映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『グランド・ホテル』

2007年09月17日 | Weblog
- goo 映画
よい

エドマンド・グールディング 監督
グレタ・ガルボ、ジョン・バリモア、ジョーン・クロフォード、ウォーレス・ビアリー、ライオネル・バリモア、ルイス・ストーン 出演

限定された空間で起きる事件を巧みに連関させると言ったいわゆる“グランド・ホテル形式”の原点。、過去の想い出を引きずるバレリーナ、彼女の真珠の首飾りを狙う、カイゲルン男爵を自称する泥棒。事業が危機にある入り婿社長のプライジング、彼の速記者フレム、余命あと僅かなクリングラインの五人による、一日半の人間模様を当時のMGMスターを豪華に配役。

元祖グランド・ホテルスタイル(さまざまな人間群像劇が最後に集約していく形式)はそれほど複雑ではなくて、宿泊客三人と外部の速記者ひとり、中途半端な立場のドクター(ルイス・ストーン)ひとりによって進められていく。

ルイス・ストーンの役が少々浮いていて、「ドクターは楽しい人ですね」というクリングライン(ライオネル・バリモア)のセリフのあとに、はじめて一緒に飲むシーンがある。

ジョーン・クロフォードがどのようにして金を稼いでいるのかも序盤のバロン(ジョン・バリモア)との会話でわかるようなのだが、でたらめ字幕のせいで(なんたって日本語が壊れているのだから、ひどいものである)自信がない。一連の版権切れ作品のDVDはしっかりした会社のものでないと字幕が信用できない。

エンディングがあっさりしているが、これは最近の面白くないくせにもったいつける作品よりはかなりよい。

『サバイビング ピカソ』

2007年09月17日 | Weblog
サバイビング ピカソ - goo 映画
よい

ジェームズ・アイヴォリー 監督
アンソニー・ホプキンス、ナターシャ・マケルホーン、ジュリアン・ムーア、ジェーン・ラポテア、ジョス・アックランド、スザンナ・ハーカー、ダイアン・ヴェノーラ
、ジョーン・プロウライト、ピーター・アイア、ジョセフ・メイハー 出演

1943年。大戦下のパリ。22歳の画学生フランソワーズ・ジロー(ナターシャ・マケルホーン)は、61歳の天才画家パヴロ・ピカソ(アンソニー・ホプキンス)と運命の出会いを果たす。

『上海の伯爵夫人』(2005)でも感じたことだが、ジェームズ・アイヴォリーはオブセッションを感じさせない監督である。この作品(1996)でもそのイメージは同じであった。そのために観る人によってはもの足りないと感じるだろうし、あっさりとした印象を受ける人もすくなくないはずである。
こだわりのない、特にいいたいことの力点のない映画はたいてい弱点となるのだが、この作品の場合は題材がピカソという強烈な個性の持ち主のために、それでもおもしろく仕上がっている。

天才とつきあったために不幸になった女性がひしめくなか、フランソワーズ(ナターシャ・マケルホーン)だけは彼を客観視することをわすれずに、自分を見失わずに生き残る。

ピカソに興味のないひとにはおすすめできないが、興味のある人は一度観ておいても損はない。秘書役の男性が好演。