中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,192話 人間の多面性とは

2023年11月22日 | キャリア

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「Bさんは言いたいことがあっても抑えてしまうところがあるから・・・」

言うまでもないことですが、私たち人間は、様々な顔を持っています。一所懸命に仕事をしているときと家族と接しているときなどリラックスしているときの顔では、大きく異なる人もいるでしょう。また、オンとオフに関わらず、気の許せる人とそうでない人に見せる顔も各々違うはずです。さらには、同じ人間でも普段は穏やかにふるまっているような人でも、自分の思い通りにならないことがあると突然豹変し怒鳴ったりするような人もいて、周囲が呆気にとられてしまうようなこともあります。

さて、冒頭の言葉はある企業の研修担当者2人のうち、Aさんがもう一人のBさんを評して言った言葉です。Aさんから見たBさんは、自分の言いたいことを表に出すよりも、ぐっと抑えてしまう人という印象のようですが、普段私がBさんと接している中で持っている印象はAさんとは全く異なり、自分の考えを正々堂々と話すことができる人というものです。このようなことはよくあることなのかもしれませんが、私のBさんの印象とAさんからBさんへの印象は、まるで異なっているということです。

先日、奈良県明日香村にある橘寺を訪れる機会がありました。橘寺は、聖徳太子が生まれたとされているお寺で、今回は太子の事績を描いた聖徳太子絵伝も観ることができました。ところで、この橘寺には「二面石」という高さ1mくらいの飛鳥時代の石造物があります。二面石の名のとおり、右に善面、左に愚面が彫られていて、私たちの心の二面性を表現しているのだそうです。これが示しているように人間には様々な「顔」があり、意識するしないに関わらず、接する人によってそれを使い分けているのではないでしょうか。もちろん、人間ですから気が合う人や合わない人がいて、当然のことながら気が合う人と接しているときの方が二面石でいうところの善の面が多く表れ、その逆もまた然りということなのではないでしょうか。

私は、定期的に仕事で昇格候補者の面談を担当したり、就職試験の集団討議の面接官を担当したりすることがあります。面談では、限られた時間に候補者の経験を質問したり、管理職としてどのように活躍したいのかなどについて確認したりしています。また、集団討議の中ではメンバー同士のやりとりの様子を観察しながら、個々のコミュニケーション力やリーダーシップ等の有無を確認しています。

しかし、先述のとおり人間には様々な面があるわけです。面談や集団討議において、いわば善の面ばかりを出している候補者に、それ以外のどのような面がありそうなのかを探ることも面接官としての大切な任務だと考えています。人には様々な面があることを踏まえ、できる限り多くの面を引き出して、それを的確に評価することがその後のその人の成長にも影響する可能性があるわけですから、気を引き締めて臨まなければならないと改めて思っています。

人は、一つの面だけで理解や評価をすることはできないこと、本人ですら気づいていない別の顔をも持ち合わせているかもしれないこと、同時に他人からの働きかけや本人の意識の持ちようで、良い方向にもそうでない方向にもいかようにも変えることができる可能性も持っているということを考えると、人間とは実に奥が深い存在なのだなと改めて感じています。

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