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隅田川、水門は陰の力持ち、水位観測所はひょんなことで注目が

2022年11月17日 | 土木構造物・土木遺産
隅田川を水上バスで下りるのは、橋を見るのが目的だったが、川から街並みを眺めていると、前回も少し触れたとおり、いくつもの川や掘割が川につながっていることに気付く。
隅田川下流は、江戸時代までは海だったところも多く、徳川家康が江戸に国替えになってから、埋め立てによる開発の手が加えられた場所でもある。
いわゆる海抜ゼロメートル地帯。ここでは江戸の町を支えるために栄えた海運の利便性を求め、いくつもの運河(掘割)が計画的に整備されていった。中央区の東側、江東区などの隅田川に近いところは、さいの目状に町が作られていることでも分かる。



ただ、この海抜ゼロメートル地帯の掘割は、高潮や津波といった自然災害が発生したときに、被害を甚大なものとっすることもあり、近代土木が施工されることになった関東大震災以降、防潮のための堰が設置されるようになる。
水上バスから下船後、どうしてもそれが気になり後日東京駅から近い場所の水門を訪ねようと、隅田川の方向に向かってみることにした。
目指すは中央区新川にある「亀島川水門(写真上)」。東京駅からJR京葉線で一駅の八丁堀から徒歩数分。日本橋川が隅田川に合流する部分近くに、やはり海運のために築かれた運河だろうか?亀島川という川にその水門はある。目立たない存在の土木構造物だが、いざという時には力を発揮する。



隅田川には同じような役割を持つ堰・水門が右岸・左岸に数多く存在する。隅田川にある亀島川水門・排水機場は東京都建設局の管理。湾岸部には港湾局管理の水門もある。(写真上:亀島川水門と対岸の大島川水門)
亀島川の河口には「霊岸島(れいがんじま=中央区新川、亀島川と日本橋川に囲まれた場所)水位観測所」が設置されている。明治6年(1873年)からこの場所は水位の観測点だったらしい。やはり海水の上昇などで被害であったことを教えてくれる。
こちらの観測所だが、漫画「3月のライオン」で登場し、聖地となっているとの情報。確かに何のオブジェかと思うような形をしているので、ひょんなことでこちらはスポットが当たることになったようだ。(写真下:霊岸島水位観測所とそこから見た亀島川)


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