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100%の敵も100%の味方もいない

2018年07月25日 | コンサルティング

「うちの人事はトップと仲良しかどうかで決まります。トップが野球部OBなので野球部に入っているかどうか、野球やサッカーで同じチームを応援しているかどうかで決まるんです。ある程度の規模の企業でありながら、こんなことが日常的に行われるなんて信じられないでしょうが、現実のことなんです。他の企業でもこういうことは行われているのでしょうか?」

これは、ある企業に勤めている方から伺った話です。この方が言うには、異動だけでなく、昇進・昇格でも「野球部人事」が日常的に行われているそうです。

客観的に「この人が昇格するのはおかしいのではないか」という人が、いきなり係長のポストについたり、大きな失敗をした人がお咎めを受けることなく、課長に昇格したりするそうです。

組織においては、公正で公平な評価や人事をすることは当たり前のことと考えられがちです。しかし、残念ながらこのように合理的ではない判断の基に、不公平ととらえかねない人事が行われることは決して少なくないのです。これは企業の人事だけでなく、政治の世界では昨今の報道などでわかるように、なおのことなのでしょう。

このようなことがあると、その恩恵にあずかれる人にとってはやる気につながるでしょうが、そうでない人はそれこそやる気がどんどん落ちてしまいかねません。

さらに言えば、やる気の問題のみならず、その人のキャリア形成にも大きな弊害を生じさせてしまいますから、このような行為は本来許されない行為のはずです。

このような仲良し人事、別の表現をすれば好き嫌い人事とも言えると思いますが、どうすればなくすことができるのでしょうか。

先日(7月8日)放送されたNHK大河ドラマ「西郷どん」スペシャルの第二弾では、今後ドラマ内で活躍する主要な人物の生きざまを紹介していました。

その中で知名度ナンバー2(NHKの街頭インタビューによるアンケート結果)だったのは、勝海舟でした。

番組で紹介したところによると、勝海舟は「敵が大好物。敵とか味方とか分けない。全部敵かもしれないし、全部味方かもしれない」と言っていたそうです。こうしたことから勝海舟を表現するときに「全身肝っ玉」と言う人もいたようです。

勝海舟は来る者を拒まず、誰とでも会い、自分を殺しに来た人とも腹を割って話し、その結果相手を魅了してしまったのだそうです。

この番組に出演していた歴史学者の磯田道史さんによると、勝海舟は「誰を味方にしようなどと言うから間違えるのだ。みんな敵がいい。その方が大事ができる」を主義としていたのだそうです。

後世に名を残す大事を成した人の行動および言動は、さすがとしか言いようがありません。

翻って組織を考えると、派閥や学閥などの「人の群れ」は現に存在するのですから、勝のように「敵とか味方とか分けない」ことはなかなか難しいです。

その結果として、好き嫌い人事は今後もなくなることはないのでしょう。しかし、組織のトップにいる人や人事権を持っている人は、好き嫌い人事の結果、有能で有要な人が組織を去ってしまうリスクがあることを肝に据えなければならないということです。

そして、トップが代われば、明日は我が身だということを考えておかなければなりません。

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