると思います。

では、今回の招集メンバーから「最強メンバー」をリストアップしてみましょう。

【招集メンバー】
■GK
川島永嗣/メス(フランス)
東口順昭/ガンバ大阪
西川周作/浦和レッズ

■DF
酒井宏樹/マルセイユ(フランス)
酒井高徳/ハンブルガーSV(ドイツ)
長友佑都/インテル(イタリア)
車屋紳太郎/川崎フロンターレ
吉田麻也/サウサンプトン(イングランド)
三浦弦太/ガンバ大阪
槙野智章/浦和レッズ
昌子源/鹿島アントラーズ

■MF
長谷部誠/フランクフルト(ドイツ)
遠藤航/浦和レッズ
山口蛍/セレッソ大阪
井手口陽介/ガンバ大阪
倉田秋/ガンバ大阪
森岡亮太/ベフェレン(ベルギー)
長澤和輝/浦和レッズ

■FW
久保裕也/ヘント(ベルギー)
浅野拓磨/シュトゥットガルト(ドイツ)
原口元気/ヘルタ・ベルリン(ドイツ)
乾貴士/エイバル(スペイン)
大迫勇也/ケルン(ドイツ)
杉本健勇/セレッソ大阪
興梠慎三/浦和レッズ

この中から、
GK川島永嗣
DF吉田麻也、昌子源、酒井宏樹、酒井高徳(長友佑都) 
MF長谷部誠、山口蛍、原口元気(倉田秋)
FW大迫勇也、久保裕也(浅野拓磨)、乾貴士

というスタメンで行きたいと思います。

カッコ書きで入れた選手ですが、おそらくハリル監督は、長友を使い、倉田、浅野を使うでしょうという意味です。

ブラジル戦では、ハリル監督のチョイスでいいと思いますが、来年の本番では酒井高徳、原口、久保裕也といった選手が絶好調でなければ、グループリーグ突破は見えてこないでしょうし、これらのメンバーに清武弘嗣選手、柴崎岳選手が戻ってくれば、本田、岡崎、香川の不在を感じさせないメンバーと言えるのではないかと思います。

気になるのはDF陣の層の薄さですが、もう「ないものねだり」ですし、アクシデントがあった時に交代出場する選手の奮闘を祈るしかないのです。控えの選手たちも「オレに任してくれ」と心の中では燃えているでしょうから。

あとは、一番肝心のハリル監督の情熱です。なにせ、前回大会より4つ歳を重ねていますから、基本的な体力からくる情熱の衰えがあります。

これももう仕方ないでしょう。アギーレ監督の後任として選んだ時点から、アルジェリア代表を率いた時と同じ情熱が4年後も続くものと思った、考えの甘さから選んだのです。そのとおり情熱が持続してくれれば「よかった」ということでしょうけれど、情熱がしぼんでしまうことも、当然ありの年齢だということです。

その時は「アジア予選を突破してもらったご褒美に本番の指揮もお任せしました」と逃げるしかありません。つまり本番でまたグループリーグ敗退に終れば、そもそもアギーレ監督を解任せざるを得ないところから誤算が始まったということになります。

それでもアジア予選をキチンと突破したというハリル監督の功績は厳然として評価されるべきだと思っています。

今回の書き込みの結論は、本田選手をはじめとした功労者たちの招集外の問題も、日本代表メンバーはこれで大丈夫なのかという問題も、ハリル監督でいいのかという問題も、もう不必要な議論だということです。

むしろ、本番でどういう布陣がベストかという議論や、誰に絶好調で臨んで欲しいかという議論にシフトすべきだということです。

では、ブラジル戦、ベルギー戦を楽しみにしましょう。



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C大阪が一枚上手だったかも・・・。ルヴァンカップ決勝

2017年11月04日 18時47分55秒 | サッカー選手応援
昨夜の書き込みで、「シルバーコレクター返上に賭ける両チーム、4-4の同点から延長PK戦までもつれて歴史に残る名勝負」という私の勝手なシナリオを期待しましたが、結果はC大阪が2-0で悲願の初優勝でした。

川崎Fも戦力的にはベストメンバーを組めたと思いますが、C大阪は杉本、山口蛍といった現代表に柿谷、清武、水沼といったキャリアのピークにある選手たちが揃い、さらにはソウザ、GKキム・ジンヒョンといった能力の高い外国人選手もいて、戦力的に一枚上手だったかも知れません。

加えて言えば、C大阪・ユン・ジョンファン監督、当ブログでも高く評価している指導者です。今年も1月22日の書き込みで「Jリーグ新シーズンの関心、ユン・ジョンファンC大阪監督と風間名古屋監督」という取り上げ方をしています。

2012年にまだ鳥栖の監督をしていた頃からウォッチしており、もういつタイトルをもたらしてもおかしくない経験を積んでいます。

今日の試合、監督のゲームマネジメントという点でも一枚上手だったかも知れません。
試合終盤アディショナルタイムに、狙い通りのカウンターで追加点をあげましたが、試合後半に圧倒的な強さを発揮してきた川崎Fに引導を渡す一撃でした。

監督として、これほどの終わり方はないでしょう。監督としての初タイトルにふさわしい試合運びでした。

海外挑戦を終えてセレッソに戻った清武選手と山口蛍選手、戻ってきた甲斐がある初タイトルです。金色の紙吹雪が舞う中、キャプテンとしてルヴァン杯を高々と掲げた柿谷選手を含め、サッカー人生を飾るにふさわしい結果を出したと思います。


翻って川崎F、またしてもシルバコレクターの歴史を重ねてしまいました。やはりタイトルを取るためには、必要なピースの一つも欠けては成し遂げられないということを痛感します。

対戦相手との相対的な戦力の差、その試合におけるチームコンディションの良し悪し、監督の采配力、枠を外したシュートが相手選手に当たってゴールに吸い込まれるといった運の有無、選手個々の「勝利への執着心」の総和の違い、それらのどのピースも揃わないと、なかなかタイトルはとれないと思います。

その意味で、川崎Fが、この先、近い将来にタイトルをとれるかどうかと言えば、保証の限りではありません。ただただクラブとイレブンが、これらのピースを全て揃えられるまで挑戦を続けるしかないと思います。

リーグ戦で2位につけているとはいえタイトルには厳しい状況です。今シーズンだけではなく来シーズンも倦むことなく挑戦を続けられるかどうか・・・。

頑張れ川崎F、です。

それにしても大勝負でした。スタジアムを埋め尽くしたピンクと青のサポーター。ともに跳ねるように声援を送るその顔がクシャクシャになっていました。締め付けられるような激闘の現場に立ち会えている感動と、試合の行方に対する期待と不安、いろいろな感情が入り交じって、自然とこみあげてくるのだと思います。

私も思わずこみあげてしまいました。ソウザのゴールが決まった時は、思わずフーッと大きな息がついて出ました。

いい試合を見せていただきました。ありがとうございます。

では、また。

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満を持して森保監督が世界の舞台へ

2017年11月04日 12時04分36秒 | サッカー選手応援
さる10月30日、2020年東京五輪の男子日本代表監督に就任する森保一監督の発表会見が行われました。

昨日書き込んだ「ドーハの悲劇」を体験した世代で、監督として広島を5シーズンのうち3度優勝に導いた、私の一押し監督です。

当ブログでも、たびたび取り上げてきたことは、愛読してくださっている方でしたら、よくご存知かと思います。(最近では今年4月6日付け書き込み)

森保監督の真骨頂は、何といっても選手の力を引き出すモチベーターとしての能力です。具体的に説明するよりは、2016年8月30日付けの書き込み「「広島・森保監督論」書物を読んだようなNHK2番組」をぜひお読みいただければと思います。
http://blog.goo.ne.jp/jsicfoot/e/e293cc5ee0fd94d0d33c465e40aa49f7

会見で森保監督は「自国開催で皆さんが望んでいるのは間違いなくメダル」と、課せられている重責に対する決意を語ってくれました。

能力の高い選手たちは揃っていると思います。あとは彼らにどのようなモチベーションを与えて100%もしくはそれ以上の力を発揮されられるか、そこにかかっています。

今回の森保監督の就任発表に絡んで、一つ気になることがあります。それはJ2降格圏に沈んでいる広島の残り試合の戦いぶりです。

私は、今回の森保監督の就任を受けて、広島の選手たちが奮起して、J1残留を果たすことが森保監督への最高の恩返しになるはずですし、五輪代表監督という名誉ある立場にたった森保監督に対する最高のお祝いになると思うのです。

つまり「広島イレブンよ、ここで奮起しなければキミたち男じゃないぞ」と声を大にして言いたいと思います。

実は、さる7月6日の書き込みでは、広島というクラブに対する怒りの思いもあり、書き込みの最後に「私にとっての今シーズンの広島は「ジ・エンド」となります。辛うじてJ1残留を決めるのかJ2降格か、シーズンを終えても触れることはないと思います。」と書いて筆をおきました。

シーズン最終盤のいま、その前言を撤回して広島イレブンに最後のゲキを飛ばしたいと思います。すべては森保監督への恩返しと、気持ちよく代表監督に専念してもらうためです。

では、また。

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C大阪、川崎F、シルバーコレクターを先に返上するのは・・・。

2017年11月03日 20時03分19秒 | サッカー選手応援
明日、いよいよ旧ナビスコカップ、いまルヴァンカップ決勝です。
今年の話題は何といっても、長い間、無冠の強豪、シルバーコレクターと揶揄され続けてきたチーム同士の決勝ということです。

とちらが勝っても初優勝などという、ありきたりの見出しではない、これほどタイトルに縁がなかった強豪チームも珍しい、いや、この2チームしかないほどタイトルに無縁のチーム同士の戦いになりました。

しかも、それぞれリーグで上位につけていますので、見ごたえ十分といったカードです。
勝利予想など、私の役割ではありませんのでやめます。

願うのは打ち合いになって4-4ぐらいの同点で延長、それでも決着つかずPK戦ぐらいのシナリオです。セレッソなら杉本、柿谷、清武らの選手、川崎なら小林、中村憲剛、家長らの選手が得点を決めれば、試合そのものが歴史に残る名勝負になります。

まぁ、身勝手なシナリオをお許しいただければ、この決勝は川崎が制して、セレッソは勝ち残っている天皇杯を制してなどと・・・・。

勝負の世界はそんなに甘いもんやおまへんでぇぇ~~。
では、明日をお楽しみに。
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「まな」がなでしこジャパンのピッチに戻ってきました。

2017年11月03日 19時34分41秒 | サッカー選手応援
さる10月22日(日)に長野Uスタジアムで、なでしこジャパンはスイス代表と親善試合を行ないました。

あいにくの本降りの雨の中、ピッチコンディションが悪化しない見事なメンテナンスが印象的でした。

試合は2-0でなでしこが勝利、いろいろな意味で収穫があったのではないかと思いますが、私にとっての最大の収穫は「まな」つまり岩渕真奈選手が後半途中から出場したことです。

若手若手と言われていた彼女も、今回のなでしこジャパンの中では、若手とベテランのちょうど間にあたる年代になりました。

ピッチに入ってまもなく、いきなり相手選手に強烈なタックルを見舞いイエローカード。気持ちを前面に出したプレーを見せました。

短いプレー時間でしたから、得点に絡む仕事はありませんでしたが、この先楽しみと感じさせる代表復帰でした。

その2日後の10月22日、「まな」が自らのブログを更新して代表戦のことに触れていましたが、プログの多くを占めていたのは代表合宿でチームメイトと一緒に撮った多くの写真でした。

そう「まな」はいつも友達と一緒が大好きなのです。

あとは、もう一人「まい」つまり京川舞選手が戻ってくるのを楽しみにしています。この二人がスタメンのピッチに立てれば、相当なでしこジャパンの威力は増すと思います。

横山久美選手、長谷川唯選手などに先を越され気味ですが、「まな」と「まい」がなでしこジャパンの同じピッチで躍動するのを見たいものです。

では、また。
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「ドーハの悲劇」続論 知られざるカズの涙by藤江直人氏

2017年11月03日 17時23分51秒 | サッカー選手応援
さる10月27日のネットに【特別寄稿】”ドーハの悲劇から24年...知られざるカズの涙”(GOAL誌)というコラムが掲載されました。

藤江直人さんによる寄稿です。

どのあたりまでだったか・・・。毎年10月28日といえば「ドーハの悲劇」だったなぁ、と思い起こしていましたが、いつの間にか思い起こすことがなくなっていました。

それもそのはずです。6大会連続のW杯出場権獲得という実績が悲劇の歴史を消し去ってくれたのです。

しかし、誰もが忘れかけてしまった悲劇の思いを延々と脳裏と身体に刻み込み、いまなお「日本代表としてW杯の舞台に立つ夢」を追い求めている選手が一人いるということです。

なんという執念でしょう。そして、その原点を藤江氏は、あの時流したカズ選手の「知られざる涙」に見たのでしょう。

その涙とは、敗戦から一夜あけたホテルのロビーでのことだそうです。帰国したら待ち受けるであろう罵声と非難の嵐を覚悟していたカズ選手。「成田空港に帰ったら、トマトかな……」とつぶやいたそうです。

当時、スポーツ紙でサッカー担当記者を務めていた藤江さんは、「いや、違うよ」といって、日本の状況を伝えようと、編集部からファックスで送られてきた10月29日付けの紙面をカズに見せたそうです。

そこには「胸張って帰って来い 忘れないこの感動」という大見出しで、日本国内で沸き上がっていた大フィーバーを伝える記事が載っていたのです。

次の瞬間、カズ選手が目頭を押さえ始めたというのです。しかし、この時カズ選手は、出場権を逃した自分たちに対する温かい日本の気持ちがうれしくて涙を流したのではなかったのです。

カズ選手の涙といえば、その前の韓国戦に自らのゴールで勝利した試合の後、インタビューを受けながら見せた涙がよく知られていますが、その時見せた涙とは対照的な涙を流したと、藤江さんは感じたのです。

なぜなら、そのあと、やや語気を強めながらカズ選手は言ったそうです。「これじゃあダメなんだよ」と・・・。

つまり、慰められてしまっている自分が悔しくて見せた涙なのです。

藤江さんは言います。「世界を見渡せば、同じような経験をしたチームは枚挙にいとまがない。(中略)強豪と呼ばれる国々はそのたびに、悔しさを糧にはい上がってきた。そこで原動力の一つとなるのは、ファンやサポーターから浴びせられる厳しいブーイングや忌憚のない批判。だからこそ「これじゃあダメなんだよ」という言葉が、思わずカズの口を突いたのだろう。」と。

あれから24年たった今、当時26歳、選手としてキャリアのピークにいたカズ選手は50歳、いまなお現役選手としてピッチにたっています。

ここ数年、私は「なぜカズさんは現役を続けるのだろうか?」と思うことがしばしばあります。メディアなどを通じては「とにかくサッカーが好きだから」などのカズ選手のコメントが届きます。

また、カズ選手の契約を続けている横浜FCのオーナーが立志伝中の人で、カズ選手に特別な思い入れを持っているから、ということもあるだろうと思ったりしています。

しかし、それより何より、カズ選手はいまなお「本当に」W杯出場への夢を捨ててはいないのだと思えば、何もかもギモンが解けるのです。

現役選手を辞めたら、その途端、W杯出場の夢は潰えてしまうのです。だからカズ選手は現役を続けてチャンスをうかがい続けているのです。

藤江さんは、かくも長きにわたるカズ選手の「W杯日本代表としての出場」への挑戦の、情熱とエネルギーと精神力の原点が、あの「人知れず見せた涙」にあるとみているのです。

私は、こう書いてきて、大きく息をしました。なんという壮大なチャレンジでしょう。J2のチームでスタメン出場もままならない立場になってしまっているカズ選手をみて、常識的には「W杯日本代表を目指している」とは思わないでしょう。

けれどもカズ選手は本気なんです。決してあきらめてはいないのです。あきらめたのなら現役引退するはずです。

私たちは、つい「常識的には」とか「通常なら」という物差しでカズ選手を見てしまいます。それが間違いなのです。カズ選手の取り組みは「尋常ではない」のです。「常軌を逸している」と凡人は思うだけなのです。

そう気が付くことで、カズ選手に対するギモンがすべて解けていきます。この壮大な取り組みは、凡人、常識人、世間一般の人にはできないことで、とにかく凡人、常識人、世間一般の人の物差しでカズ選手を見る私たちが間違っていることだけは確かです。

この藤江さんの寄稿は、そのことを気づかせてくれました。

私は「サッカー文化フォーラム夢追い人」として、この24年間、カズ選手を見続けてきました。けれども、これまで、カズ選手という、この24年間を語る上での第一番目の選手について、よく本質を理解していなかったことになります。

なんという愚かさでしょう。もし、この先も、それに気づかずに「サッカー文化フォーラム夢追い人」でござい、などと言って、サッカー文化を語っていこうものなら、それこそ何一つわかっていないままになるところでした。

というわけで、また。






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