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突発的な仕事にも先手は打てる

2015年08月26日 | コンサルティング

「突発的な仕事が入ったことで、予定していた通りに仕事が進まなくて困っています」、「突発的な仕事が入っても、予定が乱されることがないようにできないものかと考えて、参加しました」

これは、昨日私が担当した公開セミナー「突発的な仕事に先手を打つ!段取りビジネス整理術」の受講者が、自己紹介で話していた言葉です。

また、受講者の一人は「今朝も突発的な仕事が入ってしまい、遅くなってしまいました」とのことで、セミナーの開始時間は10時でしたが、会場に来ることができたのは、何と14時でした。

これらの言葉からは、突発的な仕事によって仕事が予定した通りに進まないことが多いことがわかります。

さて、独立行政法人労働政策研究・研修機構が今年の7月に所定外労働の発生理由について調査結果を発表しています。企業調査と労働者調査がそれぞれ行われていますが、どちらの結果も第1位は「業務の繁閑が激しいから、突発的な業務が生じやすいから」(複数回答)になっています。(企業調査64.8%、労働者調査58.5%)

先の受講者と同様に、この調査結果からも「突発的な業務」が生じることによって、所定外労働=残業が発生してしまうことがわかります。

昨日のセミナーでは、各受講者に1か月間の「予定している仕事」と「突発的な仕事」の割合を考えていただいたのですが、驚いたことに突発的な仕事の割合が一番多かった人は何と90%でした。

そして、それほど突発的な仕事が多いのにもかかわらず、それが当たり前になってしまっているのか、取り立てて問題視していない方が多いようでした。

実は、このテーマで研修を行うと、こうした突発的な仕事が多いことを特に問題とは感じていない方が必ずいらっしゃいます。

研修の中で「突発的な仕事には、どのようなものがありますか?」、「突発的な仕事を依頼してくる人は誰ですか?」と質問をしても、即答できる方は意外と少ないのが実情であるのと同時に、「突発的な仕事自体はどうにもならない」として諦めてしまっている方が多いようにも感じています。

もちろん、突発的な仕事を100%削減することは現実的には困難であるにしても、どういう人からどういう内容の依頼があるのかをきちんと記録し、分析することによってある程度傾向をつかむことができます。それに対して先手を打つきっかけとできるわけですから、私は研修やセミナーで繰り返し、この重要性を伝え続けています。

さて、先の労働政策研究・研修機構の調査では、「企業が所定外労働の削減に向けて取り組んでいること」についても調査しているのですが、その結果の1位は「実態(実際の労働時間等)の把握」、2位は「長時間労働者やその上司などに対する注意喚起や助言をする」とのことでした。

もちろん、これらのことも大切だと思うのですが、先ほどの「突発的な仕事にはどういうものがあるのか、依頼してくるのは誰か」はそれほど時間や手間をかけずに調査することができ、仕事の改善につなげられる可能性が高いわけですから、突発的な仕事で悩んでいる企業の皆さんは、先ずはここから調べてみてはどうかと思っています。

ところで、この突発的な仕事を依頼してくるのが、実は直属の上司が一番多いという声を聞くことが結構多いのです。

部下の残業時間が多いと嘆いている管理者の方がいらっしゃったら、先ず、突発的な仕事には何があるのか?を聞いてみるのと同時に、それは自分が頼んでいないかを振り返ってみる必要があるかも知れません。

(人材育成社)


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