中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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データサイエンティストに任せるな

2015年12月06日 | コンサルティング

データサイエンティストという職業をご存知でしょうか。「データサイエンティストの仕事は、統計学、コンピュータサイエンス、データ分析を駆使して、膨大なデータを構造化しながら整理して、企業がデータを活用したアクションを起こすために必要な情報となるように、解析結果を導き出すというもの(http://www.lifehacker.jp/)」だそうです。

もう少しわかりやすく言うならば、「主に統計学の手法を使って大量のデータを分析し、ビジネスに役立つような形で提示する仕事をしている人」です。データサイエンティストは、企画部門やマーケティングなど、ビッグデータを扱う部門にとっては今後ますます必要となる職業のように思えます。

しかし、サイエンティストという言葉は正しくないと思います。なぜならサイエンティスト(科学者)ではないからです。強いて言えば「データエンジニア」が正しい呼称でしょう。

データエンジニアは、膨大な「ビッグデータ」を濾過して有用なデータを入手し、統計分析を行って結果をわかりやすい形にまとめます。そのためには多分野にわたる知識が必要です。その点はサイエンティストと同じです。

ただし、両者はその目的が異なります。サイエンティストは、科学それ自体が目的であると言ってもよいと思いますが、エンジニアはビジネス、つまり企業の利益の確保が目的だからです。決してエンジニアがサイエンティストより下であると言っているわけではありません。「目的が違う」ということを明確にすべきだと言いたいのです。

かつてビジネスにはKKDが必要だと言われてきました。KKDとは「勘、経験、度胸」を意味しています。私が社会人になった頃(40年近く前)は、まさにモーレツ上司の元でKKDを身に付けようと皆必死になっていました。

今や多くの仕事がネット上で処理され、職場にいたモーレツ上司はほとんどいなくなりました。それどころか「上司」自体が存在感をすっかり無くしています。

私は、現代のKKDは「Knowledge, Keyboard, Data analysis」だと考えています。Knowledgeは知識ですが、ビジネスに必要な思考力を含む幅広い「脳力」を指しています。Keyboardはコンピュータ全般に関する知識やスキルです。Data analysisは先に述べたデータエンジニアとしての能力です。

これからのビジネスパーソンに必要なものは、コンピュータを駆使してデータを収集・分析し、持てる知識を使って意思決定を行う能力です。

ですから、この新しいKKDのD(Data analysis)を、「データサイエンティスト」という特殊な連中に丸投げしてはいけないと思うのです。高度な分析ならともかく、ビジネスで役に立つほとんどのデータ分析は基礎的なレベルで十分であり、自ら行うべきです。

全てのビジネスパーソンは、これからの時代を生き残っていくためにKKDを身に付けましょう!

(人材育成社)

 

 


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