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第1,185話 自己肯定感とはどういうことなのか

2023年10月04日 | キャリア

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「あなたが仕事において、やる気が出るのはどういうときですか。」

これは、弊社が担当させていただく若手から中堅を対象にした研修の中で、度々取り組んでいただく演習のテーマです。それに対する受講者の回答で圧倒的に多いのが、「周囲からほめられたとき」、「上司から認められたとき」です。

確かに、周囲からほめられたり認められたりすることはとても嬉しいことですので、それ自体を否定するものではありません。他者の期待に応えて、他者に褒められたり認められたりすることによってやる気になる、その結果として自分を肯定する気持ちになるということは理解できますが。しかし、一方でもし他者からの承認が得られなければやる気を出すことができないということならば、それは他者依存の状態であるということです。

諸外国と比べ、日本は自己を肯定的に捉えている者の割合が低いと言われるようになって久しいです。実際に、内閣府が平成25年度に行った日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者を対象とした意識調査においても、自己肯定感(自分自身に満足している)は45.8%であり、他の6か国の70~86%に対してかなり低い数字となっています。

それでは、近年注目されることが増えてきているこの自己肯定感とは、具体的にはどのようなことを言うのでしょうか。自己肯定感の提唱者の立命館大学の教授の高垣忠一郎氏によると、自己肯定感とは「自分が自分であって大丈夫」ということであり、「ダメなところをたくさん抱えると自分であっても、そういう自分をゆるし、あえて認めてやる」ことなのだそうです。(「高垣忠一郎(2015)「生きづらい時代と自己肯定感」新日本出版社」)

そのように考えると、他者から承認を得ることを優先するのではなく、ダメなところも含めて今のありのままの自分を受け入れられるようになると、自分に対してOKが出せるようになり、その結果として自らのやる気をも創出できるようになるということです。

最近では自ら積極的に発言することを躊躇したり、一歩前に出ることを遠慮したりしてしまうなど周囲の目や評価を気にするあまり、生きづらくなってしまっている人が少なからずいるようです。しかし、それは周囲を気にするあまり他者を優先せることになってしまい、結果的に自らを大切にしていないことになってしまうように思います。

時には他者の意見や他者からの承認に対して耳を傾けることももちろん重要なことですが、それによって自分が二の次三の次になってしまうようなことは、自分を生きていることにはなりません。まずは、日常の様々な場面の中で周りの声を気にしすぎるようにしない、自分自身のことを大切だと思って過ごしてみる、そしてダメなところを含めて自分に対して積極的にOKを出すようにしてみることから始めると、今よりも前に進みやすくなるのではないかと思うのですが、皆さんはどのように思われますか。

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